マンション売却でオープンハウス、人を呼ぶコツは?

オープンハウスでマンション売却活動をする際の注意点

中古マンションを売却する販促活動の1つに「オープンハウス」があります。マンションの際は、オープンルームという言い方をするケースもありますが意味は同じです。

売却相談している不動産業者から、「オープンハウス(ルーム)を実施してみませんか?」と打診されたら、迷わずOKすることをおすすめします。

理由はオープンハウスを打診されるということは、それだけ売却できる可能性が高い物件だと期待されているからです。しかし、売却活動を行う際にはいくつか注意点があるので、しっかりチェックしておきましょう。

【目次】オープンハウスで売却する際のポイント
  1. オープンハウスとは
    1. 住みながらオープンハウスはできるの?
  2. オープンハウスのメリットとデメリット
  3. オープンハウスを行う際の準備
    1. オープンハウスのチラシは必ず確認する
    2. POPチラシを作成する
    3. 利用させてもらえる駐車場の確保する
    4. 掃除や整理整頓をしておく
  4. オープンハウスを成功させるポイント
    1. 照明を全てつけて部屋の印象を良くする
    2. 競合物件が多いマンションは効果が高い
    3. 写真や動画を自由に撮ってもらう
    4. 見込みが高い客層を中心に営業を依頼する
  5. 見学者が少ない場合の原因と対策
    1. マンションの需要がない
    2. 販売価格の見直し
  6. まとめ

オープンハウスとは

オープンハウス(ルーム)とは、売却中の中古住宅や中古マンションを、日程や時間帯を決めて誰でも自由に見学できるように開放することをいいます。住宅展示場や完成見学会の中古マンション版だと思ってください。

オープンハウスには2種類あり、営業マンがいないパターンと、営業マンが1人ないし2人くらい常駐しているパターンです。

営業マンが常駐してないほうが気楽に見学できるし、後々面倒な営業活動をされることもないから安心と思うかもしれませんが、営業マンが常駐しないパターンは基本予約制になってますので、事前予約を入れておかなければなりません。

また売主の中には「冷やかし半分で近所の人が見学に来たりするのでオープンハウスはしたくない」と毛嫌いする人も少なくありませんが、そういう場合は予約制にしておけば大丈夫ですし、オープンハウスをすることで、新たな購入者層を掘り出すことができるチャンスなので、早期売却を希望するのであれば、なるべく積極的に実施することをおすすめします。

業者からオープンハウスを打診されるケース

不動産業者はすべての物件にオープンハウスを打診してるわけじゃありません。オープンハウスをするにはそれなりに宣伝広告費や人件費が掛かるので、オープンハウスをすることで早期売却が期待できる物件に対して提案している可能性が高いです。

ただし逆のパターンもあります。なかなか売れないので「最後にオープンハウスを試してみましょう」と提案されている場合です。

この場合、ストレートには言われませんが「このオープンハウスでも売れなければ大幅な売り出し価格の値下げ、もしくは業者による買取も検討してください」という意味が含まれているので、注意が必要です。

住みながらオープンハウスはできるの?

その物件に住みながら売却を希望する売主も少なくありません。このようにまだ売主が住んでいる状態でもオープンハウスはできるのでしょうか?という質問を頂くことがありますが、売主が住んでいる状態でオープンハウスを実施することもできます。

ただしこの場合は、オープンハウス当日は売主の家族はみなさん外出してもらうことになり、常駐してくれる営業マンにお任せする必要があります。まれに、常駐営業マンを置かずに、その家の売主が来客する内見希望者を迎えることもあります。

ただオープンハウスの狙いは「売主が気をつかわず、家の隅々まで見学できる」というコンセプトですので、なるべくなら売主は外出しておくのが理想です。旦那さんはお仕事、お子さんは学校、奥様はパートであれば、この時間帯だけ限定してオープンハウスをすることも可能ですが、なるべくなら集客率が高い土日に開催することをおすすめします。

オープンハウスのメリットとデメリット

オープンハウスをすることで、多くのメリットがあります。その逆にデメリットとなる部分は少なく、効果の高い販促活動の1つとして、最近では中古マンションでも積極的にオープンハウスを実施してる物件が目立つようになりました。

メリット

オープンハウスを実施することで多くのメリットがあります。

  • 見学者が増える
  • 高額で売却できる可能性が高い
  • 早期売却が期待できる
  • 物件の問題点がわかる

見学者が増える

オープンハウスを実施するとき、新聞折込チラシを入れたり、近所に告知広告をポスティングしてくれるので、見学希望者が増えます。

また物件周辺の電柱などに「オープンハウス実施中」の貼紙をしたり、のぼり旗を立ててくれるので、当日その貼紙やのぼり旗をみた人が足を運んでくれることもあります。

これまでとは違った客層を掘り出す効果が高く、それが早期売却へと繋がります。

高額で売却できる可能性が高い

オープンハウスを実施することで、これまでよりも多くの方に見学してもらうことができます。だいたいが土日の2日間で実施することが多いのですが、かなりのお客さんに見学してもえるので、複数の方から購入申し込みを頂くこともあります。

つまり複数のお客さんが購入を希望してくれているので、無用な値引き交渉に付き合う必要がなく、こちら側の言い値で売却できる可能性が高くなります。

早期売却が期待できる

先ほどもいったように新たな客層を掘り出す効果がありますし、複数の見学希望者が来場してくれるので自然と見学者の人たちにも競争原理が働きます。

「あれだけ多くの人が見学に来てたから、早く申し込みしなければ他の人が買ってしまう」と勝手に思い込んでくれるのです。

結果として普通なら「少し検討させてください」というようなお客さんでも、早い段階で決心してくれるケースが多くなります。

物件の問題点がわかる

見学者の人には物件に関する簡単なアンケートを頂くことになります。そのアンケートの内容をみれば「価格が高い」、「管理費が高い」、「部屋が狭い」など、その物件の問題点を知ることができます。

問題点がわかれば、改善できる部分は改善すればいいのですから、結果として早期売却へと繋がることになります。

デメリット

オープンハウスを行うデメリットは多くありませんが、厄介な問題もあります。

  • 冷やかしの見学者も多い
  • 土日に家を空けなければならない
  • オープンハウスを実施してくれる不動産業者は少ない

冷やかしの見学者も多い

近所の主婦たちが連れ立って見学に来ることもあります。どうみても結婚なんてしてない若いカップルがデートがてら見学にくることもあります。このようにオープンハウスは、気軽に見学できることもあり、明らかに購入の意思がない人が見学に来ることも珍しくありません。

近所の人たちには見られたくない、売却の理由を詮索されたくないというのであれば、オープンハウスは最後の手段として考えるのが良いかもしれません。

土日に家を空けなければならない

すでに空き家状態のマンションであれば問題ありませんが、住みながら売却活動している場合は、オープンハウス当日は家を空け留守にする必要があります。

といってもオープンハウスをするのは土日の2日間くらいですし、毎週実施するわけじゃないので、土日の2日間だけと割り切って家族で出かけるのも良いのではないでしょうか。

どうしても終日家を空けるのは難しいというのであれば、時間を限定してAM10時~PM14時くらいで時間指定のオープンハウスを実施することも可能ですが、不動産業者も宣伝費などお金をかけていることを考慮してあげ、なるべく不動産会社の意向に沿う努力をしてあげてください。

オープンハウスを実施してくれる不動産業者は少ない

オープンハウスは中古マンションの販促活動としては効果的なのですが、実施してくれる不動産業者が少ないという問題点があります。厄介な問題があると言ったのもこの部分です。

オープンハウスは売主がやりたいと思っても、売主の努力でどうにかできるものではありません。宣伝広告も必要ですし、見学者の対応をしてくれる営業マンも必要です。不動産業者で営業マンをしていた頃には、中古マンションのオープンハウスを一回実施するだけで約10万円ほどの経費がかかっていました。

ですので、そう簡単に不動産業者側もオープンハウスを実施してくれないというのが実情です。どうしてもオープンハウスを実施してもらいたいのであれば、媒介契約をする際に「オープンハウスを実施してくれますか?」と確認しておくようにしましょう。

場合によっては「売主実費負担によるオープンハウスなら実施できます」と言ってくる不動産業者もありますが、これは最後の手段です。なるべくなら業者側の負担で実施してくれるところを探すようにしてください。

オープンハウスを行う際の準備

基本的にオープンハウスは不動産業者が計画を立て実行してくれます。売主側は「オープンハウスをしてみませんか?」という業者側の提案にOKするか決めるだけで良いのですが、せっかくオープンハウスを実施するのであれば成功させたいですよね。

だったら業者任せにするのではなく、その物件のことを一番熟知している売主も積極的にオープンハウスに協力しましょう。

オープンハウスのチラシは必ず確認する

基本的にオープンハウス告知のチラシは不動産業者が作成してくれます。しかし本当にその内容で良いのか印刷に入る前に一度確認させてもらうようにしてください。

あまりうるさく口出しするのはNGですが、おすすめポイントなどは不動産業者よりも売主が熟知しているはずなので、使って欲しい言葉などがあれば積極的に提案しましょう。

POPチラシを作成する

マンションの間取りや設備などは、不動産業者の物件情報でもわかりますが、実際に住んでいた人だからこそわかるおすすめポイントがあるはずです。

そういった居住者でしか知り得ないおすすめポイントをまとめたPOPなどを作成し、室内に展示しておいたり、POPチラシを配ったりすることで大きなアピールポイントとなります。

不動産業者の物件情報だけではわからないおすすめポイントを購入希望者に知ってもらうことは、そうそうできるチャンスはありませんので、ぜひオープンハウスの機会に知ってもらえるような工夫をしておきましょう。

利用させてもらえる駐車場の確保する

マンションの管理組合や隣部屋の居住者には、「少しばかりお騒がせします」と、一言くらい挨拶をしておく必要があります。その際、もし無料で利用させてもらえる駐車スペースがあればぜひ借りれるように交渉しておきましょう。

オープンハウスには複数の見学者が来場してくれるので、駐車できるスペースは一台でも多く確保してるに越したことはありません。

管理組合にお願いしたら来場者用の駐車スペースを借りれたりすることがありますし、仲良くしている居住者がいるのであればご主人が仕事で外出している時間帯だけでも、駐車場を利用させてもらえるようにお願いしてみてください。

このような努力を見せることで、不動産業者にも本気度を示すことができます。

掃除や整理整頓をしておく

オープンハウスのメリットは、ありのままの生活空間を見学できることだと勘違いしている人が多いようです。オープンハウスは気軽に見学できることが一番のメリットであり、決して生活感のある部屋を見学できることではありません。その逆でなるべくなら生活感を感じさせない部屋づくりが大事になります。

現に住宅展示場や完成見学会なども、なるべく生活感を出さないような工夫がされています。家具や家電は置いてても問題ないのですが、洗濯物が干しっぱなし、ゴミ箱のゴミが溜まりっぱなし、灰皿にタバコの吸殻が入ったまま、カーテンは閉めっぱなしなんて部屋はありません。

ですのでオープンハウスの前には徹底的に掃除や整理整頓を実施してください。自分たちだけでやるのには無理があると思ったら迷わずハウスクリーニング業者に依頼してください。

オープンハウスなんてそう何度も実施するわけではないので、マンションを少しでも高く早く売るための出費だと考えれば、ハウスクリーニング1回分の出費くらいは仕方ないと割り切れるはずです。

オープンハウスを成功させるポイント

何度も言ってますが、オープンハウスはそうそう何度も実施できるものではありません。少なくとも1回のオープンハウスで広告費や人件費を含め10万円ほどの経費がかかるのです。ですので、オープンハウスは1回限りのチャンスだと思って望むようにしましょう。

照明を全てつけて部屋の印象を良くする

オープンハウス当日は営業マンが常駐してくれているので問題ないと思いますが、室内の照明は全てつけておき、第一印象を決めると言われている玄関はしっかり整理整頓しておくようにしましょう。玄関とリビングのイメージで購入する意思の7割~8割が決定すると言われてます。

あとペット可の物件であれば消臭も忘れないでください。いくらペット好きな人が見学に来ることが多いと言っても、他人の家のペット臭は気になるものです。

競合物件が多いマンションは効果が高い

分譲マンションのオープンハウスは時期が大事です。なるべく同じマンションで他に売りに出されている物件があるタイミングで実施することをおすすめします。そうすることで他の物件との差別化になりますし、他の物件を検討している客層を取り込むことも可能になります。

また同じマンション内に売りに出されている不動産業者に、あえて売却の相談をするのもおすすめです。同じ不動産業者で同じマンション内の売り物件を抱えていれば、同時に数部屋のオープンハウスが実施可能になり経費を抑えることができるので、オープンハウスを実施してくれる可能性が高まります。

写真や動画を自由に撮ってもらう

ちょっと嫌だなと思う売主も多いのですが、写真や動画を自由に撮影OKにしておくことは効果があります。見学者というのは、一日に数軒の物件を見学することも珍しくありません。

そんなとき写真や動画を撮影してもらうことで、家に帰ってからでも写真や動画をみてイメージを回想してもらうことができるので、他の物件との差別化にもなります。

見込みが高い客層を中心に営業を依頼する

営業方針に口出しするのは嫌がられることもありますが、なるべく購入意欲が高そうなお客さんを集中的に接客してもらうことで、成約率は間違いなく上がります。

例えば若い20代の夫婦よりも、30代半~40代前半くらいの人。夫婦二人よりも家族連れの人、さらに成約率が高いのが夫婦と親御さんが一緒に見学に来てるパターンです。営業マンだった頃の話ですが、ご夫婦と両親の二世代で見学に来る人は相当熱い客層です。

見学者が少ない場合の原因と対策

オープンハウスを実施しても予想以上に来場者が少なかったなんてこともあります。あれだけ宣伝広告しても、見学者が少ないということは何かしらの原因がきっとあります。その原因を解決しないことには売却するのは難しいです。

まずは何が原因で見学者が少なかったのか? 見学者は来てくれたけど成約にならなかったのはなぜなのか?という原因をしっかりと究明しましょう。

マンションの需要がない

オープンハウスをしたけど見学者が少なかった原因として考えられるのが、マンションの需要が低いということです。立地が悪い、間取りが悪い、築年数が古いなどの原因が考えられます。

この場合、対策としてはリフォームして売り出したり、立地に見合った価格にまで下げるしかありません。しかし販売価格を下げたり、リフォーム費用をかけてまで売っても意味がないというのであれば、最終手段として業者にそのままの状態で買取してもらうという方法もあります。

価格は低くなってしまいますが、売却後の瑕疵担保責任を背負わなくて済むなどのメリットもあるので、よく比較検討してみることをおすすめします。

販売価格の見直し

そもそも販売価格が相場に見合ってないという理由も考えられます。こちらの理由であれば、販売価格を下げることで売却できる可能性は残されてますが、問題は住宅ローンの債務が残っている場合です。

住宅ローン債務との兼ね合いで、どうしてもこれ以上価格を下げれないというケースもあるでしょう。そのような場合は不本意かもしれませんが、任意売却という手段を検討する段階にあるのかもしれません。任意売却に強い業者に一度相談してみることをおすすめします。

このように任意売却や業者買取という選択肢を選ぶのであれば、地元の不動産会社だけでなく、必ず買い取りや任意売却を専門にしてる業者にも相談してみるようにしましょう。

最寄にそのような業者がないというのであれば、インターネットの一括売却査定サイトを頼ってみるのもありだと思います。とくに業者買取を選択するのであれば、直接その業者が買取してくれるので、日本全国どこの業者でも問題ありません。少しでも高い買取価格をつけてくれる業者を探すのが大事です。

まとめ

早期売却、希望価格での売却など、数多くの効果が期待できるオープンハウスですが、実際問題としてオープンハウスを実施してくれる不動産業者が少ないということです。理由はオープンハウスを1回開催するのに、そなりの経費が掛かってしまうためです。

ですのでオープンハウスを希望するのであれば、あらかじめオープンハウス開催を前提に売却依頼する不動産業者を選ぶ必要があります。媒介契約を結んでからではオープンハウスの開催を渋る業者も多いので、媒介契約を結ぶ前にしっかりと確認しておくようにしましょう。

また厳しい言い方をしてしまいますが、なかなか売れないマンションのオープンハウスは最後の手段的な意味合いもあります。そのオープンハウスで売れないのであれば、業者による買取だったり、かなり規模の大きいリフォームが必要だと思います。

決して軽い気持ちでオープンハウスを開催するのではなく、万全の準備を整えてからオープンハウスを実施することを強くおすすめします。

目的別の仲介業者選びまとめ

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