家の解体費用相場を解説!取り壊すのにいくらかかるのか?

家の解体費用相場と補助金をもらうための条件まとめ

家の解体費用相場を建物の種類別にまとめています。解体費用は地域によって異なり、大型重機が使えないケースが多い東京や大阪では高くなります。

ただし、地域によっては条件付きで解体する際の補助金を支給している地域もあるので、損しないようにしっかりチェックしておくことが重要です。

その他、業者の選び方や解体する際のよくある質問についても分かりやすくまとめているので、参考にしてもらえばと思います。

補助金をもらうには?

いま全国的に空き家問題が深刻化していますが、執筆時点では国が補助金を出している事実はありません。

しかし地域によっては市区町村などの地方自治体が、さまざまな名称で補助金や助成金を支給しているケースがあります。

  • 空き家解体補助金
  • 空き家解体助成金
  • 老朽危険空き家及び空き建築物除却費補助金
  • 老朽危険空き家解体補助金
  • 解体撤去費助成
  • 空き家解体費補助制度

2019年現在、解体費の補助金を出している自治体は300以上もあると言われています。全てを紹介するのは難しいので、今回は一部の自治体をピックアップして表にまとめました。

もし自分の住んでいる自治体に補助金があるのか調べたい場合は、インターネットで「○○(住んでいる自治体名) 解体 補助金」で検索してみてください。

それでも不明な場合は、役所や役場に問い合わせることをおすすめします。

自治体 名称 内容
東京都世田谷区 老朽建築物の除却支援 1平米あたり25,000円
東京都江戸川区 老朽木造住宅除却工事助成制度 解体費の2分1(最大50万円)
神奈川県横浜市 建築物不燃化推進事業補助 解体費の3分2(最大150万円)
栃木県宇都宮市 木造住宅耐震建替え補助制度 延べ床面積×11,000円(上限70万円)
北海道函館市 空き家解体費補助 解体費の2分1(最大30万円)
愛知県豊橋市 木造住宅解体工事費補助制度 解体費の3分2(最大20万円)
京都府京都市 老朽木造建築物除却事業 解体費の3分2(最大60万円)
広島県呉市 危険建物除却促進事業 解体費の30%(最大30万円)
香川県丸亀市 老朽危険空き家除却支援事業補助金 上限160万円
福岡県北九州市 老朽空き家等除却促進事業 解体費の3分1(最大50万円)

各自治体の補助金制度を10箇所ほど紹介しましたが、補助金の額や条件面も全然違っています。

ただ単に建物が古いから補助金がもらえるという訳ではなく、危険倒壊レベルを超えていると判断された場合であったり、新築住宅へ建て替えすることが条件となっているケースもありますので、取り壊し予定の建物がある自治体のホームページなどで確認しておきましょう。

また解体費用をできるだけ抑えたい人は「解体無料見積ガイド」などの一括見積もりサイトを利用してみてください。

上手に利用すると最安値で解体してくれる業者が見つかると思います。

家の解体費用相場

家の解体費には、人件費や廃棄物の処理費用などが含まれており、これは地域によってかなり差が出ることがあります。

以下の数字は建物の種類別の解体費用を地域別にまとめた坪単価の参考値になります。解体する際の目安金額としてもらえばと思います。

なお、これから紹介する金額は建物の養生・解体費のみで、庭木や駐車場の撤去は別途費用がかかるので、注意してください。

木造住宅の解体費用(坪単価)
東京 大阪 愛知 福岡
30坪 3.5万円 3.0万円 2.3万円 2.4万円
40坪 3.3万円 2.7万円 2.5万円 2.5万円
50坪 3.5万円 2.6万円 2.4万円 2.4万円
60坪 2.9万円 2.9万円 2.7万円 2.7万円
鉄骨住宅の解体費用(坪単価)
東京 大阪 愛知 福岡
30坪 3.3万円 3.4万円 2.2万円 2.1万円
40坪 4.1万円 3.0万円 2.3万円 2.4万円
50坪 4.0万円 2.9万円 2.5万円 2.6万円
60坪 5.0万円 3.2万円 3.0万円 3.5万円
RC住宅の解体費用(坪単価)
東京 大阪 愛知 福岡
30坪 5.3万円 4.5万円 3.6万円 3.8万円
40坪 6.1万円 4.3万円 4.0万円 4.0万円
50坪 6.5万円 4.5万円 4.7万円 4.2万円
60坪 7.6万円 4.8万円 5.3万円 5.6万円

地域別の解体費相場をみてもわかるように、東京は他の地域よりも割高になっています。

理由は東京の人件費の高さや廃棄物処理の費用が高いこと、そして比較的狭い土地が多く重機を使えなかったり、交通整理のガードマンが必要になるケースが多いからです。

また、重機や瓦礫を運ぶトラックが問題なく入れるなら良いのですが、道幅が狭くて重機やトラックが入らないような場所であれば、手作業で解体やトラックまでの運搬をしなければならず、解体費用はさらに上がります。

つまり解体費の相場は、地方が安く都心になるにつれ高くなる傾向があり、さらに道路状況などによっても大きく違ってくることを理解しておきましょう。

付帯費用に注意

上記で紹介した解体費の坪単価相場は、あくまでも建物の解体費用です。それに付帯費用が発生しますので、プラス2割~3割増しくらいの料金を考えておくのが良いでしょう。

家を建てるときの坪単価も建築費のみで、外溝工事や諸経費などで建築費の2割増しくらいになってしまいます。解体の場合も同じで、解体費用の他に付帯費用がかかってきます。

では実際に40坪の木造住宅を解体するのに、トータルでいくらになるのか試算してみます。40坪の建物で解体費が1,000,000円(坪単価25,000円)のケースになります。

門柱の撤去費用 40,000円
駐車場撤去費用 36,000円
敷地内コンクリート撤去費用 35,000円
植栽撤去費用 70,000円
重機回送費 28,000円
諸経費(各種届出費用など) 50,000円
付帯費合計 259,000円
トータル 1,259,000円

トータルすると約126万円になることがわかります。126万円を坪単価に換算すると31,000~32,000円ほどになります。

解体業者に建物を見てもらい「だいたい坪30,000~32,000円くらいだね」と口頭で伝えられたとします。

ここで重要なのが金額が建物を壊すだけの費用なのか、それとも付帯工事まで込みの費用なのかを確認することです。

理由は業者によっては、すべて込みの坪単価を伝えてくることもあるからです。

ですので、単純に坪単価だけを聞いて「あ、高いな!」と判断するのではなく、見積もり金額がどこまでなのか内容をしっかり理解しておかないと、業者を比べることができないので注意してください。

業者選びのポイント

家を解体するケースは一生で一回有るか無いかなので、業者選びで悩む人がほとんどです。そのため、悪質業者に騙され失敗する人が多くなっています。

そこでここからは、業者選びで失敗しないためのポイントや、費用を安くするためのコツを紹介するので、参考にしてもらえばと思います。

業者は「見積書」で見極める

見積書には、各業者の特徴がよく現れています。

雑な仕事しかしない業者の見積書は大雑把ですし、丁寧な仕事をしてくれる業者の見積書は丁寧に作られているものです。

例を書きましたので、「良い見積書」と「悪い見積書」の違いを見てみましょう。

良い見積書の見本

工事内容 単価 数量 金額
仮設工事 500円/㎡ 80 40,000円
重機運搬費 30,000円/台 1 30,000円
内装解体 10,000円/坪 30 300,000円
屋根解体 3,000円/坪 40 120,000円
重機解体 3,000円/坪 40 120,000円
廃棄物処理費 50,000円/台 3 150,000円
樹木伐採 10,000円/本 2 20,000円
人件費 20,000円/日 3人×5日 300,000円
諸経費 20,000円/式 1 20,000円
1,100,000円

悪い見積書の見本

工事内容 単価 数量 金額
仮設工事 1,000円/㎡ 100 100,000円
解体工事一式 20,000円/坪 30 600,000円
付帯費一式 30万円 1 300,000円
諸経費 10万円/式 1 100,000円
1,100,000円

どちらの見積書も提示された金額は同じ110万円なのですが、どちらが信用できるかと問われれば工事の詳細まで丁寧に記載されている最初の見積書ではないでしょうか。

詳しく工事内容書かれても、どのような内容なのか解らないという人もいるでしょうが、インターネットで調べれば、それがどのような工事内容なのかくらい簡単に知ることができます。

解体費用を安く抑えるコツ

解体費用は、業者によって費用が大きく異なるので、費用を安く抑えるためには見積もりの比較がとても重要です。

しかし解体業者は地元密着型の業者が多く、タウンページなどで探さなければいけないため、非常に難しく面倒です。インターネットで探すこともできますが、そこで見つけた業者が優良業者なのかは判断がつきません。

そこでおすすめなのが、優良企業のみを集めた一括見積もりサイト「解体無料見積ガイド」です。

利用者の9割以上が安くなったと評判も良く、状況にもよりますが依頼をしてすぐに訪問査定をしてくれますので、時間がないという人にもおすすめです。

複数社の見積もりを比較するだけでなく、おおよその相場を把握することもできます。無料で使えるので家の解体を予定している人は参考にしてみてください。

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家の解体に関する質問や疑問

今回の記事内では紹介できなかったことも多くあるので、多く寄せられる質問や疑問について簡単に解説していきたいと思います。

工事期間はどれくらいなのか?

解体工事に要する期間ですが、一般的な木造住宅であれば10日ほどで完了します。

ただし、工事開始の7日前には解体届けの申請を済ませなければならないので、正式に解体工事の契約をしてから、実際に工事が始まるまでに1週間が必要なので、解体の見積もり依頼~解体工事完了までは、どんなに急いでも3週間ほど見ておく必要があります。

解体すると固定資産税が上がるのか?

解体することで「固定資産税が下がる」という業者もいれば、逆に「固定資産税は上がる」と説明する業者もあります。

これはどちらも正しく、間違いではありません。

正確には「建物の固定資産税は下がる」が「土地の固定資産税はあがる」という回答になります。

固定資産税は「土地」と「建物」の両方に課せられる税金のことですので、建物がなくなると当然建物に課せられていた固定資産税は無くなり0円となります。

しかし土地の固定資産税には、建物があることで優遇制度が適用されていた可能性が高く、それらの制度が適用されていた場合、建物を解体することで、優遇制度が

適用されなくなり、最大だと固定資産税が6倍になる可能性もあります。

追加料金が発生することはあるのか?

解体工事の作業中に地中から埋設物(浄化槽や古井戸)などが出てきた場合は、追加工事が必要となりますので、当初の見積もりに別途費用が必要となります。

ただし、見積もり時に現場の下見をしてもらっていたにも関わらず、予想していたよりも瓦礫の量が多かった、家内の残存物が多かったなどの理由で追加費用を求められたときは、業者側の見積もりミスの可能性もあるので、価格交渉をするのが良いでしょう。

建て替えする際の業者選びのポイントは?

建物の建て替えを伴う解体工事の場合、新築を依頼する建設会社に既存住宅の解体工事を頼むケースは珍しくありません。

しかし、ハウスメーカーは家を建てる専門であり、家を解体するのは別の業者に発注するのが一般的です。

そうなるとハウスメーカーの中間マージンが発生するため、直接解体業者に依頼するよりも割高になると言われています。

どれくらいの中間マージンを取るかは、そのハウスメーカーによって違うと思いますが、工事費の20%~30%ほど取るのが一般的です。

ですので、解体工事が伴う建て替えの場合は、家を建てる業者と家を解体する業者は別々に依頼するほうが費用的には安くなると思います。

解体用のローンはあるのか?

残念ながら家を解体するために利用できる住宅ローンはありません。

住宅ローンというのは家を担保にお金を借りるので、その担保となる家がなければ融資は受けられません。

ただし、リフォームローンや無担保型の住宅ローンであれば、解体費用として借り入れできる可能性があります。

最近は空き家問題がクローズアップされ問題視されているので、金融機関によっては「空き家解体ローン」などの商品も出てきています。

最寄りの金融機関のホームページで調べてみたり、見積もりを依頼する解体業者に尋ねてみるのが良いでしょう。

空き家解体ローンを取り扱っている金融機関をいくつか紹介するので、参考にしてみてください。

機関 名称
秋田県 秋田銀行 空き家解体ローン
東京都 JA西東京 JA空き家解体ローン
埼玉県 武蔵野銀行 空き家活用ローン
和歌山県 紀陽銀行 リフォームローン
福岡県 福岡銀行 空き家解体ローン

建て替えなら費用をローンに組み込めるのか?

実家の建て替えであったり、建物付きの中古住宅を購入し、解体して新築住宅を建てるのであれば、解体費を住宅ローンに組み込むことはできます。

ただし、住宅ローンの融資が実行されるのは建物が完成してからになります。それまで解体費用の支払いを待ってもらうことが出来るかが問題です。

家を建てる業者と解体する業者が同じであれば融通は効くと思いますが、別会社に解体を依頼するのであれば、約1年も支払いを待ってもらうのは現実的に難しいと思います。

工事完了後にするべきことはあるのか?

解体工事が無事終わったら、土地の所有者が法務局に出向き「建物滅失(めっしつ)登記」の申請をしなければなりません。

これは「建物が無くなりましたよ」という届出のことで、これをしないと建物の登記が残ったままの状態になり、固定資産税が発生するので、必ず手続きを行うようにしてください。

まとめ

今回は家の解体費や補助金について解説してきました。

建物の大きさや構造によって解体費は大きく違ってきますし、とくに大事なのが重機や瓦礫を運ぶトラックが入れる道路の有無です。

そしてもう一つ業者によっても見積もりが異なる点にも注意しましょう。特に危険なのが1社だけに見積もりを依頼して、そのまま契約してしまうケースです。

本当にその業者でいいのかは、複数の解体業者の見積もりを比較しないと分かりません。最低でも2~3社の見積もりを比較するようにしてください。

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