中古マンションの物件を探すとき、「築浅物件」や「築5年以内」など、条件を絞れる検索機能を使って細かく探すことができますよね。
「新しい築浅マンションの方が人気だろう」と思ってる人も多いようですが、実際の不動産市場では、必ずしも築浅物件が人気だとは限らないようです。
下の図は、不動産ジャパンが発表した首都圏における築年代別にみた物件数と成約率のグラフです。
このグラフを見てもわかるように、築10年未満の築浅物件より、築11年~15年と築31年以上の物件シェアが大きいことがわかります。
※不動産ジャパンHPより(http://www.fudousan.or.jp/topics/1603/03_3.html)
中古マンションの成約率に関しては、築11年~15年の物件のシェアが一番大きいのですが、平成25年には築31年以上のシェアの方が大きくなり、そこから年々拡大しています。
そしてついに、平成27年では築31年以上のシェアが全体の成約件数の4分の1にまで達しています。
その中でも特に注目して欲しいのが、成約件数の築21年以上に関してです。「築21年~25年」「築26年~30年」「築31年以上」の成約物件が、それぞれ平成27年を機にシェアを拡大しています。
また、平成27年度でみても、新たに売り出されることになった「新規登録物件」の数において、築21年以上が全体の50%以上を占めています。
このように、必ずしも新しい築浅物件の方がたくさん売れているわけではない、ということがわかります。
成約価格でも築31年以上に注目!
実は、築31年以上の中古マンションの注目ポイントは成約件数だけじゃありません。面白いデータになっています。こちらもご覧ください。
※同不動産ジャパンHPより
これは不動産ジャパンのHP内に公開されているデータで、首都圏における中古マンションの平均成約価格です。築31年の成約価格が築21年~25年、築26年~30年を上回っています。
築21年以上は1834万円、築26年は1906万円なのに対し、築31年以上の中古マンションの平均成約価格は2076万円となっています。
築21年~25年の中古マンションと比較すると、約240万円もの価格差があります。
240万円の価格差が生じた原因とは
この価格差の理由は、主に2つあると思います。
- バブル期に建てられた築25年~30年以上の豪華なマンションが多い
- DIYブームでリフォーム・リノベーションを望む方が増えた
これに関連して、バブルが崩壊したことにより築20年~25年くらいのマンションが大量供給時代に突入し、あまり魅力を感じない物件が増えたことも要因として挙げられるかもしれません。
ですが、これらの価格差が生じている理由は、バブルの時代が絡んでいることや時代の変化が主な原因ですので、このまま築31年以上の古い物件がどんどん値を上げることはないと推測できます。
築31年以上のマンションは売却タイミングかも?
もし、築31年以上のマンションを相続されて所有している状況で、空き家の状態で放置していたり、賃貸として貸し出しているのであれば、このタイミングで一度売却を検討してもいい時期なのかもしれません。
しかし、不動産会社によっては、この築30年以上のマンションの成約価格が高くなっているということを関係なしに、築年数が古いからといって安値で査定を出す業者も珍しくありません。
せっかく高値で売れる時期なのに、そのことを知らずに安い価格で売却してしまうのはもったいない話です。
特に築年数が古い物件は1社だけに売却相談するのではなく、最低でも4社~5社くらいに売却査定を依頼し、正当な査定を出してもらう必要があります。
「大手不動産だから安心」「知人が働いてるから安心」ということはありません。
売却を考えているなら、必ず複数社から査定を取ることを強くおすすめします。