注文住宅の予算が 3,000万円台の場合、どのような家がつくれるのでしょうか。
予算3,000万円台で建てられる家や資金計画のイメージが、いまいちわかない人も多いでしょう。
今回は、予算3,000万円台の支払いシミュレーションや、間取り実例について詳しく解説します。
コストを抑えるコツや知っておきたい注意点、おすすめのハウスメーカーなども紹介します。
予算3000万円台で建てる家の費用内訳は?
家を建てるには、建物の本体工事費以外に付帯工事費と諸費用がかかります。
予算総額3,000万円の場合、予算のすべてを建物の建築に使えるわけではありません。
一般的にそれぞれの費用の割合は、本体工事費は総額の70~75%、付帯工事費は20%、諸費用は5~10%を占めます。
予算総額3,000万円台の場合、費用の内訳は次のようになります。
建物本体工事費 (全体の75%) |
2,250万~3,000万円 |
---|---|
付帯工事費 (全体の20%) |
600万~800万円 |
諸費用 (全体の5%) |
150万~200万円 |
総額 | 3,000万~3,999万円 |
土地がない場合は、上記の費用に加えて土地購入費も必要です。
つづいて、それぞれの費用の内容について詳しく見ていきましょう。
建物本体工事費
建物本体工事費とは、家本体の建築費用で、総費用の75%を占める部分です。たとえば、次の工事費が該当します。
- 基礎
- 構造体
- 屋根
- 外装・内装
- キッチン・浴室・トイレなどの住宅設備
予算総額3,000万~3,999万円の場合、建物本体工事費は2,250万~3,000万円ほどが目安となります。
日本の平均住宅面積である約37坪(※1)の家を建てるとすると、坪単価は61万~81万円ほど なので、標準的なグレードの注文住宅が建てられるでしょう。
建築費用を抑えるには、総二階建てなどの凹凸が少ないシンプルな形状の建物にしたり、窓の数を少なくしたりと、使用する資材の量を減らすことがポイントです。
キッチンや浴室などの住宅設備や、床や壁に使用する素材のグレードを下げるのもコストダウンになります。
付帯工事費
付帯工事費とは、家本体の建築以外で必要な工事の費用を指します。具体的には、次のような工事です。
- 造成・整地工事
- 電気・ガス・水道の引き込み工事
- 地盤改良工事
- 足場の設置工事
- 外構工事
予算総額3,000万円の場合、付帯工事費の目安は総費用の20%なので、600万円ほどです。
地盤改良が不要な強固な土地や、高低差のない土地を選ぶと付帯工事費を抑えられます。
外構工事では、シンプルなオープン外構にしたり、フェンスの代わりに植栽を活用したりすると節約できるでしょう。
諸費用
諸費用とは、住宅の購入やローンの契約をする際にかかる税金や事務費用です。たとえば、次のような費用があげられます。
- 契約書に貼付する印紙税
- 住宅ローンの保証料・事務手数料
- 火災保険料・地震保険料
- 不動産取得税・登録免許税
- 司法書士報酬
- 引っ越し費用
予算総額3,000万円で家を建てる場合、諸費用の目安は総費用の5%となる150万円ほどです。
諸費用を抑えるには、保証料や事務手数料の安い住宅ローンを選ぶ方法があります。
国が運営するフラット35や多くのネット銀行では保証料がかからないので諸費用を抑えられますが、事務手数料が高くなるケースもあるので、注意が必要です。
保険料の安い火災保険を選んだり、登記を低価格の司法書士に依頼したりするのもコストダウンになります。
予算に合わせた資金計画と支払いシミュレーション例
予算3,000万円台の資金計画や支払いシミュレーションを紹介します。次の4つのケースに分けて、ひとつずつ見ていきましょう。
- 建物価格だけで予算3,000万円台
- 土地代を含めて予算3,000万円台
- 世帯年収400万円
- 世帯年収500万円
順に解説します。
建物価格だけで予算3000万円台
土地の購入はなく、建物本体の予算が3,000万円の場合の支払いシミュレーションです。
土地は手元にあり、費用の全額を建物の建築に使えるケースです。
建物本体工事費 | 2,250万円 |
---|---|
付帯工事費 | 600万円 |
諸費用 | 150万円 |
総額 | 3,000万円 |
予算総額3,000万円で土地の購入がなければ、建物本体の建築費用に回せるのは2,250万円ほどです。
基本的に、諸費用は現金で支払う必要があるため、諸費用を除いた2,850万円を借り入れる場合、毎月の返済金額がどう変化するのかシミュレーションを見ていきましょう。
変動金利と固定金利の場合に分けて、紹介します。
変動金利シミュレーション
- 建物本体費・付帯工事費:2,850万円
- 変動金利:0.5%
- 借入期間:35年
- ボーナス払いなし
頭金 | 借入金額 | 毎月の返済 |
---|---|---|
0円 | 2,850万円 | 7万4,000円 |
100万円 | 2,750万円 | 6万9,000円 |
300万円 | 2,550万円 | 5万8,000円 |
500万円 | 2,350万円 | 4万8,000円 |
700万円 | 2,150万円 | 3万8,000円 |
1,000万円 | 1,850万円 | 2万2,000円 |
固定金利シミュレーション
- 建物本体費・付帯工事費:2,850万円
- 固定金利:1.5%
- 借入期間:35年
- ボーナス払いなし
頭金 | 借入金額 | 毎月の返済 |
---|---|---|
0円 | 2,850万円 | 8万7,000円 |
100万円 | 2,750万円 | 8万1,000円 |
300万円 | 2,550万円 | 6万9,000円 |
500万円 | 2,350万円 | 5万7,000円 |
700万円 | 2,150万円 | 4万4,000円 |
1,000万円 | 1,850万円 | 2万6,000円 |
一般的に、頭金は借入金額の10~20%を用意すると無理なく返済できるといわれています。
2022年度フラット35利用者調査では、建物購入費用に占める頭金の割合は、平均17.3%でした。
借入金額が2,850万円の場合、頭金は285万~570万円程度を用意するのが理想的です。
頭金0円で建てられるハウスメーカーもありますが、毎月の返済額が増えて負担は大きくなるリスクについて把握しておきましょう。
土地代を含めて予算3000万円台
建物本体の購入費に、土地の購入費も含めた予算が3,000万円台のケースを見ていきましょう。費用の内訳は、次のとおりです。
土地購入費 | 1,000万円 |
---|---|
建物本体工事費 | 1,400万円 |
付帯工事費 | 400万円 |
諸費用 | 200万円 |
総額 | 3,000万円 |
予算総額3,000万円で土地も購入する場合、土地購入費の目安は900万~1,200万円ほどです。建物にかけられる費用は、1,800万~2,100万円ほどになります。
一般的には、建築費と土地購入費の割合を7:3、もしくは6:4にするとバランスがとりやすくなります。
フラット35利用者調査でも、土地付きで注文住宅を購入した場合の建築費と土地購入費の割合は、全国平均で7:3でした。
土地の購入も含めると、建物本体にかけられる費用が大幅に減ります。
建物の床面積を縮小したりローコスト住宅を選んだりして、建築費用を抑えるよう工夫しましょう。
土地も購入するケースでは、諸費用の見積もりに注意が必要です。
土地の購入にともなった諸費用も発生するため、建物の諸費用だけでなく土地代の5~10%もあわせて見積もっておきましょう。
つづいて、現金で支払う諸費用200万円を除いた2,800万円を借り入れる支払いシミュレーションを、金利別で紹介します。
変動金利シミュレーション
- 建物本体費・付帯工事費:2,800万円
- 変動金利:0.5%
- 借入期間:35年
- ボーナス払いなし
頭金 | 借入金額 | 毎月の返済 |
---|---|---|
0円 | 2,800万円 | 7万3,000円 |
100万円 | 2,700万円 | 6万7,000円 |
300万円 | 2,500万円 | 5万7,000円 |
500万円 | 2,300万円 | 4万7,000円 |
700万円 | 2,100万円 | 3万6,000円 |
1,000万円 | 1,800万円 | 2万1,000円 |
固定金利シミュレーション
- 建物本体費・付帯工事費:2,800万円
- 固定金利:1.5%
- 借入期間:35年
- ボーナス払いなし
頭金 | 借入金額 | 毎月の返済 |
---|---|---|
0円 | 2,800万円 | 8万6,000円 |
100万円 | 2,700万円 | 8万円 |
300万円 | 2,500万円 | 6万7,000円 |
500万円 | 2,300万円 | 5万5,000円 |
700万円 | 2,100万円 | 4万3,000円 |
1,000万円 | 1,800万円 | 2万4,000円 |
世帯年収400万円の場合の支払いシミュレーション
次に、年収別での支払いシミュレーションを見てみましょう。
予算3,000万円で家を建てるには、どれくらいの年収が必要なのでしょうか。
住宅ローンを無理なく返済していくには、返済負担率を手取り年収の20~25%に抑えるのが よいといわれています。
返済負担率とは、年収に占める年間返済額の割合です。
税込年収ではなく、手取り年収で算出することで、より現実的な返済計画が立てられます。
こうして考えると予算3,000万円の場合は、最低でも手取り年収400万円以上が 必要です。
金利や借入期間によっても、借りられる金額が変わります。
手取り年収400万円の支払いシミュレーションを見ていきましょう。
- 負担率:25%
- 頭金なし
- ボーナス払いなし
- 年齢:35歳
期間 | 固定金利 1.5% | 変動金利 0.5% | |
---|---|---|---|
毎月の返済額 | 8万3,000円 | 8万3,000円 | |
借入限度額 | 借入期間25年 | 2,075万円 | 2,340万円 |
借入期間30年 | 2,405万円 | 2,774万円 | |
借入期間35年 | 2,711万円 | 3,197万円 |
手取り年収400万円で頭金なしの場合、返済負担率25%では3,000万円の借り入れが難しくなります。
低金利で借入期間が長ければ、3,000万円の借り入れが可能でしょう。
世帯年収500万円の場合の支払いシミュレーション
手取り年収が500万円であると、金利が高くても3,000万円の借り入れが見込めます。
手取り年収500万円の支払いシミュレーションは、次のとおりです。
- 負担率:25%
- 頭金なし
- ボーナス払いなし
- 年齢:35歳
期間 | 固定金利 1.5% | 変動金利 0.5% | |
---|---|---|---|
毎月の返済額 | 10万4,000円 | 10万4,000円 | |
借入限度額 | 借入期間25年 | 2,600万円 | 2,932万円 |
借入期間30年 | 3,013万円 | 3,476万円 | |
借入期間35年 | 3,397万円 | 4,006万円 |
頭金0円でローンを組むと、利息が増えて月々の返済額が高くなってしまう点には注意が必要です。
記載したシミュレーションの金額は、あくまで目安です。
実際に借り入れをする際は、慎重に資金計画を立てましょう。
住宅ローンを借りるときのコツと注意点
住宅ローンを利用するときは「借りられる金額」ではなく、「返済できる金額」を重視しましょう。
借りられる金額をギリギリまで借りてしまうと、突発的な支出が発生したときに返済が難しくなるおそれがあります。
カーローンなどの住宅以外の支払いや、子どもの教育費などの将来的に必要になる支出も考慮したうえで、無理なく返済できる金額を設定することが大切です。
長期的にゆとりをもって返済できる金額かどうか、検討しましょう。
住宅ローンの返済の負担を軽減するために「住宅ローン減税」も活用しましょう。
「住宅ローン減税」とは、年末の住宅ローン残高の0.7%を所得税から最大13年間控除できる制度です。
控除を受けるには、新築住宅の購入や増改築時に、 住宅の環境性能や借入期間などの要件を満たす必要があります。
ローン残高が3,000万円の場合は21万円、3,900万円であれば27万円が控除されます。
住宅ローン減税を活用すれば、控除された分を繰り上げ返済に回せるなど、生活にゆとりが生まれます。
初年度は、確定申告をしなければならない点には注意しましょう。
※予算別のカタログ特集ページ一覧
予算3000万円台の注文住宅の間取り実例
予算3,000万円台で注文住宅を建てると、どのような間取りが可能なのでしょうか。間取りの実例を5つ紹介します。
- スキップフロアのある3階建ての間取り例(アキュラホーム)
- スタイリッシュなLDKに和モダン空間のある間取り例(アエラホーム)
- 小屋裏までつづく吹き抜けのある間取り例(クレバリーホーム)
- 大屋根の天井高を活かした平屋の間取り例(ヤマダホームズ)
- 家族みんなの快適さにこだわった二世帯住宅の間取り例(タマホーム)
スキップフロアのある3階建ての間取り例(アキュラホーム)
階段の途中に設置されたスキップフロアは、吹き抜けの窓から日差しが届く明るい畳コーナーです。
スキップフロア下部には納戸が設けられ、大容量の収納スペースも確保されています。
バルコニーは、ルーバーで外からの視線を遮っているので、プール遊びやバーベキューなどを家族でゆっくり楽しめるでしょう。
3階のサンルームには洗濯機を設置して、そのまま干せるので、ぬれて重くなった洗濯物を運ぶ労力がかかりません。
洗濯物をしまう動線も短くしたい場合は、ウォークインクローゼットを同じフロアに設置するのがよいでしょう。
スタイリッシュなLDKに和モダン空間のある間取り例(アエラホーム)
モノトーンの内装に間接照明が効果的に配されたスタイリッシュなLDKの一角には、小上がりの和モダン空間が設けられています。
1階は玄関からキッチン、洗面をぐるりと回遊できる間取りで、家族5人でもスムーズに行き来できます。
キッチン背面を抜けると、パントリー、ファミリークローゼット、洗面と、水回りが一直線につなげられており、家事動線にムダがありません。
2階には、夫婦の寝室に子ども部屋がそれぞれ1室ずつ用意されているので、プライバシーを守られた空間で快適に過ごせます。
家族のコミュニケーションを重視したい場合は、リビングに階段を設置すると子どもが成長したときも様子がわかりやすいといったメリットがあります。
小屋裏までつづく吹き抜けのある間取り例(クレバリーホーム)
小屋裏までつづく吹き抜けがある1階のリビングは、高い位置から柔らかい光が届いて、明るく開放感にあふれた空間です。
子ども部屋は2部屋に仕切られる仕様なので、ライフステージに合わせてフレキシブルに間取りを変えられます。
主寝室からつながる小屋裏は2部屋設けられ、大型の家具や季節ごとの使う物などをたっぷり収納できます。
そのほかにも大容量パントリーやウォークインクローゼットなどをはじめ、大小さまざまな収納が各所に設置されているので、部屋が散らかりません。
大屋根の天井高を活かした平屋の間取り例(ヤマダホームズ)
大屋根が特徴的な、重厚感のある外観の平屋住宅です。
大屋根の天井高を活かした室内には、リビングやプラスアルファの空間が楽しめるロフトが設けられています。
ロフトは畳コーナーに仕上げられ、普段は書斎として、来客時には客間としても活用できるマルチスペースです。
リビングを出ると廊下がL字型に広がり、個室と適度な距離を取っているので、平屋の課題となりやすいプライバシーもしっかり確保されています。
家族みんなの快適さにこだわった二世帯住宅の間取り例(タマホーム)
玄関から分離させた二世帯住宅です。
1階の室内ドアからも各世帯を行き来できるので、程よい距離を保ちながら快適に暮らせます。
親世帯は移動に負担のないコンパクトな1LDK、7人で住む子世帯は5LDKに加えて、子ども用の共有スペースも設けた間取りです。
子世帯の1階には、キッチンから目の届く場所に畳敷きの洋室が配され、子どもが遊ぶ様子を見守りながら家事ができます。
ランドリールームとウォークインクローゼットがまとめられているので、「洗う・干す・たたむ・しまう」の作業がその場で完結する動線で、洗濯の負担が最小限で済みます。
※予算別のカタログ特集ページ一覧
注文住宅を3000万円台で建てるコツと注意点
予算3,000万円台で、注文住宅を建てるために知っておきたいコツや注意点は、次の3つです。
- 建物はシンプルな形状にする
- 照明やカーテンなどを施主支給にする
- 「こだわりポイント」と「譲れるポイント」を明確にする
順に見ていきましょう。
建物はシンプルな形状にする
建物の形状をシンプルにすると、建築コストを抑えられます。
1階と2階が同じ形状である「総二階」は使用する資材を減らせるので、費用を節約できておすすめです。
建材のつなぎ目が増える複雑な形状を避けることで、雨漏りのリスクを減らせたり耐震性を高められたりと、コストダウン以外にもメリットがあります。
建築費用だけでなく、メンテナンス費用も抑えられるでしょう。
照明やカーテンなどを施主支給にする
照明やカーテン、洗面台などを施主支給にすると費用を抑えられるケースもあります。
施主支給とは、ハウスメーカーが指定した物の中から選ぶのではなく、施主が自分で選んで購入した物を現場の大工さんに取りつけてもらうことをいいます。
ハウスメーカー指定の製品よりも、安価な物を探して取りつけられるのがメリットです。
指定された製品の中に好みのデザインがない場合も、お気に入りの店やネットショップで自分好みの物を探して設置できます。
施主支給が認められているか、希望する製品の取りつけが可能かどうか、事前にハウスメーカーに確認しましょう。
「こだわりポイント」と「譲れるポイント」を明確にする
すべての要望をかなえようとすると、予算内に収めるのは難しくなります。
家づくりでは「こだわるポイント」と「譲れるポイント」を明確にしておくと、費用のメリハリがつけられます。
家族で話し合って、こだわりたい部分や優先順位を前もって決めておくと、打ち合わせでオプションを選択するときもスムーズに決められるでしょう。
予算3000万円台でおすすめのハウスメーカーランキング
予算3,000万円台の家づくりで、おすすめのハウスメーカーを紹介します。
- 細かい間取りづくりも実現する「アキュラホーム」
- 木造でも大開口・大空間がかなう「積水ハウス」
- 長く住みつづけられる高い耐久性が魅力の「スウェーデンハウス」
- 快適に暮らすための住宅性能が優れた「一条工務店」
- エネルギーの自給自足ができる住まいづくりなら「セキスイハイム」
ひとつずつ見ていきましょう。
細かい間取りづくりも実現する「アキュラホーム」
アキュラホームでは、直接施工やグループ一括仕入れなどによって、コストを抑えながら高性能な完全自由設計の家を提供しています。
耐震等級3をクリアし、実物大耐震実験によって震度7の揺れのあとも安心して住めることが実証されているため、耐震面も安心して暮らせます。
1mm単位での変更が可能なパーソナルモジュールを採用しており、細かい部分の間取りづくりが実現できる点も特長です。
限られた予算の中で、細かい間取りにもこだわった家づくりができるでしょう。
木造でも大開口・大空間がかなう「積水ハウス」
積水ハウスでは、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造とさまざまなタイプの家づくりができます。
坪単価は高めですが、延床面積によっては3,000万円台でも建てられます。
木造でも、木造軸組構法をベースに重量鉄骨造で用いられるラーメン構造を融合させた独自構法によって、大開口や大空間、3階建てにも対応できます。
壁や柱なしで広々とした大空間を実現できるため、設計に自由度があるのも積水ハウスの特長です。
積水ハウスでは、一人ひとりの理想や希望をカタチにする「邸別自由設計」にこだわっています。
オリジナリティーのある間取りやデザインを取り入れたい場合に、おすすめのハウスメーカーです。
長く住みつづけられる高い耐久性が魅力の「スウェーデンハウス」
スウェーデンハウスは、100年住み継ぐことをコンセプトとする輸入住宅のハウスメーカーです。
寒冷地スウェーデンで培われた技術による高断熱・高気密の快適さに加えて、北欧デザインにこだわったおしゃれな家が、人気を集めています。
「オリコン顧客満足度調査ハウスメーカー注文住宅ランキング」では、2015年から10年連続で総合1位を獲得しつづけており 、利用者からの高い評価を得ていることがわかります。
「50年間無料定期健診システム」など、引き渡し後の手厚いアフターサービスも魅力です。
快適に暮らすための住宅性能が優れた「一条工務店」
一条工務店は、戸建住宅販売戸数は業界首位 で年間12,000棟を超えている実績あるハウスメーカーです。
「最新年間で最も売れている注文住宅会社」などの項目で、ギネス世界記録™に認定されて います。
ハウスメーカーの中でも早くから耐震実験を実施し、耐震性の強化を追究してきました。
一条工務店の家は断熱性能も高く、2022年に新設された断熱基準の最高等級「断熱等級7」に対応しています。
エネルギーの自給自足ができる住まいづくりなら「セキスイハイム」
セキスイハイムは、太陽光発電システムや蓄電池を導入し、昼も夜も心地よく過ごせる省エネの住まいを提案しています。
2022年度には太陽光発電搭載住宅の累計建設棟数が22万棟を超え、ZEH普及率は94%を記録するなど、20年前から太陽光発電×住宅のリーディングカンパニーでありつづけています。
エネルギーの自給自足が可能な住まいづくりをしたい人に、おすすめのハウスメーカーです。
土地なしで家を建てる場合の計画、手順について
ここからは、予算3,000万円で土地を購入して家を建てるケースの手順について解説します。
土地の購入を含む場合は、次の流れで進めていきましょう。
- 3,000万円のうち土地の購入にいくら使うか考える
- 立地を優先するか、広さを優先するか家族で相談する
- ハウスメーカーと相談しながら予算計画を立てる
ひとつずつ解説します。
3,000万円のうち土地の購入にいくら使うか考える
予算総額3,000万円の中で土地を購入して家を建てる場合、はじめに総予算の中から土地購入費と家の建築費をどのように分けるのか、検討しましょう。
土地購入費と建物の建築費の予算配分は、土地が30~40%、家の建築費が60~70%ほどにするのとバランスがよいとされています。
フラット35利用者調査の結果でも、建築費と土地取得費の費用割合は、全国平均で7:3でした。
建築費 | 3194.6万円 | 68% |
---|---|---|
土地取得費 | 1499.5万円 | 32% |
合計 | 4694.1万円 | 100% |
土地に多くの予算を割いてしまうと、家の建築にかけられる費用が少なくなり、住宅設備や仕様のグレードを下げるなどの制限が増えてしまう可能性があります。
予算配分を検討するときは、土地購入費を30~40%、家の建築費を60~70%の割合を意識するのがおすすめです。
立地を優先するか、広さを優先するか家族で相談する
土地探しを始めるとき、あらかじめ決めておきたいのは「条件のよい立地」と「広さ」のどちらを優先させるか、といった点です。
どちらを優先させたいのか、家族で相談して決めたうえで土地探しを始めることが大切です。
それぞれのケースについて、詳しく見ていきましょう。
「条件のよい立地」を優先させたい
「条件のよい立地」を優先させたい場合は、土地の価格が高くなるので、購入できる土地の広さが限られます。
「条件のよい立地」とは、駅やスーパー、病院が近いエリア、人気のある学校の学区、災害に強い高台など便利で暮らしやすいエリアです。
通勤・通学がしやすく利便性の高い場所、資産価値の高い場所に家を建てたいと考えるなら、立地を優先させましょう。
「広さ」を優先させたい
「広さ」を優先させる場合は、土地の価格の安いエリアを選びましょう。
広い庭がほしい、部屋の数の多い家を建てたい、広々とした平屋を建てたいと考えるなら、立地より広さを優先させるのがベターです。
街の中心部から離れた郊外エリアは、広い面積を購入しても予算内で収められる可能性があります。
ただし、そのままでは建物が建てられず、地盤改良工事や擁壁工事が必要になり追加費用がかかってしまう土地もあります。
土地の販売価格が安くても、建物を建てるための費用が最終的にいくらになるのか、トータルコストで判断しましょう。
ハウスメーカーと相談しながら予算計画を立てる
土地と建物の予算配分を決めたあと、ハウスメーカーと具体的な予算計画を立てていきます。
ハウスメーカーを選ぶ際は、予算内で要望を実現できそうな会社を3社ほど選んで見積もりを取ったうえで、使用できる素材やプランなどを比較しましょう。
ハウスメーカーによっては土地探しから手伝ってもらえるので、必要な場合は問い合わせてみるのがおすすめです。
ハウスメーカーが決まったら、建築にどれくらいの費用がかかるのか、具体的な見積もりを依頼しましょう。
(参考)筆者がおすすめするエリア5選
予算3,000万円台で土地を購入して注文住宅を建てる場合のおすすめエリアを紹介します。
土地購入も含めた予算が3,000万円の場合、土地代の目安は900万~1,200万円ほどです。
予算内に収められて、利便性があるエリアを基準とすると、おすすめエリアは次の5つです。
- 長久手市(愛知県)
- 宇都宮市(栃木県)
- 駿東郡長泉町(静岡県)
- 福岡市西区(福岡県)
- 仙台市泉区(宮城県)
長久手市(愛知県)
長久手市(愛知県)の平均坪単価は49万3,512円です。
長久手市は、名古屋市や豊田市に隣接する緑豊かなベッドタウンです。
大学や大型商業施設も多く、近年ではジブリパークがオープンしたことで、新しい店舗や施設も増加しています。
若い子育て世帯が続々と移住しており、2020年の国勢調査では平均年齢が40.2歳で日本一若い町として記録されています。
宇都宮市(栃木県)
宇都宮市(栃木県)の平均坪単価は 平均坪単価:26万5,151円 です。
宇都宮市は栃木県の中央に位置する県庁所在地で、東京駅からも最短1時間以内でアクセスできるなど、交通の利便性が高い町です。
高校3年生相当までのこども医療費の無料化や、待機児童ゼロといった取り組みから「共働き子育てしやすい街」として評価されています。
駿東郡長泉町(静岡県)
駿東郡長泉町(静岡県)の平均坪単価は38万1,024円です。
静岡県の東部で伊豆半島の付け根に位置する長泉町は、豊かな自然と都市機能が程よいバランスのとれたエリアです。
行政のよる子育て支援が手厚く、「子育てしやすい町」としても知られています。
鉄道や高速道路など交通の便もよく、東京へアクセスしやすい点も魅力です。
福岡市西区(福岡県)
福岡市西区(福岡県)の平均坪単価は44万2,127円です。
福岡市西区は、博多や天神へ30分程度、空港へも1時間以内でアクセスできるなど、交通の利便性が高いエリアです。
自然豊かで、レジャーやアクティビティができるスポットも充実しています。
宅地開発や大型商業施設の建設も進んでおり、学生や子育て世帯などの若い層を中心に人気が高まっています。
仙台市泉区(宮城県)
仙台市泉区(宮城県)の平均坪単価は41万5,751円です。
仙台市泉区は、仙台北部の副都心として栄えてきた街で、仙台駅まで乗り換えなしでアクセスできます。
駅前の商業施設では、買い物や飲食ができる店舗がそろっているほか、幅広い世代が楽しめる公園も充実しています。
高い利便性がありながら、仙台中心部と比べて土地の価格が割安な点が魅力です。
よくある質問
注文住宅を予算3,000万円台で建てる際に、よくある質問についてまとめました。
3000万円台の予算があれば最大で何部屋の家が建てられる?
予算3,000万円台の家では、坪単価の安いハウスメーカーを選べば、LDKとは別に6つの部屋を確保できるでしょう。
6人家族であれば、居住人数分の個室が用意できます。5LDKと1LDKの二世帯住宅も建てられるでしょう。
2000万円台の家と比べてどんな違いがでるの?
予算3,000万円台の家では、2,000万円台の家と比べて次のような点に違いがあります。
- グレードの高いハウスメーカーを選べる
- 気密性・断熱性を高められる
- 床や壁に天然素材を使える
- 水回り設備のグレードを上げられる
2,000万円台では、デザイン性は最小限に抑える必要がありますが、3,000万円台では間取りや素材の自由度が高くなります。
建物だけで3000万円の家、10年後の価値はいくらくらい?
木造の戸建て住宅を3,000万円で建てた場合、10年後は55%値下がりして1,300万円ほどになると考えられます。
売却価格は、築年数や広さ、間取りなどによっても変動しますが、木造住宅は経年劣化の影響を受けやすい性質があります。
戸建て住宅は住み始めた瞬間から資産価値は下がっていき、木造住宅は築20年で価値がほぼなくなるといわれています。
予算3000万円で東京都の23区内に家は建てられる?
土地の購入を含めた予算3,000万円で、東京都23区内に家を建てるのは難しいでしょう。
東京カンテイの調査では、東京23区の新築小規模一戸建ての平均価格は、8,293万円(2023年12月時点)で 、全国平均の4,694万円を大きく上回っています。
23区内に新築を建てるのは難しいですが、分譲住宅であれば東京都の郊外で、3,000万円台で販売されています。
まとめ
予算3,000万円台では、3~4LDKの標準的なグレードの注文住宅が建てられます。
家づくりにかかる費用としては、建物本体の建築費だけでなく付帯工事費や諸費用も見積もっておきましょう。
土地の購入を含む場合は、土地と建物の予算配分も慎重に検討することが重要です。
ハウスメーカーを選ぶ際は複数の会社に見積もりを取り、予算内で要望をかなえられる会社を選びましょう。