首都圏における分譲マンションに付きものなのが、駐車場問題です。
2015年度の調査で、東京都に新築された分譲マンションの駐車場設置率は、なんと24.5%しかありません。大阪府でさえ56.6%なので、都内のマンションでどれほど駐車場が不足しているのかが良くわかります。
そんな「都心の駐車場問題」を解決できるかもしれないと期待されているのが、今回紹介する「駐車場シェア」というサービスです。まだあまり聞き馴染みのない言葉ですので、今回は、この駐車場シェアサービスについて解説していきます。
駐車場シェアサービスとは
駐車場シェアサービスとは、簡単に言うと使っていない駐車場を貸し出すサービスです。もちろん、月極め駐車場のように面倒な契約書を交わしたりする必要も一切なく、駐車場の登録、利用申し込み、決済などはすべてインターネット上で完結します。
基本的にクレジットカード決済となっており、サイトを運営している企業から、貸主へ月単位で一括振込みされます。
貸す時間帯なども、貸主側が自由に決めることができ、全く使用していない駐車スペースがあれば、1日単位で貸すこともできます。さらに、通勤に使っている車がある場合は、平日の日中だけなど、分単位や時間単位で貸すこともできます。
ちなみに、この駐車場シェアサービスを運営しているサイトで、実際に南青山の駐車場シェアを検索してみたところ、明治神宮前駅のすぐ隣に15分90円で貸し出している駐車場シェアがありました。この地域のコインパーキング相場は20分300円~400円なので、3分の1以下で借りることができます。
もちろん、サイトには駐車場の写真なども掲載されているので、「ネットで契約したが、いざ行ってみたらすごく狭くて止めづらい場所だった」なんてこともありません。
この駐車場シェアサービスを運営している企業は急増していますが、注目すべきは、大手企業も続々と参入してきていることです。車のトラブルでお馴染みの「JAF」や、コインパーキングで有名な「Times(タイムズ)」、さらには、JRまでもが駐車場シェアサービスを取り入れている状況です。
分譲マンションの駐車場不足も解消となるのか?
現時点では、ほとんどのサイトが最大1日単位でのレンタルとしているので、すぐに分譲マンションの駐車場問題に直結するわけではありません。
ただ、このようなサイトに登録して駐車場を提供しているのは、ごく普通の一般人の方です。つまり、自宅の駐車スペースなどをシェアサービスに提供しているのであれば、当然その家の方が貸主ということになります。
実際に、まったく使っていない駐車スペースであれば、そこを個人的に月単位で借りる契約をすることも難しくありません。使い方によっては、分譲マンションの駐車場問題にも影響してくるのではないでしょうか。
どうしても月単位でのレンタルは難しいと言われるのであれば、そこを毎日一日単位で借りるようにすればどうでしょう。
もしかすると、他の人に先に予約を入れられてしまうかもしれませんが、そのときだけ近くのコインパーキングを利用するという考え方もあります。たとえ一日単位で借りたとしても、コインパーキングの料金と比較して、半額以下に設定してある駐車場がほとんどなので、長い目で見ると確実にお得です。
まだまだ発展途上のサービスなだけに、今後どのように展開していくのか未知数な部分はありますが、知っておく価値は高いサービスです。
また、自宅や事業所の空きスペースがある方は、有効活用が出来るチャンスです。大手企業の参入により、これから更に使いやすく便利になっていく振り幅のあるサービスだと言えます。