子どもが小学校低学年だったり兄弟に未就学児がいたりする家庭では、ランドセルに思わぬ落書きをしてしまうことがあります。
また、そのつもりはなくても、汚してしまうこともあるでしょう。今回は、そんな落書きを自宅で簡単に消す方法について紹介します。
まずはランドセルの説明書を確認
消したい落書きを見つけた時は、まずランドセルを購入した時に付いていた説明書や保証書を、よく確認してみましょう。
説明書には、そのランドセルに合わせた対処法が書かれている場合があります。
素材によってはメーカーが禁止しているお手入れ方法もあるので、しっかり確認して、素材に合わせた方法を検討しましょう。
次に持っているランドセルの保証が、落書きにどう対応しているのか確認します。
落書きは保証対象外の場合が多いですが、範囲が広い場合や薄い色のランドセルで目立つ場合などは、自宅で消すのはリスクが大きいと考えられます。
このような時は、有償での修繕依頼も検討しなければなりません。
種類別の落書きの消し方
何を使って落書きをしたのかによって、対処法は変わってきます。ここでは、種類別の落書きの消し方について、それぞれ見ていきましょう。
鉛筆
柔らかめの消しゴムを使って、優しく擦ってみましょう。ただし、目に見えない傷が付いてしまう恐れがあるため、擦る部分はなるべく範囲が狭い方が賢明です。
カッターナイフなどで消しゴムを細く削って使用すると、ピンポイントで使うことができます。
ボールペン
学校で使うような水のりがあれば、落書きの上から厚めに塗って、乾いたところを剥がす作業を数度試してみてください。
また、食器用洗剤などの中性洗剤をコットンに少量付けて拭くのも効果的でしょう。
ボールペンをうまく消せない場合や、薄い色のランドセルで目立ってしまう場合には、専用の商品を試してみましょう。
ボールペンのインクを落としやすくする液と消す液の2つの液を使うタイプが、主に販売されています。
また、ボールペン用の固い消しゴムを、傷が付かないように気を付けながら使用するのも良いでしょう。
ただし、鉛筆やボールペンなどで強く書いてしまった書き跡は、残ってしまう可能性が大きいです。
落書きを指でそっとなぞってみて、広範囲に強めの書き跡があるようなら、メーカーでの修繕を視野に入れることをおすすめします。
水性ペン
早い段階であれば、水を含ませたティッシュで拭きます。取れない場合は、薄めたベンジンを綿棒に付け、落書きをなぞって消します。
油性ペン
自宅にある調理用のサラダ油などを綿棒に染み込ませて、落書きに沿って塗っていきます。すると、油性ペンの油が浮いてくるので、それを拭き取ります。
それでも落ちない場合は、ベンジンや除光液などを使ってみましょう。
口紅
口紅は化粧品なので、クリームタイプやオイルタイプのクレンジングをコットンや綿棒に少量付けて、軽く擦ってみましょう。
仕上げには、よく拭き上げます。それでも落ちない場合は、ベンジンを使ってみるのも一つの方法です。
墨汁
一番厄介なのは、小学3年生頃から使い始める習字セットの中に入っている、墨汁です。教室でのランドセルの置き場所などによっては、墨汁で汚れる可能性もあります。
墨汁は、細かい粒子の人工炭素によって黒くなっています。この粒子が繊維の中まで入ってしまうと、簡単に落とすことができなくなります。
ベンジンなどを試してみて落ちない場合は、メーカーでの修繕を検討しましょう。薄い色の本革のランドセルだと、革製品の染め直しを扱う業者に依頼する必要もあります。
濃い目の色に染め直すと、墨汁の色を相殺させることもできるでしょう。
落書きを消すときの注意点
落書きを見つけた時や自宅で消す時には、いくつかの重要なポイントがあります。慌てて対応すると失敗の元になるので、落ち着いて対処することが大切です。
早めに対処する
ランドセルに限らず、落書きへの対応は早いほど良いです。インクなどが繊維に染み込んだり、そこに新たな汚れが付いたりすると、作業がより複雑になってしまいます。
そうなる前に、早めに対処するようにしましょう。
自宅での対処は自己責任
自宅で消す際は、すべて自己責任で行うことになります。
シミになるなど失敗して後悔しないためにも、ランドセルのベルトの影やポケットのマチの蛇腹などの目立たない部分で、一度試してから行うことをおすすめします。
慌てて処置をしたがために、かえって目立つようになってしまっては元も子もありません。十分に確認して、消し方に確信が持てる場合のみ挑戦するようにしましょう。
よく拭き取る
消す際に使用した薬剤がランドセルに残っていると、後になってシミなどの思わぬトラブルを招く恐れがあります。
作業後は、乾いた柔らかいタオルなどで優しくしっかりと拭き取りましょう。
素材に合った薬剤を使う
人工皮革のランドセルは、耐久性を上げるために表面に特殊な加工が施されています。
ここに漂白剤などの強い薬剤を使用すると、ランドセルを劣化させる原因になります。
雨などの水分が染み込みやすくなるほか、使用する薬品によっては本来あったはずの光沢が失われてしまうなど、ランドセルの見た目にも影響が出てしまう恐れがあります。
そのため、薬剤は素材に合ったものを使うようにしましょう。
メーカーでの修繕
どうしても自宅での落書き消しに不安を感じる場合は、メーカーでの修繕をお願いすることになります。メーカーでは、落書きがあるパーツを交換する場合がほとんどです。
例えば、ランドセルのフタ部分である「かぶせ」に落書きがあると、修繕期間はおよそ14日で、費用は6,000円程度になることが多いです。
依頼する時期は、夏休みなどの長期休みが適当です。しかし同じように考える家庭による修理依頼が多い時期なので、混み合うことも想定しておきましょう。
まとめ
ランドセルの素材や落書きに使ったものによって、消し方は異なります。
じっくり検討したうえで問題なくできそうであれば、不要な落書きや目立つ汚れは自宅でスッキリ落としてみましょう。