親や兄弟などが他界してしまったとき、悲しみと共にやってくるのが、相続に関する問題です。相続の話をすると、多くの人がこう言います。
「ウチは相続で揉めるような財産はないから…」
しかし、実際に相続でトラブルになっている多くが、相続資産5,000万円以下のケースだそうです。相続資産5,000万円といえば、一軒家を所有しているだけでも該当してしまいます。
今回は、突然やってくる相続について、家の売却問題を考えてみたいと思います。
もし自分が突然、実家や不動産を相続することになったとき、「相続税はどのくらい払うのか」、「相続はどこに相談すればいいのか」などで戸惑わないためにも、頭の隅っこにでも記憶しておきましょう。
家や土地の相続で困るケース
家や土地を相続したときに起こる問題としては、大きく以下の2つが考えられます。
- 相続人で方向性が決まらない
- どこに相談して良いのかわからない
極端なはなし、上記の2点を明確にしておくことで、家や土地を突然相続することになったとしても、大きな問題やトラブルは起こらないはずです。
相続人で方向性が決まらない
相続した家や土地の方向性が決まらずに、相続トラブルへと発展することは良くあります。相続トラブルほど精神的につらいことはありません。
これまで仲が良かった兄弟や身内で揉めることなんて、誰でもできれば避けたいと思っているはずです。
ですが、「実家はそのまま残しておきたい」という家族もいれば、「売却して相続人で分配したい」という家族がいたり、意見がバラバラになるケースも多いです。
相続した家や土地を事業活用するも、売却して分配するにしても、相続人全員の賛同が必要なので、一人でも違う方向性を望む人がいれば、それは相続トラブルと言えます。
対処策としては、相続が発生する前に相続人全員で、もしのときの方向性を明確に決めておくこと、もしくは生前にしっかりと遺言書を作成してもらっておくことです。
方向性さえハッキリと決まっていれば、あとはそのときが来たら、しかるべき人に相談するだけで、大きなトラブルになることはありません。
どこに相談して良いのかわからない
相続時に困るのが、何をどこに相談したら良いのか明確にわからないことです。
瞬時に思いつくのは以下のような職業の人たちだと思いますが、あなたなら誰に相談しますか?
- 弁護士
- 司法書士
- 行政書士
- 税理士
- 裁判所
- 不動産会社
- 役所
どれも間違いではありませんが、実は職業ごとに相談できる内容が違います。正確には、専門の分野が違うと言った方が正しいかもしれません。弁護士ならトータル的に相談できると思うかもしれませんが、そうではありません。
職業ごとに専門分野が違っていることもあり、方向性がハッキリと決まっていれば、どの専門家に相談するのが一番ベストなのかがわかります。
例えば、売却することが明確に決まっているのであれば、不動産会社に相談すればほぼ解決できますし、相続人の誰かが住み続けることが決まっているのであれば、行政書士に相談して遺産分割協議書を作成してもらえば対処できます。
相談相手ができること出来ないことを理解しておく
それぞれの専門家の得意分野を簡単に紹介しますので、相続相談時の参考にしてください。
弁護士 | 方向性が決まらず、相続で揉めているときに相談 |
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司法書士 | 遺言書があるときや、相続放棄する場合などに相談 |
行政書士 | 相続した物件の登記などで相談 |
税理士 | 相続時に税金が発生する可能性があるときに相談 |
裁判所 | 相続で揉めているときの解決方法として利用 |
不動産会社 | 相続不動産を売却や賃貸にする場合に相談 |
役所 | 相続時の手続きを自分で済ませたいときに相談 |
上記の一覧にはありませんが、相続全般をサポートしてくれる会社もあります。
これらの会社のサポート内容は、会社によって多少違いますが、簡単にいうと相続手続きのすべてを一括サポートしてくれる会社だと思ってください。
弁護士、司法書士、行政書士、税理士などと業務提携しており、必要な事案を専門家にサポートしてもらいながら、相続手続き業務をすべて代行してくれますので、時間がない人や、どこに相談していいのかわからないという人におすすめです。
相談費用の相場
相続相談の費用ですが、これは相談する相手によって様々です。
弁護士に相談するのが一番高額になる可能性が高く、ケースによっては数十万円で利かない場合もあります。
ただ相続の相談に関しては、内容によって料金は全然違ってきますので、一概にどれくらい掛かるとは言えません。
参考程度にですが、管理人が実家を相続したとき、司法書士の方に不動産の名義変更をお願いしただけで20万円ほど掛かりました。
上記で紹介した相談サポートの場合も、相談は基本無料なのですが、正式に依頼をするようになれば、それに見合った費用を支払うことになるので注意してください。
おおよその予算額ですが、専門家に何かしらの依頼をする場合は、20万円~100万円ほどの費用が掛かると見ておくのがよろしいかと思います。
まずは自分の状況を把握して、どう進めれば問題が起きずにすむのかを考え、上にある表を見ながら不動産業者や弁護士、司法書士など、問題を解決してくれるであろう適正な分野のプロに相談するようにしましょう。