狭い土地でマイホームを建てる人向けに、狭小住宅が得意な大手ハウスメーカーを3社ピックアップして紹介します。
狭小住宅は何かと制限が多く、実績が豊富な業者に依頼しないと家づくりで失敗するので注意してください。
その他にも、建てる時に注意しなければいけないことについても解説するので、ぜひ参考にしてもらえばと思います。
狭小住宅の間取り例と価格
狭小住宅を建てる時に悩むのが、ハウスメーカー選びではないでしょうか。
選ぶ時のポイントは建築実績で、より狭い土地での住宅建築が多いメーカーを見つけることです。
理由は狭小地に家を建てる場合、一般的な戸建て住宅と比べなにかと制限が絡んでくるからです。
したがって、建築実績のあるメーカーは狭小住宅に対する様々なアイデアをもっており、いろいろな提案をしてくれます。
ここからは狭小住宅が得意なハウスメーカー3社をピックアップして紹介するので、業者選びの参考にしてください。
もしもっとたくさんの業者を比較したいという人は、ポータルサイトの「LIFULL HOME'S」に、狭小住宅対応のハウスメーカーを特集したページがあるので、そちらで探すと便利です。
※以下の「坪単価」欄に記載されている金額は、実際に家を建てた人の口コミなどを参考に、当サイトが独自にまとめた参考数値となります。
パナソニック・ホームズ
多層階住宅を売りにしている「ビューノ」は、限られた土地でも上へ階数を増やすことによって広い空間を実現しています。
敷地に無駄を作らないために業界最小の15センチ単位で高さと幅を細かく配置できるシステムを採用しており、建築条件が厳しい場所でも3階建てを実現することができます。
家の強度も高く、ビルと同じスケルトン&インフィル工法なので安心して住むことができます。
商品名 | ビューノ |
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構造 | 制震鉄骨軸組構造・重量鉄骨ラーメン構造 |
坪単価 | 70万円台~ |
公式HP | https://homes.panasonic.com/tasoukai/lineup/vieuno/ |
物件データ
愛知県/4人家族
土地面積/99.01㎡(29.95坪)
1階床面積/31.28㎡(9.46坪)
2階床面積/37.08㎡(11.21坪)
3階床面積/35.19㎡(10.64坪)
延床面積/103.55㎡(31.32坪)
ヘーベルハウス
ヘーベルハウスは“都市の住まい”をテーマにしているハウスメーカーで、限られた敷地内でも建物の高さを変えることなく、天井や床の高さを変えるだけで広い空間にするアイデアや、少ない柱でも耐震性に優れている重鉄構造を採用しています。
また、隣家と接近しているため暗くなりがちな狭小住宅ですが、階段の配置を工夫することで1階まで明るくなる構造になっています。
狭小地だからといってあきらめていたガレージや収納、庭もヘーベルハウスのアイデアを駆使すれば実現できるかもしれません。
商品名 | タウンコンポ |
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構造 | 重量鉄骨 |
坪単価 | 70万円台~ |
公式HP | https://www.asahi-kasei.co.jp/hebel/index.html/?link_id=globalnavi_hebelhaustop |
物件データ
延床面積/93.07㎡(28.2坪)
ここまで狭小住宅が得意な大手3社の人気の家を紹介してきました。
今回は大手ハウスメーカーをピックアップしましたが、大手以外にも地域密着型の工務店で、狭小住宅に対応している業者はたくさんあります。
場合によっては大手よりもかなり安く建てられるケースもあるので、自分の地元にそういった業者がないか必ず調べましょう。
先ほど紹介した「LIFULL HOME'S」の狭小住宅対応のハウスメーカーを特集したページを利用すれば、自分の住んでいる地域を選んで、狭小住宅に対応した業者を見つけることができます。
狭小地に家を建てる際の注意点
狭小地に狭小住宅を建てる際、いくつか注意しておくべきポイントがあります。
限られたスペースに家をたてるため、自分の理想が実現しにくい点があり、実現させるためには工夫した家づくりをしないといけません。
そこで、ここからは狭小住宅を建てる際の注意点をまとるので、ぜひ参考にしてください。
建ぺい率と容積率を必ず確認する
どのような土地であっても「自分の土地だから、自分の好きな家を建てることができる」と考えるのは間違いです。
土地には必ず制限が設けてあり、とりわけ家を建てるときに気をつけたいのが「建ぺい率」と「容積率」の2つです。
※建ぺい率:土地面積に対して、建てることができる建築面積のこと
※容積率:土地面積に対して、建てることができる延べ床面積のこと
説明すると難しいので詳しい説明は省きますが、この「建ぺい率」と「容積率」の違いで建てることができる建坪(1階の広さ)と、述べ床面積(家全体の広さ)が大きく変わってきます。
この建ぺい率と容積率は、都市計画の用途地域ごとに定められており、用途地域は土地を購入する時点で調べることができますので、狭小地の購入を検討するときは、必ずこの用途地域ごとに定められている「建ぺい率」と「容積率」を最初に確認してください。
収納不足になりがち
狭小住宅では少しでも家の中を広くみせるために壁を少なくすることがよくあります。
しかしその結果、収納スペース不足に陥りやすく、それが家族の不満へと繋がることがあります。
収納スペースがないと、収納できない荷物が部屋内に散乱しがちになり、より一層部屋内を狭く感じることにもなります。
せっかく家を広く見せるための工夫が、逆に部屋を狭くしてしまう結果にもなりかねませんので、室内を広く見せることばかりに気をとられず、収納スペースの確保もしっかり考えておくのがポイントです。
下記に狭小住宅で確保しやすい収納スペースを3つ紹介していますのでぜひ参考にしてください。
壁面収納
何もなかったところを収納スペースとして使う方法です。
扉をつけて収納を見えないようにしてもOKですし、逆に最近流行りの“見せる収納”をしておしゃれに収納にしてもいいと思います。
お家の雰囲気に合わせた収納方法を取り入れることができます。
階段下収納
階段下にあるデッドスペースを利用した収納方法。
形が斜めになっていたり、段になっていたりと普遍的ですが、上手に活用をすると結構な収納をすることができるスペースです。
日常的に使用する掃除機などの収納場所として重宝されています。
小屋裏収納(ロフト)
天井のデッドスペースを利用した収納方法で、屋根裏収納ともいいます。その広い空間から高い収納力が期待されるスペースです。
収納だけでなく、個人のくつろぎスペースとして活用している方もいます。
生活動線を考えた間取りにする
マイホームというのは、限られた空間内で利便性などを考慮して作らなければなりません。それが狭小住宅となればなおさら大事になってきます。
狭い空間で上手に生活動線を確保するには、かなり間取りの工夫が必要となります。
そのため、なるべく狭小住宅の建築実績が多い業者を選び、あらゆる狭小住宅の知恵を提示してもらいましょう。
そして、その知恵の中から自分たちのマイホームに取り入れたほうが良いもの、取り入れる必要がないものを取捨選択していき、生活動線が良い家にして住みやすい家をつくりましょう。
建設費が高くなる
建築コストが高くなる理由は、建築会社側の利益問題や工事の難易度などが関係しています。
坪単価50万円の家だとして、基本的に40坪の家も20坪の家も、使用するキッチンやバスルームなどは同じ製品です。
坪数が小さくなれば設備品の原価回収が難しくなるので坪単価を上げて補うしかありません。
また、敷地が狭いことで足場設置や上棟にも人手と日数がかかってしまうことがあり、単純に人件費もアップしてしまう恐れがあるからです。
タマホームさんの例ですが、狭小地向きの「木望の家」という商品があります。
基本的な仕様は「大安心の家」と似たような感じなのですが、ネットで調べた情報をまとめると坪単価では10~20万円ほど高くなりました。
3階建ての狭小住宅はそれほど建築コストが高くなるのではないでしょうか。こういった費用の加算については、契約前にしっかりと確認しておくことをおすすめします。
隣家との距離に注意
日本では隣家との距離が、民法234条にて「境界線から建物までは50センチ以上の距離を保たなければならない」と法律で定められています。
もしこの50センチという決まりを守らず、家を建てようとした場合、隣家からクレームがあれば工事を中止し、変更してからでしか建築再開できないことになっています。
例外もあり、民法234条が適用されない地域もありますが、トラブルを事前に防ぐためにも隣家との距離問題については、建築を依頼するハウスメーカーにしっかりと確認しておきましょう。
防音について
狭小住宅を建てるときに気をつけたいのが騒音問題です。
「隣家からの音を遮断する」「自分の家から音を漏らさない」という2つの意味でも防音対策は必要不可欠です。
狭小地に住宅を建てるのですから、当然両隣との距離は必然的に近くなります。
家を建ててからでも防音対策は可能ですが、費用的に建築段階で防音対策しておくほうが当然安上がりですし、高い効果が期待できます。
建築後の防音対策は費用もかかりますし、できることも限られてくることをしっかり覚えておきましょう。
窓の位置について
狭小地だと、どうしても隣家との距離が近くなります。そうなると気を配らなければならないのが窓の位置です。
窓の位置が隣家と被ってしまうと、意図せず生活空間が丸見えになってしまい、お互い気まずい思いをしなければなりません。
これは、後から家を建てるほうが気を使う必要があり、窓の位置をズラしたり、中が見えない曇りガラスにしたりなどの対策を講じる必要があります。
隣家との距離が近いからこそ、よりお互いのプライベートには配慮する家づくりを心がけてください。
メンテナンスが困難
隣家との距離幅が少ない狭小住宅では、あらゆる面で余計な出費がかかることも覚悟しておかなければなりません。
例えば、築10年後とかに外壁塗装の塗り替えをするとなっても、当然隣家との距離がないため普通の作業では終わらせることができないので、追加費用が発生します。
これはエアコン1つ交換する場合も同じだったりします。
なるべくなら、人が1人ギリギリ入れるくらいのスペースを確保するのではなく、最低でも脚立を立てることができるくらいのスペースを確保しておくのが理想です。
耐震強度を保つ
狭小住宅というのは、どうしても縦長の住宅になりやすく、地震などの揺れに対して弱そうに見えてしまいます。
しかし、耐震強度を高めようと思えば、それだけ建築コストが高くなり、せっかく格安の土地を購入した意味がなくなってしまうのも現実です。
狭小住宅は木造のほうが、柔軟性が高くあらゆる対応が可能ですが強度という面では不安です。
かといって耐震強度が強い鉄骨やRC造だと、さらに建築コストが高くなってしまうので悩ましいところです。
地震に強い家を心がけなければならないのは当然ですが、どれだけ建築コストで抑えることができるのかというのが、業者選びのポイントになります。
駐車スペースを確保するには?
20坪弱の狭小地だが、駐車場もほしい、広い家がほしいというのは難しい問題です。
駐車スペースを確保しなければならないぶん、どうしてもその分の建築面積が削がれてしまいます。
駐車場をあきらめるか、それとも家の広さを妥協するか、何かを得ようと思えば、何かを捨てなければなりません。
とくに狭小住宅の場合は、それが如実に現れてくるでしょう。
また、1階部分にビルトインガレージを希望する人も多いのですが、ビルトインガレージは建築費も高くなりますし、家の強度的にみても必ずしもプラスとは言い難い部分があります。
強度を高めるためには、さらなる建築コストが必要となり、せっかく土地を安価で購入できた意味がなくなります。
まとめ
今回は狭小住宅を建てる際の注意点について解説しました。
狭小住宅で失敗しないためのポイントは、建築実績の豊富なハウスメーカーを見つけることです。
一般的な住宅と違い、狭い土地ではさまざまな制限があるため、業者側のスキルが非常に問われるからです。
狭小住宅が得意なメーカーは大手以外にもたくさんあるので、まずは自分が住んでいる地域で良い業者がいないかどうか、時間をかけて探してみましょう。
建築費用を抑えるためにも、なるべくたくさんの業者を比較することをおすすめします。
まずは気になる業者のカタログを色々と取り寄せてみて、どんな実績があるのか、どの程度の予算なのかを確認しましょう。
その上で最終候補を数社選び、実際にプランを聞かせてもらうのが近道です。
狭小住宅対応ハウスメーカーの特集ページ
狭い土地に家を建てる場合、過去の実績数が多く、豊富なノウハウを持った業者を探すことが重要です。
業者には得意不得意があり、狭小住宅の実績が少ない業者と契約してしまうと、間取りや予算で失敗するかもしれないので要注意です。
LIFULL HOME'Sの狭小住宅特集では、大手ハウスメーカーから地元の工務店まで、狭小住宅が得意な業者だけを比較できます。
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