2020年から、戸建て住宅を建てるときの基準が大幅に変更なります。
変更内容を知らずに戸建て住宅を建てること、後から後悔する可能性が高いので、2020年以降に家を建てる予定に人は、ぜひチェックしておきましょう。
- 【目次】 住宅を建てる際の基準が変更になるって本当?
2020年から省エネ基準が大幅に変更
具体的に2020年から何が変更になるのかというと、戸建て住宅の省エネ基準が大幅に変わります。
今の新築戸建て住宅は、ほとんど「省エネ住宅」なのですが、2020年からはさらに省エネに特化した住宅でなければ建てれなくなります。これを、「改正省エネ基準制度の義務化」といいます。
「義務化」という言葉が付いているということは、この改正省エネ基準をクリアしている戸建て住宅でなければ、建築の許可がおりないということです。
省エネ基準の住宅とは?
日本ではこれまでに数回、省エネ住宅の基準が変更されてきました。
- 1980年:最初の省エネ住宅基準
- 1992年:新省エネ基準
- 1999年:次世代省エネ基準
1999年(平成11年)には、全体的な省エネ基準の内容が刷新され、それ以降の戸建て住宅の多くが「高気密・高断熱」へと、次第にシフトチェンジしていくようになりました。
ちなみに、それまでの新築住宅の特長は、リビング階段や対面キッチンなど、内装の豪華さやシロアリ対策や火災に強い家でした。
それが、一気に耐震性と省エネ性に長けた住宅が注目を集めるようになり、それが今でも続いていています。「省エネ住宅」、「地震に強い家」、「健康住宅」というフレーズは今でも良く聞くのではないでしょうか。
そして今回の「改正省エネ基準制度の義務化」によって、今後さらに省エネ住宅に注目が集まるでしょう。
何が変更されるのか?
現行の「次世代省エネ基準」と2020年から変わる「改正省エネ基準制度」とでは、どのような点が変更になるのでしょうか。
簡単に説明すると、「次世代省エネ基準」は、「いかに蓄熱したエネルギーを屋外に逃がさない住宅であるか」ということが評価されていました。
しかし、新しい「改正省エネ基準」では、その熱エネルギーを作り出す装置(エアコンや給湯器など)まで評価基準を設けることになっており、基準を下回る製品が設置することができなくなる、という内容です。
どれくらい光熱費は減るのか?
この改正省エネ基準の住宅を建てたとして、どれくらいの光熱費を削減できるのかが気になります。
某ハウスメーカーの実験データの資料によると、負担光熱費の違いは以下のようになっています。
省エネ規準 | 年間コスト(円) | 1992年対比 |
---|---|---|
1992年 | 150,000 | |
1999年 | 92,250 | 約39%ダウン |
2020年 | 60,000 | 約60%ダウン |
1992年(平成4年)の新省エネ基準住宅と比較すると、約60%もの光熱費を削減できており、1999年(平成11年)次世代省エネ基準と比較しても、約40%ほど削減できるとされています。
もちろん2020年の「改正省エネ基準」では光熱費の削減だけでなく、住宅そのものの断熱性能がアップすることで、家の中の温度差を少なくしヒートショックなどの健康面でも期待されています。
家を建てる際の注意点
2020年に大幅な省エネに関する法改正があるのだったら、2020年になってから家を建てた方が良いのか、と思うかもしれませんがその心配はありません。
実はこの制度、2015年4月から完全施工されており、完全な義務化となるのが2020年からということだからです。
すでに多くの住宅ハウスメーカーが、2020年の「改正省エネ基準」に適合する家を建てていて、今現在販売している新築住宅においては、ほぼすべて「改正省エネ基準」を満たしている住宅を標準仕様になっています。
ローコスト住宅は規準を満たしているかチェック
ただし、ローコスト住宅には注意が必要です。建築費を抑えるために性能が低い断熱材(グラスウールなど)を使い、「改正省エネ基準」を満たしてない家を販売したり建てたりしている業者もいます。
2015年4月から完全施工されたといっても、今はまだ強制ではなく、いわば準備段階です。そのため、基準を満たしてなくても建築することはできます。
ローコスト住宅を建てるときには、かならず「2020年から義務化される新しい省エネ基準に適合している住宅ですか?」と質問してください。
特に、超ローコスト住宅と言われている1,000万円以下の新築戸建て住宅を、販売したり建築している住宅会社には注意が必要です。
基準不適合の家を建てたらどうなるのか?
「改正省エネ基準」を満たしてない住宅を建てても、2020年以前であれば法律的には何も問題はありません。ただし、その家の評価という面においては、マイナスと判断されても仕方ありません。
例えば中古住宅を購入するとき、営業マンから「この家は今の耐震基準を満たしてない家になります」と言われたら、少し購入をためらってしまう人が多くなる思います。
現段階ではこの例と同じ状況です。住めなくなるわけでもなく、売買できないということでもありませんが、家の価値としてはマイナス評価となってしまう可能性が高いということです。
ローコスト住宅のところでも言いましたが、中古住宅を売買する際も同じで、担当者に「2020年から義務化される改正省エネ基準には適合しているか」、ということはしっかりと確認しておきましょう。
2020年の時点で改正省エネ基準を満たしているかいないかで、物件の価値が変わります。新築を建てたり中古住宅を売買する場合には、「改正省エネ基準」のことを思い出して、最善の方法を担当者と選択していきましょう。
なお、当サイトでは家を建てる際に参考となる間取りやおすすめハウスメーカーを記事別に紹介しています。クリックすると各ページの記事が見れるので、気になる人は合わせてチェックしてみてください。
予算 | 坪数 | こだわり |
---|---|---|
1,000~2,000万 | 30坪 | ローコスト |
3,000~4,000万 | 35坪 | 3階建て |
5,000~6,000万 | 40坪 | 地下室がある |