ペット可や楽器が弾ける賃貸物件を効率よく探すコツ

ペット可や楽器が弾ける賃貸物件を効率よく探すコツ

ペットの飼育や楽器演奏が禁止されている賃貸物件は多いです。室内に臭いが付いたり、壁や床を傷めるおそれがある他、鳴き声や楽器の練習音がうるさいという理由からです。ペット飼育や楽器演奏に特化した専用のマンションもありますが、数が少なく、家賃も周辺相場より高いことがほとんどです。

しかし、専用の物件でなくても「ペット相談可」や「楽器相談可」というところを見かけることはあります。それらの物件を効率よく探すコツについて紹介します。

ペット可の賃貸物件の特徴と注意点は?

ペット可の物件は大きく分けて二種類に分かれます。一つは、犬用の足の洗い場や、ドアや壁にくぐり戸が設けられている、敷地内にドッグランなどがある、などの本格的なペット共生型のマンションです。

そのような物件なら、住人も動物好きが多く、何かあってもお互いさまで理解があるため、ペットと一緒に暮らしても安心できるでしょう。ただし、家賃は全般的に高いです。

二つ目は、普通の賃貸物件をペット可としているケースです。そこでは、必ずしも入居者全員がペットを飼って住んでいるわけではないため、生活する上では色々な配慮が必要です。以下に詳しく解説します。

家賃相場が高めで敷金も多めに預ける

一般の賃貸物件を「ペット可」として貸し出す場合は、通常決められた敷金の額よりも、1か月分上乗せして敷金を3か月分預かるところが多いです。

普段から動物と一緒に生活をしているとなかなか気づきにくいのですが、室内で飼う動物の臭いは壁紙などに徐々に染み込んでいきます。退去の際には、壁紙交換や消臭処理が必要なため、その費用として通常より多く敷金を預かるわけです。

「ペット相談可」どこまで相談して良いの?

「ペット可」、「ペット相談可」の記載があっても、場合によっては断られることがあることも覚悟しましょう。築年数が古く、あちこち傷が目立つような物件では、犬でも猫でも好きに飼って構いませんよ、ということもあります。

しかし、築浅の物件だと、小型の室内犬は良くても、猫はNGとしていることがあります。うちの猫は決められた場所でしか爪とぎをしません、と主張しても認められないことが多いです。そう言った手前、もし傷を付けてしまったら、かなりの修繕費用が請求されてしまうかもしれません。そこまでのリスクを負って無理に住む必要はないでしょう。

乳幼児が多く住む家族世帯用のマンションでは、大型犬の飼育を禁止しているところもあります。散歩に連れ出すにもエレベーターなどで出会ったときに恐怖を感じる子どももいるためです。

いくらおとなしい犬でも、子どもが変にちょっかいを出して逆上することがないとも限りません。犬種で決めるのか、体長で判断するのかはそれぞれですが、ペットの体長や体重、年齢、性別、既往症、予防接種など詳しく聞かれれば、正しく申告しましょう。

全入居者がペットを飼っているわけではない

上でも説明した通り、住んでいる入居者全員が動物好きではないことを思いやらなければなりません。エレベーターで乗り合わせたときにも、あからさまに不快な顔をする人もいるようです。共用スペースではキャリーバッグやケースに入れる必要があるのかなどの規約も確かめておきましょう。

種類によっては飼育禁止の場合も?

危険動物と呼ばれるペットは、万一逃げ出してしまったときは住人に危険が及びます。また、犬や猫でも一匹なら良くても、二匹三匹が認められないこともあります。ペットの種類や、飼育数により条件が変わることもあり得ます。

入居したあとでトラブルにならないためにも、ペットの特徴を知ってもらうため事前によく相談することが大切です。

ペット可・ペット相談可の賃貸物件の探し方

少子化や結婚をしない男女が多い現代では、単身や新婚家庭、高齢者の2人世帯などでも、ペットに癒やしを求める人が増えています。空き物件は多いのにどこにも住むことができないのでは、貸し主も借り主にとってもメリットはありません。

そんな背景もあり、一般賃貸でも条件付きで「ペット相談可」として入居者募集をしているところはあります。そんな物件を探すコツを紹介します。

優先順位を間違えないこと

ペットと離れて住むことが考えられないなら、物件を探すときには「ペット可」物件であることが外せません。先に、予算や立地、築年数で絞ってしまうと、気に入った物件が見つかったところで、ペット禁止と言われてしまえばそれまでです。効率よく物件を探すためには、「ペット可」を最優先しなければなりません。

ペット可の物件から絞り込めば簡単

インターネット上には、さまざまな賃貸ポータルサイトがあります。そこで、条件の選択肢に「ペット可」の項目があれば、そこから絞り込んで探すことができます。

あらかじめ、ペット可の物件を集めた特集ページのあるエイブルなら、どの地域にどの程度の物件があるかを一目で把握できるため便利です。予算に合わせて相場から探すこともでき、効率よく希望の物件を探すことができるでしょう。

ペットを実際に見て入居審査されることも

貸し主によっては、実際のペットの様子を見て判断をしたい場合もあるようです。無駄吠えをしたり、知らない人を威嚇したり、落ち着き無く動き回ったりしないか、飼い主はきちんとしつけをしていそうか、などを見られることがあります。住人との間でトラブルとなりそうな懸念材料があれば、入居審査で断られてしまうことがあるかもしれません。

周辺の環境にも気を付けたい

物件を探すときは、散歩のルート、大きな公園、獣医やペットショップなど周辺の環境も見ておきましょう。公共交通機関でペットを連れて獣医に通うよりも、徒歩圏内の方が通院に便利ですし、何かあったときにかかりつけ医が近くにあれば安心です。

楽器可の賃貸物件の特徴と注意点は?

楽器店の音楽教室には小さい子どもからシニア世代対象まで、さまざまな楽器のレッスンコースがあり、幅広い年齢層で楽器演奏を楽しむ人は多いです。自宅でも気兼ねなく楽器の音を出して演奏したいと思うでしょう。賃貸物件に住む際はどんなことに気を付ければ良いのでしょうか。楽器可の物件の特徴や注意点などを説明します。

防音面がしっかりしているため家賃は高い

音楽大学近くの防音設備のしっかりとした音大生専用マンションなどは、試験やコンクールの近い学生が夜間でも練習できるように、しっかりとした防音設備が設けられている物件があります。グランドピアノが無理なく置ける広めのスペースが必要で、防音設備にお金がかかっている分、一般の物件よりは家賃がかなり高く設定されています。

楽器によっては不可の場合も

ほんの趣味程度に楽器をたしなむなら、音大生のような設備は必要ありません。一般の賃貸物件の中には「楽器相談可」としている一戸建ての物件はあります。マンションでも「楽器可」や「楽器相談可」になっている物件も見られます。

しかし、小型のアップライトピアノなら良くてもドラムは不可、電子オルガンや電子ピアノなど音量が調節できるものに限る、など楽器の特性によって認められないケースが出てくることも十分考えられます。

音量の調節ができるものか、防音防振マットを敷くなどして音量を軽減できるものなのかなど事前に説明してみましょう。

夜間の音出しは何時まで?

楽器相談可としている物件でも、夜間の音出しは何時まで、と決められていることもあります。入居規約があれば必ず確認しておきましょう。特に、音大生や仕事に楽器が必要な人にとっては大きな問題です。

楽器相談可の賃貸物件の探し方

一昔前なら、遠慮なく音出しができる楽器可の物件は、音楽大学近辺の不動産屋で探すのが定石でした。しかし、今では全国どこからでも手軽にインターネットで物件を探すことができます。

賃貸情報サイトの特集ページから効率よく探す

賃貸ポータルサイトでは、楽器演奏を楽しむ人のための「楽器相談可の賃貸物件特集」などのページがあります。ここに掲載されているのは、全てが「楽器相談可」の物件ばかりです。

ここにある物件なら、楽器演奏だけでなく、カラオケを楽しんだり、ホームシアターで映画を観たり、発声練習だって気兼ねなくできるのではないでしょうか。大きな音で音楽を聴きたい人などにもおすすめです。

音大生なら大学近くの物件が便利

音楽大学に通う学生なら、通う大学の近くにある専用物件が何かと便利でしょう。練習室が取れなくても近くに自宅があれば、通学に時間をかけずにすぐに練習することができます。他の住人も音大生なので、お互いに刺激しあい練習にも熱が入るかもしれません。

楽器の種類で選択肢が変わることも

声楽やピアノ、弦楽器や管楽器や打楽器、など楽器の種類により、音の伝わり方や演奏音や振動の伝わり方が違ってきます。音量調節のできる電子ピアノでも、隣室に接する部屋の壁にくっつけて置いたのでは、演奏するときの打鍵音が隣に響くこともあるので、壁から離して吸音材を挟むことで音を軽減できます。

電子ドラムの場合、ペダルを踏む足の振動が気になるということもありますが、1階の角部屋を選び防振マットを敷けば、かなり軽減できるのではないでしょうか。そのように、なるべく防音になるように工夫をすることで迷惑をかけずに楽器の練習をすることができます。

また、楽器可になっていても、ピアノやバイオリンは良いが、トランペットやサックスなどの管楽器はNGとされてしまうこともあるため、無条件でどの楽器でもOKではないことに気を付けましょう。

「ペット可」「楽器可」どちらの物件もまだまだ数は少なく、家賃は高いです。そんな希少物件を探すためには、あまり物件に対する条件を厳しくせずに、譲歩できるできないの優先順位を決めて、少しでも良いと思えれば早めに申し込むことです。

特に、音楽大学の新入生は早くから周辺の情報を収集しておくことを心がけましょう。