ロフト付き物件の住み心地とメリット・デメリット

ロフト付き物件の住み心地とメリット・デメリット

ロフトは部屋の一部を二層にしスペースを設けてある部分のことです。建築基準法ではひとつの居室としては認められていないため、不動産の表記としては部屋数には含まれません。建築基準法では部屋と認められなくても、使用する本人には利用の制限があるわけではありません。

書斎にしたり物置にしたり寝室にしたり、使う本人のライフスタイルに合わせた使い方ができます。そんなロフト付き物件について、住み心地やメリット、デメリットなどを紹介します。

ロフト付き物件の住み心地は?

ロフト付き、というと日本家屋とは違いおしゃれなイメージがあります。実際の住み心地はどんな感じでしょうか。狭い面積スペースの物件でも天井が高いため、広々とした開放感があります。家の中にハシゴと屋根裏部屋があることにより、秘密基地があるようで子どもの頃隠れ家や冒険ものにワクワクした思い出のある人は生活が楽しめるようです。

下からは見えないプライベート空間を作り上げることができるため、下の居住空間とガラッと変えた仕様にして、一部屋なのに上と下の雰囲気が変えられるお得感があります。二部屋の物件で部屋を分けても、ドアを開けてしまえば見られてしまう危険もありますが、ロフトの場合はハシゴが移動できるため、外してしまえば訪問者に見られる心配がありません。

突然の来訪者があっても、散らかったものをまとめてロフトに仮置きすることができ、下の居住空間はいつも整理されているようにカモフラージュすることもできます。このようにロフト部分を有効活用できればいいのですが、あまり利用しない場合はデッドスペースになってしまう危険性もあります。

ロフト付き物件はこんな人におすすめ

狭い空間が息苦しく感じる人や背の高い人には、天井が高く広い空間を感じられるロフト付き物件はおすすめです。面積の広い部屋を選ぶと家賃が高くなってしまうため、ロフト付き物件は安い家賃で広さを感じられるため、そのような人には人気があります。

生活に必要な荷物を狭い一部屋に詰め込んだのでは、おしゃれな空間とはほど遠いですが、ロフトに分けておくことにより下の居住スペースを広々とスッキリした空間で快適に過ごすことができます。

友だちが多く来客が頻繁にある人にとっても、ロフトを寝室にすればかなりの人数も入るため問題ありません。もちろん大騒ぎをして隣人に迷惑をかけるようなことがあってはいけませんが、一人暮らしが寂しい人にはおすすめの物件です。

ロフト付き物件のメリット

賃貸情報サイトでは、こだわり条件検索でロフト付き物件を選べるようになっています。二部屋の部屋を借りると家賃も高くなるし贅沢に思えて敬遠することもありますが、ロフト付きの物件なら家賃もそう高くはならないため若者の間では人気の物件です。そんなロフト付き物件のメリットを紹介します。

面積が狭くても広さを感じられる

ロフト付きの部屋の特徴は天井の高さです。専有面積自体は他のワンルームの部屋と変わらないのに、吹き抜けのような高さがあるため、空間が広く開放感にあふれています。

狭い部屋に全ての荷物を並べると、ほとんどベッドの上だけしか落ち着けるスペースがなくなってしまい、狭さと息苦しさを感じてイライラしてしまう人もいるようですが、開放感のある部屋なら同じ面積でもそうはなりません。

ロフトを寝室にすると生活のけじめがつけられる

ロフト部分を寝室として使う場合はきっちりと寝食を分けられるのがメリットです。ワンルームでベッドも一部屋に置いていると、ベッドの上でくつろぐ時間が長くなり、ついつい布団に潜り込んで時間を過ごすことが多くなってしまう人もいるようです。

休日に予定がないと着替えもせず一日中ベッドでゴロゴロしてしまうことも考えられます。また部屋の面積が狭くなってしまうためいろいろなものがあふれ散らかり、結局はベッドの上が居場所になってしまうかもしれません。

そんな時にロフトがあれば、起きたら下におりるため一日中ダラダラゴロゴロという生活にはなりにくいです。寝る時間と起きている時間をきっちり分けることにより生活にメリハリがつき、規則正しい生活を送るための第一歩となるでしょう。

収納スペースに入らない大きな荷物がある人にも

サーフィンやスノーボードやスキーなど、かさばる大きな荷物が多い人もロフトに収めることで部屋を広々と使うことができます。

部活動やサークルで必要なものや、趣味のスポーツグッズ、細々としてどう整理して良いかわからないようなものも、見た目を気にせず安心して置いておくことができるので、片付けベタの人でも、とりあえず居住空間はきれいにして生活ができるメリットがあります。

女性は特にプライベート空間を分けられて便利

友だちが訪ねて来た時にもベッドを見られずにすみますし、ベッドがないぶん部屋を広く使えてテーブルを両方から囲んで何人かで食事をすることもできます。見られて恥ずかしい趣味のものや、室内干しをしていた下着などもさっとロフトに避難させることができます。

散らかっている時に突然の来訪者がきても、嫌な顔をせずに優しく迎え入れてあげることができますよ。

ロフト付き物件のデメリット

ロフトの便利な面は十分わかっているし良いと思っているけれど、こういうところが使い勝手が悪い、もっとこうなら良いのに、とデメリットに感じる部分もあるようです。

天井が高く空間が広いことによる空調の効きの悪さ

天井までの高さがあり空間が広く開放感があるのが良いというのがメリットになる反面、それが季節によりデメリットになってしまいます。夏や冬などエアコンの出番の時期になるとそれが顕著です。

暖かい空気は上に、冷たい空気は下に溜まります。真夏や真冬になるとロフトと居住スペースの下の部分ではかなりの温度差があります。最上階のロフト部分は屋根が近いため熱気が伝わり、換気ができないとロフトがかなり高温になります。

エアコンをフル稼働させても涼しい空気は下に集まることになり、なかなかロフトまで涼しくならないようです。そこにコンセントでもあり扇風機やサーキュレーターなどで空気を循環できるならまだしも、真夏は寝苦しくロフトで寝られないため下に布団をおろして凌ぐ人もいます。

部屋全体の温度を適温にするためには、普通のワンルームよりはかなりの時間がかかりますし、強いパワーで長時間運転し続けることになるため電気代も高額になることは覚悟しましょう。

冬も広い空間を温めるのに時間がかかり、朝は部屋が温まらないと布団から出られない人は、起床時間よりもかなり早いうちにエアコンをタイマー運転させなければ厳しいでしょう。冬は暖かい空気が上に溜まってしまうため下の居住スペースが寒いです。

扇風機やサーキュレーターを併用して空気を室内で循環させ、こたつや温風ヒーターなどの暖房器具を併用することも検討しましょう。

ハシゴの昇り降りが面倒に感じる

ロフトへの昇り降りが必ずハシゴを使うことになるため、慌てている時やお酒が入っている時などは気をつけなければいけません。上にスマホを置きっぱなしだったとか、目覚まし時計のアラームが鳴ってしまったとか、寝る時も玄関の鍵をかけ忘れたり、電気のスイッチの切り忘れなどのたびに、いちいちハシゴを昇り降りしなければなりません。

大きく重たいものを上げ下ろしするのが危険

荷物をたくさん収納できるのは良いのですが、あまりに重くかさばるものは一人でハシゴを使って上げ下ろしするにも危険を伴います。また中途半端な高さしかないため身長の高い人はかなり背を曲げて腰をかがめた状態でものを持つことになります。

腰が痛くなり伸ばそうとして、うっかり頭をぶつけることもあるので注意しましょう。ロフトを寝室として使う場合は、布団をハシゴで上げ下ろししてベランダに天日干しすることは面倒になってしまうのではないでしょうか。

湿気がこもった布団を長い間敷きっぱなしにしておくと、床にカビが生えることもあります。また湿気を吸った布団は寝心地も悪く傷みも心配なので、外に干すのが面倒な場合は布団乾燥機を使用するなどして衛生面にも気を付けなければなりません。

階上の音が気になることがある

フローリングの床材の材質や物件の構造にもよりますが、一階のロフトだと、上の階に住む人の足音が近くで響いて聞こえてくるということもあるようです。クッションフロアなどの柔らかいものなら音が軽減できますが、安いフローリングを使用していれば音が響いてしまいます。これから寝ようとしている頭上で物音や足音がすれば気になるかもしれません。

まとめ

ロフト部分をベッドとして使用せず、下の居住スペースにベッドを置くにしても、細々とした雑多なものはロフトに収納しておくことができます。あまり使う頻度のないものはロフトに収納することで、スッキリした部屋になります。

ロフトといってもいろいろな間取りがあり、屋根裏部屋のような造りや、階段付きの中二階のような造りのものもあります。明かり取りの窓が付いていてコンセントがあれば書斎がわりに使えるところもあり、住む階や造りによりデメリットが気にならない場合もあります。

しかし、寒がりで暑がりな人ならエアコンの効きが悪いことは否めません。トータルの年間の電気使用量を考えると、光熱費のそうかからないグレードの高いほかの物件を借りられたということもあるため、よく考えて選びましょう。