山林購入時の流れや注意点、固定費資産税などの維持費用

山林の購入・売却の注意点、評価と固定資産税

山を購入する際の流れは一般的な土地購入と変わりませんが、場所によっては家を建てることができない地域もあるので、事前にしっかり確認しておくようにしてください。

山林の相場は1ヘクタール(約3,000坪)で50~100万円という広さのわりに安い価格で取引されるケースもありますが、一旦購入するとなかなか売却するのが難しいので注意が必要です。

この記事では、山を購入したい人、売却したい人両方に役立つ内容をまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。

山を買う時の流れと注意点

まずは実際に山を購入する際の流れを見ていきましょう。

  1. 希望に合う山林を探す
  2. 現地へ出向き自分の目で確認する
  3. 価格交渉をする
  4. 売買契約を交わし登記変更と決済を済ませる

契約までの流れは通常の不動産購入と基本同じですが、山林を買う場合気をつけなければならないポイントがいくつかありますので、ここからは注意点について解説していきます。

山を買う前に最低限知っておくべきこと

山林を買ってログハウスを建ててゆったりとした生活をしたいと考えている人も多いかと思います。

しかし自分名義の山林だからといって自由に建物が建てられないケースもあるので、購入前にしっかりと確認しておく必要があります。

一般的な不動産会社は山林事情に詳しくないので、建物を建てたいのであれば山林売買の実績が豊富な業者に依頼することをおすすめします。

山林の建物について

山林の大半が市街化調整区域の指定を受けており、区域内ではたとえ自分名義の土地であっても建物を建てることができません。

ただし、基礎工事などが必要ない簡易的な休憩小屋程度であれば建てられます。

また、山林が保安林に指定されている場合も同じように建物などを建てることができず、立ち木の伐採をするにも許可を得る必要があります。

山を購入する際に役立つサイト

山林を購入する場合は一般的な大手不動産サイトより、山林売買を専門にしているサイトの方が多くの物件情報が掲載されています。

ここからは山を購入する際に役立つ3つのサイトを紹介するので、参考にしてもらえばと思います。

山林バンク

山林バンク

会社名 マウンテンボイス
所在地 和歌山県東牟婁郡古座川町立合179
対応エリア 日本全国
掲載数 228件(2019.10月現在)
ウェブサイト https://sanrinbank.jp/

山林売買の専門サイトで、実績・歴史のどちらもNO1です。山林売買の専門サイトはいくつかありますが、掲載数を比較しても一番数が多いです。

公式サイトによると日本で最初にインターネットを介した山林売買を手掛けたのも山林バンクだそうです。

紹介されている情報をみても事業向けの山林だけでなく田舎暮らしやプライベートキャンプ場など、自然愛好家向けの山林が数多く掲載されているのも山林バンクの特徴です。

山林の購入を検討しているのであれば、必ずチェックしておきたいサイトだと思います。

山林売買.net

山林売買.net

会社名 すみれリビング株式会社
所在地 岐阜県高山市下岡本町2982番地10
対応エリア 日本全国
掲載数 31件(2019.10月現在)
ウェブサイト http://www.sanrin.net/

全国の森林組合と提携し、山林の売買を斡旋している専門サイトです。

森林組合と提携しているという信頼度があるので、山林売買のユーザーからは根強い人気があります。

一部北海道や関東の山林も紹介されていますが、奈良県の森林組合が提携している物件が多く掲載されており、中部や近畿圏の山林がメインとなっています。

また山林売買.netでは、山林の管理委託についても相談することもできます。

山いちば

山いちば

会社名 株式会社山いちば
所在地 京都市下京区中堂寺粟田町93 KRP4号館3階
対応エリア 日本全国
掲載数 10件(2019.10月現在)
ウェブサイト https://yamaichiba.com/

山林売買はもちろん管理や立木の処理をはじめ相続や境界線策定まで、山のことなら何でも相談できるのが「山いちば」です。

現在所有している山林の売却査定もお願いすることができるので、売却するとどれくらいで売ることができるのか?について事前に知ることができます。

山林の仲介や査定は日本全国どこでも対応しているので、売却を検討しているのであれば一度相談してみて損はないと思います。

山を買うにはいくら必要?相場は意味なし

ここでは山林の価格相場について解説していきたいと思います。

山林の売買は年間で10,000件程度で住宅地のように取引事例が多くないため、相場は基本的にありません。

つまり山林の持ち主が坪10万円といえば坪10万円ですし、坪500円といえば500円で取引することになります。

管理人が過去に担当した売買例を紹介すると、自宅裏にある3,000坪くらいの裏山を売るケースで坪1,500円の450万円で売買が成立しました。

民家に近いこともありこの価格で売買が成立しましたが、一般的に人里を離れた山林ほど価格は安くなります。

ただし近年では中国人などが日本の山林を投資目的で購入していることもあり、たとえ山奥であっても比較的高額な条件で取引された例もあります。

安い場所なら坪50円程で取引されることもありますが、所有者にしてみれば「固定資産税の支払いや管理の手間を考えれば、タダでもいいから誰かもらって欲しい」というのが本音なのかもしれません。

このように山林は価格があってないようなものです。ですので山林の購入を検討しているのであれば、多少強気で値引き交渉するくらいの気持ちで臨むといいと思います。

キャンプなど趣味目的で買う場合の注意点

最近は格安の山林を個人で購入し、キャンプやアウトドアを楽しむ「山活」が人気です。場所によっては別荘を建てて、夏場だけの避暑地として利用することもできます。

価格も比較的手頃なので購入したいと思えば簡単に買うことができるのですが、問題は不用になったときの管理です。

100坪や200坪くらいなら自分で手入れしたり土地の近くの便利屋さんにお願いして草むしり程度はできると思いますが、2,000坪や3,000坪となれば簡単な話ではなくなります。

いざ売却しようと思ってもすぐに買い手が見つかれば良いのですが先ほど紹介したように、山林の売買件数は少ないため価格をさげても年単位で買主がみつからないケースは多いです。

山林を購入するときは、不用になったときの管理や売却のことまでしっかり考えて決めるようにしてください。

事業目的で買う場合の注意点

先ほども少しふれましたが、中国人が日本国内の山林を投資目的で購入するケースが増えています。目的は木材や水源の確保の事業目的です。

日本人の場合、個人で木材や水源を確保するために山林を買うという人は少ないと思いますが、ペンション経営、キャンプ場やドッグラン場を開業するなど、事業目的で山林の購入を検討している人もいるでしょう。

しかし、目的に合う物件が見つかったとして、本当にその土地で事業を始めることができるのか入念な調査が必要です。

  • 建物を建てることができるのか?
  • 道路は公道なのか?
  • 水道や電力を引くことはできるのか?
  • 土地の開発許可はおりるのか?
  • 木を伐採することはできるのか?
  • 崖崩れなどの警戒区域に指定されていないか?

少し考えただけでも、これだけの不安要素が出てきます。

不動産会社はあくまでも仲介するのが仕事であり、上記の内容について詳しく知っている人は少ないのが実情です。

事業目的で購入するのであれば山林売買の経験が豊かな業者に相談することをおすすめします。

山林の固定資産税・相続税について

山林の購入を検討している、もしくは山林を相続する可能性があるという人が気になるのは、固定資産税や相続税ではないでしょうか。

このブロックでは、山林の固定資産税や相続税について分かりやすく解説していきたいと思います。

山林の固定資産税は驚くほど安い

先に結論をいってしまうと山林1ヘクタール(約3,000坪)の固定資産税は、年間1,000~5,000円ほどです。

固定資産税というのは土地の評価額に税率1.4%を乗じた金額です。

山林1ヘクタールの土地評価額は、どの地域でもだいたい50,000~300,000円ほどでしかないので、評価額50,000円であれば、

50,000円×1.4%(税率)=700円

300,000円の場合でも、

300,000円×1.4%(税率)=4,200円

ですので、山林1ヘクタールの固定資産税は想像しているよりも、かなり安価に設定されていることがわかります。

さらに市区町村によっては「規定の評価額に満たない場合は課税しない」というケースもあるので、山林を所有しているけど固定資産税は払ったことがないという人もいます。

ただし、自宅の裏山や市街地に近い場所の山林では、宅地並みとはいいませんがそれなりの評価額がついてしまうこともあるので注意しておきましょう。

固定資産税評価額を知りたい場合は、自治体で「固定資産税評価証明書」を取得してみてください。

ただし、所有者以外の人がこの証明書を取得するには所有者の委任状が必要となります。

山林を相続する場合の費用

先の項目でも話したように山林の評価額は低いため、相続税に関して心配する必要はありません。

※ただし山林の他に実家の土地などを相続する場合は話が異なるので、こちらの「土地や実家を相続した時の手続き」も参考にしてください。

相続する場合に問題となるのは相続税ではなく、その後の山林の維持管理です。少額ですが毎年固定資産税を払うことになりますし、なにより山林の維持費もかかります。

山林は所有者がまめに「伐採」や「間引き」をしなければ荒れ放題になってしまいます。

相続などで今まで山の管理をしたことの無い人には何をどうしてよいかわからず、地元の森林組合などに管理を委託することになると思います。

そうなると当然、委託管理費などを支払いが発生します。

委託管理費の目安としては1ヘクタールで5,000円ほどですが、立ち木の保育管理までお願いすると数万円や数十万円になることもあります。

管理費用に関しては作業内容や地域によって違いますので、詳しくは地域の森林組合に確認してみてください。

自分で管理することができないのであれば、なるべく早く売却することをおすすめしますが、どうしても売却できないという場合は、市区町村の担当課に相談することをおすすめします。

市区町村や山林組合によっては、山林に対しての補助金制度を利用できることがありますし、田舎暮らしを考えているのであれば、移住奨励金などの対象にもなります。

なお、山林の補助制度に関しては林野庁のホームページで問い合わせ先や、補助の内容の説明があります。

※参考:林野庁のページ
https://www.rinya.maff.go.jp/index.html

その他にかかる維持費用

山林を所有したり相続するときに発生する費用としては、他に不動産取得税や名義変更などが必要となります。

不動産取得税は相続時には発生せず山林を購入する際に一度だけ発生する費用ですが、こちらも税率3%なので固定資産税と同じく大きな金額になることはほぼありません。

名義変更にかかる費用も印紙代程度なので少額で済むのですが、変更手続きを司法書士に依頼するのが一般的で手数料が通常3~5万円ほどかかります。

ただし名義変更する土地の筆が多いほど手数料も高くなるので注意しておきましょう。

山林を売却したい場合

ここからは山林を売却する際のポイントや注意点などを解説していきたいと思います。

山を手放すのは簡単ではない

個人で山林を購入したいという人が増えていますが、供給過多であることに変わらず売主よりも買主の方が立場的に強いです。

そのため買主は、自分たちの条件に合う山林を納得いくまで探すことができます。

例えばちょっと気に入った山林があったとしても、他にもっと良いのがないか時間をかけてゆっくり探せるのです。

先ほども触れましたが山林の値段は有って無いようなものなので、買主から大幅な値下げ交渉を持ち掛けられることも珍しくありません。

売主主導で売買できる山林は高品質の樹木が生育していたり、名水と呼ばれる水の水源があるような山林に限られます。

手放したいのであれば買ってくれる人がいるだけでもありがたい、タダ同然でも良いので引き取って欲しいくらいの心構えで売りに出す必要があります。

なかなか売れない場合は一括査定も

山林を売却するなら、先ほど紹介した「山林バンク」などの山林売買の専門サイトに相談した方が効率良く売却できますが、窓口を広げるなら不動産売却の一括査定サイトも同時に利用しておくとよいでしょう。

サイトには全国各地さまざまな不動産業者が登録しており、上手に活用することで山林売却を相談できる業者が見つかるかもしれません。

購入希望者が必ずしも山林専門サイトを利用するとは限らないので、売却を検討している人やなかなか売れなくて困っている人は、不動産の一括査定サイトもあわせて利用してみてください。

樹木だけを売却するという選択肢も

山林を売却するといっても、実は2つの方法があります。

  • 山林をまるごと売却する
  • 樹木だけを売却する

恐らく想像しているのは「山林をまるごと売却する」ケースがほとんどだと思います。たしかに、山林をまるごと売ってしまうのが固定資産税の支払いや山林の管理のことなどを考えてもベストな方法だと思います。

しかし先ほど解説したように山林の売却は思っているほど簡単ではありません。そこで検討したいのが、「樹木だけを売却する」という方法です。

簡単に言ってしまえば、個人で林業をするようなものです。

実際に林業を個人で行うには莫大な投資費用が必要ということもあり現実的ではないので、山林に樹生している樹木だけを専門の業者に売却するという方法があります。

300坪や500坪くらいの広さでは、業者側も相手にしてくれませんが、最低5ヘクタールくらいの広さがあれば樹木買取の相談をすることはできると思います。

樹木買取をしてくれる業者を数社ピックアップしておきますので、参考にしてみてください。

丸山木材工業

丸山木材工業

会社名 丸山木材工業株式会社
所在地 岐阜県中津川市東宮町1-2
ウェブサイト https://www.maruyama-g.co.jp/maruyama/jtimb.html

丸山木材工業は立木の買い取りから山の買い取りまで、山に関する売買なら何でも相談にのってくれます。

相続した山林、手入れが行き届いてない山林、自分の山林がどれくらいの価値があるのか知りたいというだけでも気軽に相談にのってくれますので、まずは話を聞いてみたいという方でも安心して相談することができます。

出水木材株式会社

出水木材株式会社

会社名 出水木材株式会社
所在地 宮崎県北諸県郡三股町大字樺山1324-2
ウェブサイト https://demizumokuzai.net/

出水木材株式会社は、九州の宮崎県において先々代より3代に渡り林業を営んできた老舗の木材業者です。

宮崎県という地域的にも、九州地方で山林や立ち木の買取業者を探しているのであれば、一度相談してみてはいかがでしょう。

ホームページにも買取できる立ち木の種類などが明確に掲載されているので安心です。

主な樹種 幹の大きさ(cm)
ケヤキ 210cm以上
クスノキ 240cm以上
ヤマザクラ 240cm以上
ヒノキ 150cm以上(古木のみ対象)
スギ 240cm以上(古木のみ対象)
カヤ 210cm以上

※幹の大きさは目線の高さで円周(幹回り/幹周)を巻尺等で測った長さです

山を丸ごと売った場合の税金はいくら?

不動産の営業をしていたとき、このような質問をされることが多くありました。

「山を相続したけど、売却したらどれくらい税金を取られるの?」

これについては、大きく2つのパターンが想定できます。売却希望している山を買った金額が解っている場合と、買った金額がまったく解らないというケースです。

この2つで、山林を売却したときに支払う税金はまったく違ってきます。

山に限ったことではありませんが、不動産を売却して利益を得ることを「譲渡所得」といいます。

例えば600万円で買った山林(土地)を1,000万円で売ったら、単純に400万円の利益を得たことになり、この400万円に対して「譲渡所得税」という税金を払わなければなりません。

しかし購入したときの代金が解らない場合、売った価格の5%を購入金額とする決まりになっており、この場合、

1,000万円×5%=50万円

購入金額は50万円となり、売却で得た利益は950万円となります。

譲渡所得の税率は20%なので、400万円だと80万円、950万円だと190万円の譲渡所得税を納めることになります。

ただし購入した金額よりも安い金額で売却した場合については、売却で得た利益はマイナスなので譲渡所属税を払う必要はありません。

山林を買う人の動機(目的)にも注意

将来子供たちが家を建てる時のため、税金対策の一環で土地を購入するケースは珍しくありませんが、同じ税金対策で山林を購入する人はそういません。

つまり山林を購入する人には、何かしらの明確な動機があると言うことです。

田舎でゆっくり老後を過ごしたい、農業や林業などの事業目的の人、中国人のように投資目的という人もいます。

しかし、山林の中には建物の建設ができない地域、崖崩れや土壌汚染などの問題を抱えている場所もあります。

このような売却後のトラブルを防止するためにも、個人間での山林売買は控え、専門家に仲介に入ってもらうことを強くおすすめします。

その他に知っておきたいこと

よくある質問まとめ

山を購入した際の維持費、管理費はいくらかかる?

山林を購入、または相続した際には固定資産税や相続税がかかります。
どれくらいかかるか気になる人もいると思いますが、山林の固定資産税はかなり安いので大きな不安はいりません。

固定資産税は「土地の評価額に税率1.4%を乗じた金額」です。
税金に関する説明はこちらのブロックで解説しているので参考にしてください。

山や林はどこで買えるの?

今はインターネットで簡単に売りに出されている山や林を見つけることができます。
代表的なのは山林バンクなどのサイトです。
こちらで山林売買の専門サイトを紹介しているので参考にしてください。

山を購入する場合の注意点は?

最近は山林を個人で購入し、キャンプやアウトドアを楽しむ「山活」が人気ですが、注意しなければいけないのは不用になった時の管理です。
100坪や200坪くらいなら自分で管理できるかもしれませんが、それ以上になると草むしりや伐採などを業者に依頼しないと管理できなくなる可能性が高いです。

また売却しようと思ってもすぐに買い手が見つからないことが多く、買い主を見つけるまでに年単位で時間がかかることもあります。

不要になった山林を売りたい場合は?

不要になった山林を売却するのは、買うのに比べて非常に大変です。
基本的には山林売買の専門サイトに登録して買い主を探しますが、なかなか見つからず時間がかかる事が多いです。
売却時のポイントはこちらでまとめているのでぜひ参考にしてください。

山林所得でかかる税金はいくら?

先ほど山は売らずに、自生している樹木だけを売却する方法もあると紹介しました。この場合、土地の売買ではありませんので、先に紹介した不動産の譲渡所得税は発生しません。

樹木の売買で得た利益については「山林所得」となり、これに対して税金の支払いが発生します。

保有している期間などによって控除率が違ったりするのですが、細かく説明すると難しくなるので、一般的なケースで解説します。税金の計算式は以下になります。

(山林所得×1/5)×税率×5-控除額=税金

税率と控除額は以下の表から算出します。

山林所得×1/5 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円以上
330万円以下
10% 97,500円
330万円以上
695万円以下
20% 42万7,500円
695万円以上
900万円以下
23% 63万6,000円
900万円以上
1,800万円以下
33% 153万6,000円
1,800万円以上
4,000万円以下
40% 279万6,000円
4,000万円以上 45% 479万6,000円

仮に山林所得が200万円だった場合の支払う税額は20万円になります。

200万円×1/5×10%×5-0円=20万円

山を売却する際に測量は必要なの?

住宅用地や駐車場用地を売買するとき、必ず隣地との境界を明確にする確定測量を実施します。山林を売買する場合、測量はどうしたらいいのでしょうか。

規模が大きい山林になれば現実的に確定測量はできません。確定測量とは隣接する土地所有者同士が立ち会いのもと行われる測量のことです。

膨大な敷地を有する山林などは、隣接する土地だけでもかなりの数になってしまいます。

一般的に山林の売買においては確定測量や現況測量は実施せずに、法務局の登記簿に記載されている面積数(公簿面積)を元に売買価格を決めるようになっています。

これを公簿売買といいます。

山林売買は仲介手数料が決まってないって本当なの?

不動産の売買でよく耳にする「仲介手数料」ですが、宅地建物取引業法という法律によって上限金額が定められています。

しかし、宅建業法というのは宅地もしくは今後何かしらの建物が建つ可能性がある土地に対しての法律であり、山林だけの売買であれば宅建業法は関係ありません。

つまり、山林の売買では仲介手数料のようなものは存在しているのですが、法律で定められたものではなく、売主・買主・仲介業者の話し合いによって決められた仲介手数料だと思ってください。

飛び地や共有名義でも売却できるの?

飛び地というのは所有している山林が一箇所にまとまっておらず、点在していることをいいます。

もちろん飛び地になっている山林でも売却することはできますが、一箇所にまとまっている山林に比べると買い手が見つかりにくくなります。

相続によって山林を所有している場合、兄弟などの共有名義になっていることも珍しくありません。

このような共有名義の山林も売却することはできますが、その際には名義人となっている方全員の承諾が必要です。

山の資産価値は将来的に上がる?下がる?

山林バンクによると2019年現在の価値は、全盛期の10分の1程度にまで落ち込んでいるとのことです。これは立ち木の売買価格でも同じことが言えます。

山林関係者によると、今が山林価値の底辺だと考えている人も多いようで、今後少しずつですが、山林や立ち木の資産価値は上昇するのではないかと見られています。

ただし、1年や3年で急激に上昇することは考えづらいので、10年や20年という長い目で見た予測になります。

まとめ

キャンプやアウトドアなどの「山活」目的で山林の購入を検討しているのであれば、山林バンクなどの専門サイトを利用するのがおすすめです。

また不動産の仲介業者を経由して購入する場合は、山林売買の実績が豊富な業者を探すのがポイントになります。

山林に関する知識のない業者にお願いすると、建物を建てたくても建てられないといったトラブルになる可能性が高いので注意してください。

購入する際は固定資産税に関してあまり心配する必要はありませんが、手放すとなるとなかなか買い手が見つからない点を理解しておきましょう。

目的別の仲介業者選びまとめ

  • できる限り高く売りたい
  • 急いで売って現金化したい
  • なかなか売れなくて困っている
  • 賃貸にしようか迷っている
  • 買取専門の業者を探している
  • ローン残債があるけど売りたい