礼金や保証人が不要なUR賃貸物件を効率よく探すコツ

礼金や保証人が不要なUR賃貸物件を効率よく探すコツ

UR賃貸は民間の賃貸住宅とは異なるさまざまな魅力を持ち合わせています。そのため、一度入居すると長く住む人が多いため、なかなか空き物件が出にくいようです。どんなところが魅力なのか、どのような特徴があるのか、またUR賃貸を効率よく探すコツなどを紹介します。

一般の賃貸物件とは違う?UR賃貸物件とは

昔の公団住宅なら聞いたことがある人が多いのではないでしょうか。それが現在のUR賃貸住宅です。かつての日本住宅公団や住宅・都市整備公団が供給した住宅で、現在は独立行政法人の都市再生機構が管理運営を行っています。都市再生機構(Urban Renaissance Agency)を略してURと呼ばれています。

民間の賃貸とは異なる規模の大きな公団住宅

UR賃貸は、良質な住宅の供給を第一の目的としているため、設備や広さ、居住環境を重視した造りになっています。家族世帯だけではなくシニアの2人世帯や、単身者向けの間取りなど、さまざまなタイプがあります。一棟や二棟だけでなく、大規模な団地として建てられたため世帯数も多く、一つの街を形成しているところもあります。

限られた地域にしかなく空き物件数も少なめ

全国で77万戸の物件を所有していますが、すべての都道府県に必ずあるものではありません。また、入居者が一度入居すると、居住期間が長い特徴があります。それだけ住みやすいということでしょう。

そのため、住みたい地域のUR賃貸を探そうと思っても、なかなか空き物件が出てこないこともあります。申し込みも先着順や抽選などの方法があり、倍率も高めで、空き物件が見つかっても、希望者全員が入居できるわけではなく、何度もくり返し応募する人も多いようです。

UR賃貸物件のメリットは

入居倍率が高く、空き物件がなかなか出ないUR賃貸。その魅力はどの辺にあるのでしょうか。メリットを紹介します。

保証人が不要

UR賃貸は申し込み時に契約者本人の住民票の写しと所得証明書等の提出により入居資格の確認を取ることで入居審査が通ります。一般の賃貸物件の入居申し込みは、賃貸保証会社を利用する一部を除き、連帯保証人を必要とするところが多いです。

身内以外に保証人を頼むのは気を遣います。保証人の年収額が一目でわかってしまう所得証明書の提出を頭を下げて依頼するのも、気が引けるのではないでしょうか。その点、UR賃貸なら保証人が不要のため、保証人を探す手間も依頼する手間もかかりません。

入居時の初期費用が安い

民間で経営する賃貸住宅では一般的に入居時の初期費用が高額になります。しかし、UR賃貸では、それらの費用のうち、礼金、仲介手数料、更新料が不要になります。入居時の他にも、民間の賃貸借契約の満期ごとに必要になる更新料がかからないのも、それだけ長く住む人が多い理由ではないでしょうか。

また、何かとトラブルになりがちな退去時の原状回復にかかる費用も、UR賃貸なら安心です。貸し主は一個人ではなく、法人格の公的機関であり、あらかじめ負担区分を明確にしているため、退去時の補修費用も少額ですみます。

分譲マンション並みの広さと造り

大規模な公団住宅を建てたからには、できるだけ長い間居住できるようにしっかりとした造りの建物になっています。70年間は建物維持することを目的として、旧耐震基準の古い建物は現在の基準に合わせて補強工事を実施しています。また、ある程度古くなってきた建物に対しては、室内の大規模リニューアルを行い、最新の設備を備えるところもあります。

専有面積を広く取っているため、単身用の間取りでもバス・トイレは別、システムキッチンあり、など充実した作りになっているところも多いです。高齢者用の住宅ではバリアフリーの設計になっていたり、1階に優先的に住めるようにしたり、という配慮もあります。

緑の多い広い敷地内に棟の間隔にゆとりを持って建てられ、採光がよくどこの住居でも日当たりが良いです。旧公団住宅であるため、どこも古い建物が多いと思われがちですが、床暖房や浴室暖房乾燥機など最新の設備を誇る物件や、おしゃれな間取りのデザイナーズ物件もあります。

周辺の環境がよく生活にも便利

敷地内には公園や集会所があり、植木や花壇などの緑も多く、周辺にもスーパーや商店街、学校や医療機関、金融機関や交通機関の駅などが揃っているため、住環境としては不自由のない暮らしができます。

UR賃貸物件のデメリットは

メリットの多いUR賃貸ですが、人によってはデメリットと感じる部分もあります。考えられることとしては以下のようなことが挙げられます。

新築物件や空き物件が少ない

新築物件は入居可能日の2~3か月前に入居者募集が行われますが、なかなか見つけることが難しいです。新たに広大な土地を買って新築するというよりも、建て替えのため新しく建設した物件となるため、入居者の募集は優先的に前居住者を対象に斡旋しています。

新しい入居者へは、残った住戸分の募集となるため、新築物件の競争率はかなり高いです。既存の団地の空き物件も、なかなかタイミングよく見つからないため、先着順や抽選などの方法を取っています。

民間に比べ家賃が高い傾向がある

建物の住居の質や周辺の環境敷地内の駐車場の確保など、どれも優れているのですが、そのため一般の物件よりも割高に感じる人もいるようです。

入居条件を満たしていないと入居ができない

保証人が不要のため、入居審査を厳しいと感じる人もいます。希望物件の家賃の4倍程度の収入を目安としているため、それよりも所得が下回り、基準の貯蓄額に満たなければ入居できません。

単身用の住居には親族との同居はできない、ハウスシェァリングが認められていない住居では親族以外の人とは住めないなどの制約を設けている物件もあります。しかし、母子世帯、高齢者、障がい者など、収入の基準を満たしていなくても申し込みできる場合もあります。

UR賃貸はメリットが多く、周辺に教育機関や医療機関、商業施設などが揃っているため、特に子育て世代や高齢者などに人気があるのもうなずけますが、UR賃貸の入居条件がわかりにくいと感じる人は多いようです。