注文住宅を建てる予定の人で天井の高さをどうするのか悩んでいる人向けに、ポイントや注意点を分かりやすく解説します。
最近では天井を高くする家が流行っていますが、開放感のある間取りすると冷暖房の効率が悪くなるなどのデメリットもあります。
メリットとデメリットを比較して天井の高さをどうするのか、家族で相談する際の参考にしてもらえればと思います。
ハウスメーカー別の天井高
それではハウスメーカーごとに、どれくらいの天井高なのか見ていきましょう。
社名 | 商品名 | 天井高 |
---|---|---|
大和ハウス | xevoΣ(ジーヴォシグマ) | 272cm |
一条工務店 | セゾン | 260cm |
積水ハウス | イズシリーズ | 274cm |
住友林業 | The Forest BF | 280cm |
セキスイハイム | パルフェ | 255cm |
タマホーム | 大安心の家 | 250cm |
各社ともオプションを利用すれば、さらに天井高を10~30cmほどあげることができるようですが、今回はあくまでも標準仕様という点で比較してみました。
現時点では、住友林業の280cmというのが一番となっています。
ちょうど大和ハウスのHPに240cmと280cmの天井高が比較できる画像がありましたので、比較して頂ければと思います。
出典:http://www.daiwahouse.co.jp/column/lifestyle/tenjo-hirogari/index.html
やっぱり280cmのほうが相当空間的に広く感じますよね。
天井が高い家のメリットデメリット
今は天井が高い家が人気です。大和ハウスでも天井の高さをアピールしたCMを放映してしました。
出典:大和ハウスCM
ですが、ほとんどの人が「天井が高いと開放感がある」ということしか言いません。他のメリットやデメリットについては、ほとんど知らないというのが現状です。
あえて挙げるとするなら「天井が高いと冷暖房が効きづらい」というデメリットを挙げる人がいるくらいでしょうか。
そこでここでは、天井が高い家のメリットやデメリットについて、さらに詳しく話をしていこうと思います。
メリット
- 開放感がある
- 空間を広く感じることができる
- 小あがりの和室が作れる
- 窓の位置を高くすることで日光を多く取り込める
開放感がある
天井が高い家は低い家と比べてリラックスできると思います。圧迫感がなくゆったりとくつろげるのも、天井が高い家の特徴です。
空間を広く感じることができる
ハウスメーカーの住宅展示場を見学に行くと、リビングとかすごく広く感じると思います。実は天井が高くつくられている効果もあるんです。
例えば標準仕様で240cmの天井高の家でも、住宅展示場はオプションの270cmとかで作られていることが多いです。
このように天井を高くすることで、開放感がある広い空間づくりができる効果があります。
小上がりの和室が作れる
最近はリビングの一部に3~4.5畳くらいの小さな和室をつくる家があります。
リビングとフラットに近い和室よりも少し段差があり小上がりになっている和室の方が人気なのですが、そうすると和室の天井が極端に低くなるので、仕方なくフラットに近い和室にしたりします。
しかし天井が高い家であれば、20~25cmくらいの小上がりを作っても、和室の天井が低いと感じることはありません。
窓の位置を高くすることで日光を多く取り込める
サッシも大きくできますし高い位置に窓を取り付けることで、日中の採光をより取り込むことができ、明るい部屋づくりができます。
デメリット
- 冷暖房が効きにくく光熱費が高くなる
- 照明選びが難しい
- カーテンや窓ガラスが既製品では合わない
- それなりの広さがないと逆効果
冷暖房が効きにくく光熱費が高くなる
吹き抜けなどでよく言われることですが、空間が広いとそれだけ冷暖房の効きが悪くなり、結果として光熱費の上昇につながります。
天井が高ければそれだけその部屋の空間も広くなるので、吹き抜けのある家などと同じ原理です。
照明選びが難しい
天井が高いのでペンダントライトやシャンデリアなど、天井から吊るすタイプの照明の位置調整が難しくなります。
結果として選べる照明が限られてくるのも、天井が高い家のデメリットだといえます。
照明の種類に関しては以下の記事で詳しく解説しているので、気になる人はチェックしてみてください。
カーテンや窓ガラスが既製品では合わない
天井が高いということは、当然サッシなども通常より高さがあるものを選ばなければなりません。
そうなるとサッシや窓ガラスだけでなく、カーテンなども既製品ではなく、特注のオーダーカーテンになってしまうことが多く、それだけ出費が増えてしまいまいます。
それなりの広さがないと逆効果
よく狭小住宅などは天井を高くすることで部屋を広く感じることができるといいますが、実際にはその逆で狭い部屋の天井を高くすると、逆に閉鎖感を感じるという人が多いようです。
このように必ずしも天井が高いほうが良いという訳ではありません。その部屋にマッチした天井高というのがありますし、天井を高くすることで思わぬ出費につながることもあります。
部屋ごとの理想の天井高
理想の天井高の部屋ごとに紹介するので、目安として参考にしてもらえばと思います。
リビング
やはりリビングはそれなりの天井高があるほうが開放感があり良いと思うので、理想の天井高は260~270cmくらいです。
ただしLDK全体ではなく、あくまでもリビングという考えです。
ダイニングキッチン
LDKという言葉のように、リビングとダイニングやキッチンを一括りに考えることが多いのですが、天井高に関しては、リビングとは分けて考えるようにしましょう。
ダイニングやキッチンの天井高については、リビングよりも少し低めの設定が良いと思います。
- ダイニング240cm
- キッチン240~250cm
とくにダイニングは、ペンダントライトを設置する家も多いと思うので、それだと一般的な240cmの天井高がベストだと思います。
和室と寝室
和室は断然低い天井の方が落ち着けると思っている派なので、少し低すぎるくらいの225~240cmをおすすめします。
それと寝室に限ったことではありませんが、二階は一般的な240cmの天井高で十分だと思います。
慣れれば関係ないのかもしれませんが、ちょっと高級なホテルや旅館に泊まったとき、天井がすごく高い部屋だったのですが、すごく落ち着かなくてなかなか眠れなかった経験があります。
ネットで検索しても「寝室の天井を高くしたのは失敗だった」と言っている人が意外と多いのも事実です。
オプションで天井を高くする費用
ハウスメーカーによっては、天井高がオプションになっており、追加費用が発生することもあります。
例えばですが一条工務店のセゾンという商品は1階天井260cmが標準仕様なのですが、今人気のi-smartという商品では260cm天井はオプションとなります。
その際のオプション追加費用は、1階坪単価プラス2万円となっています。1階が20坪の家であれば単純に40万円建築コストが上がる計算です。
ただし地元工務店などは、天井を高くするのに15cmで10万円くらいと言っているところもあったりするので、ハウスメーカーや工務店によってかなり違ってくるようです。
自分の友人が地元工務店で注文住宅を建てたのですが、その際二階の天井を10cmほど高くしてもらって、費用は8万円くらいだったそうです。
まとめ
最近は大和ハウスのテレビCMの影響も強く、天井高のリビングを希望される人が多いみたいですが、今回紹介したように、天井高の家はメリットもあれば、デメリットもあります。
極端にいえば開放感があるというメリットに対して、あとはほとんどデメリットでしかありません。
たしかにリビングの天井が高いと広い空間でリラックスすることができます。
ただその反面、カーテンが既製品を使えなかったり、冷暖房費が高くなるなど、意外と身近なデメリットも多いので、天井高については良く検討して決めることをおすすめします。