不動産の仕事に従事しているスタッフが数々の内見案内をする中で、大体1つの物件に掛ける内見時間は15分から20分程度というお客さんが大多数を占めるようです。
しかし、15分から20分という内見の時間では不十分です。本当に良いと思う物件なら時間をかけてじっくり見学をし、疑問に思うことがあれば遠慮なく質問をするようにしましょう。
チェックするポイントは、「建物全体」「室内」「周辺環境」の3つです。室内15分、建物10分、周辺環境10分というのが目安なので、最低でも1軒にかける内見時間の目安は30分ほどと考えておきましょう。
見学する順番としては、借主のこだわりが現れやすい「室内→周辺環境→建物全体」という流れがおすすめです。室内を見て借りる気がないのであれば、周辺環境や建物全体を見る必要がなくなり、時間の節約になります。
それでは、それぞれのチェック箇所を具体的に紹介していきます。
室内のチェックポイント
室内のチェックポイントはかなり多いです。その中でも絶対にやって頂きたいポイントだけを厳選します。
窓を開ける
窓は絶対に開けましょう。ベランダがあるのでしたらベランダにも出てみることです。窓を開けると、屋外の騒音や風の入り方などを確認することができます。
室内とトイレの臭い
部屋に入ったときの臭いは要チェックです。異臭がするのであれば原因を確認しておきましょう。またトイレは長年使っていないと臭いが逆流してきますので、あまりにもトイレの臭いがひどい物件は、なかなか入居者が決まらず長い期間空室になっている可能性が高いです。
収納スペース(下駄箱スペースも)
当然各部屋の収納スペースはチェックすると思いますが、下駄箱の収納スペースもチェックを忘れないでください。
携帯の電波状況
最近は、あまり地域などによって携帯の電波が悪いという物件はないのですが、構造的な問題で電波の受信が悪い物件もあります。
インターフォンの映り方
意外に見落としがちなのが、インターフォン映り方です。せっかくモニター付きインターフォンがあっても、古いものは画像が悪く使い物になりません。
エアコンの設置状況
エアコンが何台設置されているのか、エアコンがない部屋にはエアコンを付ける設置穴があるか、エアコンを家主負担で設置してもらえないか、これらを聞いておくのも重要です。
家具家電の設置スペースとコンセント位置
昔の物件だと洗濯機の設置スペースがドラム式に対応していない場合があります。家具家電の設置スペースは十分であるか、また設置予定の場所にコンセントがあるのか、なども見ておきましょう。
電圧アンペア
案外盲点になりやすいのが、電圧アンペアです。賃貸物件はアンペア数を小さくしていることが多いです。今まで住んでいる家と比べて、あまりにアンペア数が少ないのであれば注意です。
周辺環境のチェックポイント
ここでいう周辺環境とは、物件の敷地外に対するチェック項目です。
全面道路などの交通量と騒音
物件に面している道路のチェックは必須です。交通量が多ければ、毎日の出入りに支障をきたす場合もありますし、なにより交通騒音の問題もあります。
通学・通勤コースに防犯上危険なスポットがないか?
小さなお子さんをお持ちの方、女性の方は通学や通勤コースに危険なスポットがないかを把握しておきましょう。
月極め駐車場が近隣にあるか?
賃貸の場合、追加で駐車場を借りられないケースが多いので、車が2台3台とある場合は、近隣の月極め駐車場のチェックも忘れずにしておきましょう。
周りに騒音問題になりそうな箇所がないか?
繁華街の近くになると、当然のことながら夜にカラオケやお酒に酔った人々の騒音もあります。また閑静な住宅街であっても、近隣に公園などがあれば、深夜に若年層が集まる場所となるケースもあります。
建物全体のチェックポイント
あくまでも賃貸なので、建物の劣化状況などはそこまで気にする必要はありません。すでに壁が崩れかけているという物件などは問題外ですが、塗装が剥げているくらいなら、賃貸として住む上でそこまで深刻な問題とはなりません。それよりもチェックしておくべきポイントがあります。
エントランスの整理整頓
エントランスに限らず、エレベーター内やポストなどもチェックしておきましょう。ゴミの散乱や、空室のポストにチラシが大量に入ったままになっていると、管理があまり行き届いていない証拠です。
ゴミステーションの状況
ゴミステーションは絶対にチェックしてください。指定日以外にゴミが出されている場合や、ステーションまわりが散らかっているのも管理不足の可能性が高いです。
駐車場の位置
駐車場は台数が多くなると、止めづらい場所を割り振られることがあります。車の運転に慣れた方なら気にしないかもしれませんが、日常的に車に乗らない方が駐車するには厳しい場所もあります。
他の入居者
風俗店の待合所になっている物件は問題外ですが、外国人の方が多く入居している物件は、文化の違いなどから騒音やゴミ出しのマナー違反、違法駐車などにつながるケースがあるので注意が必要です。
賃貸物件1軒あたりの内見目安時間は、冒頭で30分ほどと説明しました。あまり1軒に長い時間をかけると、多くの物件を見てまわるのが辛くなるからです。
その30分という限られた時間内で、効率よく物件をチェックするのであれば、今回挙げている箇所を見てまわるのが精一杯です。
もしも気に入った物件があった場合には、別の記事「内見に行く時間帯によって見えるポイントが変わる」でも書いているように、2度3度足を運んで内見することをおすすめします。一度の内見だけで十分な箇所をチェックするのはかなり困難です。
賃貸物件を内見するときは、「室内→周辺環境→建物全体」を意識しながら先述したチェック項目を点検してみてください。そして、物件を見つけたときに、本当に自分が住みたいかどうかです。惹かれる物件であれば、何度も足を運ぶのも苦ではなくなるはずです。
もし内見に行って、気に入った物件が見つからなかったら、以下をページをチェックしてください。自分に合った安くて良い物件が見つかるかも知れません。