マンションを売却する際には、まず不動産業者(仲介業者)に売却価格の査定をしてもらうことになります。
高く査定してくれる業者を見つけるためには、マンションの査定サイトを使って複数の業者を比較するのが一般的です。
このページでは、マンションの査定サイトを選ぶ時のポイントと、高額査定に関する注意点を詳しく解説します。
査定額に関しては、「高ければよい」と言うわけではないので、悪質な業者に騙されないように注意しましょう。
査定する前に知っておくべき注意点
まずは査定をする前に知っておくべき注意点を2つ解説します。
どちらも重要なポイントなので、ぜひ覚えておいて下さい。
極端に高い査定額はほぼウソである
知っておかないと後悔する一番のポイントは、極端に高い査定額はほぼウソであるという点です。
マンションの査定をする場合、まず「簡易査定(机上査定)」というインターネット上ですぐにできる査定があり、その後に不動産業者を呼んで行う「訪問査定」があります。
どちらの査定でも言えることですが、他の業者に比べて明らかに高い金額を出してくる業者がいたら要注意です。
他社よりも高い査定額を出すことで、強引に契約を取ろうと考える悪質業者の可能性があるからです。
マンションの査定額というのは、「周辺の相場や過去の事例に基づいて、あなたのマンションならこのくらいの金額で売れるでしょう」という目安の金額です。
ですから、業者によって多少の幅はあったとしても、極端に高すぎる(または低すぎる)金額は出てこないはずです。
それにも関わらず、ある業者だけ飛び抜けて高い金額を提示したきた場合は、かなり怪しいので注意しましょう。
契約を結ぶ前までは調子のよいことを言っていても、いざ契約した途端に、「この金額では売れないから値下げしましょう」などと言ってくるからです。
このような悪質業者を防ぐためには、最低でも3社、できれば5社程度の査定額を比較して、きちんと平均値を出すことが大事です。
A社 1,380万円- B社 1,800万円
- C社 1,880万円 →平均は約1,900万円
- D社 1,980万円
E社 2,300万円
上記の場合なら、5社のうち明らかに安すぎるA社と、明らかに高すぎるE社を除外し、残った3社の平均を出せば、「約1,900万円」が売却査定の目安だとわかります。
つまり、B・C・Dの3社の査定額は、ある程度信頼できると考えられます。
少し面倒に感じるかもしれませんが、一括査定サイトを使えばすぐに終わるので、面倒臭がらずにやっておきましょう。
だいたいどの一括査定サイトでも、5社程度は比較できるようになっているので、「最高値」と「最安値」をカットして、残った業者の平均を出せばOKです。
1、2社程度しか査定していない場合、明らかにおかしい査定額でも気付かないことがあるので、マンションの査定をする際は必ず3社以上の業者を比較しましょう。
査定はできる限り早めに取る
もう一つ覚えておきたいことは、査定はできる限り早く取った方が有利ということです。
なぜかというと、マンションを売却するまでに時間の余裕があった方が、不動産業者側も焦らずに高値で買い主を探してくれるからです。
マンションを売却する場合、早い人で3ヶ月程度、なかなか決まらない場合は1年以上の時間がかかります。
もしこの時、「絶対に半年以内に売却しないといけない」という時間制限があったとしたら、売り主側はかなり不利になります。
時間に余裕がないため、仕方なく相場よりも安い金額で売り出し、すぐに買ってくれる人を見つけなければならないからです。
「時間に余裕がある」ということは、それだけで高額査定につながる要素なので、売ることが決まったらなるべく早めに査定を取りましょう。
※「売却予定が1年以上先でも大丈夫か?」という質問をもらうことがありますが、まったく問題ないです。売ることが決まっているなら、1年以上先でも早めに査定を取っておきましょう。
無料で使えるマンション査定サイト一覧
複数の業者を比較するために、無料で使える比較サイトを一覧にまとめました。
以前に比べてマンションの査定サイトは増えましたが、サイトごとに提携している業者数や、アフターフォローの体勢に差があるので、利用する際は念のため確認してみてください。
基本的には、実績数の多いサイトを使っておけば安心ですし、万が一トラブルが起きた場合もしっかり対処してくれると思います。
サイト名 | 運営会社 | 査定数 | 実績 |
---|---|---|---|
マンション.navi | マンションリサーチ株式会社 | 最大6社 (賃貸査定も可) |
年間利用者数360万人以上 |
すまいValue |
東急リバブルなど大手6社の合同運営 |
最大6社 |
査定依頼件数87万件以上 |
HOME4U | 株式会社NTTデータ・スマートソーシング | 最大6社 | 売却査定数累計35万件 |
おうちクラベル | SREホールディングス | 不明 | 不明(※新サービスのため) |
リビンマッチ | 株式会社シースタイル | 最大6社 | 査定依頼件数14万件以上 |
イエウール | 株式会社Speee | 最大6社 | 利用者数1000万人以上 |
イエイ | セカイエ株式会社 | 最大6社 | 利用者数400万人以上 |
RE Guide | 株式会社ウェイブダッシュ | 最大10社 | 不明 |
Yahoo!不動産 | ヤフー株式会社 | 最大20社 | 不明 |
いえらぶ | 株式会社いえらぶGROUP | 最大6社 | 不明 |
不動産売却査定君 | シェアリングテクノロジー株式会社 | 最大6社 | 不明 |
街角相談所-不動産- | 株式会社HIROKEN |
コンシェルジュに一任 |
不明 |
スマイティ | 株式会社カカクコム | 1000社以上の業者から1番条件の良い不動産会社を紹介 | 不明 |
オウチーノ | 株式会社オウチーノ | 1社以上 | 不明 |
査定サイトを選ぶ際に一つ着目したいポイントは、「全国対応」で手広くやっているサイトなのか、それとも「大都市の物件」に力を入れているサイトなのかという点です。
例えば、業界でも老舗サイトである「マンション.navi」は、中小から大手まで、日本全国の業者を広くカバーしていますが、「すまいValue」の場合は、不動産大手6社のみが査定対象となります。
どちらの方が優れているというわけではなく、
「地方にある物件なら、中小まで広くカバーしているマンション.naviの方が見つかりやすいかもしれない」
「都心部の物件なら、大手業者と提携しているすまいValueの方が強いかもしれない」
という考え方があるという話です。
実際には査定を取り寄せてみないとわかりませんが、サイト選びの参考にはなると思います。
以下に管理人おすすめの査定サイトをピックアップしたので、あわせて参考にしてください。
全国対応でおすすめのサイト
「SUUMO」はご存じの通り、日本最大級の不動産サイトです。
不動産の売買はもちろん、賃貸から引越しまで、不動産に関する様々なサービスを提供しているので、日本全国の仲介業者とつながりがあります。
大都市にある物件なら大手仲介へと、地方都市にあるなら地元に強い仲介へと、物件に合わせた業者を紹介してくれるので、高く売れる可能性が上がります。
マンション.navi
マンション.naviは、業界内でも老舗の査定サイトとして有名です。
運営歴が長く、大手の不動産業者から地元密着の中小業者まで、全国多数の業者と提携してるのが強みです。
マンション.naviの場合、「売却」だけではなく業者による「買取」の査定金額や、「賃貸」の査定も取れるので、総合的な視点でマンションの価値を調べることができます。
大都市の人におすすめのサイト
SREリアルティ(旧ソニー不動産)
SREリアルティは一括査定サイトではありませんが、関東や関西に住んでいる人には非常におすすめなので、例外的に紹介します。
今のところ東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、京都でしか利用できませんが、SREリアルティは「同一物件では片側だけしか仲介しない」と宣言しています。
これは売り主にとって非常に有利な条件なので、対象地域に住んでいる人は必ず一度はSREリアルティから査定をとった方が良いと思います。
すまいValue
すまいValueは「大手業者専門の査定比較サイト」で、東急リバブル、三井のリハウス、三菱地所ハウスネット、野村の仲介+、小田急不動産、住友不動産販売の6社合同で運営されています。
業界でも最大手6社しか参加していないので、査定に対する信頼性は間違いありません。
大手業者は都心部の物件に強いので、大都市に住んでいる人におすすめです。
査定で高値を出すためのコツは?
先ほど説明したとおり、査定時に明らかに高い金額を出してくるのは悪質業者の可能性が高いです。
とはいえ、売り主としては少しでも高値で売却したいので、やはり査定額の高さは気になると思います。
もし少しでも査定額を高くしたいと思うなら、効果的なのは以下の3つです。
- 売却が決まったらすぐにでも査定を取る
- なるべく多くの業者を比較する(査定サイトも複数使う)
- その中から自分の物件に適した不動産業者を探す
3番目が少しわかりにくいですが、これは先ほど例に挙げたように、「地方に強い業者なのか?都心部に強い業者なのか?」といった観点で、業者を探すという意味です。
実は不動産業者の査定額を引き上げる方法は、これくらいしかありません。
他にも、
「部屋をキレイに掃除しておく」
「照明を明るく替えておく」
「荷物をできる限り減らして部屋を広く見せる」
など、色々なコツがあるんじゃないかと思うかもしれませんが、これらはプロの不動産業者相手には効果がありません。
プロはすべてを織り込んだ上で、査定額を出すからです。
したがって、少しでも高い査定額を出したければ、「できるだけ早く、できるだけたくさん査定を取る」というのが唯一の正解です。
当たり前と言えば当たり前ですが、面倒臭がって後回しにしたり、比較せずに1社だけの査定で決めてしまう人もいるので、ぜひ覚えておいて下さい。
ここをちゃんとやるかどうかで、最終的な売却価格に数百万円の差が出ることもあるので、本当に大事なポイントです。
※「部屋をキレイに掃除しておく」などのコツは、素人である買い主が家を見学しに来た時に役立つ部分です。
もちろんマンションが売れるかどうかに影響しますので、ちゃんと対策しておきましょう。
マンションの査定額に影響する7つの要素
前項までで、査定を取る際のポイントや注意点はほぼ解説しましたが、「どんなマンションだと高額査定になるのか?」が気になる人のために、査定額に影響する7大要素について説明します。
※ここから先の解説は、「立地」や「築年数」など、売り主自身の努力ではどうにもできない部分なので、興味が無い人は読み飛ばして下さい。
それよりも今すぐに比較サイトを使って、各社の査定を比較する方が大事です。
では解説していきます。
1:最寄駅からの距離
マンションの査定額にもっとも影響するのは、やはり「立地」です。特に最寄り駅からの距離が一番重要です。
東京や大阪など、都心であるほど駅からの距離が査定価格に大きく反映されます。「徒歩10分」というのが一つの目安だと考えてください。
「徒歩6分」でも「徒歩10分」でも大きな影響はありませんが、それを超えるとマイナス査定となります。
これは多くの人が「徒歩10分」を1つの区切りとして考えるからです。(距離にすると徒歩10分=約1キロ程度です)
最寄り駅に関しても、「新幹線が止まる」 「特急が止まる」 「快速が止まる」など、駅によって査定額に違いがでます。当然主要駅の方が高くなります。
さらに東京や大阪などの大都市では、複数の路線(JRと私鉄、地下鉄など)にアクセス可能なマンションは高く評価されます。
一方で地方の場合は、駅までの距離よりも、駐車場の有無が重要視される傾向にあります。
都心と違って電車やバスなどの公共交通機関より、マイカーで通勤・通学をする人が多いからです。
特に人数が多い家庭の場合は、一家に一台分では駐車場が足りないケースもあるので、なるべく広い駐車場を備えたマンションが評価されます。
- 敷地内に何台分の駐車スペースを確保できるか?
- 徒歩圏内に月極めの駐車場はあるか?
- 駐車場の負担費用は毎月いくらなのか?
これらの点をチェックしておくと、マンションの買主(購入者)にも喜ばれると思うので、ぜひ確認しておきましょう。
2:周辺環境などの立地条件
- 徒歩圏内に買い物できるスーパーはあるか?
- 子供の学校までの距離は近いか?
- 公園などの遊び場が近くにあるか?
といった周辺環境も、査定額に影響します。
マンションから2~3キロ以内に大型の緑地公園があるか、またはマンションの近所に小さな公園があるかをチェックしましょう。
公園は子育てにとって大切な場所ですので、重要視される要素の1つです。
その他、近隣にあるとポイントが高い施設としては、「病院・郵便局・コンビニ・銀行・役場」などが挙げられます。
中でも、子供や老人を受け入れてくる夜間の緊急病院があるとさらに高く評価されます。
一方で、マンションが国道や高速道路沿いなどに建てられている場合は、交通量や騒音などによって査定にマイナスの影響が出ることもあります。
高速道路側に防音壁があるをチェックしてみましょう。
夜中でも大型トラックの交通量が多い場所では、壁や窓ガラスの防音性能まで細かくチェックされるので、覚えておきましょう。
3:眺望や方角など
部屋やバルコニーからの眺望が良い物件は人気なので、高額査定となるポイントの一つです。
さらに夜景が綺麗な場所に建てられているマンションであれば、階数が上がるほど高額査定となります。
同一マンションであっても、階数によって眺望や夜景は見え方が全然違ってきますので、他の部屋よりも眺望が良い部屋は積極的にアピールしましょう。
日当たりも関係します。南向きである方が査定にもプラスになりますし、角部屋であればさらにプラス査定となります。
西向きや東向きであれば、南向きに比べてマイナス1ポイント、北向きの場合はマイナス2ポイントくらいのイメージです。
細かなところで言うと、エレベーターが低層階用と高層階用に別れているかもチェックされます。
大型マンション特有の問題として、朝のラッシュ時にエレベーターがなかなか来ないというマイナスポイントがあるためです。
- 眺望が良い
- 夜景が綺麗
- 近所に高層マンションの建設予定がない
- 日当たりが良い(南向き)
- 高層階になるほど良い
- 各階ともに角部屋が人気
上記の項目を多く満たす物件ほど、査定額は高くなります。
4:グレードと築年数
マンションの築年数も査定に大きく影響します。当然、築年数が浅ければ浅いほど査定額は高くなります。
また築年数では、1981年(昭和56年)以前に建てられたマンションなのか、それ以降に建てられたマンションなのかが重要です。
これは耐震構造が大きく関係しており、1981年6月以降に建てられているマンションは「新耐震基準」を満たしているからです。
1981年以前のマンションでも、補強工事をしていて、新基準に適応しているマンションであれば高く評価されます。
築年数と同様に、マンションのグレードも査定に影響します。
建築した会社が同じでも、建物によってグレードが分けられていたり、または同じマンション内でも部屋によってグレードが違うという場合もあります。
5:保守・セキュリティー
管理組合が上手く機能していて、定期的なメンテナンスが実施されているマンションや、近年大規模な改修工事を行っているマンションは査定ポイントが高いです。
例えば外壁のペンキの塗り替えや、防水施工などの工事をした年が近いほど、査定が高くなります。
これらの工事費用は、通常は積立金から捻出されるのですが、それでも足りない場合は居住者が均等に負担しなければなりません。
そのため、直近で工事が終わっている物件は、これから買う人からすると安心感があるため高額査定となります。
マンション管理人の有無については、24時間体制で管理人が常駐しているマンションほど高い評価となります。
最近ではエレベーターのセキュリティーがしっかりしているマンションもあり、入り口で対応した階にしか止まらないなど、安全面の評価も重要視されています。
6:リフォームや使用状況
多少古い物件でも、過去にリフォームを行っていれば査定はプラスになります。しかし、リフォームに200万円かけたからといって、査定額がそのまま200万円高くなる訳ではないので注意しましょう。
この点については誤解している人も多いので、もし「査定額を上げるためのリフォーム」を考えているなら、赤字になってしまうのでやめましょう。
また、部屋の使用状況も査定に影響します。
壁紙の汚れは売却時に交換するので問題ありませんが、フローリングの損傷などは、改修するとなれば費用が高額になるので、壁紙とは違って査定に影響してきます。
その他にもキッチン、浴槽、トイレ、洗面台などの消耗が激しい場合は、マイナスの査定となります。
一方で部屋の汚れについては、掃除して落ちる範囲の汚れであれば、査定には影響しません。内覧時までにキレイにしておけば大丈夫です。
7:査定時の「時点修正」とは
最後に解説するのは「時点修正」ですが、これは今までの要素とは少し違います。
「時点修正」とは、新築時からの経過年数や、過去の取引事例を参考に、現在の価値を算出する方法です。
例えば、「2年前に同マンション、同間取りの部屋が2,800万円で売買されているのなら、2年後の価値は2,500万円くらいが妥当だろう」、という考え方です。
これはマンションの問題だけではなく、周辺環境の変化や、地価の変動なども考慮されます。
少し専門的な話ですし、部屋の持ち主の努力では改善できないポイントなので、「時点修正というものがある」とだけ覚えておけばよいでしょう。
以上がマンションの査定額に影響する7つの要素です。
売り主側にはどうにもできない部分が多いので、あまり気にせず参考程度に覚えておいて下さい。
3つの査定方法とそれぞれの特徴
次もあくまで参考としてですが、「不動産業者がどうやってマンションの査定額を出しているか?」について、簡単に解説します。
不動産の査定額算出方法として、一般的に使用されているのは、
- 原価法
- 収益還元法
- 取引事例比較法
の3つです。
※細かく説明すると専門的になりすぎるので、ここではある程度かみ砕いて解説しています。
原価法とは
原価法は、「もし今から同じ物件を建て直すとしたら、どれくらいの費用がかかるのか?」という観点で、不動産の価値を算出する方法です。
過去に建てられた物件と同じものを作り直すという仮定なので、当然使用する材料は新品ではなく、中古の資材となります。
不動産だとちょっとイメージしづらいので、わかりやすく中古車を例に説明します。
10年落ちの中古車を査定してもらう場合に、同じクルマの部品を解体工などから探してきて組み立てたとしたら、新車を作るよりも安く作れますよね。
これと同じで、「経年劣化も含めて、今ある物件の建て直し費用(=原価)はいくらか?」をベースに算出するのが原価法による査定です。
収益還元法とは
収益還元法は、原価などとは関係なく、「この物件を投資用物件として扱った場合に、どれくらいの価値があるか?」という観点で、不動産の価値を算出する方法です。
例えばマンションの部屋を賃貸にすると仮定して、「この部屋なら月額○万円で、あと○年は貸し出せるだろう」と計算すれば、その物件の価値が算出できます。
原価法とは違い、その物件が持つ「将来的な価値(収益性)」をベースに、査定額を算出します。
取引事例比較法とは
取引事例比較法は、その名の通り「過去にあった類似物件の取引額」から、不動産の価値を算出する方法です。
3つの中で一番イメージしやすく、マンションを売却する際にもっともよく使われるのがこの取引事例比較法です。
考え方も簡単で、
- 過去に同じマンション内の部屋がいくらで売れていたか?
- 徒歩5分圏内で似たようなスペックのマンションがいくらで売れていたか?
などの事例をベースに、マンションの査定額を算出します。
この査定方法がもっとも市場価値に近く、かつ査定時間もあまりかからないため、不動産業者全体の8割くらいは、取引事例比較法を使っていると言われています。
しかし、この方法には欠点もあります。
あくまでも過去の事例に基づいて査定を出す方法なので、
- 住んでいる物件が特殊なため近くに似た物件が無い
- 田舎のため売買事例が少なく、何年も前の事例しかない
このようなケースだと、正しい査定ができず、実際の市場相場とズレてしまうことがあります。
例えばですが、デザイナーズマンションですごく個性的な間取りをしている物件や、かなり田舎の方にあるマンションの場合は、査定額がズレやすくなるので注意して下さい。
以上が不動産業者が行っている査定方法の種類です。
ほとんどのケースでは「取引事例比較法」を使っていると思いますが、もし別の方法を使っているような気配があった場合は、「どのように査定額を出しているのですか?」と質問してみましょう。
明確な回答が帰ってこない場合は、業者側が査定額をコントロールしている可能性があるので、注意が必要です。
マンション査定に関してよくある質問
最後に、マンションの査定についてよくある質問をまとめたので参考にしてください。
査定額より高く売り出すことはできないの?
できます。
査定額は、あくまでも業者側が出した参考金額であり、実際の販売金額とは異なります。
ですから、どうしても査定額より高く売り出したければ、売り主側の意思で高値を設定することも可能です。
逆に、査定額より少し安めに設定して早期売却を目指すこともできます。
最終的な決定権は、売り主である自分にあるので、業者と相談した上で納得できる金額に設定しましょう。
部屋をキレイに掃除すれば査定額は高くなる?
単純に部屋を掃除しただけでは、業者が出す査定額に対してほぼ影響はありません。
ただし、実際に買い主候補が家に内見にくる場合は話が別です。
内見時に部屋が散らかっていれば、当然買い主の印象は悪くなってしまうので、売れる可能性が低くなります。
その結果、最終的に値下げしなければならなくなるかもしれないので、内見までには部屋をキレイに掃除しておきましょう。
業者によって査定額にバラつきがあるのはなぜ?
業者ごとに査定時に重要視する項目が違ったり、物件の得意・不得意などがあるからです。
例えば都心部に強い業者の場合、都心部の物件に対しては強気の査定額を提示するかもしれませんが、逆に地方の物件には相場より低い額を出す可能性があります。
とはいえ、バラつきがあるといっても10~20%程度の幅なので、それを超える明らかに高い金額を出してくる業者がいたら、なぜその金額なのか根拠をしっかり確認した方がよいでしょう。
まとめ
少し解説が長くなりましたが、マンションの査定について知っておきたいことをすべてまとめて解説しました。
売り主側としては、ページの前半で解説した、
- 極端に高い査定額はほぼウソである
- 査定はできる限り早く取った方が有利
- 必ず3社(できれば5社)以上の査定を比較する
という3つのポイントさえ抑えておけば、大きな問題はないと思います。
査定前に部屋の掃除など細かな準備に時間をかける人も多いですが、残念ですがそれはあまり効果がありません。
マンションの査定時に重要なことは、「掃除などの細かな準備ではなく、不動産業者を比較して慎重に選ぶこと」なので、とにかくここだけは絶対に忘れないで下さい。
不動産業者選びで失敗しなければ、その他の細かな部分は後からでも取り返しがつきます。
部屋の掃除や不要品の整理などは、買い主候補が見学に来るまでに対応すればいいので、そちらは後回しにして、すぐに査定を取り寄せましょう。
早く査定を取れば取るほど、マンションが高く売れる可能性が上がります。