
黒川鞄の2021年度モデルは、現在のラインナップとは異なる“旧モデル(モデルチェンジ前)”にあたります。
この年は、従来の牛革・コードバンシリーズに加えて、軽量クラリーノFワイド+(プラス) が新しく登場したほか、コードバン〈艶あり〉やブライドルビッグ、長冠鞄コードバンビッグなど、プレミアムラインが大幅に拡張された年 でもあります。
また、2021年度はキャッシュレス還元事業の対象となっており、クレジット購入で5%還元が適用されるなど、購入しやすさも話題でした。
現在は全モデルが生産終了していますが、革質・耐久性・仕立ての美しさはこの頃から高く評価されており、2027年度の最新モデルにつながる重要な“過渡期のラインナップ” として参考価値の高い年度です。
このページでは、2021年度当時の全ラインナップを「価格・重さ・カラー」ごとに一覧でまとめました。
2021年度モデルのラインナップ一覧
2021年度に販売されていたモデルは以下のとおりです。
- 軽量クラリーノFワイド+(プラス)
- スムース牛革シリーズ(ワイド/ビッグ)
- シボ牛革シリーズ(ビッグ)
- コードバンシリーズ(ワイド/ビッグ/艶あり)
- ブライドルビッグ
- 長冠鞄コードバンビッグ
- 総コードバン
これらは現在の「キューブ型中心のラインナップ」になる前の世代で、牛革・コードバン・ブライドルなど、革素材のバリエーションが最も豊富だった時期です。
2027年度モデルと比較すると、形状が“ビッグタイプ(大容量・学習院型ベース)”中心である点も特徴です。
2021年度モデルの価格一覧
当時販売されていた各モデルの「価格(税込)・重さ・カラー」を一覧でまとめると以下のとおりです。
| 名称 | 税込価格 | 重さ | カラー |
|---|---|---|---|
| 軽量クラリーノFワイド+(プラス) | 63,800円 | 1,280g前後 | 8色 |
| スムース牛革 ワイド | 74,800円 | 1,480g前後 | 14色 |
| スムース牛革 ビッグ | 85,800円 | 1,580g前後 | 14色 |
| シボ牛革 ビッグ | 85,800円 | 1,580g前後 | 12色 |
| コードバン ワイド | 107,800円 | 1,580g前後 | 3色 |
| コードバン ビッグ | 129,800円 | 1,680g前後 | 14色 |
| コードバン ビッグ〈艶あり〉 | 151,800円 | 1,680g前後 | 2色 |
| ブライドル ビッグ | 151,800円 | 1,680g前後 | 1色 |
| 長冠鞄コードバン ビッグ | 173,800円 | 1,680g前後 | 2色 |
| 総コードバン | 217,800円 | 1,580g前後 | 2色 |
2021年度モデルの特徴と評価ポイント
2021年度は、黒川鞄が「素材ラインナップの幅」を最も広く展開していた年にあたります。
軽量素材から最高級革まで揃い、家庭の好みや予算に合わせて選びやすい構成でした。
ここでは、当時の評価ポイントを素材別にまとめます。
軽量クラリーノFワイド+(プラス)
- ◎ 1,280g前後と、黒川鞄では最軽量クラス
- ◎ A4フラットファイル対応のワイド型で収納力も確保
- ◎ カラー展開が豊富(8色)で男女どちらにも人気
- △ 革素材と比べると、高級感やエイジングの味わいは控えめ
黒川鞄は革製ランドセルの印象が強いですが、クラリーノの軽量モデルは「軽さを重視したい家庭」から高い支持を集めました。
スムース牛革(ワイド/ビッグ)
- ◎ 黒川鞄の定番素材。張りがあり、ツヤのある上質な見た目
- ◎ ワイドとビッグの2形状から選べる
- ◎ カラー展開が多く(14色)、選択肢が豊富
- △ 1,480〜1,580gと重量はやや重め
スムース牛革は2021年度も人気が高く、特に「ビッグ(大容量)」が好評でした。
シボ牛革(ビッグ)
- ◎ シボ(シワ)模様による高級感とキズの目立ちにくさが魅力
- ◎ カラー展開12色は当時としては豊富
- ◎ ビッグ型で収納力に優れる
- △ スムースより少し重量感がある(1,580g前後)
シボ牛革は、落ち着いた雰囲気を求める家庭に選ばれていました。
コードバン(ワイド/ビッグ/艶あり)
- ◎ 黒川鞄を象徴する素材。圧倒的な存在感と耐久性
- ◎ 艶ありモデルは希少で人気が集中
- ◎ ビッグ型はカラー14色とバリエーションが豊富
- △ 1,580〜1,680gと重量は重め
- △ 価格帯が10万円台後半へとシフトし始めた年度
特に「コードバン艶あり(ビッグ)」は早期完売しやすいシリーズでした。
ブライドルビッグ
- ◎ ブライドルレザー特有のロウ引きの質感が唯一無二
- ◎ 黒川鞄の中でも特に“硬質で重厚感のある見た目”が人気
- ◎ 1色展開でシンプル・クラシック志向の家庭に好評
- △ 重量1,680g前後で最重量クラス
長冠鞄コードバン ビッグ
- ◎ “長冠鞄”仕様のクラシカルなデザインが魅力
- ◎ 173,800円とコードバンシリーズの中でも高級ライン
- ◎ 落ち着いた2色展開
- △ 重量は1,680gでやや重め
総コードバン
- ◎ ボディ・フタともにコードバンを使用した最上級ライン
- ◎ 当時の黒川鞄で最高価格(217,800円)
- ◎ 1,580g前後で意外と軽め(ビッグ型より軽い)
- ◎ 高級ランドセルを象徴するモデルとして人気
2021年度モデルの人気カラー傾向
2021年度は「大人っぽいカラー」への人気シフトが見られた年でもあります。
- ネイビー(男女兼用で人気)
- ブラック(牛革・コードバンで圧倒的)
- ダークグリーン(シボ牛革で人気)
- ワイン(コードバンで人気)
男女問わず、落ち着いた色が支持されていました。
2021年度モデルの購入体験談(写真付きレビュー)
2021年度に黒川鞄のランドセルを購入した家庭の体験談を紹介します。
この年は軽量クラリーノFワイド+や新登場モデルが多く、選択肢が広がったのが特徴です。
写真付きレビューを通して、実際の使用感や革の風合いを確認できます。
軽量クラリーノFワイドプラス

・ランドセルの良かった点はどこですか?
- 持ち手と金具(背カン首)が両方ついている。
- 荷物がたくさん入りそう。
- 前段ポケットの容量が多そう。
- 肩ひもが工夫されており、背負いやすそう。
- キャメルでクラリーノがあった。
- 背カンが丈夫そう。
- 両側面にナスカン。
- 全体的にしっかりとした作り。
- 子供は内側のハートの模様やハートの窓。
- 内側なので、高学年になった時そこまで恥ずかしくないと思った。
・ランドセルの気になった点はどこですか?
かぶせの鋲がキラキラしているところ。それがなければ即決してた。
・ランドセルの大きさ、重さ、形などは想像通りでしたか?
荷物が入ってない状態の鞄はとても軽く感じた。大きさ形は想像通り。
・このランドセルに決めた理由を教えて下さい
- クラリーノ
→家から学校まで30分と遠いため、軽い鞄にしたかった - キャメル色
→子供の背が高く、高学年で160センチ位になりそうなので、可愛い色を避けたかった。
→子供には1年以上前からキャメル素敵!と言い続け、本人も納得の上で購入に至りました。 - 鞄が軽く、容量がたくさん入りそう。
- 持ち手と金具が両方ついている。
→持ち手は池田屋よりも丈夫そうに感じた。
→土屋は2020年から持ち手がついたが、金具はなしになった。 - 背カンの部分が池田屋よりもしっかりとした作りだった。
- 前段ポケットの容量が土屋鞄より多く、左右大きく開くラウンドポケットだった。
最終は母の判断でネット購入しました。
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※本レビューは2021年度モデルの体験談です。現在販売中のモデルは仕様の一部が変更されていますが、黒川鞄工房らしい製法と品質は継承されています。
スムース牛革ワイド

・満足度:★★★★★(5点/5点満点)
・ランドセルの良かった点はどこですか?
一番は、色が綺麗!実物を見ずにネットの画像情報だけで購入したため、届くまで不安でしたが、思っていた以上に色も質感も美しく、親子で感動しました。
ランドセルを選ぶ際、教科書を入れるメインポケットのマチが広く、大容量であることを条件としていました。
思ったとおり大容量で、思った以上に見た目がスッキリしていて、使いやすそうだと感じました。
また、選ぶ際には注目していなかった、小物を入れるサブポケットも絶妙で良かったです。
サブポケット1つと、ファスナー付きのラウンドポケット1つという構成で、種類が少ない分、どちらのサブポケットも大きくて、出し入れがしやすく、中身も一目瞭然で分かりやすく、目的に合わせて使い分けがしやすそうだと感じました。
6年間使用することから、飽きのないシンプルなランドセルが良いと思っていました。
シンプルなデザインながら、内装がハート柄だったり、背中部分がハートだったりと、見えない部分で、今の本人がときめくデザインとなっており、とても喜んでいます。
シンプルを求めていた私(母)は、当初、ハート柄は不要と考えていましたが、本人の華やぐ姿を見て、無機的すぎないランドセルを選んでよかった。と思いました。
・ランドセルの気になった点はどこですか?
強いて言えば、内装のハート柄について。娘は満足していますが、私は、もう少し高級感があったらよかったなぁ、と思っています。
でも、実際に使い始めると、この位が丁度良いのかな?選ぶときは色々気になっていたハートデザインが、実際に届いて、手に取ると、そのデザインが絶妙だったことに気づいたりしたので、この感想は変わるかもしれません。
・ランドセルの大きさ、重さ、形などは想像通りでしたか?
大容量なのに、スッキリしていて、大きさ的にも丁度良かったです。本人も、「大きいから出し入れ楽そう」と満足しています。
重さについては、コロナ禍で店舗へ行けなかったことから、実物を背負うことができず、ネットの重量情報だけを頼りに購入したため、届くまで不安でした。
購入したランドセルよりも重量表記が若干軽い他メーカーのランドセルをレンタルで試着した際、本人が「重い・・・」と言っていたため、重さについては、仕方がないと覚悟していましたが、届いたランドセルを背負った娘が、「全然重くない!軽い!」と言っていたので、杞憂で終わり、安心しました。
肩ベルトが立ち上がり、背中にフィットする「はばたくランドセル」だから、広告のとおり、実際の重量よりも体感的に軽く感じているようです。すごい機能です!
形については、シンプルだけど、丸みがあって、あたたかな印象。背中部分がハート型になっていることなど、目立たないところで、子どもがワクワクするようなデザインになっていて、既に愛着を持っています。
・このランドセルに決めた理由を教えて下さい
欲しいランドセルの条件を決めて、条件に合うランドセルを私(母)がピックアップし、その中から最終的に本人(娘)が選び、主人(父)に購入してよいか伺い、決めました。
条件としては、本人が紫色のランドセルを希望していたため、「紫色」で、私が欲しい機能だと考えていた、「立ち上がり背カン、マチが広くて大容量、できれば牛皮革、軽い、あまりデコレーションのないもの」であることとし、条件に合うランドセルを4つピックアップ。
写真を切り貼りして簡易一覧表を作成し、本人に見せ、その中から本人に選んでもらいました。(本人は、色でしか選んでいないと思われます。)
コロナ禍で、店舗を回って実際に見ることができなかったため、選び方には悔いが残ります・・・。
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※本レビューは2021年度モデルの体験談です。現在販売中のモデルは仕様の一部が変更されていますが、黒川鞄工房らしい製法と品質は継承されています。
スムース牛革ビッグ

満足度:★★★★☆(4点/5点満点)
良かった点:
- お上品で縫製の丁寧さ
- 素材の良さ
- 革の色のバリエーションだけでなく、ステッチの色のバリエーションの多さ
- リフトハンドルがある
- 工房系で最大容量
気になった点: 購入前からわかっていた事ですがやはり重さは気になります。また、注文開始日にすぐ購入しましたが届いたのは2021年1月中旬でした。
購入完了の連絡が来たあとは到着するまで工程等の連絡は一切なかったのでいつ届くのか少し不安になりました。
大きさ・重さ・形の印象: 思っていた通りの素敵なお品でした。
購入理由: 元々、土屋鞄と黒川鞄と池田屋とで悩んでいてカタログを請求しておりました。
黒川鞄の展示会が1番最初にあり、実際に手に取るまでは息子は「どれでもいい」と言っていたのですが見た瞬間に「これにする」と即決しておりました。
息子が大変気に入っていた事から決定いたしました。
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※本レビューは2021年度モデルの体験談です。現在販売中のモデルは仕様の一部が変更されていますが、黒川鞄工房らしい製法と品質は継承されています。
シボ牛革ビッグ

・ランドセルの良かった点はどこですか?
優しいキャメル色にピンクのステッチがよく合い、シンプルなデザインだが、上品な感じである。
大きな箱のようで作りがしっかりしており、容量が大きい。
・ランドセルの気になった点はどこですか?
手縫いのためか縫い幅が左右均等でない。接着剤が目に見えて残っていた。
・ランドセルの大きさ、重さ、形などは想像通りでしたか?
想像通り、多少重い。
・このランドセルに決めた理由を教えて下さい
母親。大きさ。特にサブポケットのマチが広い。ラウンドポケットが良い。
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※本レビューは2021年度モデルの体験談です。現在販売中のモデルは仕様の一部が変更されていますが、黒川鞄工房らしい製法と品質は継承されています。
2027年度モデルとの違い
2027年度の最新モデルと比較したときの、2021年度ならではのポイントは以下です。
- ◎ 形状が“ビッグ型(学習院型ベース)”中心で、キューブ型普及前のラインナップである
- ◎ 牛革・コードバン・ブライドルなど本革系のバリエーションが現在よりも豊富
- ◎ シリーズによっては、現行よりカラー展開が多く、個性的な色を選べるモデルがあった
- △ 重量は総じて重め(約1,480〜1,680g)で、とくにコードバン・ブライドル系はしっかりとした重量感がある
- △ 塗装処理や背負い心地(背カン・肩ベルトの仕様)は、2027年度モデルの方がアップデートされている
特に、「本革・コードバンの選択肢の多さ」と「ビッグ型ならではの存在感」は、2021年度モデルならではの大きな魅力と言えます。
2021年度モデルはどんな家庭に向いていた?
- ◎ 革の質感や高級感を重視したい
- ◎ コードバンやブライドルなど、希少素材に興味がある
- ◎ 大容量(ビッグ型)の使い勝手を重視したい
- ◎ 落ち着いたクラシックデザインを好む
一方で、軽さ重視の家庭は「軽量クラリーノFワイド+(プラス)」を選ぶケースが多く、当時は“重さか革質か”で明確に選び分けが行われていました。
まとめ|2021年度モデルは“革素材の選択肢が最も豊富だった年”
2021年度の黒川鞄は、革素材の種類・カラー・形状が最も幅広く、「本革ランドセルの醍醐味」を存分に味わえるラインナップでした。
現在はすべて廃盤ですが、最新モデル(2027年度)との違いを知るうえで参考価値が高い年度 です。
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黒川鞄ランドセルは年度ごとに仕様・価格・素材の傾向が少しずつ変わります。
比較して選びたい人は、過去年度のモデルもあわせて確認するのがおすすめです。































