住宅選びのポイントが以前の職住近接から育住近接に変化してきています。
職住近接では職場が近いなど便利でしたが、子育てするには不便でした。しかし最近では子育てにポイントをおいた育住近接という考え方が広まっています。
考え方の変化により不動産価値が変化する可能性が高いです。住宅を購入する人だけでなく売却を検討している人もチェックしておきましょう。
変化する住宅を選ぶ際の基準
以前は住宅を選ぶ基準として、通勤しやすい環境を第一にあげる人が多かったものですが、その意識傾向がだいぶ変わりつつあります。
保育園や学童保育、学校に近いエリアを住居とすることで「子育てしやすい環境」を中心に住宅選びをする意識が強まってきています。
これまでは「職住近接」という考え方が一般的
共働きする夫婦にとっては「職場に通いやすい」というポイントは、住宅選びで欠かせないものでしょう。駅に近い住まいを選べば、通勤時間が短縮されるのが大きな魅力です。
通勤にかける時間が少なくなった分、家族との時間や睡眠時間に充てられるのも嬉しいポイントかと思います。
それに、駅に近ければ飲食店や娯楽施設などが充実しているので、日常の暮らしの利便性が高まります。そんな住居と職場の距離が短縮できる「職住近接」という考え方が、これまでは一般的でした。
今後は育住近接に
利便性が高い暮らしに見える駅チカ物件は、実は子育て世帯にはデメリットが多いです。
都心では保育園の待機問題もあり、預けられる施設は駅から離れたところになるでしょう。職住近接を意識した駅チカ物件に住むと、
「自宅から保育園→保育園→駅(駅から職場)」
と全体的にかなり時間がかかってしまうこともあります。
そこで、保育園に近いエリアで住まい選びをすれば「送迎時間の短縮」ができ、結果的には全体的な時間が節約できます。
親が働いていれば小学校に入学しても学童保育へのお迎えが必要なので、「送迎時間+通勤時間」が短縮できれば、結果的に家族の時間が増えることになるでしょう。
送迎が必要ない年代になっても、小学校や中学校に近いという住まいなら、子供が帰宅しやすい安心感も期待できます。そんな「育住近接」という考え方が今後はますます広まっていくことになるでしょう。
まとめ
親の通勤時間を重視する「職住近接」から、子育てしやすい「育住近接」へと意識がだいぶ変わってきました。購入者側のこうした意識の変化によって、今後は子育て世帯の住宅選びの選択肢が駅から少し離れた子育てエリアに集まってくることが予想されます。
その結果、現在の不動産価値が代わっていくかも知れないので、購入する人も売却する人も注意しておきましょう。