どのような家が「売れやすく」、どのような家が「売れにくい」という説明をしようと思ったのですが、「売れやすい家」と正反対の家が「売れにくい家」なので、今回は売れやすい家を中心に紹介していこうと思います。
つまり、これから紹介する「売れやすい家」」に合致しなければ、「売れにくい家」ということなので、その場合は何らかの対策を考えていかなければなりません。
売れやすい家の傾向
購入者によって、何を優先するかは違いますが、一般的には以下のような物件が「売れやすい家」だと言われています。
- 市場の相場よりも低価格
- ごく平凡な一般的な間取り
- 内装・外観ともに綺麗
- 立地や周辺環境が良い
- 築年数が浅い
- 大手住宅メーカーが建てている
- 日当たりが良い
- 駐車スペースが多い
市場の相場よりも低価格
市場の相場よりもお手頃感を価格に反映するのは、何よりも大事です。
相場相応であれば、問い合わせや内覧も入りますが、相場よりも高くで売出しを開始すると、値下げをした後も問い合わせや内覧が入らないことがあります。
このように特に売りだす時のスタート価格は何よりも大事です。
「問い合わせが無ければ、後から値下げをすればいいや」というように、コロコロと値段を変えると、「何か問題を抱えている物件なのでは?」と変に誤解をされてしまいます。
市場の相場よりも高値で設定したいときは、相場価格プラス10%くらいが限界だと思ってください。
一般的な間取り
新築の注文住宅のように、間取りを自由に決めることができない中古住宅では、間取りが重要なカギを握ります。
一般受けが良い間取りというのは、ごく平凡な一般的な間取りです。
一般的な間取りとは、建売住宅などを参考にするのが一番わかりやすいと思います。
建売住宅の場合、本当に万人受けするような間取りに作られていますので、家族構成に左右されることが少ない作りになっています。
その逆で、個性的な間取りの家は「売れにくい家」に分類されてしまいます。
売主にとっては、どうしても欲しかったカラオケ専用の防音部屋、映画をみるためのシアタールーム、トレーニングするための地下室などは、個性的な間取りと判断されるので、一般受けするとは限りません。
実際に私が担当した物件に、外国人の旦那さんのこだわりで、2階の主寝室の隣にシャワールームがある家の売却を担当したことがあるのですが、何組も内覧には来るのですが契約に至らす、売り出し価格を相当下げて、やっと買い手が決まりました。
内装・外観ともに綺麗
内装や外観が綺麗な家のほうが、売れやすいのは言うまでもありません。
だからといって、わざわざ外壁の塗装をしたり、屋根瓦を張り替える必要はありません。
大掛かりなリフォームをしても、その金額が売却価格に反映されることは滅多にありませんので、どれだけお金をかけずに内装や外観を綺麗に見せるかがポイントです。
内装であれば、部屋の掃除をキチンとしておく、部屋が明るく見えるように内覧時に照明をつけ、カーテンを全開しておくなどの工夫だけでも、全然印象が変わります。
外観も同じです。建物を綺麗にみせようとすれば、塗装費など大幅な出費になりますので、建物本体よりも、庭の清掃をキチンとしておくことで、敷地を広く見せることができますし、駐車スペースに車を止めておかないことも広く見せるのに効果的です。
立地や周辺環境が良い
近くにスーパーや銀行などがあり、生活に便利な地域は人気も高いです。
同じように通勤や通学に便利な地域も利便性が高く、人気の物件となりやすい傾向にあります。
このように、立地や周辺環境が良い場合は、それらを前面に押し出して広告活動を展開するようにしましょう。
不動産業者のHPなどは、掲載できる写真が限られているので、内覧に来た人に対して、独自で作成した近隣マップなどを写真付きで用意しておくと好感度もあがります。
近くにコンビニや銀行なども無いような地域の場合、都心部から田舎暮らしを計画している人、駐車スペースを多く確保したい人など、ターゲット層を良く検討する必要があります。
築年数が浅い
築年数が浅ければ浅いほど、「売れやすい家」になります。
築浅物件の目安は、築9年以内だと思っていてください。
築10年を過ぎると、一気に問い合わせ件数も内覧数も減ります。
これは各不動産ポータルサイトの仕様が大きく関係しています。
大手不動産ポータルサイトでは、築年数を指定して物件検索ができるようになっています。
なので「築年数10年以内」にチェックを入れて検索をする人が多いからです。
大手住宅メーカーが建てた
やはり大手の住宅メーカーが建てている家のほうが人気はあります。
住友林業、積水ハウス、ダイワハウス、一条工務店、ミサワホームなど、大手住宅メーカーと言われる会社で建築した物件については、物件情報などでもアピールしておくようにしましょう。
例)「平成15年、積水ハウスで建設」
たったこの一文を入れているだけでも、買主側としては安心度が違ってきます。
地元工務店やローコスト住宅で建築されている物件であれば、購入希望者側から質問されるまでは、伝えなくても良いと思います。
ただし、購入者側から質問されたときのために、建築した業者に問い合わせをして、中古で売却した後のアフターフォローなどを聞いておくと、親切な売主だと良い印象を持ってもらえると思います。
日当たりが良い
中古住宅探しで「日当たりの良さ」を条件にしている人は思っている以上に多いです。
それくらい日当たり具合によって、大きく左右されることがあります。
とくに南向きの物件は人気も高く、多少の悪条件がある物件でも売れてしまう場合もあります。
あなたの物件が南向きで日当たりが良いのであれば、それをアピールしないのは損です。
あまり日当たりが良くない物件の場合は、室内を少しでも明るく魅せる工夫が必要になりますので、内覧時は屋内のカーテンを全開し、全室照明をつけておくようにしましょう。
とくに日当たりが悪い箇所には、カビなども生えやすいので綺麗に清掃しておくことを心がけてください。
駐車スペースが多い
駐車スペースが多いほうが、購入者には当然喜ばれます。
都心部では敷地が狭く、駐車スペースを1台確保するのが精一杯という物件も目立ちますが、マンションから戸建てへの買い替えを希望している人のなかには、駐車スペースの問題を重要視している人もいますので、2台・3台の駐車スペースが確保できる物件であれば、大々的にアピールしても損はありません。
私の経験で、駐車スペースが1台しか確保できない戸建て物件があり、敷地内の少し改良することで駐車スペースを2台確保できるようにして売り出したところ、以前内覧したお客さんからすぐに連絡があり、即契約に至ったこともあります。
このときは、駐車場脇にあった花壇を解体し、駐車スペースにしたのですが、費用は40万円ほどで済みました。
40万円といえば、室内の壁紙をすべて張り替えるくらいの費用です。
基本的に売主がリフォームをすることに、わたしはあまり賛成ではありませんが、このように売るためのリフォームであれば、多少の出費は必要だと考えています。
~まとめポイント~
- 売りやすい家の条件を知ることで、売れにくい家の欠点がみえてくる