ランドセル選びで悩んでいる人のために、
人気ブランドの「セイバン」と「土屋鞄」の2ブランドを比較しました。
セイバンの特徴は、非常に豊富でバリエーションの多いデザインで、
子どもの好みに合ったランドセルがきっと見つかります。
一方の土屋鞄は、革職人の手作りなので値段が高く、
高級感のあるランドセルを購入したい層に人気です。
それぞれ特徴のあるブランドなので、
迷っている人はぜひこの記事を読んで比較してみて下さい。
セイバンと土屋鞄の比較まとめ
セイバンと土屋鞄の主な特徴を表にしてまとめました。
ブランド全体の特徴と、ランドセルの機能の2つに分けて比較しています。
ブランド全体の比較
セイバン | 土屋鞄 | |
---|---|---|
歴史 | 1919年創業 | 1965年創業 |
価格帯 | 48,600円~91,800円 (※アウトレット除く) |
59,000円~120,000円 |
モデル | 26種類 | 11種類 |
色 | 3色~6色(※オーダーメイド除く) | 3色~12色 |
素材 | コードバン、牛革、人工皮革 | コードバン、牛革、ヌメ革、人工皮革 |
重さ | 1,130g~1,520g | 1,150g~1,500g |
修理保証 | 6年間 | 6年間 |
受賞履歴 | キッズデザイン賞 マザーズセレクション大賞 |
特になし |
ランドセルの機能比較
機能 | セイバン | 土屋鞄 |
---|---|---|
A4フラット対応 | ○ | ○ |
型くずれ防止構造 | ○ | ○ |
角部の補強革 | ○ | ○ |
反射材 | ○ | × |
立ち上がり背カン | ○「天使のはね」 | × |
左右可動式背カン | ○ | ○ |
肩ベルト形状 | ◎「3Dベルト」など | △ |
肩ベルト長調整 | 8段階 | 8段階 |
肩ベルト手縫い補強 | × | ○ |
背あて通気構造 | ○ | ○ |
背あてフィット構造 | ○「背中Wクッション」など | △ |
ナスカン&Dカン | ◎(取り外し可能) | ○ |
持ち手ハンドル | ○ | × |
錠前 | 自動 | 手動 |
デザインや機能面で比較すると、セイバンの方が種類は豊富という印象ですね。
では、それぞれのブランドについて詳しく特徴を解説します。
セイバンの特徴
セイバンはランドセル業界で1位2位を争う老舗です。
TVCMなどでの露出も多く、知名度もあります。
背負ったときにランドセルが背中にフィットする「天使のはね」が有名ですが、
それ以外にもさまざまな機能があります。
日本で1、2位を争う老舗メーカー
「天使のはね」で話題になったのはここ10年ほどなので、
あまり知らない人も多いと思いますが、
実はセイバンはランドセル業界の中ではかなりの老舗メーカーです。
創業は1919年(大正8年)と約100年も昔です。
当時は地元の漁師を相手に、
財布や鞄、キセル入れなどの製造・販売を行っていました。
その後、1945年ごろにランドセル製造工場を設立。
都市部を中心に徐々にランドセル製造のシェアを伸ばし、
現在はランドセル専門のメーカーとなっています。
ランドセルの製造を始めてからでも70年以上の歴史があります。
キッズデザイン賞やマザーズセレクション大賞を受賞
セイバンのランドセルの機能性やコンセプトは、
多くのママたちから支持されています。
2016年には、キッズデザイン賞を受賞。
キッズデザイン賞とは、
- 子どもたちが安全に暮らす
- 子どもたちが感性や創造性豊かに育つ
- 子どもを産み育てやすい社会をつくる
ことを目的として、これを満たす製品などに与えられる賞です。
また、2017年にはマザーズセレクション大賞も受賞しています。
こちらは子育て期のママたちが愛用している「モノ」や「コト」の中で、
便利さや子育てに役に立ったかどうかなどを基準として、
多くのママ達におすすめしたいものが選ばれる賞です。
機能が充実
先に挙げた比較表を見ても分かりますが、
セイバンのランドセルには数多くの独自機能が搭載されています。
天使のはね
一番の特徴はランドセルを背負ったときに軽く感じる「天使のはね」です。
肩ベルトに羽型の樹脂を内蔵することで背カン部分から肩ベルトが持ち上がり、
背負ったときにランドセルが背中に密着するようになります。
これによって重心が体の中心に近くなり、
本来の重量よりも軽く感じるという仕組みになっています。
2003年に初登場し、今では天使のはねのような立ち上がり背カンは、
子どもの負担を軽減するとして、ママ達の間で評判になっています。
3D肩ベルト
体への負担を軽減する機構はほかにもあります。
その1つが「3D肩ベルト」です。
肩ベルトを立体的な形状にすることで、
背負ったときにベルトが肩口から脇腹へ自然と密着してフィット感を高めてくれます。
同じく、肩ベルト通しのパーツにひねりをくわえた「ぴたっこ」は、
パーツが脇腹に当たらないようになっています。
そのほか一部のモデルには、
肩ベルトの下部に形状保持プレートを内蔵した「ひねピタ」を搭載。
より脇腹へのフィット感を高める工夫が仕込んであります。
前後左右反射
フィット感や使いやすさも大事ですが、安全性にも配慮して、
前後左右反射機能がついています。
肩ベルト部分、左右マチの前締めベルト、
かぶせの下部に反射材が入れてあるため、
360度どこからでも子どもがいるのが分かります。
また、ナスカンは荷物がひっかかった時のために、
一定以上の力で引っ張ると自然と外れるようになっています。
デザインが豊富
セイバンのモデル数は26種もあり、
カッコいいものから可愛いもの、シンプルで上品なものまで様々です。
親目線ではなく、子どもが見て「これが好き!」と思えるように、
ポップでかわいいデザインがたくさんあります。
女の子向けの主なシリーズとしては、
- モデルロイヤルシリーズ
- ラブピシリーズ
- 天使のはねクラシック
- CONVERSEシリーズ
天使のはねフェアリー- HOMAREシリーズ
などがあり、男の子向けの主なシリーズとしてはとしては、
- モデルロイヤルシリーズ
- ワンパシリーズ
- 天使のはねクラシック
- CONVERSEシリーズ
- PUMAシリーズ
天使のネオユニバース- HOMAREシリーズ
などがあります。
それぞれに特徴があるデザインとなっているので、
子どもと一緒に楽しみながら選ぶことができます。
ランドセルの軽さを追求
人工皮革をメインの素材として扱っているセイバンでは、
1,200g以下のモデルを多く扱っています。
最近では登下校時の荷物の多さが問題視され、
子供が背負うランドセルが7kg~8kgにもなることもあります。
背負ってみると200g程度の差でも相当違いがあるようなので、
できるだけ重さを感じないランドセルを選んであげたいですね。
軽量モデルは人工皮革のみ
ランドセルを重さで選ぶ場合、使われている素材がポイントになります。
基本的に、軽量モデルと言えるのは人工皮革のもののみです。
例えば軽いモデルが多いセイバンでも、
牛革を使用した「HOMARE」は1,490gの重量があります。
購入前にきちんと素材を確認するのがポイントです。
いつでも安心して買える
最近ではいわゆる「ラン活」の影響で、
人気モデルがすぐに売り切れてしまうなど、購入競争が激化しています。
そういう時でも安心なのが大手ブランドの特徴。
セイバンではランドセルが売り切れないよう大量生産されていて、
公式オンラインショップのほか、百貨店など様々な場所に在庫があります。
大量生産だと安っぽく感じる?
よく言われる大量生産のデメリットとして、
「安っぽくて作りがあまいのでは?」という話があります。
しかし、これは大量生産かどうかが問題なのではなく、
単純にそのブランドがしっかりと制作を行っているかという問題です。
セイバンでは、すべてのランドセルを工場で作っており、
一つ一つ職人さんがミシンで作成しています。
ミシンなので手作り感はありませんが、
丈夫で壊れにくく製作されているので、作りがあまいということはありません。
素材そのものは人工皮革が多いため、天然皮革の丈夫さにはかないませんが、
セイバンに関しては、大量生産だから壊れやすいなどの心配はいらないでしょう。
人工皮革ランドセルの中では値段が高め
いろいろな機能が充実しているため、
セイバンのランドセルは、他ブランドの人工皮革に比べるとやや高めです。
格安ブランドは抜きにしても、
人工皮革を使ったランドセルの平均価格相場は4万円~5万円台。
一方でセイバンの場合は5万円~6万円台が主流です。
豊富なデザインや機能がある分、
お値段は若干高めになってしまいますが、
その分、大手ならではの万全のアフターサポートもあります。
ランドセルは6年間長く使うものなので、
その点を考慮すれば、十分納得できる価格帯だと思います。
土屋鞄の特徴
財布や大人向けの革小物ブランドとして、
ファッション誌などで特集も組まれている土屋鞄ですが、
元々は職人2人だけのランドセル工房でした。
それだけにランドセルへの思いは強く、
今も工房系ランドセルブランドとして人気があります。
熟練した職人の手作り
土屋鞄のランドセルの特徴は、
専門の革職人による手作りという安心感です。
土屋鞄の創業者である土屋國男氏は、
鞄協会主催のコンクールで、通産局長賞、経済局長賞、都知事賞など、
数々の賞を受賞した経歴の持ち主。
また2001年度には日本鞄ハンドバック協会から、
ハンドバック・小物第1回技術検定(皮革部門)で1級技術者の認定を受けています。
まさに1級の職人が今もランドセル作りの第一線に立ち、
直接指導した職人の手で作られているのが土屋鞄のランドセル。
そのランドセルには革職人ならではのこだわりも活かされています。
要所の手縫い
ランドセルには特に負担のかかりやすい場所や壊れやすい場所があります。
例えば背カンや肩ベルトです。
土屋鞄ではそういった部分にはロウを引いた太い糸を使い、
手縫いでしっかり頑丈に仕上げています。
糸の太さにまでこだわって、弱い部分を補強しています。
人工皮革と天然皮革という素材の違いに加え、
こういった部分が「工房系は丈夫で壊れない」という評価につながっています。
錠前は手動
いまや多くのランドセルブランドが自動のワンタッチ錠前を採用していますが、
土屋鞄ではいまだに手動の錠前を採用しています。
実はこれも手動の錠前のほうが頑丈で壊れにくいから、
という理由があります。
一度壊れてしまうと、極端に使い勝手が悪くなり、安全性も確保できません。
また家では直せないため、必ず修理に出さなくてはいけない部分でもあります。
それなら日頃のちょっとした便利さよりも、
より長く安心して使えるものを選ぶというのが鞄職人のこだわりです。
シンプルで高級感のあるデザイン
他ブランドのランドセルに比べると、土屋鞄のランドセルは非常にシンプルです。
ですが、これも鞄職人ならではの目線で作られた形となっています。
人生の中でも多感で心も体も成長していく6年間、
その間に、デザインの好みが変わったりするのはよくあることです。
もし好みや体が変化しても、変わらず愛着が持てるようにとの考えが、
シンプルなデザインを採用している理由です。
素材は天然皮革がメイン
土屋鞄のラインナップの中で、
唯一人工皮革が使われている「クラリーノ・エフ ベーシック」を除き、
その他のモデルは全て天然皮革が使用されています。
皮革の選定や鞣し(なめし)なども専門の革職人が行っているため、
その分だけ価格はどうしても高くなってしまいます。
牛革モデルは7万円前後、コードバンは10万円前後となっていて、
重量も1,500g程度と重めです。
これは素材の特性上仕方のないことですが、
人工皮革のランドセルに比べて価格は高く、
重量も重たくなるという欠点があります。
工房が見学できる
土屋鞄の西新井本店は、ショップと工房が併設されているため、
ランドセル作りの現場を直接見学することができます。
目の前で職人さんがランドセルを作っている姿が見られるので、
安心感があり、はるばる北海道から見に来る人もいます。
工房見学に申し込みなどは必要ありませんが、
ランドセルの販売時期には混雑のため、
入店に時間待ちがある場合があります。
興味がある人は店舗サイトから、営業時間などを確認してください。
プレミア感はあるが品切れに注意
土屋鞄は1つ1つのランドセルを丁寧に作り上げているため、
どうしても生産数に限りがあります。
またブランドの知名度も高いため、
販売開始と同時に欲しいという人が殺到してしまいます。
欲しいと思ったら4月や5月など、かなり早い段階でラン活をはじめ、
狙ったモデルを決めておかないと手に入りません。
2017年にはあまりの人気でネットのサーバーがパンクしてしまったこともあり、
それ以降、オンラインショップではモデルごとに販売開始日を変えたりして対応しています。
直営店などで購入できる人以外は、
オンラインショップの購入方法など、事前によくチェックしておく必要があります。
まとめ
人気ブランドの「セイバン」と「土屋鞄」の違いを比較しました。
セイバンはランドセルの重さを感じさせない「天使のはね」が特徴で、
デザインも豊富なので、子どもの好みに合うランドセルが見つかるでしょう。
一方の土屋鞄は、天然皮革がメインなので重さはありますが、
シンプルなデザインで、高級感のあるランドセルを購入したい親から評価が高いです。
どちらが良いかは一概には言えませんが、
ランドセルは非常に長く使うものなので、
実際に使う子どもの意見も聞いた上で、家族みんなで選ぶのがおすすめです。
それぞれのブランドの人気モデルに関しては、
下記のページで紹介しているのでぜひ参考にしてください。
どちらも非常に人気が高いブランドなので、
6年間安心して使うことができると思います。