注文住宅でよくある悩みのひとつが「キッチンはIHにするか、ガスにするか?」という点。
IHは掃除しやすく見た目もスマート、ガスは火加減の調整がしやすく料理好きに人気。どちらにも魅力があるため、判断が難しい設備のひとつです。
本記事では、IHとガスの違いやそれぞれのメリット・デメリットを比較し、どんな家庭にどちらが向いているのかを具体的に解説。
また、光熱費や調理スタイルとの相性、後悔しないためのチェックポイントも紹介します。
IHとガスコンロの基本的な違いとは?
加熱方式と火力の違い
ガスコンロは「直接火で加熱する」のに対し、IHは「電磁誘導で鍋自体を加熱する」という仕組み。
火力はガスの方が瞬発力が高いですが、最近のIHは3kW以上の高火力対応モデルも増え、炒め物も問題なくこなせます。
使用できる調理器具の違い
IHは鉄やステンレスなど磁力に反応する鍋のみ使用可能。
一方、ガスは土鍋・アルミ鍋・中華鍋など幅広い調理器具が使えるのが強みです。
料理にこだわりがある方はお気に入りの鍋が使えるかを事前にチェックしておきましょう。
設置コストとランニングコスト
設置費用はIHの方がやや高め。コンロ本体の価格もIHの方が高額になる傾向があります。
また、都市ガスの方が電気より光熱費は安くなるケースも多く、オール電化との相性も要確認です。
IH vs ガス|それぞれのメリット・デメリット
IHのメリット・デメリット
メリット
- 掃除がしやすく、見た目がスッキリ
- 火を使わないため、火災リスクが低い
- 夏場のキッチンが暑くなりにくい
デメリット
- 使用できる鍋に制限がある
- 停電時に使えない
- 直火調理ができないため、料理好きには物足りない場合も
ガスのメリット・デメリット
メリット
- 鍋やフライパンを選ばない
- 直火調理ができ、料理の幅が広がる
- 停電時でも使用できる
デメリット
- 掃除の手間がかかる(五徳・バーナー周り)
- 火災やガス漏れのリスクがある
- 夏はキッチンが暑くなりがち
こんな人にはIH・ガスどっちがおすすめ?
IHがおすすめな人
- 掃除のしやすさを重視する
- 小さなお子様や高齢者のいる家庭で安全性を優先したい
- 火を使わないことに安心感を求めたい
ガスがおすすめな人
- 本格的な料理や直火調理を楽しみたい
- 使い慣れた調理器具をそのまま使いたい
- 電気料金よりガス料金の方が割安な地域に住んでいる
料理スタイル別|IHとガスの向き不向き
炒め物・中華料理が多い家庭
強火で一気に仕上げたい炒め物や中華料理は、火力調整に優れたガスコンロが有利です。
IHでも高火力対応モデルはありますが、鍋を振る動作や細かい火加減の調整はガスの方がスムーズです。
特に「鍋振り」を重視する方や、業務用レベルの火力を求める方にはガスが向いているでしょう。
煮物や鍋料理中心の家庭
一定の温度を保ちながらじっくり火を通す煮込み料理や鍋料理は、IHの「温度管理機能」が得意とするジャンルです。
沸騰防止・加熱自動停止などの機能もあり、うっかりミスの防止や時短にもつながります。
共働き家庭や調理時間を効率化したい人におすすめです。
オーブン・グリルをよく使う家庭
魚焼きグリルやオーブン調理を重視する場合は、ガスでもIHでもグリルの性能差を確認しましょう。
最近は両面焼き・スチーム調理・自動温度調整などの高機能グリルも増えており、IHでも満足できるモデルがあります。
焼き物中心なら「グリル性能」で選ぶのがポイントです。
オール電化・太陽光との相性もチェック
IH+オール電化の光熱費シミュレーション
IHコンロはオール電化との相性が非常に良く、深夜電力を活用した節約も可能です。
光熱費の一例としては、以下のようなケースが一般的です。
- ガス+電気の併用:月平均15,000~18,000円
- オール電化(IH+エコキュート):月平均10,000~13,000円
家族構成・住居面積・生活時間帯によって光熱費は変動するため、プロにシミュレーションしてもらうのがおすすめです。
太陽光発電との相性と売電メリット
太陽光発電を導入している家庭では、IHの方が「発電した電力を無駄なく使える」というメリットがあります。
昼間の調理を太陽光でまかない、電気代を節約できるため、オール電化+太陽光は相性◎の組み合わせです。
ただし、売電単価の低下により「自家消費重視」の時代になっているため、IH+蓄電池の組み合わせも今後注目されています。
失敗しないためのチェックポイントまとめ
後悔しないための3つの比較ポイント
IHとガス、どちらを選ぶにしても、以下の3点は必ずチェックしておきましょう。
- ライフスタイルとの相性
・共働き家庭、子育て世帯、高齢者のいる家庭など、安全性や使いやすさを重視すべき視点が異なります。
- 調理スタイル・料理頻度
・「とにかく火力重視」なのか、「掃除のしやすさ」が最優先なのかで選択肢は変わります。
- 光熱費・将来的な費用
・ガスと電気の料金体系、オール電化・太陽光の有無などをトータルで考慮する必要があります。
一度設置すると簡単に変えられないのがキッチンコンロ。将来の暮らしまで見据えて判断することが重要です。
プロに相談して正しい判断を
「正直、どちらが自分の家に合っているのかわからない…」という方は、注文住宅に詳しいプロの意見を聞くのが一番確実です。
SUUMOリフォームなら、第三者目線でのアドバイスが受けられ、設備選びに失敗しないためのサポートも充実。
初めての家づくりで不安な方こそ、ぜひ活用してみてください。
まとめ|IHとガスは「自分に合った基準」で選ぼう
- IHは掃除がしやすく安全性◎、ガスは火力と調理幅が強み
- 家族構成・料理スタイル・光熱費を総合的に判断するのがポイント
- オール電化・太陽光との相性も意外と重要
- 設備選びはプロに相談するのが後悔しない近道
「なんとなくIHが人気だから」「実家がガスだったから」といった理由で選ぶのはNG。
暮らしやすい家にするためには、自分たちにとって何が最適かを見極めることが大切です。