建て替えやリフォームをするときに意外と困る仮住まいを探し方と費用相場について解説します。仮住まいの候補としては、
- 賃貸住宅
- ウィークリーマンション
- ホテル
になりますが1ヶ月以内の短期であればウィークリーマンションやホテル、半年などの長期になる場合は賃貸住宅がおすすめです。
実際に目安となる金額も紹介しているので、これから仮住まいを探そうとしている人はぜひ参考にしてもらえばと思います。
仮住まいの種類と費用相場
仮住まいの候補となるのは「賃貸」「ウィークリーマンション」「ホテル」の3つがあります。
それぞれの費用目安を月単位でまとめてみましたので、参考にしてみてください。
費用の中には「賃料(宿泊費)」「契約手数料」「退去時費用」「引越し代」なども含まれています。
賃貸住宅 | ウィークリー マンション |
ホテル | |
---|---|---|---|
1ヶ月 | 77万 | 56万 | 48万 |
3ヶ月 | 97万 | 98万 | 144万 |
6ヶ月 | 127万 | 161万 | 288万 |
1年 | 187万 | 287万 | 576万 |
※ホテルは家族3人で宿泊した費用を想定しています。
賃貸住宅
仮住まいとして真っ先に思い浮かぶのが、賃貸住宅だと思います。
賃貸アパート、マンション、戸建て住宅など、多くの選択肢があることで、予算に見合った物件を探すことができます。
家賃が10万円の賃貸住宅を仮住まいにする場合、主に以下のような費用試算となります。
- 家賃:10万円/月
- 敷金・礼金:約20万円
- 仲介手数料:約10万円
- 火災・家財保険:約1万円
- カギ交換費:1万円
- 退去時のハウスクリーニング:約5万円
- 引越し費用:30万円(15万円×2回)
※出典:https://www.showa-osaka.com/hitotoki/20yearold/
メリットデメリットは以下となります。
メリット
- 立地や間取りを選ぶことができる
- ペット可の物件がある
- 一戸建てを借りることもできる
デメリット
- 敷金・礼金、仲介手数料がかかる
- 短期契約を受け付けていないところが多い
- 保険などに入らなくてはいけない場合がある
このように初期費用が高いところがデメリットですが、住居の選択肢が多く、元の住居とあまり変わらない条件の物件を探すことができます。
ウィークリーマンション
手軽に借りられることで人気があるウィークリーマンションやマンスリーマンションも仮住まいの候補となるでしょう。
昔からあるレオパレス21は有名ですが、最近では大東建託もウィークリーやマンスリーでの賃貸もしているので、物件数は多くなっていて日本全国どこの地域でも探すことができると思います。
家賃が1日6千円のウィークリーマンションを仮住まいにする場合、主に以下のような費用試算となります。
- 家賃:6千円/日
- 契約手数料:2万円
- 貸倉庫代:3万円/月
- 清掃費:約3万円
- 越し費用:30万円(15万円×2回)
※出典:https://www.eheya.net/monthly/
メリットデメリットは以下となります。
メリット
- 家具家電がついている
- 光熱費が家賃に含まれている
- 敷金礼金がない
デメリット
- 部屋が狭い物件が多い
- 家具家電を保管する場所を探さなければいけない
- 長期になるとコストが高くなる
ウィークリーマンションの家賃は日額なので長期になればなるほどコストが高くなります。
1~2ヶ月程度の仮住まいなら賃貸住宅より安くすむかもしれませんが、それ以上になると高くなってしまう可能性が高いので気をつけましょう。
また、ウィークリーマンションは大体が単身者向けの部屋の大きさになっているので、元の家にあった家具家電は別途貸倉庫を借りて保管する必要があります。
ホテル
今回紹介している3タイプの中で、一番手軽に借りることができるのがホテルです。
手軽に借りれて掃除や隣人を気にしないで良いのは、まさに仮住まいにピッタリなのですが問題は金銭的なことです。
3人暮らしの家族がホテルを仮住まいにする場合、主に以下のような費用試算となります。
- 宿泊費:5千円/日×人数(3人)
- 貸倉庫代:3万円/月
※出典:https://pacifichotel.jp/guest_top/tatamitwin.html
メリットデメリットは以下となります。
.メリット
- 水道代や光熱費代が必要ない
- 掃除をしなくてもいい
- ガスや水道などの様々な契約が必要ない
デメリット
- 人数が多ければ多いほど割高になる
- 家具家電を保管する場所を探さなければいけない
- 自炊ができない
ホテルはチェックイン時に名前や住所を書くだけで滞在することができ、様々な手続きを必要としないため比較的気軽に滞在することができます。
しかし、長期滞在をしにくい点や期間が長くなるほどコストが高くなる点が大きなデメリットで、1ヶ月以上になる場合はおすすめできません。
ウィークリーマンションと同様、元の家にあった家具家電を置く場所がほぼないので、別途貸倉庫を借りなければいけません。
さらに自炊をすることができないため、食費もかさむことが想定される点を理解しておきましょう。
探し方のポイント
ここでは仮住まいを探すためのコツをいくつか紹介していきたいと思います。
求める条件の優先順位を整理する
少しでも仮住まいの費用を安くしたい、ペットと一緒に暮らしたいなど、仮住まい先に求める条件の優先順位を整理しておきましょう。
優先順位をつけることで素早く物件を探すことができ、無駄が省けます。また妥協できるところは妥協することも大切です。
賃貸期間から考える
先ほど仮住まいの種類と費用相場のブロックで紹介した表を見れば明確ですが、賃貸期間によって必要な費用は大幅に違ってきます。
1週間や1ヶ月だけの仮住まいとなればホテルやウィークリーマンションに滞在するのがいいでしょうし、1年となれば賃貸住宅を借りるのがいいでしょう。
このように短期間か長期間かをしっかりと踏まえたうえで、希望の条件に見合う仮住まい先を探してみてください。
工事を依頼する会社や仮住まい専門会社に任せる
仮住まいのような短期契約の物件を探していると絶対ではありませんが、不動産屋さんから嫌がられることが多いです。
理由は短期間で出て行くのが決まっているからです。そのためなかなか物件が見つからず、精神的に参ってしまう人も少なくありません。
そこで、不動産屋で物件を探すのではなく仮住まいを専門としている会社や、新築工事をする建築会社に物件探しを任せてみるのも1つの方法です。
仮住まい先を見つけることが出来なければ新築工事を始めることが出来ないので建築会社も手を貸してくれるでしょう。
不動産部門を持つ業者には注意
不動産部門を持っているハウスメーカーやリフォーム会社を選ぶという方法もあります。例えば、リフォームだと「新築そっくりさん」でお馴染みの住友不動産です。
このような不動産部門を持っているリフォーム会社だと、仮住まいを自社の賃貸物件の中から紹介してくれます。
当然敷金礼金不要、仲介手数料不要などの特典もあるので、魅力的に感じる人も多いでしょう。
これが一番迅速で確実な方法ですが、家を建てるときの建築条件付きのような「この土地が欲しければウチの会社で家も建てなさい」というやり方に似ていたので、正直あまりおすすめはしません。
「仮住まいを提供するからうちでリフォームを」という話になってしまうと、本来の価格面や営業マンのスキルなどで公平に業者を比較することはできません。
これは建て替えするときのハウスメーカーでも同じことが言えます。
売却中の売り物件を狙う
これは不動産会社で営業をしていたから話せる裏テクニックなのですが、売却中の物件を狙ってみるのも悪くありません。
とくに狙い目なのが「退去済み」となっている売り物件です。戸建てでもマンションでも構いません。
不動産会社にしてみれば、早く売却して仲介手数料を手にしたいというのが本音でしょうが、売主にしてみれば短期で借りてくれて、その分の賃料も入ってくるので決して悪い話ではありません。
あとは不動産会社の営業担当をどうやって口説くかにかかっています。そこで1つアドバイスするとしたら、このように交渉してみることをおすすめします。
家賃は一括前払いするが敷金礼金はなし。
退去予定日は○月○日で、最大2ヶ月まで延長可能。
見学希望のお客さんがいれば、いつでも内見OKです。
これだと家主も不動産側も退去日が決まっているので、引き続き売却の営業をすることが可能です。
仮住まいに関する疑問
ここからは、今回紹介しきれなかった仮住まいに関する疑問、質問などをまとめて解説していきたいと思います。
住民票の移動や変更は必要なのか?
本来ならば引越しをすると2週間以内には転入の手続きを行わなければいけないですが、仮住まいの場合、期間が1年未満の場合であれば住民票の移動や変更は必要ないということになっています。
ただし、1年以上仮住まいをするのならば住民票の移動はしなければいけないので、どれほどの期間で建て替えやリフォームが完了するかを業者の方にきちんと確認しておきましょう。
インターネット回線はどうすればいいのか?
建て替えやリフォームの間、自宅で使っていたインターネットはどうすればいいのか疑問に思う人も多いと思います。数ヶ月元の家から離れることになるのですからその間もインターネット代を払い続けるのは正直もったいないですよね。
では、ここからは建て替えやリフォームする元の家、仮住まいの家、2つ対応方法を解説していきます。
建て替えやリフォームする元の家
インターネットは建て替えやリフォームの間だけ一時中断するといったことができません。
なので、その間は「契約を解除する」「仮住まいに移転手続きをする」「そのまま払い続ける」という3つの選択肢から決めなければなりません。
契約を解除するにおいても解約金が必要となってくる場合がありますし、仮住まい先で今利用しているインターネットが使えるかどうかもわからないので、しっかりと調べてからどうするか判断することをおすすめします。
仮住まいの家
まずは仮住まいの家でインターネットが必要か不要かを判断しましょう。
もし不要なのであれば元の家で使っていたインターネットは契約を解除して戻ったときにまた契約をするという形が1番手っ取り早い方法です。
インターネットが必要な場合は、元から使っているインターネットが仮住まい先でも使えるのであれば工事費用がかかってしまいますが引越し手続きをするのがいいでしょう。
ただし、仮住まい先で元から使っているインターネットが使えない場合は新たなインターネットを契約するか、インターネットを諦めるかしかありません。
新たなインターネットを契約した場合、そのインターネットは元の家でも使うことができるか、元の家で使わない場合は解約金がどのくらいかかるかを事前に調べてよく考えてから判断をしましょう。
最近の賃貸だと、インターネット完備という物件も多くありますが、それらの多くが賃貸アパートやマンションです。
戸建てを希望するのであれば、インターネット完備にこだわりすぎると、仮住まいの物件探しがより難しくなるので注意しましょう。
プレハブを仮住まいにする際の注意点は?
自宅の土地に余裕があるので、プレハブを建ててそこを仮住まいにしようと考えている方もいるのではないでしょうか。
プレハブを仮住まいにするメリットといえば、物件を探す手間が省けたり、ペットと一緒に暮らせたり、荷物の移動が簡単だということが挙げられます。
しかし、1つ注意して欲しいことといえば費用が高いという点です。
プレハブを設置するためにはプレハブを借りるお金、運送してもらうお金、設置や撤去にかかるお金など様々なお金が必要となり、結果的に賃貸住宅に仮住まいする方がコスト的にはかなり安くなります。
また、プレハブ内は外の気温に影響されやすいので、生活するにはそれなりの対策が必要となってくることも理解しておくようにしましょう。
ペットがいる場合はどうすればいいのか?
ペットを飼っていると、仮住まいを探すのはさらに何倍も難しくなります。なぜなら通常の賃貸物件に比べて、ペット可の賃貸物件は10分の1もないからです。
いくらペット可の物件が増えてきたといっても、大抵の場合が一人暮らし用のマンションが多く、ファミリー向けの賃貸物件だとペット可の物件を探すだけでも大変なのに、さらに短期契約となればほとんどの家主は嫌がります。
もしペットを飼っているのであれば、建て替え期間中だけでも親戚や実家で預かってもらえないか打診するのが、解決への一番の近道かもしれません。
郵便物はどうすればいいのか?
仮住まいの場合、住民票の移動は1年以内であればしなくていいとのことでしたが、その間の郵便物はどうすればいいのか気になりますよね。
郵便物に関しての手続きは実は簡単で、郵便局で転送手続きを行えばいいのです。
転送手続きを行うことで1年の間仮住まいに郵便物を転送してくれるようになり、さらに元の家に戻るときも同様、郵便局で転送手続きを行えば元の家に郵便物を転送してくれるようになります。
まとめ
建て替え期間の数か月のみの利用となる仮住まいですが、期間限定といえども毎日生活をする大切な場所となるので、納得いく物件を見つけることが理想です。
ただ、仮住まいを探すのは思っているよりも数倍大変な作業になると予想します。
仮住まいが見つからずに、建て替えやリフォーム工事のスケジュールが遅れてしまっては本末転倒です。
今回の内容を参考にして、快適な生活ができる仮住まいが探せるように、なるべく早い段階で探すようにしましょう。