少し前まで連日メディアを賑わしていたのが、「中国人による爆買い」です。
家電量販店で同じ電化製品を何個も買い、高級宝石や高級車をポケットマネー感覚で購入する中国人たちがクローズアップされました。最近は爆買いのニュースもほとんど見なくなりました。これは、ただ報道が落ち着いただけではありません。
実際に、中国人観光客は激減し、爆買いをする中国人自体も大幅に減っています。そしてこれは、家電や日用品だけではなく、不動産でも同じことが言えます。
一時期、投資目的で日本の不動産を買い漁る中国人が大勢いました。日本の土地、賃貸物件、中古マンションなど、爆買いの対象は多岐に渡っていました。しかし、今は日本の不動産を購入する中国人は相当数減り、逆に売却を依頼する中国人が急増しています。
日本の不動産は高止まりした
以前、日本の不動産を買い漁っていた中国人たちは、今は香港の不動産へとシフトチェンジしています。香港は、今もっとも注目を集めている都市のひとつで、不動産価値は東京よりも高額になる地域もあります。中国人投資家がシフトチェンジしたことで、今後益々、中国人が所有している日本の不動産は、売却傾向に向かいます。
中国人投資家たちが、日本の不動産に見切りをつけた理由のひとつが、東京などの首都圏における不動産価値の高止まりです。
実際に昨年の今頃、東京はもちろん首都圏全体の不動産価格は、2020年の東京オリンピックまで上がり続けると言われていました。しかし2016年の終わり頃には、首都圏の不動産価格は高止まりを迎えたという見方をする人が多くなりました。
こうした理由から、今後は中国人投資家たちに買い占められていた不動産が市場に出回ることで、首都圏の不動産価格は下落すると予想されています。
この流れは、これからマンションを売却しようと考えている人にとっては困った話となります。順調に伸びていた首都圏の不動産価値が、一部の不動産投資家たちの影響で下がってしまうからです。
とはいえ、地域や物件によっては、まだオリンピック特需は続いているので、売却を考えている人は、売りに出す時期を慎重に検討することをおすすめします。
特需とは相反して、資材の価格高騰などにより事実上マンションや住宅の価格はバブル期と同様、それ以上とも言われている昨今です。正確な情報を収集、精査して売却時期を考えることが必要です。