猫や犬と一緒に住む家の間取りのポイント

犬や猫と一緒に住む家の間取りのポイント

猫や犬と一緒に暮らせるマイホームを建てたい思っている人向けに、間取り作成のポイントを解説します。

人間とペット両者が快適に暮らせる家を実現するためには、ペットと暮らす家が得意なハウスメーカーに家づくりを依頼しなければ失敗します。

得意な業者の間取りを比較して、猫ちゃんとワンちゃんと一緒に生活できるマイホームを建ててもらえばと思います。

猫と一緒に住む家の間取り例

2016年、ついに犬を飼っている家よりも、猫を飼っている家が多くなったというニュースをみた記憶があります。それだけ今は空前の猫ブームです。

愛猫と快適に暮らす家をつくるためには、まずは猫の習性などを知ることからはじめましょう。

  • 立体的で高い場所が好き
  • ポカポカ日向ぼっこが好き
  • 狭い場所が大好き
  • 知らない猫がいると気になる
  • 不潔なのは嫌い
  • かまわれ過ぎは嫌い
  • 外の世界が気になって仕方ない

犬は買主になつくけど、猫は家になつくと昔から言われているように、犬ほど買主との距離感は近くありません。

愛猫と一緒に快適に暮らすための家を建てたいのであれば、ほどよい距離感を保つことができる家づくりを目指すのが良さそうです。

キャットウォークを作る

猫は立体的で高い場所を好むため、猫が上り下りできるようにキャットウォークを作ってあげるのが理想的です。とくに多頭飼いの場合は、猫にも優先順位がありますので、その優先順位をはっきりさせるためにも有効です。

キャットウォークの設置コストは、規模にもよりますが、リビング部分だけなら10,000円~30,000円ほど予算組しておけば十分だと思います。木造住宅であれば、梁や桁を見せる住宅にすることで、それらがキャットウォークの役目もしてくれます。

猫ちゃんは気分屋さんで、自分が寂しいときにはベタベタと擦り寄ってきますが、普段はあまり触られたりカマわれるのを嫌う動物です。

程よい距離感で接してあげることがストレスを溜めなくする方法です。ただでさえ室内という限られた空間で生活しているのですから、なるべくストレスの原因になることは排除してあげるようにしましょう。

キャットウォークのような絶対に人から触られない場所を作ってあげると、ストレスが溜まらずに済みます。

日光浴できる場所を作る

猫って本当に日向ぼっこするのが好きですよね。野良猫ちゃんが車のボンネットで寝てたりするのも良くみかけます。

猫が日向ぼっこするのには2つの理由があるとされており、1つは体温調節、2つ目がノミやダニなどの害虫駆除だそうです。とにかく日光が燦々と降り注ぐ場所が好きなので、愛猫が日向ぼっこできるようなスペースを絶対に作ってあげるようにしましょう。

高気密住宅での注意点

猫ちゃんはとにかく綺麗好きです。ちょっとでもトイレが汚れていたりすると、我慢したり他の場所でトイレしちゃうこもしばしば…。そんなことにならないように、トイの配置と清掃には気をつけてあげましょう。

家づくりにおいて猫ちゃんのトイレをどこに設置するかは重要なポイントとなります。最近の住宅は高気密なので、臭いも室内に残ってしまいがちです。

脱走対策、爪とぎ対策が必要

愛猫ちゃんは誤解を恐れずに言うと、一生ずっと室内で生活することになります。そのため外の世界に興味津々です。なのでちょっとした隙に外に飛び出してしまうことがあります。

猫ちゃんの脱走や逃走ほど、心配なことはありません。脱走対策だけは絶対に怠らないようにしておきましょう。

また爪とぎについても注意が必要です。せっかくの新築住宅ですから、あちらこちらで爪とぎして傷はつけて欲しくないものです。その対策として、爪とぎ用の柱を設置してあげてください。

しっかりとしつけをすることで、その柱以外では爪とぎしなくなります。

そして猫には、自分のテリトリーを時々見てまわる習性があります。ですので猫が自由に家の中を歩きまわることができるよう、猫専用のペットドアを設置してあげておくと良いです。

犬と一緒に住む家の間取り例

愛犬と楽しく快適に過ごす家づくりを目指すのであれば、犬のことをよく理解しておく必要があります。

  • 運動するのが大好き
  • 穴掘りが好き
  • 寄りかかれる場所が好き
  • 外を眺めるのが好き
  • 一人ぼっちは大嫌い
  • 暑いのが苦手

犬の習性を簡単に説明するとこのような感じだと思います。この習性を知ってるだけでも、きっと快適な家づくりのヒントになると思います。

ぐるっと1周できる室内にする

犬は運動するのが大好きです。お散歩したり、飼い主とジャレあったりするのが大好きです。だからこそ愛犬が思いっきり走り回ることができる間取りを考えてあげることが大切です。人間の動線と犬の動線はちがいます。

人間は基本的に最短距離での動線を好みますが、犬は回遊動線といって家の中を一周ぐるっと走り回れるような動線を好みます。私の実家で飼っている犬も、やはり毎日食後は、このように家の中をぐるっと一周して「追いかけて!遊んで!」とおねだりしてきます。

ペットのために回遊動線を考慮した間取り

ですのでなるべくなら、このように家の中をぐるっと走りまわれるような間取りにしてあげるのが理想です。

犬はもともと群れで生活する習慣があるので、一人ぼっちになるのは大嫌いです。なのでリビングなど、家族が一番集まるスペースにワンちゃん用のゆっくりくつろげるスペースを作ってあげてください。

お散歩にいくと穴を掘ったりすることがありますが、これは犬の先祖でもあるオオカミが穴を掘って身を隠したり、自分の餌を隠したりするための習性によるものだと言われています。猟犬だったダックスフンドなどは、穴掘り犬として有名です。

ですので家の中にソファーなどを置くと、穴掘りの習性が目覚めてしまい、ソファを傷つけてしまうことがたびたびあります。この対策としては、傷つけられたくない物に、犬が嫌うような臭いを吹き付けておくなど、気を配らなければなりません。

ワンちゃんの寝床は狭くてOK

犬がよく壁に寄りかかって寝てたりしますが、これも犬の習性だそうです。背に壁があれば後ろから敵に襲われる心配がないので、野生動物などはなるべく木の陰や岩場などに身を寄せて寝る習性があるそうです。

ですのでワンちゃんの寝床はあまり広くせず、なるべく狭い空間で寄りかかれるような壁を作ってあげておくのがいいでしょう。ちなみに私の実家の犬のお気に入りの寝床は、上にある画像の青●がついている部分です。

外を眺められる窓を作る

なぜか犬って窓から外を眺めるのが好きですよね。きっと人間が好きだから、外を歩く人にも興味を示しているのでしょう。賢い犬になるとご主人様が帰宅するのをずっと外を眺めて待っていることも多いようです。

ですので、なるべく外を眺めることができる窓をつくってあげてください。ちなみに私の実家の犬は、和室の床の間の下にある、小窓や縁側から毎日外を眺めてます。

冷んやりできるスペースを作る

犬は皮膚呼吸ができないので、体温の調節が苦手です。よく舌を出して「ハァハァ」してる犬がいますが、これは体温の調節をしているための行動です。

そのため、犬は熱を持ちやすい体質になるので、冷んやりできるスペースがあると喜びます。編集長の実家の犬は夏になると毎日、玄関のコンクリートの踊り場部分で涼んでいます。

庭にドッグランを作る

もし敷地に余裕があれば、庭をドッグランのようにして遊べるようにしてあげると良いでしょう。それほど敷地に余裕がないのであればルーフバルコニーなどを作り、屋上で遊ばせてあげるという方法もあります。

ルーフバルコニーに芝生を張り、思いっきり遊べるスペースをつくってあげるだけでも、お散歩をあまりできないのであれば運動不足の解消にもなります。

また、お散歩のあとに汚れた手足を簡単に洗ってあげれるスペースを設置するのもおすすめです。玄関内に設置することもできますが、安価で済ませたければ屋外の玄関横などに設置するのが良いと思います。

ただしその場合は、ワンちゃんが逃げださないように、リードをつないでおけるリードフックなどの設置も検討しましょう。

ペットと暮らす家のポイント

ここまで紹介してきたポイントは、普段からよく知られているものばかりです。ここからはさらに深く考え、家づくりでどんな点に気をつけておくべきかを解説していきます。

フローリングの床材選び

犬や猫と暮らすのであれば、フローリングに使用する床材にも気をつけてあげたいものです。

肝心なのは滑りづらい床材を使用することです。とくに椎間板ヘルニアの発症例が多いミニチュアダックスなどの胴長犬を飼っている場合、滑ってしまうとそれだけ腰に負担が掛かっています。

日常的にすべる床の上を走り回ったりすることで、腰への負担はどんどん蓄積していきます。滑りにくい素材などについては、建築会社に提案してもらってください。

また、フローリングの話しをしたので、もう1点注意しておきたい箇所があります。

それが床暖房システムです。床暖房をつけていても、「犬や猫は暑いと感じれば勝手に場所を移動するから大丈夫ですよ」という営業さんがいますが、これは間違いです。

たしかに暑いと感じれば勝手に場所を移動して体温調節をしますが、それが出来るのも若いうちだけです。老犬になってくると体温調整の感度も鈍くなり、動くこともままらなくなってしまいます。

自分で避けることができなくなる結果、低温火傷をしてしまう恐れがあるという話しをブリーダーの人から聞いたことがあります。どうしても床暖房を採り入れるのであれば、ペットがいるスペースだけ絨毯やクッションを置くなどの対策をしっかりとしてあげてください。

玄関ドア選び

玄関の扉はドアタイプよりも、引き戸タイプの方がおすすめです。引き戸タイプであれば来客が急に開けてしまっても脱走防止として網戸を設置することができます。

ドアタイプであれば、ちょっとした隙間から飛び出したり脱走してしまうそれがあります。最近は引き戸タイプの家は少なくなってきましたが、可能であれば引き戸タイプの玄関にしておくと安心です。

どうしてもドアタイプを選ぶのであれば、脱走防止のため玄関部分にいけないように柵や立ち入り禁止用のガードを設置しておきましょう。

掃除のしやすさも考える

愛猫と暮らす家づくりで100%の割合で採用されるのがキャットウォーク作りです。費用も少なく、猫ちゃんも喜んでくれること間違いなしです。

しかし意外と盲点になってるのが、キャットウォークの清掃です。ペットを飼っている方はすでにご存知だと思いますが、犬も猫も健康管理のために時々嘔吐します。

これは意図的に毒素を排出し、体調管理をしているためだといわれています。つまりキャットウォーク部分で嘔吐してしまう可能性も十分にあるということです。

ですので、いつでも気軽に掃除してあげることができるように、キャットウォークを設置することが、飼い主にも猫ちゃんにも大事なポイントとなります。

ペットと暮らして気になる点

まずは犬や猫に関係なく、ペットと一緒に暮らすことで気になるポイントについてです。

  • 1位・抜け毛
  • 2位・臭い
  • 3位・床や柱の傷
  • 4位・トイレ問題
  • 5位・運動不足
  • 6位・温度差

この6つは、犬や猫に関係なく、より気を配って考えておきたいポイントです。特に一番多くの人が頭を抱える問題となるのが、ペットの抜け毛問題です。

抜け毛を減らすことはできないと思うので、対策を挙げるとするなら、こまめにブラッシングやシャンプーをして、抜け毛を減らすことです。家を建てる際にペット用のブラッシングスペースやシャンプー設備を設置してあげるといいでしょう。

もちろんこれからペットを飼うのであれば、抜け毛が少ない犬種などを選ぶのも対策の1つです。犬種によって抜け毛の量が全然違いますので、それらを考慮してペットを選ぶようにするしかありません。

犬のブリーダーをしている人の話しでは、室内犬として人気があるトイプードルは、抜け毛が少ないことで有名なんだそうです。ちなみに編集長の実家ではミニチュアダックスを飼ってますが、抜け毛問題はけっこう深刻です。

まとめ

愛犬や愛猫と一緒に暮らせる家づくりで大事なことは、「ストレスフリーな住宅」を作ってあげることです。犬も猫もストレスが原因となり発症する病気は数多くあります。

少しでもストレスとなる部分を削ってあげることが、一番大事なことだと思います。快適に過ごせる家にばかり気をとられがちですが、それは結果としてストレスを感じさせない家づくりでもあります。

愛犬や愛猫たちがストレスなく、快適に暮らせる家をつくるためには、なにより実績や経験がものをいいます。これまで何度もペットと暮らせる家づくりを手がけてきた建築会社や、営業マンを選ぶことがとても重要なことなんだと思います。