自宅にパソコンを持っていても、ちょっと調べ物をしたいときには手近にあるスマホを使う人も多いでしょう。スマホは賃貸の部屋探しをするときにも、さまざまな情報を手軽に得られる強力なお助けグッズになってくれます。何の準備もないまま不動産屋に飛び込むよりは確実に時短になるのでおすすめです。
外出不要!部屋探しの第一歩はスマホから
今は実際の不動産屋に行かなくても、スマホで賃貸情報サイトから手軽に全国各地の物件情報が見られます。そこで、部屋探しの際のスマホの活用方法や部屋探しのコツなどを紹介します。
いつでもどこでも手軽に情報収集できる!
スマホは利用する人によって、コミュニケーションツールになったり、音楽プレーヤーになったり、翻訳や辞書などの学習ツールになったり、とさまざまな機能を持っています。
カメラアプリやフリマアプリ、LINEやTwitterなど、自分好みのアプリばかりを使っている人は、調べ物はSiriなどのアシスタントアプリで行い、検索エンジンは使わない人もいるみたいです。
検索エンジンは知りたい事柄についての幅広く総合的な情報を知るために、手っ取り早い情報収集ツールになります。検索結果を眺めて、目的以外の有益な情報を得ることもあります。
賃貸の部屋探しにおいても、それこそわからない専門用語についても知ることができるため活用してみてください。
賃貸ポータルサイトの活用で相場を知る
大手の不動産仲介会社が運営管理する賃貸情報サイトは、全国規模で圧倒的な物件登録数があり、部屋探しの第一歩として物件を比較したり相場を知ったりするのに重宝します。住所や沿線の駅などから選択肢をタップするだけで物件情報の一覧が出ます。
たとえば、家賃額を先に入力すれば予算内でどんな物件に住めるか見当がつきます。また、「1LDK」「マンション」などで選ぶと、大体の家賃の相場はどんなものかが分かるなど、さまざまな利用方法が考えられそうです。
興味のある物件をタップすると、そこから賃貸物件詳細ページが見られます。物件の外観や室内の写真、近隣の施設が写真入りで紹介されているものは〇〇スーパーまで250mなどの説明も写真とともにあり、大体の雰囲気がすぐにわかります。
また、スマホで探すと、スマートフォン専用サイトが表示されますが、パソコン版を選んで見ることもできます。パソコン版からは地図アプリと連動して、駅までのルートや教育機関など周辺の主要施設などをすぐに確かめることができます。
遠くの見知らぬ土地だからこそ事前の情報収集がカギ
この土地の物価はどうなんだろうと思ったときは、周辺の大きめのスーパーの店名と○○市○○町と検索すれば、該当のスーパーがヒットし、チラシの掲載があればその中身を見られるので、その土地の食料品の物価を知ることができます。特に生鮮食費の値段が高いと他の物価も高い可能性があります。
また、一つのスーパーの物価が高くても、他に安売りのスーパーが存在する可能性もあります。ブラウザーの検索ボックスに「○○市 激安スーパー」と入力すれば、地図とともにスーパーの一覧が表示されます。スーパーの公式サイトを見ても良いし、Googleマップの航空写真で建物の外観や駐車場の台数などを確認してみると規模も分かります。
カート置き場や店構えで繁盛しているスーパーかどうかをうかがい知ることもできます。できれば安いスーパーが生活圏にあれば食生活や日用品の購入は安心ですね。医療機関がどの程度あるのかは、自治体の公式ホームページから調べられますし、転校先の学校の様子、最寄り駅の通勤通学時の電車の本数なども簡単に分かります。
このようにスマホからその土地に実際に行かなくても、ある程度の情報は簡単に調べられますから、遠方の引っ越しこそ有効活用してみましょう。
スマホアプリなら効率よく内見申し込みまでできる
チャット形式で部屋探しを手伝ってくれるスマホアプリが登場しています。チャット形式とは、メッセージアプリやLINEアプリのように、文字を入力してリアルタイムで、会話をやり取りすることです。
チャット形式のスマホアプリietty(イエッティ)
ietty(イエッティ)は、スマホを使って不動産のプロと文字のメッセージをやり取りしながら希望の物件を探してくれる無料のサービスです。
ダウンロード後、起動するとまずユーザー登録を求められますが、Yahoo! IDやメールアドレスがあれば簡単に登録ができます。名前の登録だけが必須で、他は詳細な個人情報を登録する必要はありません。その後は、不動産屋の店頭で聞かれるようなアンケートに答えるだけです。
たとえば、住み替えで物件を探すときに今の住居の不満に思う点を選択肢から選ぶと理想とする部屋探しが出来るように誘導してくれます。
希望の部屋のイメージを伝えて待つだけ!
一通りの挨拶やイエッティの使い方の簡単な紹介の後、希望に沿った物件情報が画像付きで送られてきます。タップすると詳細画面に変わり、物件の詳細情報が見られるので「内見する、気になる、内見しない」の選択肢を選びます。
紹介してくれた物件が気に入らなかったときには、どのような点が希望に合わなかったのかを伝えると、次からはその条件をクリアしたものが紹介される仕組みになっています。
選択肢を選んだり希望条件に沿った物件を案内してくれたりという流れの大半は人工知能のチャットボットで運用しているので、人間が手作業でやるより短時間でやり取りができます。
相手がチャットボットなら、希望条件がわがまますぎるのではないかとか、何度も同じやりとりをして心苦しいという遠慮はいりません。対面ではなかなか言い出しにくい条件や細かい条件にもきちんと対応してくれます。実際に対面での会話に緊張してしまう人でも、チャットなら自分のペースで考えながらゆっくりとやりとりして構いません。
最初から最後まで人工知能のボットが担当するわけではありません。物件に対する疑問点や相談など、必要なときにはオペレーターがチャットで対応してくれます。
おとり物件に引っ掛からずにすむ
このアプリの良いところは、その物件が気にいれば内見申し込みまでできてしまうことです。ということは、裏を返せば賃貸情報サイトにありがちなおとり物件は最初から登録されていないということです。
おとり物件とは、釣り物件や釣り広告と呼ばれるものと同じで、実際には募集をしていない物件なのに、その物件をおとりに釣られた客を来店に促す手口のことです。
相場より家賃が安かったり、設備が立派だったり、立地が良かったりという優良物件を紹介し、その物件に釣られて不動産屋に訪れた人には「一足違いで先に入居契約が決まってしまった。でも、今なら似たような物件でこのようなものがある」と他の物件を紹介して成約させるという流れです。
その物件が気に入って釣られたことなど構わずに契約する人もいますが、実際はそのようなやり方は景品表示法と宅地建物取引業法に違反します。また、その物件以外興味がない人には、わざわざ不動産会社を訪問する交通費や時間の無駄になってしまいます。イエッティならそのような無駄がありません。
今のところ対応エリアが狭い点に注意
ただし現在は利用できる地域が限定されています。今のところ首都圏と関西方面だけの紹介で、地域外の物件の紹介を行っていません。ダウンロードする前に注意してください。首都圏や関西の地域内で物件を探している人にとっては、とても重宝なアプリです。利用受付時間帯は、10時から23時までのため、寝る前のひととき横になりながら利用できます。
また、今すぐ引っ越しは考えていないが、いい物件が見つかれば引っ越ししたいという人にも、良い物件が見つかったときに紹介してくれるため登録しておくと便利です。ことあるごとに自分で希望条件を入力して、あちこちのエリアから目を皿のようにして目を酷使しながら物件を探す必要がありません。
いったん希望条件を登録しておくことで条件に合ったものだけを紹介してくれる仕組みのため、希望物件だけを効率よく探せます。
部屋探しのコツは不動産のプロに頼ること
たとえば通勤先や通学先にできるだけ近い物件を希望しても、利用する駅から距離が遠ければ不便です。それならもう少し離れた駅近の物件のほうが家賃も安く通勤通学もしやすいこともあります。
自分にとっての希望条件の優先順位をあれこれ考えていても、不動産のプロの意見を聞いて納得して選んだ物件は、最初に考えていた物件と似ても似つかないものだった、ということも起こります。
新年度の引越しを目指して不動産が混み合う時期などは、不動産屋に出向いても店頭の多忙ぶりが見えてしまうと、遠慮して物件に対して詳しい質問もできないこともあるようです。その点、チャットなら一人ひとりに対して十分に時間をかけて対応してもらえます。相談しているうちに優良物件に出会えた人もいるようです。
パソコンやスマホの画面を見続けてくまなく探しても、本当にこの部屋で決めてしまって良いのか確信が持てず決められないことが多いですよね。内見をすれば手っ取り早いのですが、その前に、さらに詳しい情報が聞ければ取捨選択できます。
そのチャットのやり取りの中で、「それならこのような物件もあります」、「駅の反対側ならさらに家賃が安くなります」などの自分では探し得なかった情報を得られることも多いです。
イエッティは無料の上、しつこい営業活動を行うこともないので、気軽に試してみる価値はあると思います。どれを選んで良いか分からないときや、希望条件の優先順位が決められないときも、知識と経験に沿ったアドバイスをもらえるのは良いですね。実際に面と向かって聞きにくいことや値下げ交渉も、チャットなら抵抗なくできるでしょう。