マイホームを検討している人向けに、3LDKの家の価格相場、実際の間取り例を紹介します。
特に注文住宅を建てる場合は、3LDKにするのか4LDKにするのか、どういう間取りにしたらいいのか悩んでいる人が多いかと思います。
マイホーム計画の参考になるよう分かりやすくまとめているので、ぜひチェックしてみてください。
3LDKの家の広さと価格の目安
E-LIFEの「住まいのトレンド調査」によると、新築時に選ばれる間取りの割合は以下のようになっています。
- 1位:4LDK 39%
- 2位:3LDK 26%
- 3位:5LDK 14%
- 4位:2LDK 13%
- 5位:その他 8%
間取りで悩む人も多いかと思いますので、世帯人数別に必要な坪数と間取りの例を紹介しておきます。
広さ(坪数) | 間取り | |
---|---|---|
2人家族 | 75㎡(22.69坪) 5㎡(16.64坪) |
1LDK~2LDK |
3人家族 | 100㎡(30.25坪) 75㎡(22.69坪) |
2LDK~3LDK |
4人家族 | 125㎡(37.81坪) 95㎡(28.74坪) |
3LDK~4LDK |
5人家族 | 150㎡(45.38坪) 115㎡(34.79坪) |
3LDK~5LDK |
上記の表はあくまでも目安です。
同じ3人家族(夫婦+子ども)でも、子どもの年齢によっても間取りの考え方は変わってきますし、長男(本家)で親戚が多く集まる場合も広めの間取りにしておくのが理想だったりします。
建物の広さ
同じ3LDKでも、戸建てとマンションでは平均的な広さも違ってきます。
戸建ての3LDKだと平均100㎡程度なので約30坪ほどの建物になりますが、マンションの平均3LDKは70㎡ほどだと言われていますので、約21坪ほどの広さしかありません。
実際にこの広さに近い間取り図で、どれくらい部屋の広さなどが違ってくるのか比較してみましょう。
下図の戸建てが約100㎡、マンションは約70㎡の間取り図です。
戸建て
※出典:https://www.eyefulhome-miyagi.com/example/13.htmlマンション
戸建ての100㎡とマンションの70㎡とでは、LDKの広さが3帖ほど違うのと、子ども部屋の広さも1帖ほど違っています。そして何より注目すべきポイントは収納スペースです。
玄関収納や各部屋の収納も戸建てのほうがゆったり広めに取れているのがわかります。
マンション販売の営業マンは、「戸建ては階段、2階のトイレ、2階の通路などで5坪~6坪ほど必要なので部屋の広さはあまり違いませんよ」というセールストークをしてきますので、それでも実際にはこれだけの差があります。
3LDK、30坪の戸建て住宅を建てるとき、各スペースの目安となる広さも紹介しておきます。
玄関 | 1.5坪 | トイレ1階2階 | 1.5坪 |
---|---|---|---|
廊下・ホール | 2.0坪 | 主寝室 | 4.0坪 |
階段 | 1.5坪 | 子供部屋1 | 3.0坪 |
洗面所 | 1.0坪 | 子供部屋2 | 3.0坪 |
バスルーム | 1.0坪 | 収納 | 3.5坪 |
LDK | 8.0坪 | 合計 | 約30.0坪 |
※1坪=約2帖となります
3LDKの価格相場
3LDKの価格相場ですが、30坪の建物を目安に紹介しておきます。
同じ30坪でも、大手ハウスメーカーとローコスト住宅では価格も全然違ってくるので、それぞれの価格相場で見てみましょう。
大手ハウスメーカー | |
---|---|
本体工事価格(建物のみ) | 2,100万円 |
総建築費(建物+付帯工事+諸経費) | 2,650~2,800万円 |
ローコスト住宅 | |
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本体工事価格(建物のみ) | 1,350万円 |
総建築費(建物+付帯工事+諸経費) | 1,650~1,850万円 |
大手ハウスメーカーとローコスト住宅では、建築費全体でみると同じ30坪(3LDK)でも1,000万円ほど価格差があることがわかります。
ちなみにまだ候補となるハウスメーカーが見つかっていないという人は、ポータルサイトの「LIFULL HOME'S」などを利用して、気になるハウスメーカーのカタログを片っ端から取り寄せてみましょう。
すべて無料で取り寄せられるので、色々なハウスメーカー、色々な間取りを比較することが、失敗しないためのコツです。
※予算別のカタログ特集ページ一覧
タイプ別の3LDK間取り集
ここでは価格やタイプ別に3LDKの間取りをいくつか紹介していきますので、参考にして頂ければと思います。
ローコスト住宅
ローコスト住宅の3LDKであれば、間取りを工夫することで建築費を大幅に抑えることもできます。
効率の良い間取りにし、うまく坪数を抑えることで、建物の建築費だけでなく、付帯費や諸経費を含めて1,500万円以内に収めることもできます。
ゼロキューブ
- 商品名:ブランアンジュ
- 建物本体価格:1,500万円
- 間取り:3LDK
- 床面積:91.91㎡(約27.80坪)
本体価格が1,200万円(税抜)なので、諸経費などを含めると1,500~1,600万円くらいで収まりそうですが、さすがにここまで価格を抑えようと思うと、自由設計の注文住宅は難しく、こちらは間取りが決まっている規格型の住宅になります。
ただし、ハウスメーカーなどの規格住宅に比べて、間取りの細かな変更などには柔軟に対応してくれますし、リビング上部に大きな吹き抜けや、BBQができるほど大きなウッドデッキまでついてこのお値段はかなりお手頃だと感じます。
タマホーム
- 建物本体価格:2,000万円
- 間取り:3LDK
- 床面積:110.95㎡(33.5坪)
こちらのタマホームの新築住宅の建築費は建物のみで1,700万円台だそうなので、こちらも諸経費含めると2,000万円ほどになります。
先に紹介したゼロキューブの1,500万円の家に比べ、建物全体の広さも約5坪ほど大きくなっていますし、自由設計にも対応してもらえるので希望の間取りにすることができます。
1階にはLDKと水まわり、2階に3部屋タイプの3LDKを希望する人にとっては、まさに教科書のような間取りになっています。
平屋住宅
平屋の間取りで1番人気なのが3LDKです。
大手のハウスメーカーだとそれなりの予算が必要になりますが、ローコスト住宅の平屋であればリーズナブルな価格に抑えることも可能です。
大和ハウス
- 商品名:ジーヴォシグマ
- 建物本体価格:3,600万円
- 間取り:3LDK(平屋)
- 床面積:138.60㎡(41.92坪)
※出典:https://www.daiwahouse.co.jp/jutaku/visit/vol120/index.html
大和ハウスの坪単価は65~95万円ほどなので、80万円で計算すると建物だけで3,350万円ほどだと試算することができます。
それに諸経費などまで含めると3,600~3,700万円位を想定しておくのが良いと思います。
平屋で40坪オーバーとなれば、かなり各部屋はゆったりした広さを確保することができますし、土地も建坪の2倍は必要なので、最低でも85坪以上となります。
一条工務店
- 建物本体価格:2,800万円
- 間取り:3LDK(平屋)
- 床面積:113.97㎡(34.48坪)
※出典:https://www.ichijo-gunma.com/lifestyle/3572/
一条工務店の平均坪単価は65~80万円ほどなので、70万円として計算すると、建物の建築費だけで2,400万円ほどになります。
そこに諸経費などを含めると総額は約2,800万円前後になるという試算です。
34坪といえば、そこまで広い家という印象はありませんが、間取り図をみてもらうとわかるように、平屋にすることで各部屋はゆったりとした広さを確保することができています。
冒頭で紹介した3LDKマンションの平均的な広さが70㎡なので、同じ3LDKでも1.6倍ほどの広さになっています。
そう考えれば平屋3LDKは35坪もあれば十分すぎる広さの家になることが想像頂けるのではないでしょうか。
アイフルホーム
- 商品名:AYA(アヤ)
- 建物本体価格:1,800万円
- 間取り:3LDK(平屋)
- 床面積:118.50㎡(35.8坪)
※出典:https://suumo.jp/chumon/housemaker/rn_eyefulhome/103708_0000_13/jitsurei/jc_0044/
アイフルホームの平均坪単価は32~52万円ですので、42万円として計算すると、建物の建築費だけで1,500万円ほどになります。
そこに諸経費などを含めると総額は約1,800万円前後になるという試算です。
先に紹介した一条工務店の平屋に比べ、同じくらいの坪数ですが建築費は1,000万円ほど違ってきます。
こちらの平屋は屋根裏をロフトにすることで、屋根裏収納スペースを広く確保することができています。
収納スペースが少なくなりがちな平屋住宅では、屋根裏などのスペースを賢く活用することを意識しておきましょう。
和風住宅
三井ホーム
- 商品名:SONOMAソノマ
- 間取り:3LDK
- 床面積:140.88㎡ (42.61坪)
※出典:https://www.mitsuihome.co.jp/home/product/sonoma/plan/
三井ホームのソノマという商品なのですが、和風テイストが人気の商品になっています。
こちらは3LDKで42坪とかなり広い家になっており、22帖を超えるLDKにワークスペースやプチガレージまで確保されています。
さらに浴室や脱衣洗面所を2階に設置することで、1階に余裕を持たせる間取りとなっています。
三井ホームでこの広さの注文住宅を建てるとなれば、それなりの建築費用が掛かることは言うまでもありません。
あくまでも推定ですが、建築費、諸経費まで含めると4,000万円は超えてくるのではないでしょうか。
3階建て住宅
三井ハウス
- 商品名:クレセール
- 間取り:3LDK
- 床面積:128.28㎡(38.80坪)
※出典:https://www.mitsuihome.co.jp/home/product/crecer/
3階建ての3LDKです。
今回紹介するこちらの物件は2階リビングを採用されているので、1階に夫婦の主寝室、3階に子ども部屋を2つという間取りになっています。
各階層の床面積は約13坪ほどなので、30坪のどの敷地面積でも建築できます。
ただし3階建てにすることで、構造計算なども必要になりますし、建築費に関しては2階建て住宅よりもかなり割高となります。
3LDKの家を建てる際の疑問
3LDKの家づくりに関して、今回紹介しきれなかった部分や、ネットなどで良く質問されている内容などをまとめてみました。
3LDKのメリットデメリットは?
【メリット】
- 建築費を抑えることができる
- 広いリビングや部屋が確保できる
- ワークスペースや趣味の空間がつくれる
- 家事動線がつくりやすい
【デメリット】
- マンションと比較されやすい
- 来客用の部屋がない
- 子供が増えたとき部屋が足りない
- 親世帯との同居には不向き
建築費を抑えることができる
3LDKにすることで建物全体の床面積を小さくすることでき、結果として建築費を抑えることにもつながります。
分譲マンションの3LDKは平均70㎡(21坪)ほどなので、戸建て住宅でも各部屋をマンションと同等の広さにすることで、建物全体を25坪以下に抑えることもできます。
広いリビングや部屋が確保できる
同じ30坪でも4LDKと3LDKでは、当然ながら3LDKのほうがリビングや各部屋の広さを確保しやすくなります。
広いリビングが希望であれば、部屋数を少なくして、そのぶんリビングを広めにつくることができます。
ワークスペースや趣味の空間がつくれる
4LDKだったのを3LDKにすることで、余った1部屋分のスペースを在宅ワークや趣味のスペースとして活用することができます。
最近は土間スペースを広くつくる家が流行っているので、土間スペースをいろんな趣味の部屋として使うのも良いのではないでしょうか。
家事動線がつくりやすい
間取りに余裕があるので、家事動線や生活動線を意識した間取りがつくりやすくなります。
1階をLDKと水まわりだけにして、2階に3部屋つくることで、1階全体を回遊できるような生活しやすい間取りにすることも可能になります。
マンションと比較されやすい
マンションと比較されることが必ずしもデメリットだとは言えませんが、選択肢が多くなることでマイホーム購入に踏み切れないという話をよく耳にすることがあります。
また、将来売却するときにもマンションと比較されやすく、買い手がなかなか決まりづらくなることも考えられます。
来客用の部屋がない
部屋数に余裕がないので、親戚や友達が泊まりにきたとき、ゆっくり休んでもらえる部屋がありませんので、リビングで寝てもらうことになります。
なるべくなら、ちゃんと部屋でゆっくり休んでもらいたいので、来客が多い家族の場合は、来客用の部屋まで考えた家づくりを心がけておきましょう。
子供が増えたとき部屋が足りない
3LDKは夫婦と子ども2人世帯を想定しているので、子どもが増えると部屋数が足りなくなり、兄弟2人で1部屋を使うことになります。
とくに子供の年齢が低いうちは、さらに子供が増える可能性も高く、部屋数に少し余裕を持たせておくか、子どもが増えたときの対策をしておく必要があります。
親世帯との同居には不向き
4LDKであれば、1階に和室などの空間を作ることが多いのですが、3LDKとなれば1階はLDKと水まわりのみで、2階に居室を3つ作るのが主流です。
もし、将来的に親御さんと同居することなった場合、親世帯の部屋が確保できておらず、大幅なリフォームが必要になってしまいます。
売却時に売れづらい
あくまでも4LDKや5LDKの物件と比べた場合ですが、3LDKの戸建て住宅は少し売れづらい傾向にあります。
というのも、中古住宅を購入される人の多くが、賃貸や分譲マンションからの住み替えで、その理由が「今の家では手狭になったから」です。
ですので、戸建て住宅に関しては3LDKよりも4LDKや5LDKの物件の方が人気しやすく、売れやすいと言われています。
3LDKと4LDKで迷っているがどっちがいいのか?
新居の間取りを3LDKと4LDKのどちらにするかで迷っている人も多いのではないでしょうか。
3LDKと4LDKで迷っているのであれば、子どもたちの年齢や将来的に親の面倒を誰がみるのかまで考えて決めていくようにしましょう。
子どもたちが中学生だったりすると、実家を巣立っていくまでの期間も短く、自分の部屋を子どもの人数分確保しなくても良いように思います。
逆に子どもたちがまだ小さいお年頃なら、その家で過ごす期間も長くなるのですから、ひとり部屋を確保してあげる優先順位も高くなります。
あと、将来的に親御さんたちの面倒をみる立場にあるのでしたら、将来同居することになった場合まで考えて間取りを考えていくようにしましょう。
子どもたちが巣立ってから親御さんと同居を考えるなど、いろんなパターンが想定できるはずです。
将来的に売却や賃貸を検討している場合
転勤が多く、もしかしたら賃貸として貸しだす可能性がある。
子どもたちが独立したあとは、夫婦二人でマンションに移り住みたい。など、将来的に賃貸や売却の可能性があるのでしたら、3LDKよりも人気の高い4LDKをおすすめしておきます。
賃貸も売却も3LDKより、4LDKの方が人気なので、借り手や買い手が早く見つかる可能性が高いからです。
また、賃貸や売却の可能性が高いのであれば、なるべく趣味や趣向の間取りにするのではなく、オーソドックスな間取りにしておくのもポイントです。
4LDKより3LDKの方が税金は安くなる?
マイホームを購入すると、毎年固定資産税を納めることになります。
金額は土地の場所や広さ、家の大きさによって変わってくるのですが、4LDKよりも3LDKの方が税額が安くなることはありません。
建物にたいする固定資産税の額は、建物の大きさによって決まるので、同じ35坪の家であれば3LDKも4LDKも同じ税額になります。
3LDKで良くある失敗例は?
3LDKの戸建て住宅を建てた人が後悔するポイントがあります。
3LDKを希望する人の多くに、リビングを広くしたいからという理由が見受けられるのですが、リビングを広くすることで、床暖房の設置費用が高額になったり、建てたあとの電気代が予想よりも高額になってしまったという失敗談を耳にすることが多くあります。
今の建物は高気密高断熱化が進んでいて、床暖房を必ずしも必要としない建物も増えていますので、担当の営業さんとしっかり検証して決めていくようにしましょう。
まとめ
今回は3LDKの間取りや価格相場について話をしてきました。
同じ30坪の3LDKでもハウスメーカーや工務店によって、建築費に1,000万円以上の差が出ることがあるので、損しないためにも複数の業者のプランを比較しておくようにしましょう。
業者を比較する1つの手段として、建設予定地または住みたい土地の人気業者のカタログを取り寄せるという方法があります。
いろいろなカタログを家族で見ながら、どんな家にしたいのか話し合うと、ハウスメーカーや工務店の候補が絞れてくると思います。