25坪程度の新築を建てようと検討している人向けに、ハウスメーカー別の間取り例と費用の目安を解説します。
地域によって異なりますが大手ハウスメーカーだと2,200万円以上、ローコスト住宅であれば1,600万円程度が目安になります。
この記事では、
- 25坪の家の間取り例と費用相場
- 人気ハウスメーカーの住宅例
- 25坪で家を建てる際のポイント
について詳しく解説しています。
なるべく予算を抑えて新築を建てるコツも紹介しているので、マイホームを計画している人はぜひ参考にしてみてください。
25坪の間取りと費用相場
25坪と家が小さくなれば、それに比例して建築費も安くなると考えるのが一般的です。
しかし、家の面積が小さくなれば、1坪あたりの建築費は高くなるので、坪数を削った分がそのまま安くなるという考えではありません。
例えるなら、同じ住宅でも40坪だと坪単価60万円だったのが、25坪だと坪単価50万になるのではなく、65万円になったりするということです。
では、実際の費用相場をみてみましょう。
大手ハウスメーカー | |
---|---|
本体工事価格(建物のみ) | 1,850万円 |
総建築費(建物+付帯工事+諸経費) | 2,150~2,300万円 |
ローコスト住宅 | |
---|---|
本体工事価格(建物のみ) | 1,200万円 |
総建築費(建物+付帯工事+諸経費) | 1,500~1,700万円 |
25坪でも大手ハウスメーカーであれば2,000万円を切るのは無理ですし、ローコスト住宅でも1,500万円を切る価格はほぼ出ないと思います。
さらに、足場を組むことが難しかったり、クレーンが入れないような土地だと、建設費はもっと高くなります。
また、同じ25坪の家でも、建て方次第では安くなることもあれば、逆に高くなってしまうこともあります。
例えば1階と2階の面積が同じ総二階、1階が広く2階が狭い部分二階、そして平屋を比較した場合、どれも同じ25坪の家なのですが、建築費は数百万円単位で変わってくることもあります。
一般的な建築費の目安としては「総二階<部分二階<平屋」という順です。
総二階 | 部分二階 | 平屋 | |
---|---|---|---|
坪単価 | 安い | 普通 | 高い |
土地 | 狭い | 普通 | 広い |
耐震性 | 弱い | 普通 | 高い |
バリアフリー | △ | △ | ○ |
不整形地 | × | ○ | ○ |
25坪の家となれば、すべてが希望通りという訳にはいかないことも多いです。
何かを妥協しながら家づくりを進めていくことになると思いますので、こだわりたい部分に優先順位をつけておくことをおすすめします。
- LDKの広さ
- 自分だけの個室
- 家族同士の交流を大事にしたい
など、それがはっきり決まっていれば25坪の家でも、素敵なマイホームを建てることができます。
まずは色んなカタログを見て、自分たちが希望するマイホームのイメージを形にしていくことから始めてみましょう。
※予算別のカタログ特集ページ一覧
総二階
25坪くらいの家だと、多くの場合は1階と2階の広さが同じ総二階建ての家を選択することになるでしょう。
ここでは総二階建ての間取りプランについて、ハウスメーカー別に紹介していきます。
アイフルホーム
- 商品名:i-Prime7
- 家族構成:3人家族(夫婦+子ども)
- 間取り:2LDK
- 延床面積:89.25㎡(27.00坪)
総二階建ての家だと、1階には玄関があるので、どうしても2階より生活スペースが小さくなります。
そこで2階にLDKを設置し、1階は夫婦の寝室と子供部屋1つだけにしたことで、4帖以上のウォークインクローゼットを設置することができています。
2階のリビングも17.4帖と、30坪の家と同じ程度の広さが確保できています。
へーベルハウス
- 商品名:CUBIC
- 家族構成:4人家族(夫婦+子ども2人)
- 間取り:2LDK
- 延床面積:85.89㎡(25.9坪)
敷地面積33坪に建つ、総二階建て26坪の住宅です。
1階のLDKは15帖と少し小さめなのですが、狭さを感じさせないように中庭と一体化できるようにフルオープンできる窓サッシを設置してあります。
しかも、中庭にはしっかりと目隠しとなる外壁が設置してあるので、夜でも人の目を気にすることなく開放的な空間を楽しめる工夫がされています。
33坪という少し狭めの土地なのですが、駐車スペースをしっかり2台確保しています。
三井ホーム
- 商品名:不明
- 家族構成:2人(夫婦)
- 間取り:3LDK
- 延床面積:90.76㎡(27.4坪)
夫婦ともに三井ホームの社員さんだそうです。
これまで多くのマイホームを担当してきた経験をいかし、共働き夫婦がゆっくりくつろげる住宅を完成させました。
二階リビングになっているのですが、それも家のことを知り尽くしている二人だからこその選択でしょう。
二階リビングにすると天井を高くすることができ、より開放感のある空間づくりができますし、27坪という住宅でも小屋裏をつくることで収納スペースを確保することができます。
総三階
狭い土地を有効活用するために、総三階という選択肢もあります。
トヨタホーム
- 商品名:エスパシオEF3
- 家族構成:3人家族(夫婦+子ども)
- 間取り:3LDK
- 1階床面積:32.31㎡
- 2階床面積:35.83㎡
- 3階床面積:22.99㎡
- 延床面積:91.13㎡(27.5坪)
総三階建ての狭小住宅です。1階から3階まで合わせて27坪なので、単層階としては約9坪ほどになります。
都心部などでは、このような狭小三階建て住宅も珍しくないので、良い参考になるのではないでしょうか。
敷地面積は19坪ですが、それでもしっかり駐車スペースが確保されています。
2階リビングなのですが、3階の一部を吹き抜けにしたことで、リビングにも十分な採光を取り込むことができており、明るく開放的な空間づくりができています。
ロビンスジャパン
- 商品名:フレンチ
- 家族構成:2人家族(夫婦)
- 間取り:3LDK
- 延床面積:86.53㎡(26.1坪)
今回は珍しい輸入住宅の3階建て住宅で、総三階建てになっています。
輸入住宅の3階建てというのは、あまり見かけないのですが、希望すれば建てることができます。
しかもローコストとして定評があるロビンスジャパンさんなので、この3階建ての輸入住宅でも本体価格は1,500万円以下に抑えることができます。
外観だけでなく、室内にも要所にレンガを取り入れ、輸入住宅というこだわりを強く感じることができます。
部分二階の家
25坪ほどの家になると、どうしても敷地も限られて広さの家が多く、駐車場を確保するために1階と2階の大きさが違う部分二階の家を選択するケースが増えてきます。
D'S STYLE(ディーズスタイル)
- 会社名:ベーシック
- 家族構成:2人家族(夫婦)
- 間取り:2LDK
- 延床面積:87.33㎡(26.4坪)
画像のとおり、かなり細長の敷地になっています。横幅だと5~6mくらいだと思います。
敷地の横幅が狭いことで、採光を取りづらくなるのがネックなのですが、そこを補うために2階には吹き抜けとテラスを多めに作ってあります。
特徴的なのが1階の玄関位置です。
本来だと駐車スペースがある道路側に玄関をつくるのでしょうが、日当たりのよい南側に玄関土間を設けたく、路地を入った奥に玄関があります。
これも狭小住宅ならでわのアイデアだと思います。
安藤建築事務所
- 商品名:不明
- 家族構成:2人家族(夫婦)
- 間取り:2LDK
- 延床面積:82.8m2(25.0坪)
こちらの物件は50代の夫婦が二人で住んでいます。
ですので、子供部屋などの空間は必要なく、最小限の生活スペースだけを取り込んであります。
1階には広めのシューズクロークやパントリーが設置されており、帖スペースもしっかり確保されています。
部分二階にしたことで、延床面積を効率的に減らすことができ、建築費を大幅に抑えることができたのではないでしょうか。
2階のホール部分は吹き抜けでも良かったのかなと思いましたが、物干しスペースとして活用されているとのことなので納得です。
住友林業
- 商品名:ビッグフレーム構法
- 家族構成:2人家族(夫婦)
- 間取り:2LDK
- 延床面積:91.49㎡(27.6坪)
1階より2階が広い部分二階建ての家で、駐車スペースを確保するためにハングアウトが採用されています。
海がみえる土地ということもあり、景観を重視する間取りにつくられているのがポイントです。
リビングはもちろん、2階の寝室や浴室からも海を眺めることができるように配慮されています。
ただ1つ残念だなとおもったのが画像でもわかるように、1階のリビングに1本柱が入ってしまっていることです。
木造ですので、構造柱として外せないものだったのでしょうが、これがあるのとないのでは空間の感じもずいぶんと違ってきたのではないかと思います。
平屋
ここ数年、若い世代にも平屋住宅が人気です。
平屋の良さは家族全員が同じフロアで暮らすので、コミュニケーションの時間が自然と増えることです。
ただし、すべての部屋が同じフロアにあることで、生活動線や家事動線の取り方が難しくなるのも事実です。
部屋の配置にばかりこだわってしまうと、動線が悪い家になってしまう恐れがあるので注意しましょう。
トヨタホーム
- 商品名:シンセ・ピアーナ
- 家族構成:2人家族(高齢夫婦)
- 間取り:2LDK
- 延床面積:76.74㎡(23.21坪)
子供たちが巣立ったことで、長年暮らしてきた2階建て住宅からの建て替えで平屋にされました。
高齢になると階段の上り下りも大変になりますし、何より子供部屋があった2階を使うこともほぼなくなります。
ですので、高齢になった時点で、平屋住宅への建て替えはベストの選択だったと思います。
間取りもシンプルにLDKと和室、それに寝室の2LDKで、生活動線と家事動線をしっかり考えて作られていることがわかります。
和室を6帖と少し広めにされているのも、お子様がお孫さんたちを連れてこられたときのためなのではないかというのが、駐車スペースの広さから想像することができます。
ダイワハウス
- 商品名:xevoΣ
- 家族構成:2人家族(夫婦)
- 間取り:1LDK
- 延床面積:80.32㎡(24.2坪)
ダイワハウスのxevoΣなので、こちらは軽量鉄骨造の平屋住宅になります。
平屋で軽量鉄骨というのはあまり多くありませんが、リビングを1段さげてあることから、天井が広くてゆったりした空間づくりにこだわったからなのかと推測することができます。
2階がありませんので、当然天井も通常の2階建て住宅より高くすることができます。ですので、開放的な空間を容易に確保できるのも平屋住宅の魅力の1つだと思います。
若い夫婦なので心配いりませんが、これが高齢の夫婦だったら、ロフトはいらないかなと思いました。高齢になってあの階段を上り下りするのは大変ですからね。
ヤマダレオハウス
- 商品名:不明
- 家族構成:2人家族(夫婦)
- 間取り:2LDK
- 延床面積:89.02㎡(26.9坪)
夫婦ふたりだけなので、将来のことを考えて平屋住宅を建てることに迷いはなかったそうです。
カントリー調の雑貨が大好きな奥様の希望というのが、外観からも伝わってきます。
家の中心にキッチンがあることからも、奥様に最大限配慮した家づくりをされていることがわかりますね。
キッチンを家の真ん中にもってくることで、家の中全部を見渡すことができ、家事効率が良くなります。
25坪の家を建てる際のポイント
ここからは25坪の家を建てる際、気をつけておくべきポイントなどを整理してお伝えしていきたいと思いますので、マイホーム作りの参考にして頂ければと思います。
必要な坪数目安
まずは間取りを考えるにあたり、各スペースの必要坪数を知っておくようにしましょう。これを知っているだけで、間取りを考えるのがすごく楽になります。
3LDKの25坪の家を建てるとして、各スペースの目安となる必要坪数を計算してみましょう。
玄関 | 1.0坪 | トイレ1階 | 0.5坪 |
---|---|---|---|
廊下・ホール | 2.0坪 | 主寝室 | 4.0坪 |
階段 | 1.5坪 | 子供部屋1 | 2.5坪 |
洗面所 | 1.0坪 | 子供部屋2 | 2.5坪 |
バスルーム | 1.0坪 | 収納 | 3.0坪 |
LDK | 6.0坪 | 合計 | 約25.0坪 |
※施工床に換算される玄関ポーチ、バルコニーなどは含めていません
25坪の平均的な間取りや広さは下図を参照して頂ければと思います。
25坪の家だと、単純に総二階で1階12.5坪(25帖)と2階12.5坪(25帖)なので、LDKに使用できるスペースが約6.0坪(12帖)残されています。
そう考えると、LDKの広さは12帖ほどになる計算です。
吹き抜けで開放感をもたせる
LDK部分に吹き抜けを配置することで、圧迫感がなくなり開放的な空間づくりができます。
25坪という限られたスペースなので、リビングの一部だけを吹き抜けにするなどの工夫が必要になります。
拭き抜けのある家づくりや間取りに関しては、別記事「吹き抜けのある家の坪単価と間取り例」で詳しく解説していますので、参考にして頂ければと思います。
リビング階段で広さを確保する
30坪以下の狭小住宅に多く採用されているのが、リビング階段です。
階段は思っているよりも設置スペースを取ってしまうので、リビング内に設置することで余計な間仕切りをなくし、リビングを広くみせることができるようになります。
同じ間取りでも、間仕切りをなくすことで、右側のリビング階段の方が開放的に感じるかと思います。
平屋という選択肢もある
敷地が広ければ平屋も選択できます。
今は若い世代にも平屋住宅が人気ですし、平屋にすることで階段スペースや二階のトイレ、廊下スペースを減らすことができるようになり、浮いた予算で1階の面積を広げることもできます。
ただし、25坪の平屋を建てるのであれば、駐車スペースまで考慮すると50坪前後の土地が必要になります。
収納スペースは削らない
25坪くらいの家だと、多くの人が収納スペースを減らし、居住スペースを少しでも広くしたいと考えます。
しかし、これは逆です。小さな限られたスペースの家だからこそ、収納スペースをケチってはいけません。
収納スペースを減らしてしまうと、家全体が片付かなくなり、逆に荷物が溢れて部屋が狭くなってしまいます。
収納スペースがあれば、居住スペースに物を置かないようになり、結果として、居住スペースを広くすることに繋がります。
狭い家での収納のスペースの確保方法については、「狭小住宅の間取りと価格相場」で詳しく解説していますので、あわせてチェックしてみてください。
まとめ
今回は25坪の家を建てる際のポイントについて解説しました。
本体工事費のみであれば、ハウスメーカーで1,800万円、ローコスト住宅であれば1,200万円くらいが平均的な相場だと思います。
しかし、ここに付帯工事や諸経費も必要になるので、プラス20%くらい余裕をもった予算計画を立てるようにしましょう。
25坪だとどうしても狭小住宅になるので、建築経験が豊富な建築会社を探すことが一番のポイントになります。
ハウスメーカーや工務店選びで迷っているなら、まずは気になる業者からカタログを取り寄せ比較検討してみてはどうでしょう。