管理人の実家が、新築で家を建てたときに加入していた火災保険の満期になり、火災保険の継続、見直しをすることになりました。
そこで今回は、実際の私の体験を基にして、火災保険の選び方について解説します。
最終的に、他の人がやらないような保険の掛け方をしたので、参考にしてもらえたらと思います。
火災保険の見直しをすることになったきっかけ
実家は平成4年に注文住宅として新築で建てたのですが、父親が50歳と高齢だったため、住宅ローンは25年期間での完済としていました。
その父は数年前、病気で他界したのですが、その際に団体信用生命保険で残りの住宅ローンはすべて精算されています。
その住宅ローン完済のとき、火災保険会社に連絡し、契約は満期まで有効だと確認済みでしたので、今年の8月で満期を迎えることになっていました。
住宅ローンは住宅金融公庫から借りていて、火災保険も住宅金融公庫と提携している損保ジャパンの「住宅金融支援機構特約火災保険」という商品に加入していました。
もちろん、期間は住宅ローンと完済期間と同じく25年間となっていて、火災保険の費用は住宅ローン借入れ時に一括支払い済みです。
ちなみに、火災保険の保障金額は1,630万円、保険料額は167,000円(25年分)と激安です。
地震保険などは一切付いてないタイプで、年払いにすると以下の計算になります。
167,000円÷25年=6,680円(1年間)
継続or新規見直し
火災保険を掛けないという選択肢はありませんでしたので、これまでの火災保険会社で継続してもらうのか、それともこれを機に火災保険の見直しをするかでまず悩みました。
というのも、管理人はすでに実家を出ているので、保険金の支払いは実家に残っている母が負担することになります。微々たる年金で細々と暮らしているので、あまり金銭的な負担を掛けたくないという想いがありました。
本来であれば、これだけ日本各地で地震や水害が起こっているので、火災だけでなく自然災害の保障などもつけておくのがベストだということは理解しておりました。ただ、やはり火災保険+地震保険となれば、月々の保険料が大幅にアップすることは目に見えています。
そこで当初、火災保険だけしっかり掛けておけば問題ないのではないかと考えていたのですが、「地震や台風にも備えたい」というのが母の意見でした。保険料多少高くなっても、なんとか払っていけるということです。
そんな母の意見を尊重し、今回は地震保険や台風被害でも保険金が支払われるタイプの火災保険に見直すことに決めました。あとは母のために、なるべく保険料の負担が少ない保険会社を探すだけです。
比較検討した保険会社
最終的に火災保険を検討したのは、以下の4社でした。
- 損保ジャパン日本興亜
- JA共済
- あいおいニッセイ同和損保
- 県民共済
この4社に絞った理由はいろいろあるのですが、単純に言うと以下のような理由です。
- 損保ジャパン
これまで加入していた火災保険会社 - JA共済
東日本大地震など、保険支払い額が一番多かった会社 - あいおいニッセイ同和損保
自動車保険などをお願いしてる保険代理店がある - 県民共済
保険の掛け金が安い
一番保険料が安かったのは、断トツに県民共済でした。これまでと同額の1,630万円で試算したら、毎月の保険料は約1,200円~1,300円程度でした。ただ問題は地震保険です。
一応気持ちばかりの地震保障も含まれていますが、保険額の5%満額ということだったので、こちらは早々に断念しました。1,630万円の5%といえば、100万円も満たないことになりますから、あまり地震保険の意味がないと判断したからです。
同じくあいおいニッセイもあまりよろしくなかったので、この時点で候補から外しました。最終的に保険の支払い実績が他を圧倒しているJA共済、そして平均してあまり悪い部分もなく保険料も安価な損保ジャパンの2つに絞ることにしました。
保険の内容ですが、「火災保険1,630万円、地震保険50%」で試算すると、損保ジャパンが月4,000円~5,000円、JA共済が月8,000円ほどでした。
気持ちは私も母もJA共済だったのですが、やはりこの保険料の差は大きいです。ほとんど同じ保障なのに、倍近く違います。なぜこんなにも保険料が違うのかというと、実はJA共済の火災保険は満期返戻タイプだからです。
簡単にいってしまえば、掛け捨てではない火災保険ということです。JA共済の「建物厚生共済むてき」という商品なのですが、この商品には満期返戻タイプしかなく、おのずと保険金は高くなってしまうそうです。
満期返戻金はいらいので、その分月々の掛け金を安くして欲しいのですが、そういう商品なのですから仕方ありません。その時は、保険料の支払いを考えて、損保ジャパンの火災保険にする流れとなっていました。
最後の最後にJA共済の火災保険を選んだ理由
損保ジャパンの火災保険で決まりかけていたのですが、管理人が最終的に契約した火災保険はJA共済でした。
月々の保険料も、約3,500円まで下げることもできました。「どうせ保障金額を下げて、保険料を下げた」と思われそうですが、保障金額は下げていません。
火災保険の保証金額は当初の1,630万円から、再評価をお願いしたところ1,850万円だといわれたので、今回は評価額いっぱいの1,850万円まで増やしてもらい、それで月々の保険料を抑えることに成功しました。
掛け分けて保険料を抑える
保障金額が上がったのに保険料が減ったカラクリについて解説します。
JA共済には今回試算した「建物厚生共済むてき」という商品とは別に、ただ単に火災時の保障だけをする「火災共済」という商品がありました。
JA共済の職員さんは、あまりこの火災共済を薦めないので、このような火災保険があることを知らないまま契約してる人も大勢いると思います。
そして、この「火災共済」と、「建物厚生共済むてき」を組み合わせることで、月々の保険料を大幅に減らすことに成功したというわけです。
内訳などは詳しくいえませんが、ようするに通常の火災保険で1,000万円加入し、建物厚生共済むてきで残りの850万円の火災保険に加入するという方法です。
火災時には満額の1,850万円を受け取ることができますし、地震で全壊したときも建物厚生共済むてきから425万円、台風で家が全壊したときも850万円の保険金が受け取れます。
結局、地震や台風被害のとき、受け取れる保障額が減ってると思われるかもしれませんが、もともと地震保険はどこの保険会社に加入しても、火災保障額の50%までしか支払われません。
台風で家が全壊することより、台風によって家が雨漏りしたり、瓦が飛んで近隣に迷惑を掛けたりすることが怖かったので、台風被害で最大850万円もつけておけば問題ないという判断です。
JA共済の職員さんに感謝
これで月々の保険料は建物厚生共済むてきが約3,500円程度。火災共済は月払いができないので年払いで12,000円ほどです。
そして、毎年火災共済の方は管理人が一括で支払うように設定してもらい、母は建物厚生共済むてきの掛け金だけを毎月支払うようにしました。
これにはJA共済の職員さんも「なるほど、こういう掛け方もあるんですね。勉強になりました」と、お世辞だとしても、こちらの労をねぎらってくれたので、ちょっと嬉しくなりました。
ただ、そのJA支店さんでは、この保険の掛け方は本当にはじめてのことだったようで、担当してくれた職員さんも本部と電話で掛けあいながら一生懸命やってくれたので、すごく感謝しています。面倒なお客さんだっただろうに、本当に感謝しかありません。
火災保険は評価額以上は受け取れない
最後に余談ですが、火災保険というのは、評価額以上を受け取ることはできません。
評価額2,000万円の家がA社の火災保険に2,000万円、B社の火災保険にも2,000万円をかけていたとしても、A社から1,000万円、B社から1,000万円の合計2,000万円しか支払われないことを覚えておきましょう。
考え方を変えたら、A社、B社、C社、D社の火災保険に500万円ずつ加入するのもありということです。
今回の掛け方であれば、保険料が安い県民共済で1,000万円の火災保険に加入し、残りの850万円をJA共済の建物厚生共済むてきに加入するというやり方が、保険料的にも一番安くなる方法だったと思います。
ただ、今回は本当にJA共済の職員さんにお世話になったので、通常の火災保険も火災共済もそのままJA共済でお願いすることにしたという流れになりました。
保険には色々な特徴を持つ商品があります。自分にとって何が大事なのか、毎月かかる保険料か、支払われる金額かなど優先度を決めて、安価でも安心できる保険を選ぶようにしましょう。