家を建てる時やリフォームする際に悩むのが、「間取り」をどうするかです。
人それぞれこだわりがあると思いますが、一度家を建ててしまったら後から変更することは出来ないので、慎重に決める必要があります。
昔と違い、今は個人でもスマホアプリやフリーソフトを使って簡単にシミュレーションができるので、使わない手はありません。
このページでは、
- 間取りを決める際の注意点
- スマホで利用できる間取りアプリ
- パソコンで利用できるフリーソフト
について詳しく解説します。
間取り決めで悩んでいる人は、ぜひ便利なアプリやフリーソフトを使ってシミュレーションしてみてください。
間取り決めでみんなが後悔する場所はどこ?
まずはこれから間取りを考えるという人向けに、失敗しないための注意点を解説します。
間取りを考える時間は、家づくりの行程の中でも楽しい時間の1つですが、自分の理想や見栄えだけを重視して間取りを決めてしまうと、あとで後悔するかもしれません。
間取りに関して「後悔した例」としてよく挙げられるのが、
- 冷暖房効率が悪い
- 生活動線が使いにくい
- 窓が開けられない(部屋が丸見え)
- 収納が少なすぎる、狭い
- 1階の匂いが2階へ広がってしまう
などといったトラブルです。
このような後悔は、実際に家が完成して住んでみてから気づいても遅いので、計画段階でしっかり考えておく必要があります。
よくある失敗例を図付きで解説するので、ぜひ参考にしてください。
よくある間取りの失敗例(図有り)
間取り決めの際にどうするか迷う場所と言えば「リビング」です。
ほぼ100%の人が「リビングを広くしたい」と希望しますが、それによって起こりやすいトラブルがあるので要注意です。
トイレや洗面所は直接リビングとつなげないこと
下記の図を見て下さい。
リビングから直接トイレ、洗面所へとドアが繋がっています。
このようにリビングから直に入り口を設置している場合、トイレの音や洗面所にある洗濯機の音が気になってしまう可能性が非常に高いです。
トイレの音というのは誰もが気にするものなので、家族ならまだしも来客の方であればとても気まずい思いをさせてしまうと思います。
洗濯機の音に関しても、寝ている間に洗濯乾燥などを行う場合はストレスになるので要注意です。
解決策は、多少リビングが狭くなったとしても、上図のように壁と通路を設置してあげることです。
壁やドアを2枚挟めば音はほとんど気にならないので、安心してトイレへ入ることが出来ます。
リビング階段は光熱費が高くなる?
リビングに関する後悔でもう一つ多いのが「リビング階段」です。
リビング階段を希望する人の意見としては、
- 家族のコミュニケーションが取りやすい
- 開放感のあるリビングにしたい
という意見が多いですが、その反面、冷暖房効率が悪化して電気代が高くなるというデメリットがあります。
特に夏場や冬場のエアコン代が高額になるので、リビング階段を設置する場合は対策を考えておきましょう。
下記の体験談にあるように、「のれん」などを設置することで、空気の流れを抑制するのがおすすめです。
寝室の上に子ども部屋はNG
二世帯住宅でよくある失敗例を紹介します。
1階が親世帯、2階が子世帯の間取りですが、1階の親世帯の寝室の真上が子ども部屋になっています。
高齢な親世帯は就寝時間も早く、真上が子ども部屋だと騒音などの問題が起こりやすくなります。
上図の場合だと、1階の親世帯の寝室を和室の位置を入れ替えれば、真上が子世帯の夫婦の寝室となるので、騒音問題も緩和することができます。
リフォームで間取りを変える際の注意点
続いては、リフォームで間取りを変更する際の注意点を2つ紹介します。
リフォームでは水周りの位置を変更したいと希望する人が多いですが、予算がかかるケースがあるので注意しましょう。
水まわりの位置はなるべく変更しない
リフォームをするとき、システムキッチンを新調するケースは珍しくありませんが、ここでポイントとなるのが「キッチンの位置」です。
今までと同じ場所に新しいキッチンを設置する場合と、システムキッチンの向きや位置を変える場合では、かかる費用が大きく違ってくるので注意しましょう。
例えば壁付けのキッチンを対面式のシステムキッチンへとリフォームする場合、新しいシステムキッチン代に加えて、
- 配管や配線などの追加工事費
- 工事期間が長くなるのでその間の人件費
などがかかるため、費用が高額になる可能性があります。
もし壁付けキッチンを対面式キッチンに変更するのであれば、システムキッチン代とは別に、30~50万円ほどの工事費用を想定しておきましょう。
ウォークインクローゼットに書斎をつくる
最近はコロナ禍の影響でリモートワークをする機会も増えており、書斎やワークスペースを新たに設置するリフォームが増えています。
上の画像のように、主寝室のウォークインクローゼットの一部を改良し、書斎やワークスペースへとリフォームするのが人気です。
この時に問題となるのが、採光のために新たに設置された「窓」です。
仕事をする際の明かり採りとして窓を設置したのだと思いますが、これが後々トラブルを起こす元となります。
本来、クローゼットに窓は設置されていません。なぜなら日光によって大切な洋服などが日焼けしてしまうからです。
どうしても窓を設置したいのであれば、日焼け対策としてUVカット率の高い窓を設置するようにしましょう。
「階段の位置」を早めに決めるのがポイント
間取り決めで失敗しないためには、「階段の位置」を早めに決めるのがポイントです。
リビングやキッチン、バストイレなどの位置を決め、そこから階段位置を決める人が多いのですが、階段の位置はなるべく早めに決めておくのが良い間取りづくりの鉄則です。
階段の位置を最後まで決めずにいると、どうしても余ったスペースに階段を設置することになり、傾斜が急な危ない階段になってしまうことが多いです。
一般的な住宅で採用されるストレート階段は長さ270cm(一間半)ですが、スペースが足りないことで180cm(一間)になってしまうケースも多く、これはイメージするよりもかなり急な階段になっています。
もし小さな子どもや高齢者がいる家庭なら、急な階段は事故の原因にもなるので要注意です。
間取り決めの終盤でこのようなトラブルを起こさないためにも、階段の位置はなるべく早めに決めておくべきです。
実際に階段の位置によって、どれくらい間取りに影響が出るのか、わかりやすい画像があるので参考にしてください。
リビング階段と大きな吹き抜けがある間取り
上図はリビングの右端に階段を設置し、大きな吹き抜けを設ける人気の間取りです。
1階の右端に階段を設置することで、LDKをより広く見せる効果があり、明かり採りの大きな窓を階段側の壁に設置することができ、開放感のあるリビングとなります。
その反面、先に紹介したようにリビング階段に大きな吹き抜けを設けることで、光熱費が高くなってしまう恐れがあります。
また2階の間取りを見ればわかるように、吹き抜けの影響で2階の部屋面積は大きく削られてしまい、通路の面積が増えてしまいがちです。
景観的にはすごくおしゃれな間取りになりますが、光熱費や建築費はそれなりに覚悟しておく必要があるでしょう。
リビング階段の部分にだけ小さな吹き抜けがある間取り
上図の場合、1枚目と同じくリビング階段ですが、吹き抜けを階段部分だけに絞っています。
リビング階段の開放感を取り込むこともできますし、吹き抜けスペースが小さくなったことで2階に3部屋分のスペースを確保することができています。
階段の位置と吹き抜けの大きさを変えることで、かなり間取りに影響が出ることがわかります。
玄関ホールに階段を設置した間取り
上図はリビング階段をやめて、玄関ホールに階段を設置した間取りです。
リビングと階段を切り離すことで騒音問題への心配をなくし、各人のプライバシーにも配慮したオーソドックスな間取りとなります。
1枚目、2枚目の間取りに比べるとリビングの開放感は減ってしまいますが、来客が多い家ではこちらの方が安心感があります。
また2階もしっかり3部屋確保できており、通路部分に本棚やワークスペースを設置することも可能です。
このように、階段の位置を変えるだけで間取りに大きな影響が出るため、なるべく早めに階段の位置を決めておくことをおすすめします。
リビング階段にはメリット、デメリットの両方があるので、家族と相談した上で採用するかどうか決めましょう。
注文住宅で間取りを決める際の3ステップ
実際に間取りを決める際には、次の3ステップで考えるがおすすめです。
素人だけですべて決めるのは現実的ではありませんので、最終チェックはプロにやってもらいましょう。
最初の段階では、細かな問題点は気にせずに、自分が理想とする間取りを自由に考えていきます。
「玄関はこれくらいの広さで…」
「窓は大きく、天井からも明かりを取り入れたい」
「キッチンには必ずカウンターを作る!」
などといった感じで、自分の理想に近い間取りを考えていきます。
まったく間取りのイメージがわかないという人は、この後で紹介する「ハウスメーカーの無料カタログ」を参考にしてみましょう。
理想の間取り図ができたら、その中から「ここだけは絶対に実現させたい」という部分を選びます。
例えば、夫婦それぞれでこだわりたい部分を1箇所ずつ選ぶなど、間取りの中で「優先度」を決めていきます。
まずは絶対に実現させたい「最優先の箇所」を決めた上で、その次に大事な箇所も選んで優先度をつけておきましょう。
間取りの優先度が決まったら、それを持ってプロ(ハウスメーカー)に相談に行きましょう。
プロの目線から見て、間取りの使い勝手の良し悪しや、希望の間取りを実現するための予算などをアドバイスしてくれるはずです。
もしかしたら、「この予算では理想の間取りは難しいですよ」と言われてしまう可能性もありますが、その時はあらかじめ決めておいた優先度をもとに、どの箇所で妥協するかを家族で話し合って決めていきましょう。
一番手頃な教科書はハウスメーカーの無料カタログ
ほとんどの人は間取りづくりが初めてだと思うので、ゼロから間取りを考えるのは難しいと思います。
そんな時は、できるだけたくさんのカタログを取り寄せて、自分のイメージに近いものを探しましょう。
ハウスメーカーのカタログには、プロが考え抜いて作った間取りがたくさん載っているので、とても参考になります。
カタログは基本無料で手に入るので、パッと見で気になるものがあれば5冊くらい取り寄せてみて、それを参考に間取りを考えるとわかりやすいです。
ポータルサイトの「LIFULL HOME'S」に、予算別のカタログ特集ページがあるので、そちらから探してみましょう。
※予算別のカタログ特集ページ一覧
カタログには家づくりの注意点や、資金計画のコツなど、色々と参考になるコラムもたくさん書いてあるので、とても勉強になると思います。
契約前にプロの意見を聞きたい場合はどうすればいい?
まだハウスメーカーとの契約が済んでいない人や、具体的な間取り決めの前に、ざっくりとした注意点や予算計画などを知りたいという人も多いと思います。
そんな時は「HOME4U家づくりのとびら」で相談してみるのがおすすめです。
専門家が無料で相談に乗ってくれるサービスで、家づくりの基本的な悩みについて色々とアドバイスをしてくれます。
相談はオンラインで行われるので、自宅にいながらすきま時間に相談できますし、営業なども一切ないので安心して利用できます。
- 土地探しやハウスメーカー選びで迷っている
- 予算の立て方やローンのことがわからない
- 家を建てるまでのスケジュールが知りたい
こんな悩みがあるなら、オンラインで直接質問してみましょう。
不動産業者やハウスメーカーに直接出向くとなると少し不安があるかもしれませんが、「HOME4U家づくりのとびら」なら、
- 『オンライン特化・専門』の相談サービスである
- 平日14時~夜19時30分スタートまで受け付けOK
- 住宅業界で長年勤続経験を持つ専門アドバイザーが無料でサポート
- 株式会社NTTデータの100%子会社が運営しているので安心
- しつこい営業などは一切無し
と初めて家づくりをする人でも安心して利用できるのが特徴です。
もちろん希望があればハウスメーカー選びも手伝ってくれるので、気になるハウスメーカーの資料請求と並行して相談すれば、具体的な家づくりのプランも相談することができます。
スマホで間取りがシミュレーションできるアプリ
続いては、実際に間取りを作成する際に役に立つアプリやソフトを紹介していきます。
まずはスマートフォンで間取りシミュレーションができる人気アプリを紹介するので参考にしてください。
間取りTouch+
iPhone専用ではありますが、間取りシミュレーションアプリとして高い評価を得ているアプリです。
部屋を選択してタップするだけで間取りを作成、部屋を設置した後も壁をスワイプすることで簡単に間取りを変更することができます。不動産業者にあるような間取り図が自分で作れてしまいます。
またアプリでは家具などのアイテムも取り揃えられており、実際にそれを間取り図の中に配置することでおおまかな家具配置イメージも作成することができます。
Home Design 3D
それぞれ名称が少し異なりますが、iPhone、androidの両方でリリースされているシミュレーションアプリです。どちらかと言えば間取り作成シミュレーションというよりも作成した部屋に家具を配置してデザインするというアプリになりますが、当然間取りは変更可能です。
また、実際に家具などを設置した部屋を3Dレンダリングで観覧することができるため、新築のイメージデザインに最適です。
ただし、無料版ではせっかく作成した家の保存などができず、設置できるアイテム数が少ないというのが難点です。保存するためには有料版の購入が必要になりますので注意しましょう。
magicplan
iPhone、android両対応の間取りシミュレーションアプリです。
magicplanは現在住んでいる部屋をアプリ内で撮影し、角やドアにポインタを設置することで簡単に間取り図を作成することができます。ですが、もちろん新規で間取りを作成したり、部屋を追加することもできます。
有料版では家具アイテムの追加や図面のデータ化などが可能になりますが、無料版でも間取りシミュレーションとしてなら十分に使えます。
Floor Plan Creator
こちらはandroidでリリースされているシミュレーションアプリです。
ごくごくシンプルな間取りシミュレータとなっているため、直感的に間取りを作成することができます。3Dアプリでありながら動作もさほど重くなく、スマホ機種を選びません。
描写はシンプルながら家具を設置したり、3Dで作成した家の中を人目線で眺めることもできます。
唯一の欠点としては日本語に対応していないこと。操作は難しくないので使えばそのうちに慣れると思いますが、最初は手を出しづらいかもしれません。
Planner 5D-インテリアデザイン
Planner 5D-インテリアデザインは、iPhone、android両対応のシミュレーションアプリです。
2D、3D、バーチャル・リアリティの3つのモードを使って、専門知識がなくても、誰でも簡単にデザインを楽しめます。
美しくリアルなグラフィック機能を搭載しながら操作は簡単。インテリアの装飾やホームデザインを作成することができます。
カタログから外観用のアイテムや好みのインテリアを選択して、自由にデザインできるのが魅力です。
PCで間取りがシミュレーションできるソフト
より細かく間取り設計図を作りたい場合は、パソコンで使えるシミュレーションソフトを使いましょう。
フリーソフトの中でも人気が高いものをピックアップして紹介するので、ぜひチェックしてみてください。
せっけい倶楽部
パソコンで使える間取りシミュレータとして息が長く、高い人気を誇るフリーソフトです。
間取りの作成のほかにも外観のシミュレーションもできるのいうのが特徴です。若干独特の操作が必要で慣れるまでに少し時間を要しますが、それでも使いこなせれば便利です。
Excel DE 間取り図
パソコンならではの間取りシミュレータといえばこの「Excel DE 間取り図」でしょう。
ソフト名から想像できるように特殊なマクロを設定してエクセル上で間取り図を作れるようにしたというソフトです。
普段からエクセルを使用している人はすぐ操作に慣れると思いますし、もちろんエクセルを使ったことがないという人にも分かりやすく設計されています。
まとめ
今回は間取りづくりに役立つアプリやソフトを紹介しました。
昔に比べ、今は無料で使える便利なアプリやソフトがたくさんあるので、まずは理想とする間取り図を自由に考えてみましょう。
ポイントは、先ほど解説したように「優先度」を決めておくことです。
家づくりにおいては、資金面や空間(広さ)の面で、必ずどこかで妥協しなければならない点が出てきます。
先に優先度を決めておくことで、間取りづくりの悩みがある程度解消できると思うので、ぜひ家族と相談して優先度を決めてみて下さい。
何から始めればいいかわからない人は、まずは色々なハウスメーカーのカタログを見て勉強するのがおすすめです。
※予算別のカタログ特集ページ一覧
理想の間取りを考える時間はとても楽しいものなので、焦らずにじっくり考えていきましょう。
どうしても行き詰まったときや、最終的なチェックをお願いしたいときは、プロに相談すればOKです。
完成後に後悔しても遅いので、必ず一度はプロのアドバイスを聞いた上で、最終決定をしましょう。