3階建て住宅を建てる人向けに、人気ハウスメーカーの間取りと実際の価格相場、建てる際の注意点などを解説します。
3階建て住宅は間取りが複雑になりやすく、ビルトインガレージの設置が必要になるなど、2階建てとは異なる注意点があります。
「3階建て住宅が得意な業者」に依頼しないと、家づくりで失敗してしまう可能性が高くなるので慎重に選びましょう。
このページでは、3階建て住宅が得意な大手ハウスメーカー5社と、特に注意するべき点について詳しく解説します。
3階建て住宅の価格とおしゃれな間取り例
3階建てはどうしても強度が重要になってくるので、木造住宅よりも鉄骨造や鉄筋コンクリート造の住宅が増えてきます。
ここでは、3階建て住宅を得意としている大手のハウスメーカーを5社ピックアップして紹介するので、自分達に合っている業者がどこなのか比較してもらえばと思います。
なお、ここで紹介する以外にもハウスメーカーはたくさんあるので、詳しく見比べてみたい人は、ポータルサイトの「LIFULL HOME'S 3階建て特集」などをチェックしてみてください。
実際には大手よりも安く、丁寧な仕事をしてくれる工務店は全国にたくさんあるので、業者を選ぶ際は地元の工務店までチェックしておくことおすすめします。
それでは、今回紹介するハウスメーカーの商品と目安となる坪単価を表にまとめたので参考にしてみてください。
※「坪単価」欄に記載されている金額は、実際に家を建てた人の口コミなどを参考に、当サイトが独自にまとめた参考数値となります。
商品名 | 坪単価 | |
---|---|---|
タマホーム | 木望の家 | 45~60万円 |
パナソニックホームズ | Vieuno(ビューノ) | 70~90万円 |
ダイワハウス | XEVO 03 | 70~90万円 |
住友林業 | プラウディオ | 75~100万円 |
大成建設ハウジング | パルコン | 80~100万円 |
タマホーム
ローコストの木造住宅で知られるタマホームにも3階建て商品はあります。
「木望の家」という商品ですが、狭小住宅・二世帯住宅・店舗併用住宅など、あらゆる要望に応えることができる3階建て住宅になっています。
特に3階のルーフバルコニーを屋上テラスとして活用できる点が、タマホームのおすすめポイントだと思います。
木望の家
- 1F床面積:94.81㎡ (28.68坪)
- 2F床面積:84.46㎡ (25.54坪)
- 3F床面積:55.48㎡ (16.78坪)
- 延床面積:234.75㎡ (71.01坪)5LDK
木望の家(狭小)
- 1F床面積:59.62㎡ (18.03坪)
- 2F床面積:54.65㎡ (16.53坪)
- 3F床面積:47.20㎡ (14.27坪)
- 延床面積:161.47㎡ (48.84坪)5LDK
パナソニックホームズ
パナソニックホームズの3階建て住宅は、以下の2つの商品があります。
- ビューノ(Vieuno)3E/S:制震鉄骨軸組構造
- ビューノ(Vieuno):重量鉄骨ラーメン構造
住宅用の3階建てであれば「ビューノ3E/S」、賃貸併用などの高層階住宅を考えているのであれば、9階建てまで対応できる「ビューノ」があります。
ビューノの重量鉄骨ラーメン構造というのは、分譲マンションなどにも採用されている構造になります。
ビューノ3E/S
- 1F床面積:64.65㎡(19.55坪)
- 2F床面積:61.41㎡(18.57坪)
- 3F床面積:63.27㎡(19.13坪)
- 延床面積:189.33㎡(57.25坪)
ビューノ3E/S二世帯
- 1F床面積:58.58㎡(17.72坪)
- 2F床面積:57.37㎡(17.35坪)
- 3F床面積:46.20㎡(13.97坪)
- RF 面積:3.45㎡(1.04坪)
- 延床面積:165.60㎡(50.08坪)
ダイワハウス
ダイワハウスでは、3つのタイプの3階建て住宅を選ぶことができます。
- skye(スカイエ):重量鉄骨造
- Xevo03(ジーヴォ):軽量鉄骨造
- Gran Wood(グランウッド)都市暮らし:木造
skyeだけは重量鉄骨なので、5階建てまで対応可能です。一般的な強度や価格でいえば、「skye」「Xevo03」「Gran Wood」の順になるでしょう。
skye
- 1F床面積:46.12㎡ (13.95坪)
- 2F床面積:59.61㎡ (18.03坪)
- 3F床面積:53.53㎡ (16.19坪)
- 延床面積:159.26㎡ (48.17坪)
xevoGranWood -都市暮らし-
床面積などの詳細データは不明です。
住友林業
住友林業の3階建て住宅といえば「プラウディオ」があります。
他にも「BF耐火」などの住宅商品が3階建てに対応していますが、これらの商品は防火地域など、特殊なケースの商品ですので、基本的には「プラウディオ」の1択になります。
プラウディオ
- 1F床面積:29.60㎡(8.95坪)
- 2F床面積:37.88㎡(11.45坪)
- 3F床面積:32.08㎡(9.70坪)
- 延床面積:103.70㎡(31.35坪)
プラウディオ二世帯
- 1F床面積:66.24㎡(20.03坪)
- 2F床面積:69.23㎡(20.94坪)
- 3F床面積:46.04㎡(13.92坪)
- 延床面積:181.51㎡(54.89坪)
大成建設ハウジング
大成建設ハウジングの「パルコン」は、構造が鉄筋コンクリート(RC)なので、ほとんどの商品で3階建てに対応できます。
パルコンスイッチ
- 1F床面積:42.64㎡ (12.89坪)
- 2F床面積:59.40㎡ (17.96坪)
- 3F床面積:61.40㎡ (18.57坪)
- 延床面積:163.44㎡ (49.42坪)3LDK+トレーニングルーム
パルコンベイル
- 1F床面積:33.60㎡ (10.16坪)
- 2F床面積:68.20㎡ (20.63坪)
- 3F床面積:68.20㎡ (20.63坪)
- RF面積:7.04㎡(2.12坪)
- 延床面積:177.04㎡ (53.54坪)5LDK
以上が3階建て住宅で人気な大手ハウスメーカーの特徴です。
大手というだけあって坪単価は高めとなりますが、品質は高いので、興味があるメーカーがあればカタログなどを取り寄せてチェックしてみましょう。
また、上記以外にも色々なハウスメーカーや工務店、設計事務所もありますので、本格的に予算などを調べるときには、ぜひ地元の工務店なども確認してみて下さい。
知名度は低いですが、大手と同じような間取りで100万円安く3階建て住宅を建ててくれるところもあります。
3階建ての場合は「建物」部分の予算が大きくなるので、色々なハウスメーカーや工務店を比べて、少しでも安く建ててくれるところ探しましょう。
3階建て住宅を建てる際のポイント
3階建て住宅と言っても、20坪の狭小地に建てる3階建てと、50坪ほどある土地に建てる3階建て住宅では、注意すべきポイントが全然違ってきます。
狭い土地で家を建てる際のポイントは「狭小住宅の間取りと価格相場」の記事で詳しく解説しているので、あわせて確認してもらえばと思います。
それでは3階建て住宅を建てる際のポイントについて詳しく解説します。
ビルトインガレージを作る際の注意点
以下の画像のように、3階建て住宅に多く見られる1階部分が駐車スペースのことをビルトインガレージといいます。
敷地が小さく、どうしても駐車場が必要であるならビルトインガレージでも良いと思いますが、十分に駐車スペースを作る敷地があるのに、わざわざビルトインガレージを作る必要はないと思います。
ビルトインガレージを作るためには、1階部分の構造を強固にしなければなりませんので、1階部分だけを鉄骨造やRC造にすることを勧められると思います。
そうなると建築コストが大幅に増えてしまうことが懸念されます。
老後も快適に過ごすための工夫
2階建て住宅よりも1つ階段が多いのですから、体力が衰えてくると階段の上り下りだけでも大変になります。
そのため、3階建て住宅を建てた人の中には、将来子供が独立したら売却したり、賃貸として貸し出す計画をしている人も多いです。
生活動線を考慮する
将来的に売却や賃貸の考えがあるにしても、その家でこれから長く生活するのですから、生活動線を意識した家づくりをすることが大切です。
3階建てというのは、どうしても間取りが複雑になりがちです。そのためそれぞれの要望ばかりを取り入れたため、生活しにくい動線の家になってしまうことが多いので注意してください。
1つ例をあげるなら1階に洗面所を配置しているのに、洗濯物を干すスペースは屋上のルーフバルコニーという家をたくさん見かけます。
狭小地の狭小住宅であれば仕方ありませんが、土地が十分に確保できている3階建て住宅で、家事がやりづらい間取りの家をわざわざ建てる必要はありません。
生活動線は毎日の生活に基づいて考えるのが基本で、それをおろそかにしては良い家づくりはできません。3階建て住宅だからこそ、2階建て住宅以上に家事動線や生活動線には気をつかいましょう。
地盤調査をしておく
3階建て住宅を建てるのであれば、地盤の強度は慎重に調査しなければなりませんし、2階建て住宅よりも強固な地盤にする必要があります。
地盤改良には100万円以上の費用が掛かることもあるので、なるべくなら少しでも強固な地盤の土地を購入することをおすすめします。
地盤調査費は無料で実施してくれるハウスメーカーもありますが、プロの調査会社に依頼した場合は5~10万円ほどの費用がかかります。
地盤もそうですが、基礎も強固にしておく必要があり、そうなると2階建て住宅より、坪単価にして5万円ほど3階建て住宅の方が割高になると考えておくのが良いでしょう。
ただし、単純に坪単価の違いだけで比較できない部分があるのも事実です。
3階建ては確かに割高ですが、その分必要な土地面積が狭くて済むというメリットがあります。都心部など、地価が高い地域であれば、土地面積を抑えることで、土地購入費を大幅に節約できるというメリットもあるのです。
構造による耐震性の違い
どの構造や工法で家を建てるかによって、建築コストも耐震性もかなり違ってきます。いくら構造計算がされている3階建て住宅といって、絶対に大地震が来ても大丈夫という保障はありません。
そうなると、やはり少しでも地震に強い構造の家を建てたいと考えると思います。
候補となる構造は「木造」「鉄骨」「木造+鉄骨混合」「RC(鉄筋コンクリート)」などがあります。強度的に考えると、「RC→鉄骨→木造+鉄骨→木造」という順ですが、建築コストが高いのもこの順番です。
最近は強度面を考慮し、1階部分を鉄骨にして、2階3階部分を木造にする家も増えていますが、ビルトインガレージや1階部分をお店にした店舗型住宅以外は、木造3階建て住宅でも十分だと思います。
ただし構造的な問題もあり、木造で鉄骨やRCのように大きな空間のリビングなどをつくるのはかなり難しいので注意してください。
希望する形態の家や間取りを建築会社にしっかり伝えることが大事です。
まとめ
今回は3階建て住宅を建てる際のポイントを解説しました。
やはり一番重要なのは、3階建てが得意なハウスメーカーや工務店について、できるだけ詳しく見比べてみることです。
大手のハウスメーカーの方が安心感はありますが、その分金額が大きくなるので、予算に余裕がないと厳しい場合もあります。
地元の工務店などでも優れた技術を持っているところはあるので、名前だけで選ばずに、色々なところからカタログを取り寄せて坪単価などをチェックしてみましょう。
実際に「3階建ての家をつくりたい」と相談した際に、どれくらい具体的なアドバイスをしてくれるかも、よく確認しておきたいところです。
理想の家づくりで失敗しないためにも、念には念を入れて、色々な業者を比較することが大切です。
LIFULL HOME'S 3階建て特集
3階建て住宅で失敗しないためには、なるべくたくさんのハウスメーカーや工務店を比較することがポイントです。
業者ごとに得意不得意があり、3階建て住宅の実績の少ない業者と契約すると、間取りや予算で失敗してしまう可能性があります。
LIFULL HOME'Sの3階建て特集では、大手ハウスメーカーから地元の工務店まで、3階建てが得意な業者のカタログを取り寄せることができます。
全国47都道府県、市区町村別で取り寄せができるので、なるべくたくさんのカタログを見比べて、理想の業者を探しましょう。