マイホーム計画を立てる際に「規格住宅」「セミオーダー住宅」「フルオーダー注文住宅」という言葉を耳にすると思いますが、違いをまとめると以下のようになります。
規格住宅 | セミオーダー住宅 | フルオーダー住宅 | |
---|---|---|---|
坪単価 | 40~60万円 | 50~80万円 | 75~90万円 |
工事期間 | 3~4ヶ月 | 4~6ヶ月 | 8~12ヶ月 |
間取りの自由度 | × | ○ | ◎ |
設備の自由度 | × | △ | ◎ |
このページでは少し分かりにくい「規格住宅」と「セミオーダー住宅」についてわかりやすく解説します。
人気ハウスメーカーや両者のおすすめな人についてもまとめるので、ぜひ参考にしてください。
規格住宅とは?注文住宅との違いを解説
規格住宅とは、あらかじめ決まったプラン(間取り)をカタログなどから選び、外観や屋根の形状を複数の選択肢から選んでいくタイプの家のことです。
基本的に間取りや窓の位置などを変更することはできませんが、内装(壁紙や床の色)などはある程度自由に選ぶことができます。(※最近は間取りの変更にも柔軟に対応できる規格住宅が増えています)
規格化された住宅なので、大量生産することで価格を抑えることができるのが大きな特徴です。
注文住宅との違い
大手ハウスメーカーなどで良く耳にする注文住宅。自分たちの希望にあわせて、間取りを自由に決めることができる住宅のことを言います。
しかし、設計の自由度が高い注文住宅でも、柱の位置や窓の大きさなどに制限が掛かることが多く、本当に100%自由設計の家づくりはハウスメーカーでは難しいのが現状です。
とにかく細部までこだわった家づくりがしたいのであれば、ほぼ100%注文通りの家づくりを叶えてくれる建築士や設計事務所に依頼するしかありません。
規格住宅や注文住宅で迷われているのであれば、自分の予算に合わせていくつかのカタログを取り寄せてみるのも良いでしょう。
「LIFULL HOME'S」などのポータルサイトを使えば簡単に比較できますし、各業者がどのような規格住宅のプランを持っているかも調べられて便利です。
※予算別のカタログ特集ページ一覧
規格住宅で人気のハウスメーカー
ここからは大手ハウスメーカーやローコスト住宅会社の規格住宅をいくつか紹介していきます。
なるべく建築費は抑えたいけど、信頼度が高い大手ハウスメーカーに家づくりをお願いしたい人、ローコストの中でもさらにお得感の高い規格住宅を検討したい人など、規格住宅にも色んな選択肢があるので、ぜひ参考にして頂ければと思います。
三井ホーム
暮らしやすい家にするためのアイデアにこだわった多彩なプランと、自分好みのインテリアや外観を組み合わせることができる商品です。
用意されているプラン数は全部で203通りで、優柔不断な方でも簡単に上質な家を建てることができます。
上記に4つのインテリアスタイルと6つの外観スタイルを自由に組み合わせることができます。
三井ホームの平均坪単価は95万円を超えますが、この規格型住宅セレクトオーダーなら、坪単価は60~70万円ほどです。
レオハウス
オリコン顧客満足度ランキング「金額の納得感部門」で3年連続1位に選ばれているのがレオハウスです。
レオハウスの規格型住宅「大人気の家CoCo Life」は、さらに低コストで自分好みの家を建てることができる商品として人気です。
用意されているプランの数は全部で48通り。そのプランに合わせて「外装」「内装」「仕様」を選べるようになっています。
レオハウスの平均坪単価は40~45万円ほどですが、この規格型住宅「大人気の家CoCo Life」だと坪単価は35~40万円ほどです。
規格住宅がおすすめな人
規格住宅がおすすめな人の条件は下記となります。
- 新しい家にできるだけ早く住みたい
- 一戸建てのマイホームは欲しいが、なるべく費用は抑えたい
- 間取りや工法には、あまりこだわりがない
- 優柔不断なので、いくつかの候補の中から選ぶ方が良い
- 打ち合わせに時間をかけることができない
このように規格住宅を選ぶ人が、必ずしも金額だけの問題というわけではありません。
仕事が忙しく打ち合わせの時間をなかなか作れない人、事情があり、工期をどうしても急ぎたい人などにも、規格住宅は選ばれています。
ここまで規格住宅について解説してきました。
規格住宅がおすすめな人の中で「なるべく費用は抑えたい」と考えている人は、一度自分の予算でどんな注文住宅が建てられるのかイメージすることをおすすめします。
もし予算が決まっていない人は、毎月の返済額や家族構成を入力するだけで、予算や必要な建物の広さが分かる「注文住宅のシミュレーター」を活用してみてください。
無料で使えるシミュレーターなので、安心して利用できます。
セミオーダー住宅で人気のハウスメーカー
セミオーダー住宅とは間取りや家のデザインはある程度施主の希望通りにできますが、仕様や設備品はハウスメーカーの社内規定により自由に選ぶことができない住宅のことをいいます。
規格住宅とフルオーダー注文住宅の中間に位置するので、それぞれの良いとこ取りをしたい人向けの建て方といえます。
ある程度の商品を規格化することで費用を抑え、要望が強い間取りなどに関しては自由に決めることができるという点で、セミオーダー住宅を選ぶ人もいます。
セミオーダー住宅の特徴を簡単にまとめると以下のようになります。
- 間取りや家のデザインは自由に決めることができる
- キッチンやバスルームなどの設備品は、決められた中から選ぶ
- 規格住宅とフルオーダー住宅の良いところを組み合わせた住宅
- 部屋の広さや天井の高さなど、すべてを自由に作れるわけではない
多くのハウスメーカーではすべて自由に家づくりできる「フルオーダー」ではなく、なんらかの制限がある「セミオーダー住宅」であることが多いので注意してください。
一条工務店
美しさと機能性にこだわった人気住宅で、自社オリジナルのキッチンなどを採用したセミオーダー住宅です。全館床暖房が標準設備となっているのも人気な理由の一つです。
一条工務店はレンガ調の外観が特徴だったのですが、最近はこの「i-smart」や「i-cube」ようにスタイリッシュな外観の家を多く建てるようになっています。
外観を変えた理由として構造を「軸組工法」から「モノコック工法」に変更したからだと思います。より気密性を高めるには、軸組工法よりも箱状にできるモノコック工法が向いています。
大和ハウス
標準天井高が2m72㎝で、広々と開放感がある家を建てることができる商品です。
外張り断熱を採用しているので高気密高断熱なうえ、耐震にもこだわっておりワンランク上の生活をすることができます。
大手の大和ハウスの主力商品ですので、とフルオーダーの注文住宅と思っている人も多いかと思います。
ですが、別の工法に変更したり天井の高さを自由に設定したりはできませんので、そういった意味ではセミオーダー住宅だと言えるでしょう。
タマホーム
ローコストながらもおしゃれなデザインと高機能な設備を備えた商品です。
大安心の家という商品名のとおり、ローコスト住宅ながら充実した標準仕様として人気があります。
ローコスト住宅のなかには、あらかじめプランが決められている規格型商品を扱っている会社が多いのですが、タマホームの多くが、自由に間取りを決めることができ、外装や内装にもさほど制限がありません。
それでいて大手ハウスメーカーよりも、かなり割安な価格設定なのですから人気があるのも納得です。
セミオーダー住宅がおすすめな人
セミオーダー住宅がおすすめな人は下記となります。
- 間取りや外観は希望通りの家を建てたい
- 大手のハウスメーカーで建てた方が安心だと思っている
- 間取りなどは好きに決めたいが、できればローコスト住宅を考えている
- 地鎮祭から始まって、家が建っていく様子をチェックしたい
今回はセミオーダー住宅という位置づけにしていますが、一般的には自由設計の注文住宅のことです。
このセミオーダー住宅でも、間取りや外観に制限を感じる人はほとんどいないと思います。
まとめ
今回は規格住宅とセミオーダー住宅の違いについて解説しました。
両者の大きな違いは、「間取りを自由に設定できるかどうか」という点です。
やはり自由度を優先すると金額が高くなるので、自分にとってどちらがよいかじっくり考えてみましょう。
最後に、フルオーダー注文住宅も含めて、それぞれのおおまかな坪単価や工期、間取りや設備の自由度を再確認しておきましょう。
規格住宅 | セミオーダー住宅 | フルオーダー住宅 | |
---|---|---|---|
坪単価 | 40~60万円 | 50~80万円 | 75~90万円 |
工事期間 | 3~4ヶ月 | 4~6ヶ月 | 8~12ヶ月 |
間取りの自由度 | × | ○ | ◎ |
設備の自由度 | × | △ | ◎ |
上記はあくまでも目安なので、セミオーダーのローコスト住宅であれば、坪単価30万円台でも家はつくれます。
逆にフルオーダーの住宅になれば、こだわり次第では坪単価100万円を超えることもあります。
マイホームで後悔しないためにも、まずは自分の予算でどんな家が建てられるのかを、しっかりイメージした上で計画を進めることが大切です。
そのためには、予算に合わせて色々なハウスメーカーや工務店のカタログを見比べてみることが一番です。
大手のハウスメーカーだけでなく、なるべく地元の工務店や設計事務所のカタログも取り寄せましょう。
たくさんのカタログを見ることで、どんな家が建てられるのかイメージがわきますし、どこを節約すれば良いかも見えてくるはずです。
※予算別のカタログ特集ページ一覧