マンションを手放そうとした際、専門の「マンション買取業者(再販業者)」に依頼しようと考える人もいると思います。
買取業者に依頼すれば、なかなか買い手が見つからないマンションであっても早期に現金化できるので、築古物件などを中心にニーズが高まってきています。
しかし専門業者に売却する場合は、一般の個人へ売却する場合に比べ、相場価格がかなり安くなってしまうというデメリットもあります。
数百万程度の差が出てしまうので、どちらが自分にとって得なのかを慎重に見極めてから判断しましょう。
このページでは、買取業者を利用する際のメリット・デメリットと、おすすめの買取業者について解説します。
※今回解説するのは「マンションの買取」に関してです。一戸建ての場合は少し条件が異なってくるので、「家の買取」ページをご覧ください。
【基礎知識】一般的な売却と業者買取の違いは?
最初に「一般的なマンションの売却」と、専門業者に買い取ってもらう「マンションの業者買取」の違いを説明します。
一般的なマンションの売却では、
- 不動産業者の仲介を通して一般の個人へ売却
- 売却価格の約3%程度を仲介手数料として業者へ支払う
- 業者側はマンションをより高く売った方が儲かる
このような流れになるので、仲介する不動産業者としては、より高くマンションを売る方が自社のメリットになります。
そのため、売主であるあなたと不動産業者は、同じ目標に向かった「パートナー」と言える存在です。
一方で、マンションの業者買取を利用する場合には、
- 買取再販業者に対して直接マンションを売却
- 業者はマンションをリフォームしてから転売する
- 業者側はマンションを安く買い叩いた方が儲かる
という流れになるので、先ほどとはまったく逆で、できる限り安くマンションを買いたいと考えています。
つまりこの場合は、売主と業者の関係は、パートナーではなく「商売相手」ということになります。
この点を理解しておかないと、口が上手い不動産業者の言いなりになって、マンションを安く買い叩かれてしまう可能性があるので注意しましょう。
マンション買取の相場は7割程度
では、実際にどのくらい売却価格が安くなってしまうかというと、大まかな目安で「売却価格の65%~80%程度」が買取価格の相場です。
具体的な金額でイメージすると、
売却相場 | 買取相場 |
---|---|
3,000万円 | 1,950~2,400万円 |
2,000万円 | 1,300~1,600万円 |
1,000万円 | 650~800万円 |
このような差が出ます。
※「売却相場」が一般の個人へ売却した場合で、「買取相場」が専門業者へ買取を依頼した場合の金額です。
業者側との交渉次第で多少増減しますが、平均して7割程度の金額になってしまう(=3割値引きされてしまう)と考えておきましょう。
これが業者買取を利用する際の最大のデメリットです。
もし「急ぎじゃないから高く売りたい」と考えるなら、業者買取ではなく仲介で売った方がお得です。
その場合はこちらの「マンションを高く売るための仲介業者選び」のページでコツを解説しているので、ぜひ参考にして下さい。
マンション買取再販業者の人気ランキング
次は買取業者を使うことを前提として、マンションの買取・再販を行っている専門業者を紹介します。
過去の再販戸数などのデータをもとに、人気が高い業者をまとめたので参考にして下さい。
なお注意点として、必ずしも「上位の業者=買取金額が高い業者ではない」という点を理解しておいてください。
どの業者が高く買い取ってくれるかは、実際に査定額を比較してみないと分からないので、この後で紹介する比較サイトを使って、必ず事前に調べてから決めましょう。
ベストランド
業者名 | 株式会社ベストランド |
---|---|
住所 | 東京都港区六本木1丁目6番1号 泉ガーデンタワー |
電話番号 | 03-3588-7710 |
再販戸数 | 2,220戸 |
ウェブサイト | http://www.best-land.co.jp/ |
ベストランドは「マイランド」という中古マンションブランドで知られる中古住宅再生事業者です。
2018年度における再販戸数は2,000戸を超えており、2年連続で業界2位の実績。1位のカチタスは地方の戸建て住宅の再販がメインなので、中古マンションの再販では実質1位です。
ベストランドは平均販売価格が1,000万を切っており、広さも40㎡くらいの物件がメインなので、投資用のシングル向けマンションに強い再販業者と思われがちですが、実際には投資用と居住用の販売数はほぼ同じ比率です。
口コミ評判
30代/男性/埼玉県
シングル向けマンションを主に扱っているという評判を聞き、売却査定をしてもらった。再販後のターゲット層をかなり明確に設定しているためか、売却価格もそれなりに高く、有意義な交渉ができた。
50代/男性/東京都
子供も自立し、もう少し生活環境が良いマンションに買い替え希望。当初は一般の不動産売却を希望していたが、新居の条件にぴったりの物件がみつかったことで早急にまとまった現金が必要になり買取りへとシフトチェンジ。周辺環境はかなりいい物件でしたが、築25年という点を突かれ、こちらの希望額には届きませんでした。
大京穴吹不動産
業者名 | 株式会社大京穴吹不動産 |
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住所 | 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-19-18 オリックス千駄ヶ谷ビル |
電話番号 | 03-6367-0500 |
再販戸数 | 1,471戸 |
ウェブサイト | http://www.daikyo-anabuki.co.jp/ |
非常に有名なマンションデベロッパーで、「ライオンズ」や「サーパス」というブランドマンションを持っている大京穴吹不動産。近年はマンションの買取再販事業にもチカラを入れており、2018年度の再販戸数は1,471戸で第4位です。
注目すべき点は、再販戸数は第4位なのに対して、再販売上高ではカチタスに次ぐ業界2位である点。これは1戸あたりの販売額が高いことを表しており、高値での買取りも期待できます。
自社ブランドのマンション買取再販はもちろん、最近では他社中古マンションの買取再販事業にも力を入れています。
口コミ評判
40代/女性/京都府
ネームバリューもありますし、社員の質も高いと思いました。他の業者の中には態度が悪いところもありましたが、大京穴吹さんは安心して任せられました。
40代/男性/東京都
大手だけあってサポートやサービス、対応は良いです。ただ買取額についてはシビアという印象があるので、他と比較してから決めた方がいいと思いました。
SRE不動産(旧ソニー不動産)
業者名 | SRE不動産 |
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住所 | 東京都港区北青山3丁目1-2 青山セント・シオンビル2F |
電話番号 | 0120-213-919 |
再販戸数 | 不明 |
ウェブサイト | https://sre-realestate.com/ |
SRE不動産(旧ソニー不動産)は、マンション売却の仲介業者として非常に優秀で注目を集めている業者です。
詳細なサービス内容については、「SRE不動産の詳細ページ」で解説していますが、仲介とは別に買取事業も行っています。
仲介で売却する時と同様に、買取を行う際でもなるべく高値で買い取ることをモットーとしていて、買取業でも高い評価を得ています。
ただし、対応地域が東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、京都、奈良に限定されているのが弱点です。
この地域の物件であれば、仲介経由でもすぐに売却できる可能性が高いので、まずはこちらのページから売却の相談をした方がよいかもしれません。
口コミ評判
50代/女性/東京都
買取業者の中で大手と言われる数社に査定を出してもらいましたが、いまいちの金額ばかりだったので、セカンドオピニオンがOKというソニー不動産にも買取査定をしてもらいました。その結果、大幅にとは言えませんが、他の業者より高値の査定だったのでソニー不動産にしました。
30代/男性/東京都
投資用として購入した分譲マンションだったけど、思ったように入居者が入らず売却することになってしまった。東京の物件だったので、ソニー不動産にお願いしたけど、さすがにローン全額返済には届かなかった。
インテリックス
業者名 | 株式会社インテリックス住宅販売 |
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住所 | 東京都渋谷区渋谷2-9-11 インテリックス青山通ビル4F |
電話番号 | 0120-66-3705 |
再販戸数 | 1,472戸 |
ウェブサイト | http://www.intellex.co.jp/ |
インテリックスは、創業20年ちょっとの若い企業ですが、マンションの買取再販事業に関しては老舗といえます。
いち早く中古マンションの再販事業に目を向け、買取再販数1,000戸も早々に達成。それから10年以上にわたり、再販数1,000戸以上を維持し続けています。
これまで首都圏を中心にした取引がメインでしたが、近年は関西、東海、札幌、福岡などの地方都市にも活動拠点を広げるなど、急成長し続けている買取再販業者です。
口コミ評判
30代/女性/東京都
親から相続したマンションを買い取ってもらいました。最終的にインテリックスさんに直接買取してもらいましたが、マンションの状態によっては、、リノベーション前提の売却仲介もやってもらえるそうです。対応も明るくて相談しやすい雰囲気でした。
50代/男性/神奈川県
買取査定をお願いしましたが、首都圏から外れると少し弱いのでしょうか。さほど魅力を感じませんでした。
長谷工リアルエステート
業者名 | 株式会社長谷工リアルエステート |
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住所 | 東京都港区芝二丁目6番1号 |
電話番号 | 03-5440-5808 |
再販戸数 | 490戸 |
ウェブサイト | http://www.haseko.co.jp/hre/ |
分譲マンションの累計販売数61万戸を誇る、長谷川工務店のグループ企業です。
2012年から中古マンションの再販事業を展開、初年度120戸程度だった再販戸数も順調に業績を延ばし、2018年度は490戸と4倍近くの実績があります。
主に親会社である長谷川工務店が販売したマンションの買取りに力を入れていますが、他社の分譲マンションも買取対象として相談できます。
口コミ評判
60代/男性/神奈川県
早くに妻を亡くし一人身だったのですが、息子夫婦が同居しようと言ってくれました。新居の足しになればと思い、今回マンションを手放すことにしました。長谷工のマンションだったので真っ先に相談し、事情を話すとプラスαの買取価格を提示してくれたのでお願いすることにしました。
40代/男性/神奈川県
長谷工さんの買取保証に魅力を感じマンション売却の相談にいきました。ただよく話しを聞くと、買取保証の対象は「長谷工で買い替えをする場合」限定と言われパスしました。
スター・マイカ株式会社
業者名 | スター・マイカ株式会社 |
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住所 | 東京都港区虎ノ門四丁目3番1号城山トラストタワー28階 |
電話番号 | 03-5776-2807 |
再販戸数 | 1,236戸 |
ウェブサイト | https://sell.starmica.co.jp/ |
スター・マイカ株式会社は、常時3,400戸以上の中古マンションを保有しており、これは業界トップの実績です。
買取戸数も業界No.1(マンションのみ/2020年)です。特に賃貸中の投資マンションの買取再販を得意としており「オーナーチェンジ物件」のパイオニアとして知名度を上げています。
また築年数が古いマンションであっても、リノベーションで価値を高めて再販するので、他社よりも高い査定を期待できる業者としても知られています。
口コミ評判
50代/男性/埼玉県
母親を介護施設に入所させるため、どうしてもまとまった現金が必要になりスターマイカさんのリースバック制度を利用させてもらいました。 そのおかげで家族との思い出が詰まったマンションに今でも住み続けることができています。
40代/男性/宮城県県
両親が他界し2年以上空き家のままだった築40年を超えている古いマンションでしたが、営業さんの「古くても価値はちゃんとありますから」という言葉を聞いて売却する決心がつきました。
以上がマンションの買取を行っている不動産業者のランキングです。
このランキングは随時更新していくので業者選びの参考にしてください。
なおくり返しになりますが、「人気がある業者=買取額が高い業者」というわけではないので、勘違いしないように注意してください。
どの業者が高く買い取ってくれるかは、実際に査定を取ってみないとわからないので、次のブロックで紹介する査定サイトなどを利用して、十分に比較してから決めましょう。
買取査定額を比較する際に役立つサイト
買取業者にマンションを売る場合には、複数の業者の査定を比較することが最重要です。
なぜなら「査定額=買取金額」なので、少しでも査定が高い業者を見つけないと損をするからです。
多少手間に感じるかもしれませんが、最低でも3社以上の査定を比較してから選んだ方がよいです。
ちゃんと業者を比較したかどうかで、売却価格に100万~300万円くらいの差が出ることもあります。
買取業者を比較できるサイトはあまり多くありませんが、下記の「マンション.navi」や「いえカツLIFE」は対応しているので、業者選びの際には役に立ちます。
マンション.navi
マンション.naviは、その名の通りマンションの仲介に特化しているサイトで、業界内では老舗のサービスとしてかなり有名です。
「売却」だけではなく、専門業者による「買取」の検討も同時にできるのが特徴です。
運営歴が長いので、住友不動産販売、野村の仲介+、ピタットハウス、三井のリハウス、みずほ不動産販売など、大手の不動産業者と提携しているのはもちろんのこと、地元密着型の小さいな不動産業者にも強いのが特徴です。
全国すみずみまで網羅しているので、とにかくたくさんの業者を比較したい時には絶対に外せないサイトです。
いえカツLIFE
いえカツLIFEは、通常の仲介による売却、業者買取、リースバックの3つの売却方法に対応した無料査定サイトです。
相続や離婚などの問題で売却を急いでいる人や、金銭問題を抱えている人でも相談に乗ってくれるのが強みです。
CENTURY21やオークラや住宅、京急不動産、大京穴吹不動産などが参加しているので、安心して利用できるのも特徴。
対応エリアが1都3県(東京、神奈川、埼玉、千葉)のみなのがネックですが、買取に対応した業者を探せる数少ないサイトです。
査定を申し込む際には、備考欄に「不動産業者の買取を希望します」と書いておきましょう。その方がより早く買取業者が見つかるはずです。
注意点ですが、買取業者を探す場合、通常の売却よりも対応している業者数がかなり少なくなります。
時期によって買取業者側の忙しさも違うので、数が少なかったからといって諦めずに探し続けましょう。
査定を取るだけならたいした手間ではないので、売ることが決まったらなるべく早めに行動した方がよいと思います。
買取業者を使うことのメリット・デメリット
続いては、買取業者を使うことのメリット・デメリットや、業者を選ぶ際のコツなどを解説します。
買取業者を利用してマンションを売る場合、一般の個人に売るよりもかなりの部分で手間が省けます。
特に「現金化が早い」という点と、「売却後の瑕疵担保責任が免除される」という点は、売主にとって大きなメリットです。
一方で、すでに解説した「買取金額が安い」というデメリットもありますので、どちらが得なのか冷静に判断しましょう。
マンション買取の5つのメリット
最短だと数日で現金化できる
専門業者に買取を依頼する場合、わざわざ購入希望者を探してくる必要がないので、価格面の折り合いさえつけばすぐに売却が完了します。
平均で3日から7日ほどで売買契約が成立し、手元に現金が入ってくるのは非常に大きなメリットだと思います。
急いでマンションを売却したい場合はもちろん、「今年の○月中に売却したい」など、自分の都合に合わせた売却もできます。
引越しや転勤による売却など、スケジュール調整が必要な場合には適しています。
売却後の瑕疵担保責任(契約不適合責任)が免除される
一般的な流れで個人にマンションを売却した場合、売主は「瑕疵担保」という責任を負わなければなりません。
この瑕疵担保責任とは、売却後であっても隠れた箇所(雨漏りや配管設備など)に不具合が発覚した場合、「一定の期間内はその修繕の義務は売主にある」とするものです。
もし瑕疵担保責任の期間内に何かトラブルが見つかった場合、最悪のケースだと、売り主は修繕費として数百万円もの出費を強いられる可能性があります。
これは不動産を売却する際のもっとも大きなリスクの一つです。
しかし、買取業者に売った場合は瑕疵担保責任が免除されるので、万が一という心配がなくなります。
※2020年4月1日からは法改正により、「瑕疵担保責任」という名称から「契約不適合責任」へと変わり、売主側の責任がより大きくなります。
詳細は「中古マンション売却時の瑕疵担保責任(契約不適合責任)、危険負担とは?」のページで詳しく解説しているので、参考にして下さい。
築古物件、訳あり物件でも売却できる
この後の項目でも詳しく解説しますが、築古物件や訳あり物件など、通常の売却では買い手が見つからないマンションでも、業者なら買い取ってくれる可能性があります。
その分、買取価格は安くなってしまいますが、どうしてもマンションが売れないと悩んでいる人には適しています。
購入希望者の内覧を受ける必要がない
マンションの売却にあたって、かなり手間を取られるのが「購入希望者の内覧」です。
内覧希望が入るたびに、毎回部屋の掃除をしなければなりませんし、見知らぬ他人を自宅にあげなければならず、精神的にも負担になります。
その点、業者買取であればあまり気を使う必要はありませんし、一度見せればよいだけなので手間がかかりません。
近隣や会社の同僚に知られることなく売却できる
マンションを売却する場合、当然ですが不動産業者のホームページや雑誌などに物件の情報が掲載されます。場合によっては、今住んでいる地域の折り込みチラシにも載るかもしれません。
こうなると、自宅の売却がご近所や会社の同僚に知られてしまう可能性が高くなります。
しかし直接業者に買い取ってもらう場合はこの必要がないので、誰にも知られずにマンションを売ることができます。
デメリットは売却価格が下がること
冒頭のブロックでも解説したように、専門業者に買い取ってもらうことのデメリットは、売却価格が下がってしまうことです。
もう一度表を載せますが、目安として「通常の売却相場の65%~80%程度」の金額に下がってしまいます。
売却相場 | 買取相場 |
---|---|
3,000万円 | 1,950~2,400万円 |
2,000万円 | 1,300~1,600万円 |
1,000万円 | 650~800万円 |
※「売却相場」が一般の個人へ売却した場合で、「買取相場」が専門業者へ買取を依頼した場合の金額です。
デメリットと言えるのはこの1つだけですが、金額で考えると数百万円という大きな差になるので、これを許容できるかどうかが判断の分かれ目です。
売主にとって一番大事なのはお金だと思うので、「急いで売りたい」「訳あり物件を売りたい」などの事情がない限りは、まずは一般の流れで売却を検討した方がお得だと言えます。
できるだけ高く買い取ってもらうコツは?
もし買取業者を利用した上で、少しでも高く売りたいと思うなら、なるべくたくさんの業者を比較して、一番高いところ探すしかありません。
急いで売りたい人は面倒に思うかもしれませんが、最低でも3社以上、できれば5社程度は査定を比較して、高く買い取ってくれるところを探しましょう。
これをやるからやらないかで、100万~300万円くらいは買取金額が違ってくると思います。
その際には、先ほどおすすめした、「マンション.navi」のような比較サイトを使った方が話が有利に進められます。
買取業者はその道の「プロ」なので、買取額の値上げ交渉をしようと思ってもなかなか応じてくれませんが、比較サイト経由で査定を取っている場合、
「他のライバル業者も同時に査定をしているから、高値をつけないと買えないかも…」
という心理が働き、値上げ交渉がやりやすくなるからです。
またマンション.naviの場合、「一般個人への売却査定額」と「買取業者の査定額」の両方を調べることができるので、買取業者にうまく言いくるめられて安く買い叩かれる可能性も減ります。
一般の売却相場を知っておくことは、売主にとって大きなメリットになるので、買取業者に会う前に必ず調べておきましょう。
マンション買取に適している物件は?
専門業者に買い取ってもらった方が良い物件を一言でいうと、「普通の売却ではなかなか買い手が見つからない物件」となります。
例えば「築年数が古い物件」や「訳あり物件」、または「状態が悪くて手入れをしないと売れない物件」などが該当します。
このような物件は、普通に売ろうとしても時間や修繕費用がかかるので、買取業者に依頼する方がメリットが大きいと思います。
築年数が古い物件
築年数が古いといっても、感じ方は人それぞれだと思いますが、一般的には「築30年を超えるマンション」であれば、買取を検討してもよいかなと思います。
築年数が30年を超えていても、キレイな中古マンションはたくさんありますが、それはあくまでも目に見える表面的な部分の話で、壁の奥に隠れている部分の老朽化は避けられません。
例えば水道などの給水管や、トイレ・バスの排水管の寿命は、25年から30年だといわれています。
もし売却後に配管などの欠陥が見つかった場合は、先ほど説明した瑕疵担保責任で売主に修繕の義務が発生します。
マンションの配管設備類は複雑なので、構造によっては修繕に数百万円以上かることも珍しくありません。これは売主にとって非常に大きなリスクです。
このようなリスクを避けるための手段として、業者に買い取ってもらうという選択は有りでしょう。
築古マンションの売却に関しては、こちらの「築50年の古いマンションを売ることはできる?」のページでも解説しているので、ぜひ参考にして下さい。
過去に事件・事故があった訳あり物件
ストレートな言い方で申し訳ありませんが、過去に自殺や火災などのトラブルがあった部屋は、なかなか買い手がみつからないと思います。
例え見つかったとしても、相場よりかなり低い価格での取引となってしまうでしょう。
このような訳あり物件の場合、がんばって購入希望者を探そうと思っても、事件や事故の説明などが上手くいかずに、時間だけが過ぎてしまうケースが多いです。
それなら多少金額は安くなってしまいますが、最初から業者買取を選んだ方が、売主の精神的な負担は少ないと思います。
物件の状態がかなり悪い
例えば、「親からマンションを相続したけど、部屋の状態がかなり悪くてそのまま売ることはできない…」といった状態の物件なら、業者に買いってもらった方がお得です。
もし通常の流れで売ろうと思ったら、先に部屋の状態を回復させるためのリフォームが必要になります。
しかしリフォームに500万円かけたとしても、その500万円を売却価格にまるまる上乗せすることはまず不可能ですし、リフォームしたからといって必ず売れる保証もありません。
それなら、もともとリフォーム前提で安く買取を行っている専門業者に売った方が、売主にとってのリスクは小さいはずです。
また、最近ニュースなどでもよく聞くようになりましたが、「ゴミ屋敷」化してしまったマンションも、これに該当します。
ゴミ屋敷化しているマンションの最大の問題点は、ゴミそのものではなく、ゴミの影響で腐ったりサビたりしてしまった部分の修繕です。
自費でやろうとすると数百万円以上かかることもあるので、やはり買取業者に依頼した方が、売り主の負担は少ないでしょう。
マンション買取に関するよくある質問
住宅ローン残債が残っていても買取してくれる?
住宅ローン残債が残っている場合でも買取はしてくれます。
もし売却したお金で住宅ローンの残債が返済し切れない場合でも、買取業者側が売り主の代わりに金融機関と交渉してくれるケースもあるので、まずは相談してみましょう。
住宅ローンをずっと滞納していると競売にかけられてしまいますが、こうなると売り主にとっては非常に不利です。
もし住宅ローンを支払うのが難しくなってしまった場合には、なるべく早めに専門業者に相談して、今後のプランを検討しましょう。
買取を依頼する前にリフォームした方がいい?
マンションを手放す前のリフォームは不要です。というよりもやってはいけません。
これは個人に売却する場合でも、専門業者に買取を依頼する場合でも同じです。
理由は、「リフォームにかかる費用」の方が、「リフォームによって上がる査定額」よりも大きくなってしまうからです。
例えば、100万円かけてリフォームをしたとしても、売却時の査定で上がるのはせいぜい20万~30万円程度でしょう。
ですからリフォームはせずに、そのまま手放した方がお得というわけです。
※なお個人に売却するケースなら、部屋のクリーニングはやっておいてもいいかもしれません。
これは査定額を上げるためではなく、買い主の印象を良くするためなので、専門業者が相手の場合は不要です。
ワンルームマンションでも買い取ってくれる?
ワンルームマンションであってももちろん買い取りしてくれます。
買取専門業者はほとんどの物件に対応しているので、アパートやマンションを一棟丸ごと売りたい場合でも大丈夫です。
ただし金額に関しては立地や物件の状態によって増減するので、地方にあるワンルームマンションの場合はかなり安めになってしまうかもしれません。
(都心部に比べて需要が少ないためです)
少しでも高く売りたい場合は、ちゃんと業者を比較してから決めましょう。
東京でおすすめの買取業者はどこ?
都内の物件に関しては、やはり大手業者の方が強いイメージです。
こちらのランキングで上位の業者に査定を依頼して、どこが高いか調べてみるのがおすすめです。
特に「SRE不動産(旧ソニー不動産)」は、買取だけでなく一般の売却にも対応していて、「エージェント制度」という売り主に有利な制度を導入しています。
対応地域が東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、兵庫県、京都府、奈良県のみなのがネックですが、都内の物件であればオススメできると思います。
(エージェント制度については「SRE不動産(旧ソニー不動産)の特徴と口コミ」ページで解説しています)
買取保証サービスってどんなもの?
買取保証サービスとは、簡単に言えば「売却」と「買取」の中間をとった方法です。
まず業者側に、「直接買い取った場合の査定額」を出してもらった上で、一定期間は通常の売却を目指して個人の買い手を探してもらいます。
そのまま買い主が見つかれば高値で売却できる一方、もし期間内で買い手が見つからなかった場合でも、最初に査定した額で業者側が買い取るという制度です。
売主にとっては安心感があって有利な制度だと思います。
ただし欠点もあって、今のところまだ対応している業者が多くありません。特に地方だと探すのが難しいかもしれません。
先ほど紹介した「マンション.navi」などを使って探してみましょう。
まとめ
今回はマンションの買取業者を利用した場合のメリット・デメリットについて詳しく解説しました。
くり返しになりますが、何か特別な理由がない限りは、「業者に買い取ってもらうのは金額的に損」ということになります。
もし築古物件を売るような場合でも、時間に余裕があるならば、一旦は個人への売却を目指して、仲介業者に相談する方がよいでしょう。
※仲介業者の選び方については「マンションを高く売るコツまとめ」のページで解説しているので参考にしてください。
また、すでに買取業者を利用することを決めている場合でも、必ず複数の業者で査定を比較した上で、一番高いところを選びましょう。
買取査定を調べられるサイトはあまりないですが、「マンション.navi」であれば簡単に調べられるので便利です。
マンション.naviは日本全国ほとんどの地域をカバーしているので、地方にある物件を売りたい場合にも役に立つサービスです。
一方で東京近辺や大阪などの大都市にある物件なら、先ほど紹介した「SRE不動産(旧ソニー不動産)」もおすすめです。
地域限定(東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、京都、奈良)でしか使えないのが弱点ですが、売り主に有利な「エージェント制度」を導入しているので、有力候補の1つとして査定額を確認しておきたい業者です。
専門業者に買取を依頼するにせよ、一般の個人へ売却するにせよ、大事なのは「どの業者に依頼するか?」という点なので、しっかりと比較してから決めることをおすすめします。
マンション.navi
マンション.naviは、その名の通りマンションの仲介に特化しているサイトで、業界内では老舗のサービスとしてかなり有名です。
運営歴が長いので、住友不動産販売、野村の仲介+、ピタットハウス、三井のリハウス、みずほ不動産販売など、大手の不動産業者と提携しているのはもちろんのこと、地元密着型の小さいな不動産業者にも強いのが特徴です。
全国すみずみまで網羅しているので、とにかくたくさんの業者を比較したい時には絶対に外せないサイトです。
またマンション.naviの場合、「売却」だけではなく、専門業者による「買取」の相談や、一時的に「賃貸」として貸したい場合の相談などもできます。
大手に比べると知名度は落ちますが、訳あり物件の売却や、マンションを貸すのか売るのかで悩んだ場合には、ぜひ利用したいサイトです。
SRE不動産(旧ソニー不動産)
SRE不動産は、ソニーグループが運営する不動産サービスの一つです。一括査定とは違って、SRE不動産自体が直接売却などの相談に乗ってくれます。
最大の特徴は、「同一物件では片側だけしか仲介しない」という点です。売主にとって不利な両手仲介が発生しないので、今非常に大きな注目を集めています。(両手仲介が発生すると、百万円単位で売り主が損をする可能性があります)
今のところ東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、兵庫県、京都府、奈良県でしか利用できないのがネックですが、この地域に住んでいる売主にはかなり大きなメリットがあります。
運営元もソニーグループということで安心感があるので、都心に住んでいるなら第一候補として使いたいサービスです。