平成29年9月19日に全国の地価公示価格が発表されました。
全国的にみて商業地は外国人観光客増加の影響を受けわずかながら上昇に転じましたが、住宅地に関しては8年連続の下落となってしまいました。
東京オリンピックの開催を控え、東京など都心部では不動産価値が上昇しているそうですが、それでも全国平均すると下落傾向にあります。
つまりこの先、よほど景気が回復しないことには、日本全国の住宅地の価格上昇には繋がらないことが良くわかったと思います。
今後中古住宅や土地の売却を検討しているのであれば、不動産価値の上昇を待つのではなく、「売れるうちに売ってしまう」ことが大事になってくるのだと思います。
そこで今回は土地の売却をメインに、少しでも高く売却するためのコツだったり、売却時の費用や税金について詳しく解説していきたいと思います。
土地だけを売る場合のポイント
土地だけの売却を考えているとき、注意すべきポイントは以下の3つです。
- 土地の売却が得意な不動産業者を選ぶ
- 土地の査定は業者によって違いが出やすい
- 土地売却と測量の問題
これら3つのポイントを理解しておくことで、早期売却と高値で土地を売れる可能性が格段にアップします。
土地の売却が得意な不動産業者を選ぶ
土地だけの売却と中古住宅の売却では一番何が違うと思いますか?
それは「買う人の利用方法」です。当たり前のことなのですが、土地だけを購入する人の大半は新築住宅を建てる計画があります。
そして中古住宅を購入する人の多くが、そのままその住宅に住むことを考えている人だということです。
この2つの違いは大きいです。まったく土地の活用法が違うのですから。
何が言いたいのかというと、土地だけを高値で売りたいのであれば、新築住宅を建てるハウスメーカーや工務店などと、繋がりが深い不動産業者を選ぶのが鉄則だということです。
問題はどうやってそれを見分けるか?でしょう。別に難しく考える必要はありません。相談する不動産会社に以下の内容を直接訪ねればいいのです。
「売却を依頼した場合、HPや折込チラシで物件情報を宣伝してもらえると思いますが、それ以外に付き合いがあるハウスメーカーや工務店にも宣伝活動してもらえますか?」
それかもっと簡単な方法として、その街で一番土地売却の物件情報を抱えている不動産会社に相談することです。
実績がない不動産会社に、売り物件は集まりません。多くの土地売買情報を抱えているというのは、それだけ土地売買の実績がある不動産会社という証です。
もし自分が土地を売る側の立場だったら、厚かましく以下のようなお願いをします。「個別に宣伝してもらったハウスメーカーと工務店の一覧を提示してもらえますか?」
これは面倒なことのように思うかもしれませんが、全然面倒なことなんてありません。
以前、不動産会社で営業マンをしていたときは、これをやってました。
土地売却の媒介契約を頂いた段階で、すぐに地元のハウスメーカーや工務店にFAXやメールで物件情報を流すのです。
つまり日ごろから付き合いがあるハウスメーカーや工務店の情報は登録済みなので、その一覧表をプリントアウトするだけです。
ですがここまでやっている不動産会社というのは、ほんの一部です。ハウスメーカーの営業マンもしていたのでわかります。
いつも土地の物件情報を送ってくれる不動産業者というのは決まってました。
土地の査定は業者によって違いが出やすい
率直にいいますが中古住宅の売却査定より、土地だけの売却査定の方が難しいです。
理由は目安となる過去の売買情報が少なく、査定方法も複数あるからです。
過去の取引事例を参考にして査定額を算出する業者もあれば、固定資産税や路線価の公示価格を参考に算出する業者もあります。
自分の経験から言うと、土地というのは欲しいと思う人がいれば、どんな高値でも売れます。
しっかりと試算して、売却査定が2,000万円の土地でも、欲しい人がいれば2,500万円でも3,000万円でも売れてしまうのが土地です。
そのため過去の売買事例と公示価格から算出した売却査定では、全然金額が異なる結果になることがあります。
- A不動産2,700万円過去の取引事例を参考に算出した
- B不動産2,180万円路線価から算出した
- C不動産2,400万円地価公示価格から算出した
- D不動産3,000万円3,000万円までなら出しても良いという顧客がいた
土地の場合、このように業者によって査定額が割れるのは珍しくありません。
もし売却相談したのが2,180万円のB不動産のみであったら、D不動産の3,000万円という顧客とは出会えなかったでしょう。
ですので土地の売却時は、なるべく複数の不動産業者に相談したり、査定依頼を出すようにしてください。
そして必ずその査定額になった根拠も聞いておくようにしましょう。
土地売却と測量の問題
土地売却には2つの方法があります。
- 公簿売買
- 実測売買
公簿売買
公簿売買とは、法務局に登記されている謄本や地籍測量図などの面積を元に売買価格を決める方法のことをいいます。
例えば登記簿には200㎡と記載されていたのに、実際に土地の広さを測ってみたら180㎡しかなかったとしても、登記簿に記載されている200㎡で算出した価格で売買契約を交わすことになります。もちろんその逆もあります。
一般的な土地売買では、こちらの公簿売買が多く採用されており、売買契約書にもしっかりと「公簿売買」だと表記されています。
しかし公簿売買の意味を買主がしっかりと把握できておらず、後々マイホームを建設する段階になり建築会社が測量をしたら、実際の面積が小さいとトラブルになることも珍しくありません。
このようなトラブルを防止するには、仲介する不動産業者に対し「公簿売買の意味を買主にもしっかり説明しておいてください」と念を押しておくことです。
実測売買
売買契約締結後に、その土地の測量を実際におこない、その測量に沿って売買価格を決める方法を「実測売買」といいます。
公簿売買と違い、その土地の実際の面積を元に売買価格を決めるのでトラブルにはなりにくいのですが、売買契約までの日数が掛かったり、測量費用が発生するというデメリットがあります。
測量費も簡易的な測量、隣地立会いでの測量、官民立会いでの測量など、色んな方法があり費用もバラバラです。
もっとも高額になり時間が掛かる官民立会いの測量となれば、かなりの期間と費用を覚悟しておかなければなりません。
買主が納得してくれるのであれば、隣地所有者立会いで測量を行うか、もしくは買主と売主だけの立会いで、簡易的な現況測量にとどめておくかは自由です。
また測量費も誰が負担するとは決まっておらず、買主と売主の話し合いによって誰がどう負担するかを決めることができます。
公簿売買と実測売買のどちらを選ぶほうが得なのかというのは、一概には言えません。
売却をお願いする不動産会社の営業マンと一緒に簡易的な測量をしてみて、公簿売買と実測売買のどちらが得になるかを事前に調査しておくのも高値で売却するための作戦の1つだと言えるでしょう。
土地と家(建物)を売る場合のポイント
ここでは建物付の土地を少しでも高値で売却するコツについて話しをしたいきたいと思います。
築年数が古い建物がある場合、不動産業者によっては「建物があるより更地にした方が売れやすいですよ」と提案してくることがあります。
たしかに更地にして売れやすくなる物件も多くありますが、すべての古家付土地がそれに該当するとは言い切れません。
中には建物を残しておくことで、早期売却や高値での売却できるケースもあるので、早々に建物を解体し更地にしてしまうのは控えてください。
築年数に応じてリフォームや解体も検討する
建物の築年数に応じてリフォームや解体も視野に売却活動をすることになると思いますが、築○○年以上はリフォームや解体した方が良いという目安はありません。
その地域の需要や環境によっても違ってくると思います。
その地域で人気の住宅街であれば、古家付のままでも解体して更地の状態でも買い手はすぐに見つかる可能性が高いと思います。
しかし少しでも高値で売却しようと思ったら、やはり建物があった方が良いと思います。
逆に過疎化が進んでいるような地域だとどうでしょう。更地にしてしまったほうが良いようい思われがちですが、決してそうとは限りません。
今は古民家ブームなので、古民家での田舎暮らしを希望する買主が現れる可能性だってあります。
もしかすると某テレビ番組の影響を受け、DIYでリフォームすることを望む買主が現れる可能性だってあります。
まずは建物が残っている状態で売りに出し、その反応をみながらその後の売却計画を考えるというやり方もあると思います。
そうすることで解体費などの余計な出費を抑えることもできますし、場合によっては建物があることで少しでも高値で買ってくれるケースもあるでしょう。
建物を残しておく理由
例え新築のマイホームを建設予定の買い主であっても、建物を残しておくことで早期売却に繋がるケースがあります。
土地だけの場所に新築マイホームをイメージするのは、建築関係者でなければ至難の技です。
どれくらいの家を建てることができ、駐車場はどれくらい確保できるのか?また実際に建物があったほうが日当たりや隣家との距離をイメージしやすいケースもあります。
このように例え築年数が古い場合でも、建物を残しておくことで早期売却のサポートをしてくれることがありますので、建物が古すぎて悪い印象を与えるという場合でなければ、まずは建物を残した状態で売りにだしてみることをおすすめします。
また交渉次第では、解体費用を買主側が半分程度負担してくれる可能性もあります。
一度解体してしまうと、新たに建物を建築できない地域もある
市街化調整区域や農業推進地域など、一度現況の建物を解体してしまうと、新たな建物を建築することが許可されない地域というのもあります。
また現行の建築法では、新たに建物を建てることができない土地もあります。
このような地域の土地では、建物を解体すると建てられなくなるので、絶対に解体してはいけません。
建物が残っていれば、柱1本残してフルリフォームすることもできるのです。
今は新築そっくりにリフォームできる商品もあるので、柱が1本でも残っていれば新築扱いではなく、リフォーム扱いとして買主が新築同様にリフォームすることができます。
建物が有るのと無いのでは固定資産税が違ってくる
建物を残しておくメリットの1つに「固定資産税の優遇」があります。
建物がある場合、その土地と建物の固定資産税を6分の1に軽減されている可能性が高いです。
しかし建物がないと土地の固定資産税が6分の1の軽減措置を受けることができなくなり、これまでより6倍ほど高い固定資産税を納めなければならなくなります。
早期売却できるのであれば大きな問題ではありませんが、もし買い手が1年、2年と現れないのであれば、売主にとって固定資産税の増額はかなり大きな負担になりかねません。
これまで土地の固定資産税として毎年7万円払っていたのが、6倍の42万円になることを考えただけでも恐ろしいです。
リフォーム、リノベーション物件として売り出す場合
ちょっと築年数が経過しているような古家付のまま、少しでも高値で売却する方法としておすすめなのが、リフォームやリノベーション物件として売りに出す方法です。
といっても実際にリフォームしたり、リノベーションをするのではなく、あくまでもリフォームやリノベーションのプランを購入希望者に提案するというやり方になります。
不動産会社でも良いですし、最寄のリフォーム会社でもいいので、リフォームしたときの費用やリノベーションしたときの費用概算を作ってもらっておくのです。
もちろんリノベーションしたときのイメージ画像を3D画像などで作ってもらっておくほうが、より効果的だと思います。
それらのイメージ図や概算見積書を購入希望者に見せることで、どれくらいの費用でどこまでのリフォームができるのかを検討してもらうことができます。
リフォーム会社もこのような事情であれば、快く引き受けてくれると思います。もちろん購入希望者には、なるべくその見積もりの業者でリフォームすることを薦めてあげるのがマナーです。
高く売るコツは不動産価値を冷静に判断すること
これは建物付物件でも更地の土地だけでも同じことなのですが、まずは自分の不動産物件の価値を冷静に判断することが、早期売却や高値売却に繋げるための第一歩だと考えてます。
皆さん同じなのですが、自分の不動産物件だけは特別だと勘違いされがちです。
ここは環境が良いから住みやすい、角地だから日当たりが良い、地盤の質が良い、学校や病院がすぐ近くにあるなど、良い面ばかりを見てしまいがちです。
前面道路の道幅が狭い、交通量が多く車の出入りが面倒、近くに公園があり不良のたまり場になっているなど、悪い側面も同じくらい多い物件なのかもしれません。
ただ良い面だけに目を向けるのではなく、冷静に自分の不動産価値を見極めることが大事だと思います。
物件価値を知ることで、媒介契約内容も違ってくる
そしてここからがポイントなのですが、本当に人気がある物件(土地)なら、その物件は一般媒介契約で複数の不動産会社に売却依頼をした方が高値で売れる可能性が高いです。
逆に過剰評価しているような物件であれば、専任媒介契約や専属専任媒介契約をして、より販促活動にチカラを入れてもらうほうが早期売却に繋がる可能性が高いと思います。
一般媒介契約であれば、それだけ多くの購入希望者の目に届きますし、専任媒介契約であれば一般媒介契約ではできないような宣伝活動までやってくれることを期待できます。
なお、「すまいステップ」では、土地や戸建てなどの不動産を無料で一括査定することができます。
年間利用者が200万を超える信頼性の高いサイトなので、気になる人はチェックしてみてください。
土地を売る際にかかる費用
土地を売却する際に、どのような費用が掛かるのかを知っておくことも大事です。
土地だけで売却する場合と、建物が残っている状態で売却する場合でも違ってくるので、どのような費用が掛かるのか知っておくようにしましょう。
仲介手数料
一般的には売却価格の3%+6万円+消費税となります。1,000万円で売却した場合の仲介手数料の上限は388,800円となります。
測量費
土地の面積を測量するときに掛かる費用です。測量方法により費用は大きく異なるので、しっかりと金額を確認しておきましょう
造成費用
すでに建物が建っている状態であれば掛かりませんが、現況が畑や田んぼの土地を売却するのであれば宅地にするための造成費用も考えておかなければなりません。
解体費用
古家や倉庫がある場合など、それらの解体費用が掛かります。解体費用は基本売主負担ですが、話し合いにより買主に半額程度負担してもらえるケースもあります。
リフォーム費用
リフォームするかしないかは売主の自由です。リフォームした方が売れやすいと考えるのであれば、多少のリフォーム費用は覚悟しておく必要があります。
ハウスクリーニングやクロスの張り替えなど
買主が現況のままその建物に住む予定であれば、リフォームとまでは言わなくてもハウスクリーニングやクロス、畳や襖の張り替えを済ませて引き渡すのはマナーです。
宣伝広告、オープンハウスなどの追加費用
なかなか買い手が見つからない場合、売却を依頼している不動産業者にお願いしてオープンハウスや新聞折込チラシを入れてもらえることがあります。
しかし通常の販促活動以上のことを求めるのであれば、それに見合った対価を支払うことになります。
各種税金
不動産を売却すると課税の対象になるケースもありますし、印紙税や登記するための税金が発生します。詳しくはこのあとの項目で解説します。
土地を売る際にかかる各種税金
不動産を売却すると、高い税金を払うことになると思っている人が多いようですが、必ずしもそうとは限りません。
売却時に必ず払うことになる「印紙税」や「登録免許税」は、金額にするとたいしたことはありません。
問題は売却にすることによって多額の利益が発生してしまった場合の「譲渡所得税」です。
印紙税
売買契約書に貼付する印紙です。売買金額によって印紙の額はことなりますが、5,000万円以下の売買であれば印紙代は10,000円ほどです。
登録免許税
不動産売買時の所有権移転登記費用は、一般的に買主が負担するものなので売主の負担はありません。
ただし抵当権が設定されてたり、現住所と登記簿上の住所が異なる場合などは、売主負担で登記の変更が必要となります。
といっても登記の変更を依頼する司法書士への報酬を含めても20,000円~30,000円程度で済むケースがほとんどです。
消費税
消費税といっても土地の売買価格は非課税なので、仲介手数料や司法書士への登記依頼に対しての消費税という意味です。
それでも仲介手数料が100万円だと消費税だけで8万円も払うことになるので、注意が必要です。
譲渡所得税
土地を売却して利益がでると、利益分が課税対象となります。譲渡所得税は少し難しい内容なので、次の項目で詳しく解説していきたいと思います。
土地売却と譲渡所得税
マンション売却や比較的新しい一戸建て住宅の売却であれば、この譲渡所得税が発生することは滅多にありませんので安心してください。
問題なのは、先祖代々の土地や30年以上も前に購入した戸建て住宅を売却する場合です。
譲渡所得というのは、購入したときの価格と比べ、売却したときの価格が上回ったときに課せられる税金のことをいいます。
つまり極論で話すと1,000万円で購入した土地を5,000万円で売却したとき、4,000万円の利益が出たことになり、この4,000万円の利益に対して課税の対象となるという仕組みです。
ですのでマンションや比較的最近購入したような戸建て住宅であれば、買った価格よりも売る価格が大きくなることは珍しいので課税の対象とはなりません。
しかし先祖代々からの土地や30年以上も前に購入した土地であれば、今は当時の何倍にも価格が上昇しているケースもあるので、この譲渡所得の対象となるケースがあります。
譲渡所得が発生している場合、確定申告をすることで納税額が決まりますが、さまざまな軽減措置もあるので利益額が丸々課税対象の金額となるわけではありません。
またその不動産を所有していた期間などによっても税率が異なります。
- 所有期間が5年以内:所得税30%、住民税9%
- 所有期間が5年以上:所得税15%、住民税5%
つまり譲渡所得が1,000万円だとするなら、所有期間が例え5年を超えていても、所得税150万円、住民税50万円の合計200万円を納税しなければならず、これはかなり大きな出費ではないでしょうか。
(※実際には3,000万円特別控除が利用できるので、ここまで大きな額を納税する必要はありません。3,000万円控除に関しては次の項目で説明します)
売却益が赤字(損失)なら税の還付がある
譲渡所得とは反対の「譲渡損失」というものがあります。これは売却することによって赤字が出た場合のケースです。
土地の売却によって利益が出たのであれば税金を払わなければなりませんが、逆に赤字(損失)が出た場合は払い過ぎている税金が戻ってきます。
しかも一年で損失をすべて補填できないときは、残りの赤字分を翌年以降3年にわたり繰り越すができる仕組みになっていますので、最大だと合計4年分の所得税が0円になる可能性があります。
この譲渡損失は難しく考えず、購入した代金よりも売却した代金が低いときに発生すると考えてください。
4,000万円で購入したマイホームを3,000万円で売却したのであれば、単純に1,000万円の赤字(損失)が出ていることになりますので、税の還付を受けることができます。
土地売却で使える控除や特例
上記で解説した譲渡所得や譲渡損失の話しもこの控除や特例の1つです。
しかし他にも土地売却時に利用できる控除や特例があるので、なるべくわかりやすく解説しておきます。
3,000万円の特別控除
居住していた家や土地を売却をしたことにより譲渡益が出た場合、3,000万円の特別控除を受けることができます。
ですので譲渡所得が3,000万円までであれば課税の対象とはなりません。
例)1,000万円で購入した家や土地を5,000万円で売却した場合、4,000万円の利益が出たことになりますが、3,000万円の控除を利用すれば4,000万円ー3,000万円なので、実質課税の対象となるのは1,000万円分だけとなります。
長期所有不動産を売却した場合の軽減税率
所有していた期間が10年を超える不動産に対して、所得税と住民税の軽減税率が適用されます。
この軽減税率は3,000万円の特別控除と併用して利用することが可能です。
居住用不動産を買い換えたときの特例
マイホームの買換え時に適用される特例です。例えば2,500万円で今の住まいを売却し、新しい住まいを3,000万円で購入したとします。
このとき売却した2,500万円の所得はなかったものとして処理されます。
逆に3,000万円で売却し、2,500万円の新居を購入した場合は、差額の500万円だけが課税対象となります。
ただし3,000万円特別控除や長期所有の軽減税率とは併用できないため、どの制度が一番得をするのかしっかりと試算してから利用する必要があります。
不動産を売却して損失が出た場合の特例
上記で説明した譲渡所得の繰越控除のことです。不動産を売却して赤字(損失)が出た場合、その損失を他の所得と通算して控除を繰越受けることができます。
平成21年~22年に土地を購入した人の1,000万円特別控除
平成21年~22年に土地を購入した人は、所有期間が5年を超えて売却する場合、譲渡所得に対して1,000万円の特別控除を受けることができます。
公共事業や農地合理化などの理由で売却することになった場合の特別控除
ここで紹介した特例や特別控除以外にも、公共事業に伴う売却時の5,000万円控除だったり、農地合理化のための売却に伴う800万円控除など、まだまだ多くの控除や特例が存在しています。
詳しくは売却を依頼する不動産会社や税理士さんに相談してみてください。
税金の節税対策のポイント
土地売却における節税のポイントは、自分の条件に見合う特例や控除を調べることです。
インターネットを使えば、あらゆる特例や控除がヒットしますが、必ずしもそれが正しいとは限りません。
インターネットで調べた情報の中には、すでに終了している控除や特例も普通に閲覧することができます。
どれが今も生きている情報なのか?それを調べる必要があります。一番確実なのは税務署へ出向き、自分に該当する控除や特例がないかを相談することです。
しかしなかなか普段から税務署へ出向くことなんてしませんし、ちょっと敷居が高いと感じるのも事実です。
そこで一番良いのが、確定申告をすることだと思います。確定申告前は税務署の職員さんも熱心に相談にのってくれます。
また地域によっては税理士さんによる無料相談会も多く開催されていますので、参加して自分のケースを相談することで、これまで知らなかった控除や特例を提案してくれることもあります。
インターネットは非常に楽で便利なツールですが、それは多少の知識があってのことです。
まったく何もしない状態だと、インターネットの情報が本当なのか?ウソの情報なのかを判断することもできません。
まずは自分の足を使い、税務署や税理士さんに相談することをおすすめします。