昔の家は客間や仏間、それに縁側などもあったので、40坪以上の家もさほど珍しくありませんでした。
現在では新築の延床面積の全国平均が「34坪」なので、40坪の家は少し大きめの家ということになります。
40坪あれば間取りの自由度も広がりますし、二世帯住宅も検討できる広さです。
このページでは、
- 40坪の家の間取り例と失敗例
- 人気ハウスメーカやの間取り紹介
- 40坪で二世帯住宅を建てるポイント
などについて詳しく解説しています。
地域にもよりますが、ローコスト住宅なら2,000万円、ハウスメーカーだと2,800万~3,000万円くらいが相場になります。
さらに費用を抑えたいのであれば、最近話題の超ローコスト住宅であれば1,600万~1,800万円くらいの予算でも実現可能です。
新築40坪の家の相場価格と間取り例
マイホームを検討するとき、建物にかける予算として一番多いのが2,000万円です。
30坪や35坪の家であれば、住宅会社選びさえ間違えなければ予算2,000万円で注文住宅の家は建てられます。
しかし40坪となればどうでしょう?
単純な計算だと「2,000万円÷40坪=50万円」となるので、坪単価50万円以内のハウスメーカーであれば出来そうに思えます。
しかし実際には、建物以外に外溝工事費、付帯設備費、諸経費などが必要になってくるため、ローコスト住宅の「坪単価40万円」でも少し厳しいラインです。
実際に「坪単価40万円」の場合、総額でどれくらいの予算が必要か計算してみましょう。
ローコスト住宅:坪単価40万円の場合
上図にあるように、坪単価40万円であれば、ギリギリ2,000万円で収まるイメージです。
ただし、一般的なハウスメーカーや工務店の坪単価には消費税が含まれていません。
消費税のことまで含めて考えるのであれば、坪単価35~37万円というのが、「予算2,000万円で40坪の家を建てるボーダーライン」と考えておきましょう。
坪単価35万円で試算するとこうなります。
※上図の計算に消費税を加えると、1,900~1,950万円くらいの見積りとなります。
もし坪単価35~37万円でハウスメーカーを選ぶのであれば、
- タマホーム
- レオハウス
- アイダ設計
などが選択肢になってきます。
(一部ハウスメーカーでは自由設計ではなく、規格型住宅の場合もあります)
大手ハウスメーカー:坪単価70万円の場合
次は大手のハウスメーカーで建てる際の目安価格も計算してみましょう。
「坪単価70万円」で試算するとこうなります。
上図にあるように、坪単価70万円のハウスメーカーで家を建てた場合、その他工事などを含めて約3,500万円(+消費税)の予算が必要になります。
実際にはもう少し坪単価が安いハウスメーカーもあるので、大まかな予算としては3,200万から3,500万円程度が相場と言えるでしょう。
坪単価は家の形によっても変わる
同じ40坪の家でも平屋なのか総二階なのか、あるいは部分二階なのかで坪単価は変わってきます。
具体例として、大和ハウスの人気シリーズ「ジーヴォ(xevo)」を例に、各タイプごとの坪単価を比較してみたいと思います。
本体工事価格 | 総費用の目安 | |
---|---|---|
総二階建て | 2,800万円 | 3,500万円 |
部分二階 | 2,960万円 | 3,700万円 |
平屋住宅 | 3,080万円 | 3,850万円 |
3階建て | 3,320万円 | 4,150万円 |
同じ二階建て住宅でも、1階と2階の床面積が同じ総二階の方が部分二階よりも坪単価は安くなります。
これは建物の形状がシンプルで、「総二階」の方が屋根の面積が少ないためです。
その反面、屋根や基礎の面積が広い平屋は、総二階と比べて坪単価も3万~5万円ほど割高になります。
総二階や部分二階、平屋をざっくり比較すると、下記のような特徴があるのでぜひ覚えておいて下さい。
総二階 | 部分二階 | 平屋 | |
---|---|---|---|
坪単価 | 安い | 普通 | 高い |
土地 | 狭い | 普通 | 広い |
耐震性 | 弱い | 普通 | 高い |
バリアフリー | △ | △ | ○ |
不整形地 | × | ○ | ○ |
このように同じ40坪の家でも、どのハウスメーカーに依頼するのか、どのタイプの建物にするのかで大きく費用が変わってきます。
40坪あれば間取りについても色々な選択肢があるので、まずは主要ハウスメーカーのカタログをいくつか取り寄せて、自分の理想に近いものを探すのがよいでしょう。
予算によってハウスメーカー側のオプションプランなども変わってくるので、自分が希望する価格帯のカタログを見比べながら、良さそうだと思ったメーカーに具体的な相談をしてみましょう。
※予算別のカタログ特集ページ一覧
間取りの成功例と失敗例
間取りを考える際には見本となる「良い間取り」と、少し注意が必要ないわゆる「失敗例」の両方を知っておくと役に立ちます。
このブロックでは、間取りを考える際の参考になるように、いくつかの見本を掲載していきます。
まずは具体的な間取り例の前に、40坪(5LDK)の家を建てるとして、各スペースの目安となる必要坪数を知っておくと便利です。
例として、下の間取り図(延床40坪)をベースに、必要な広さを書き出すとこのようになります。
玄関 |
1.0坪 |
和室 |
2.5坪 |
---|---|---|---|
廊下・ホール |
3.0坪 |
主寝室 |
4.5坪 |
階段 |
2.0坪 |
子供部屋1 |
5.5坪 |
洗面所 |
1.0坪 |
子供部屋2 |
2.5坪 |
バスルーム |
1.0坪 |
洋間 |
3.0坪 |
トイレ1階2階 |
1.0坪 |
収納 |
2.5坪 |
LDK |
11.5坪 |
合計 | 40.5坪 |
※施工床に換算される玄関ポーチ、バルコニーなどは含めていません
今回は下の間取り図(延床40坪)をベースとして、必要な広さを各スペースごとに書き出してみました。
※出典:https://k-sd-home.com/product/STELLA-G
このように家1棟に必要となるスペースと、おおよその広さを理解しておくことで、LDKや各部屋のだいたいの広さの目安を知ることができます。
まずは「間取りの失敗例」から解説していきます。
40坪の間取りで失敗する理由の多くは、広さがあるため部屋の配置を簡単に決めてしまうことで起こります。
動線が悪い間取りの例
詳しい坪数が書かれてなかったの目安数値となりますが、1階22坪、2階13坪、吹き抜け5坪(0.5坪計算)の40坪くらいの間取りです。
1階に大きなファミリークローゼットがあって、今風な間取りだなという印象です。
ただ残念なのが、ファミリークローゼットの位置です。
せっかく玄関横にトイレや洗面スペースがあるので、ファミリークローゼットも玄関ホールから直接出入りできるようにしておけば、コロナやインフルエンザなどのウイルス対策もしやすかったと思います。
もし趣味の部屋とファミリークローゼットの位置が逆だったら、家族のいるリビングを経由することなく、玄関からファミリークローゼットに行くことができ、そこで着替えなども済ませることができます。
(これが趣味の部屋ではなく、子供たちの勉強スペースだとしたら、家事をしている母親の目の届くこの位置でも良いと思います)
騒音が気になる間取りの例
上図は42坪の間取りです。
この家は敷地の広さの関係でビルトインガレージにしなければならず、広いLDKを実現するにために2階リビングにしているのだと思います。
つまりこの家の譲れないポイントとして「ビルトインガレージ」と「広い2階リビング」の2点があるので、そこを優先して間取りを考えなければなりません。
気になったのは、1階の主寝室(7.5帖)の真上にバスルームなどの水まわりが配置されていることです。
今は子供たちも小さく心配ないのかもしれませんが、高校生や大学生、社会人になったら、深夜に帰宅してお風呂に入ることもあるでしょう。
お風呂やトイレの音というのは、思っている以上に気になるものです。
将来のことまで考えるのであれば、やはりビルトインガレージの上に水まわりを持ってくる方が無難だったのではないでしょうか。
これは二世帯住宅を建てるときも同じことが言えます。
1階部分は高齢の親世帯が住むことになり、2階に子世帯の居住スペースをつくることになるので、同じように騒音の問題は慎重に考える必要があります。
40坪のように少し広めの家だと間取りが単純になりがちなのですが、家族のことを思った間取り、外観のデザインを意識した部屋の配置など、人気になる間取りにはセンスが感じられるものです。
今回はそんなセンスを感じることができる間取りを2つ紹介します。
センスを感じる間取りの例
1階20坪、2階20坪の40坪の間取りです。
家族の繋がりと個人のプライベートがしっかり確保できている良い間取りだなというのが第一印象です。
まず1階ですが、玄関入って正面にホールをつくらず、シューズクロークにしている点が良いと思います。
この配置だと、来客からはどうやっても家の中の様子は見えませんし、ホールに明かり採りの窓も設置できます。
普通のハウスメーカーの営業であれば、間違いなく正面をホールにして、右側をシューズクロークにと提案するはずです。
また、キッチンとダイニングが横並びになっていることで、リビングが広く感じられるのも良い点です。
次に2階ですが、子ども部屋がすべて同じ広さで、収納スペースも同じだけ確保されています。
本棚とフリースペースがあるのも好印象ですし、階段からバルコニーまでの洗濯動線が短いのもGOODです。
主寝室にウォークインクローゼットを作らなかったことが、この理想的なスペース配分を実現できた理由だと思います。
とてもよく考えられたセンスのある間取りだと思います。
LDKに光が降り注ぐコの字型の間取り
1階29坪、2階11坪で延床40坪の間取りです。
この家のこだわりは大きな中庭にあります。
リビングや主寝室だけでなく、バスルームからも自慢の中庭を心ゆくまで堪能できるように考えられていますし、普通バスルームにはつけないような大きな窓を設置されています。
ただ少し驚いたのが、玄関も中庭を通って行くようになっている点です。
自慢の中庭なのであえてかもしれませんが、来客時に中庭を通らせることで、家の中はもちろん、バスルームも見える配置になっています。
もちろん外側からは見えない窓を採用しているようですが、少し驚きました。
リビング部分を吹き抜けにすることで、コの字型の中庭から光が降り注ぐ開放感のある間取りになっています。
ここまで解説したように、間取り次第で日々の生活のしやすさは大きく変わってきます。
40坪の広さがあれば、家族のみんなが快適に生活し、かつこだわりを実現した間取りをつくることも可能です。
一方で、広さに余裕があるからと安易な配置にしてしまうと、あとで大きな後悔をしてしまうかもしれません。
広い分建築費も高くなるので、妥協せずにしっかりとハウスメーカーや工務店を比較してからどうするか決めましょう。
カタログは無料で取り寄せられるので、なるべくたくさん見比べて、理想の家を実現しましょう。
※予算別のカタログ特集ページ一覧
タイプ別の人気ハウスメーカーの間取りまとめ
このブロックでは、総二階と部分二階、平屋の3つのタイプに分けて、人気ハウスメーカーの間取りを紹介します。
- タマホーム
- アイフルホーム
- 三井ホーム
- へーベルハウス
- レオハウス
などの間取りを紹介するので、ぜひ参考にしてもらえればと思います。
総二階で建てる場合
40坪あれば、かなり高い確率で希望通りの間取りの家を建てることができると思います。
ただし、総二階の40坪だと1階20坪、2階20坪の家ということです。1階の20坪は問題ないとしても、2階に20坪も必要でしょうか?
20坪の2階といえば、10帖の部屋を3つ作っても15坪しかありません。果たして2階に10帖の部屋が3つも必要でしょうか?
パパまるハウス
- 商品名:ベーシックタイプ
- 間取り:4LDK
- 1階床面積:70.38㎡(21.29坪)
- 2階床面積:59.62㎡(18.04坪)
- 延床面積:134.97㎡(40.83坪)
※出典:https://www.papamaru.jp/plan-basic
1階のLDKを23帖も取っているのは今の流行りだから良いとして、疑問に感じたのは2階の間取りです。なぜ2階の廊下(ホール)をここまで取る必要があるのか?
廊下にしようが部屋にしようが同じ金額なので、それであれば6帖の部屋をもう少し広くするなり、収納部屋を作るなり使い方はいろいろあったと思います。
約3帖ほど無駄に廊下を作ってあるので、これだけで3帖=1.5坪と考えたら単純に50万円以上も建築費を節約できると思ってしまいました。
タマホーム
- 商品名:木麗な家
- 間取り:3LDK+畳コーナー
- 1階床面積:70.25㎡(21.25坪)
- 2階床面積:65.00㎡(19.66坪)
- 延床面積:135.25㎡(40.91坪)
※出典:https://www.tamahome.jp/products/lineup/kirei/kirei/
2階の3部屋はすべて7帖以上とゆったり空間になっているのは良いと思います。
1階に畳コーナーも広めにとってありますが、将来的に親御さんと同居の心配がないのであれば、無理に和室をつくる必要もないと思うので、これはこれで問題ないでしょう。
ただ気になったのが1階のリビングにある大きな押入れです。収納は大事ですがこのLDKのど真ん中に果たして必要だったでしょうか?
この押入れスペースがここに有るのと無いので、LDKの開放感が180度違ってくるように感じます。
アイフルホーム
- 商品名:セシボSV+M
- 家族構成:4人家族(夫婦+子ども2人)
- 間取り:4LDK
- 1階床面積:72.00㎡(21.78坪)
- 2階床面積:60.50㎡(18.30坪)
- 延床面積:132.00㎡(39.90坪)
※出典:https://www.eyefulhome-miyagi.com/example/04.html
4LDKで40坪のお宅です。1階は約19帖のLDK、洗面室もバスルームもかなりゆったりと作ってありますし、無駄な廊下スペースもなく良くまとまった間取りだと思います。
ただ個人的には1階の収納スペースが少ないように感じるので、玄関部分をうまく考えることで玄関収納をつくるスペースはあったかなと思いました。
それと1階の和室。玄関ホールからの出入り口をつくっておけば、お客さんを通すとき、わざわざリビングを経由せずに済むので、そこが1点気になりました。
2階ですが坪数を削りたいのであれば、ちょっと余分な廊下スペースが気になります。
主寝室が広いですしウォークインクロゼットもちょっとした子ども部屋くらいの広さがあるので、納戸部分と廊下を削ればもう少し全体の坪数を減らすこともできるのかなと思います。
三井ホーム
- 商品名:SONOMAソノマ
- 間取り:3LDK
- 1階床面積:60.44㎡ (18.28坪)
- 2階床面積:59.64㎡ (18.04坪)
- 施工床面積:140.88㎡ (42.61坪)
※出典:https://www.mitsuihome.co.jp/home/product/sonoma/plan/
家のど真ん中に大きなダイニングテーブルを配置し、かなりLDKの配置が独特です。ですが、このLDKの配置こそがこの家の醍醐味だともいえます。
玄関部分にプチガレージという名の趣味の空間をつくっていて珍しいタイプの間取りになっています。
ただそのシワ寄せがバスルームと洗面所にきており、それぞれ2階に配置されてしまっています。
当初から2階につくる予定だったのかもしれませんが、それであれば2階のトイレの位置が1階の水まわりと大きくズレているのが気になります。
へーベルハウス
- 商品名:CUBIC
- 家族構成:4人家族(夫婦+子ども2人)
- 間取り:3LDK+クロスフロア4.2畳
- 延床面積:131.45㎡(39.7坪)
※出典:https://www.asahi-kasei.co.jp/hebel/lineup/casestudy/?id=j177
40坪の間取りですが、LDK部分だけで約27帖もあります。しかし土地が少し奥に長い形をしているので、LDKはDKとリビングを分けてつくってあります。
この場合LDKを続きで作ってしまうと細長くなり、あまり広さを感じられなくなります。
ですので、リビングだけ一段低いダウンフロアにして別空間にしてあるのは正解だと思います。
ちょっとだけ残念だなと思ったのが2階のトイレの位置です。子ども部屋にめり込むような形で作ってあります。
子どもたちの勉強スペースとしてクロスフロア(中2階)を作ったため、どうしても2階の各部屋が少し窮屈になってしまったように感じます。
部分二階で建てる場合
40坪の注文住宅なら企画住宅でも建てられるような間取りではなく、自分たちの希望が詰まったオンリーワンのマイホームを建てた方がいいと思います。
注文住宅であれば、1階が広く2階を少し狭くするような部分二階の間取りにも対応できます
レオハウス
- 商品名:大人気の家
- 家族構成:2人家族(夫婦)
- 間取り:4LDK+趣味室
- 延床面積:142.42㎡(43.08坪)
1階の床面積を広く、2階の床面積を小さくしている部分二階の間取りになります。
子どもたちが独立し、将来のことを考えての建替えだそうです。
60代のご夫婦なので介護のこともしっかり考え、廊下やトイレ、洗面所などは車イスでもゆったり入れる広さを確保されています。
老後の住まいであれば平屋でも良かったのかなと思いますが、子供さんたちがいつでも孫を連れて遊びに来られるようにと部屋数も確保されています。
三井ホーム
- 商品名:カフェプラス
- 間取り:3LDK
- 1階床面積:69.72㎡ (21.09坪)
- 2階床面積:57.13㎡ (17.28坪)
- 延床面積:126.85㎡ (38.37坪)
こちらの家のコンセプトは「カフェがある暮らし」となっており、自宅にいながら本物のカフェにいるようなくつろぎ空間があることです。
頻繁に親戚や友達が集まる家であれば、このようなカフェスペースを設けることで、ママ友のお茶会やBBQなど、より多目的な利用方法がありそうです。
しかもこちらの間取りだと、カフェスペースは土足のままでもOKのようなので、ちょっとした来客時にも重宝しそうです。
3階建てを建てる場合
土地の価格が高い都心部、敷地の広さに制限がある狭小地であれば「3階建て」という選択肢もあります。
3階建てについては、こちらの記事でも特集しているのでぜひ参考にしてください。
三井ハウス
- 商品名:クレセール
- 間取り:3LDK
- 1階床面積:42.94㎡(12.98坪)
- 2階床面積:42.86㎡(12.96坪)
- 3階床面積:42.48㎡(12.85坪)
- 延床面積:128.28㎡(38.80坪)
少し土地が狭くても3階建てにすることで、こちらのようにゆったりした空間をつくることができます。
1階に夫婦の寝室と水まわり、2階がメインのLDK、3階が子供部屋という間取りになっています。
寝室が多い3階にあえてトイレを設置しなかったのも高評価です。
夜中だとトイレの音は思ったより大きいので、それが意外とストレスになる人も少なくありません。
トヨタホーム
- 商品名:エスパシオEFアーバンウィンド
- 間取り:3LDK+キャットルーム
- 1階床面積:62.00㎡(18.75坪)
- 2階床面積:59.00㎡(17.84坪)
- 3階床面積:15.76㎡(4.5坪)
- 延床面積:136.76㎡(41.36坪)
愛猫と快適に暮らすための3階建て住宅です。
といっても、人間と猫の住空間を明確に分けることを徹底して考えた間取りになっています。
あえて気になった箇所をあげるなら、1階も2階も収納スペースが少ない点、そして玄関のすぐ横にトイレがある点です。これでは来客時にトイレに行くこともできません。
ご夫婦2人なのであれば、階段下にトイレをつくり、洗面室から出入りできるようにしても良かったのかなと思います。
ただしアーチ状の外観はトヨタホームならではという感じがして好印象です。
平屋で建てる場合
40坪の平屋となれば、なかなかの広さの家を建てることができます。
少し前までは、40坪クラスの平屋といえば「純和風の家」が多かったのですが、最近は和風の大きな平屋を建てる人が減り、洋風の大きな平屋を建てる人が増えてきました。
平屋であれば屋根面積も広く取ることができるので、大容量の太陽光ソーラーを載せることも可能です。
タマホーム
- 商品名:ガレリアート
- 家族構成:2人家族
- 間取り:2LDK
- 延床面積:136.00㎡(41.14坪)
※出典:https://www.tamahome.jp/products/lineup/daianshin/galleri_art/
一見するとかなり広い平屋の家に感じますが、夫婦2人に適した間取りだと思います。
基本2LDKの間取りなのですが、LDKを除くと9.3帖の洋間と7.2畳の和室があります。
しかし、和室はLDKからの続き間になっているので、ここを夫婦の寝室として使うのは無理があり、そうなると寝室として使える部屋が9.3帖の洋間1室だけになってしまいます。
タマホームの公式サイトに掲載されているプラン例なのですが、さすがに40坪の平屋でこの間取りはちょっと無理があるのかなと感じました。
ビルトインガレージはデザイン的も見栄えが良く人気なのですが、必要となるスペースが大きいためこのように建築費の高騰となる原因の1つです。
ダイワハウス
- 商品名:ジーヴォシグマ
- 家族構成:3人家族(夫婦+子ども1人)
- 間取り:3LDK
- 延床面積:138.60㎡(41.92坪)
※出典:
https://www.daiwahouse.co.jp/jutaku/visit/vol120/index.html
こちらの平屋は夫婦ともにダイワハウスの社員さんだそうです。つまり共働き世帯ということになりますね。
そこでマイホームづくりにこだわったのが、効率良く家事ができる間取りと、自然を感じることができる大開口がある家だそうです。
間取り図をみても、リビングに大開口をもうけ、そこからテラスに出られるようになっています。こうしておけば、テラス部分まで広く感じることができます。
さすがダイワハウスで設計のお仕事をされているだけあり、かなり良くできた間取りになっていると思います。3人家族には申し分のない平屋住宅ではないでしょうか。
住友林業
- 家族構成:4人家族想定プラン
- 間取り:4LDK
- 延床面積:134.98㎡(40.83坪)
※出典:https://sfc.jp/ie/lineup/grandlife/terracestyle/plan/
この間取りのポイントは、広いお庭をどのように活かすかだと思います。庭に面している位置にLDKと子供部屋を配置し、LDKのどこにいても雄大な庭を堪能できます。
その他にも玄関から直で入れる和室(客間)や、回遊できる家事動線など、よく考えられている間取りだと思います。
ただ1つ気になったのが、夫婦の寝室に隣接するかたちでバスルームが作られている点です。これだと夜中などにお風呂に入るのにとても気をつかってしまうと思います。
40坪の家を建てる際のポイント
ここからは40坪の家を建てるにあたり気をつけておくべきポイントなどを整理するので、マイホーム作りの参考にして頂ければと思います。
家の構造は丈夫に
40坪ほどの家になれば、広くて開放的なリビングをつくることができます。
広いリビングで多い要望といえば「大開口の窓をつけたい」「なるべく柱が少なく、広い空間にしたい」などです。
リビングを大空間にしたり広くて大きな窓を設置したいのであれば、家の構造を慎重に選ばなければなりません。
例えば軸組み工法や木質パネル工法のような木造住宅であれば、広い空間をつくる際、どうしても重量を支える柱が必要になりますし、木質パネルなどは窓の大きさにも制限が入ることが多々あります。
ですので、広いリビングや大きな窓を希望するのであれば、木造よりも適している鉄骨造やコンリート造のハウスメーカーとも比較検討するようにしましょう。
ただし、最近は従来よりも大きな柱を使用することで、これまで木造住宅では難しかった大空間を実現できる工法もあるので、そうした点もしっかりと予習しておくようにしましょう。
※出典:https://shizuka-home.co.jp/archives/2091/
各社の構造については「建築工法の種類を比較!」の記事で詳しく解説しているので、気になる人はあわせてチェックしてみてください。
間取りにこだわる
家の間取りづくりは、述床面積が狭くなるほど経験や知識の差が出やすくなります。
つまり40坪クラスの家になると、同じような間取りを提案してくるハウスメーカーが増えるということです。
それが悪いことだとは言いませんが、後になって「あそこはもっとこうしておけば良かった」とか「あそこをもう少し工夫すれば坪数を減らすことができた」と後悔するケースも多くなります。
自分たちが希望している動線や部屋数がしっかり間取りに反映されているからOKではなく、隅々までしっかりと検証して、無駄のない間取りづくりを心がけるようにしましょう。
平屋は建ぺい率を確認
40坪程度の平屋を希望するのであれば、まずは土地の広さと建ぺい率に注意しなければなりません。
建ぺい率とは土地の広さに対して建物を建てて良い割合のことをいいます。用途地域によって建ぺい率の数値は異なりますが、建ぺい率50%という地域も珍しくありません。
もし建ぺい率50%の地域で40坪の平屋を建てようと思えば、土地の広さは最低でも80坪必要です。
一番多い建ぺい率60%でも土地の広さは約70坪なければ建てることはできません。
土地探しから考えているのであれば、建ぺい率の数値もしっかりチェックしておくようにしましょう。
坪単価40万円の地域であれば、建ぺい率が50%と60%でも、約10坪違ってきますので、40万円×10坪で400万円も高い土地代を払わなければならなくなります。
固定資産税に注意
固定資産税の減額措置があるので、新築から3年間は本来の固定資産税が2分の1になります。
この減額措置が適用されるのが、延床面積120㎡(36.3坪)までなので、それを超える部分に関しては減額措置の対象とならず、高い固定資産税を払うことになります。
まとめ
40坪の家を建てるのであれば、建物価格でローコスト住宅1,800万円、大手ハウスメーカー2,800万円くらいを考えておくのが良いでしょう。
ここからさらに付帯工事や諸経費などで30%ほどの費用が必要になるので、大手ハウスメーカーだと3,000万円以上を予算として検討しておく必要があります。
しかし、40坪もあれば希望通りのマイホームを建てることができるので、趣味の部屋をつくったり将来的には二世帯住宅にも対応できると思います。
ハウスメーカーにプランニングをお願いする際には他の家と似ないよう、自分たちの間取りの希望や予算を明確に伝えておくのがポイントです。