マイホームで一戸建て住宅と分譲マンションのどちらが良いのか迷っている人は多いと思います。
この記事では一戸建て住宅と分譲マンションの住みやすさや購入後の維持費など、項目別にどちらがよいのか分かりやすくまとめています。
これからマイホーム計画を立てようとしている人は、メリットデメリットを比較しながら参考にしてもらえばと思います。
一戸建てと分譲マンションの比較表
一戸建てと分譲マンションの特徴を項目別に○△×で比較しました。特に×のところはデメリットになるので、後悔しないように予め理解しておいてください。
一戸建て | マンション | |
---|---|---|
周辺環境 | × | ○ |
間取り | ○ | × |
マイカー | ○ | × |
入居までの期間 | ○ | △ |
導線 | △ | ○ |
光熱費 | ○ | △ |
日当たり | ○ | △ |
防犯 | × | ○ |
騒音 | ○ | × |
耐震性 | △ | ○ |
バリアフリー | × | ○ |
リフォーム | ○ | × |
コミュニティ | ○ | △ |
ペット | ○ | × |
維持費 | ○ | △ |
売りやすさ | △ | ○ |
今回は「マンションvs一戸建て」を比較していきますが、戸建て住宅の中でも「注文住宅vs建売住宅」で悩んでいる人も多いかと思います。
注文住宅vs建売住宅については「建売住宅の記事」にて詳しく解説しているので、あわせて参考にして頂ければと思います。
メリットデメリットを項目別に比較
一戸建てとマンションのどちらにもそれぞれの長所・短所がありますので、自分が求めている理想のマイホームと照らし合わせながら、どちらにするのか決めていくようにしてください。
そのためにも、戸建てとマンションの違いについて知っておく必要があります。
ここからは紹介した比較表の中から、戸建てとマンションで大きく異なる項目をいくつかピックアップして解説していきたいと思います。
周辺環境
分譲マンションの多くが駅周辺で開発が進んでいる地域に建てられています。そのため駅まで徒歩数分という物件が多く、通勤や通学の利便性では一戸建てより高いです。
駅周辺は地価が高く、個人の戸建てマイホームを建てられるような金額では土地が買えませんが、マンションであれば全世帯で土地代を折半することになるので、駅周辺や繁華街のような一等地でも建てることができます。
実際に売りに出されている分譲マンションの70%ほどが、駅から徒歩9分圏内というデータがあり、戸建てだと徒歩9分以内は全体の25%となっています。
そのため、マンションを選んだ理由として「最寄り駅から距離が近かったから」が必ず上位にランクインします。
参考:https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/sumai_nyumon/hikaku/hikaku12point/
間取り
間取りの自由度と居住スペースの広さで考えるなら、戸建て住宅がおすすめです。理由はマンションの場合、すでに決められた間取りで販売されている物件がほとんどだからです。
最近は間取りの変更にも対応してもらえる物件も出てきていますが、戸建ての注文住宅のように希望の間取りで作ることはできません。
ただし、戸建て住宅も間取りを自由に設計できるのは注文住宅に限られており、建売住宅や規格住宅になるとすでに決められた間取りの中から、自分たちが希望する間取りパターンを選ぶようになります。
「規格住宅の記事」では違いについて分かりやすく解説しているので、あわせて参考にしてもらえばと思います。
広さは拮抗してきている
ちょっと前まで「マンションは狭い」「一戸建て住宅は広い」という認識でしたが、最近は少し状況が変わってきておりマンションと戸建て住宅の広さの差が縮小してきています。
これは戸建て住宅の広さが昔に比べて狭くなっているのが原因です。
昔は戸建て住宅といえば延べ床で40坪を超える家が一般的でしたが、今の戸建て住宅の平均的な広さは30坪~34坪となっています。
耐震性
東日本大震災時に倒壊した建物の多くは一戸建てでした。一方のマンションは津波で建ち続けていた物件も多く、耐震性からみると鉄筋コンクリート造で作られているマンションの方が丈夫です。
最近のマンションには災害時用に備蓄倉庫を設け自家発電システムを設置するなど、非常時を想定した設備も充実しています。
高層マンションになると地震時に大きな揺れを伴うのではないかと心配される人も多いと思いますが、最近は地震の揺れそのものを逃がす「免震装置」が設置されていることが多いです。
大きな地震がきても揺れはもちろん、室内の家具や食器棚すら倒れないことも珍しくありません。
マンションには、免震以外にも「耐震構造」や「制震構造」などの物件があるので、自分が購入しようとしているマンションに、どのシステムが設置されているのか事前にチェックしておきましょう。
特徴 | |
---|---|
耐震構造 | 建物の構造を丈夫にすることで地震の揺れにも耐えられるつくりになっている |
制震構造 | 建物に組み込まれた装置が地震の揺れを制御し建物への被害を最小限に抑える |
免震構造 | 基礎と建物の間に特殊なゴムの装置を設置し揺れを吸収する |
当サイトでは「地震に強い家の記事」で一戸建てで地震に強い家を建てる際のポイントをまとめています。
おすすめハウスメーカーも紹介しているので、検討している人はあわせて参考にしてもらえばと思います。
維持費
マイホームを買った後の維持費についても、最初の段階でよく検討しておかなければなりません。
一戸建てとマンションでは購入後の維持費に大きな違いがありますので、しっかりと理解しておくようにしましょう。
ポイントとなるのが20年、30年と経過したときのメンテナンス費用です。
マンションを購入すると毎月「管理費」と「修繕積立金」を支払うことになります。これらの費用はマンションを快適に利用するための管理費や、将来的なメンテナンス時の資金に使われます。
管理費はエレベーターのメンテナンス、マンション敷地内の清掃、管理人の賃金などに使われ、修繕積立金はマンション全体を維持するための修繕費などに使われます。
金額はマンションによって異なるので一概にいえませんが、両方合わせて20,000円くらいが相場となります。駐車場が必要な場合は、別途駐車代も毎月支払うことになります。
毎月、住宅ローンとは別に20,000円の出費を嫌い、一戸建て住宅を選ぶ人も多いですが、一軒家でも年数が経過すると当然建物の劣化は起こります。
外壁を再塗装したり、シロアリ対策や屋根材の補修も必要になってきますが、メンテナンス費用は、その都度準備しなければならず、決して安い金額ではありません。
将来的に必要となる修繕費用を毎月計画的に積み立てていくのか、それとも必要なときに都度準備するのかの違いという考え方もできます。
出て行く目先のお金だけに惑わされず、よく比較検討してマンションと戸建てを選ぶようにしましょう。
固定資産税
維持費といえば、毎年所有者に課せられる固定資産税も比較材料になります。
固定資産税は「建物」と「土地」の両方に課せられる税金であり、その計算式は以下のようになっています。
- 建物:建物の評価額×1.4%=建物の固定資産税
- 土地:土地の評価額×1.4%×1/6=土地の固定資産税
※評価額は固定資産税台帳によって定めれています
居住用の土地には1/6の優遇制度があるので、土地比率の少ないマンションは割高になり、多い一戸建て住宅の方が割安になる傾向があります。
光熱費
太陽光発電システムを設置できる分、光熱費という面では一戸建て住宅に分があります。
マンションも鉄筋コンクリート造で気密性が高く光熱費の節約にはなりますが、電力を自家発電できる一戸建て住宅比べると劣ってしまいます。
最近の戸建て住宅は自家発電したエネルギーを貯めておける「蓄電池」を備えたZEH住宅も普及しており、今後エネルギー関連においては一戸建てとマンションの差が明確に出てくると思われます。
現在、ZEH住宅を建てると補助金がもらえます。毎年予算が決まっており、時期によっては補助金を受け取れないこともあります。
もし一戸建てでZEH住宅を建てたいと検討している人は、できるだけ早めに動き出すことをおすすめします。
最新の補助金内容に関しては「ZEH住宅の記事」で分かりやすくまとめているので、検討している人はあわせて参考にして頂ければと思います。
売りやすさ(資産価値)
将来的に売却することを考えているのであれば、マンションの方が売れやすいです。
マンションは最初からプランが決まっており人気の間取りとなっているのですが、一戸建ての多くは自分たち家族に合わせた間取りになっているため、好き嫌いがはっきりと出ます。
実際に金額が高い注文住宅よりも、人気の間取りをもとにつくられている建売住宅の方が中古としては早く買い手がみつかる傾向にあります。
でも将来的に高く売れるのは、マンションよりも戸建てなんでしょ?と思われるかもしれませんが、最近はそうとも言えなくなっています。
以前は土地の持分割合が多い戸建て住宅の方が、将来的な資産価値は高いと言われていたのですが、最近のマンションも購入した金額より高値で売買されるケースが増えており、資産価値の見方が少し変わってきているように思います。
今後は都心部の土地価格が上昇することが予想されているので、立地が良い中古マンションの価値はさらに高騰するかもしれません。
戸建てとマンションどちらが向いているのか?
冒頭の比較表をみてわかるように、一戸建てとマンションにはそれぞれメリットやデメリットがあります。個人の価値観、家族ごとのライフスタイルがあるので、どの項目を優先するかはそれぞれ違ってくると思います。
ここまでの内容を踏まえ、一戸建て向きの人、マンション向きの人、それぞれの特徴をまとめておきますので参考にしてください。
戸建てに向いている人
- 間取りにこだわりがある
- 将来的に家族が増える可能性がある
- 隣近所を気にせず、プライベートを確保したい
- 庭いじりやDIYを楽しみたい
- ペットを飼いたい
- 家族で2台以上の車が必要
- 太陽光システムなど、光熱費を抑えたい
分譲マンションに向いている人
- 立地の良い場所に住みたい
- 物件価格を抑えたい
- 同居人は4人以下である
- 将来的に売却を考えている
- 地震や台風などの災害に不安を感じる
- セキュリティは何より大事だ
分かりやすいように一戸建て向きの人とマンション向きの人をまとめてみましたが、両方に該当するという人もいると思います。
どちらがいいのか判断つかない人におすすめしたいのが「優先順位を明確に決めておく」ということです。自分たち家族がマイホームに求めるものの順位を考えてみましょう。
なにを優先したいのか?どの項目が絶対に譲れない部分なのか。それを明確にしておくことで、一戸建てとマンションのどちらが自分たち家族に合っているのかが見えてくるようになります。
下の画像は「マンションor一戸建てを選んだ理由トップ10」です。どのような項目をマイホーム選びの基準にしているのか、ぜひ参考にしてみてください。
出典:https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/sumai_nyumon/hikaku/hikaku12point/
まとめ
一戸建てorマンションには、それぞれの特徴があります。まずはそれらの特徴を把握し、自分たちの希望にどちらがよりマッチしているのかを相談しましょう。
マイホームは多くの人にとって、一生に一度の大きな買い物です。ちょっと良い物件が見つかったからといって買い急いで後悔することがないよう、日頃から自分たちに合うのは一戸建てなのか?マンションなのか?を考えておき、物件を買い逃さないようにしましょう。
人気のエリアでは、土地もマンションもすぐに完売してしまいます。いざ掘り出し物件がでてから、一戸建てorマンションを悩み始めても間に合いません。
家族でしっかりと相談して優先順位決めておくようにしてください。