注文住宅で予算オーバーしないためのコツまとめ

注文住宅の予算相場とオーバーした時の削り方

マイホームを建てる際の予算で悩んでいる人は、

  • どれくらいのお金が必要なのか?
  • 自分の年収でいくらローンが組めるのか?

などが分からなくて困っているのではないでしょうか。この記事では、家を建てる際の予算について分かりやすく目安を解説します。

なお、オーバーした時の削り方についても解説しているので、マイホームを建てようと検討している人はぜひ参考にしてください。

【年収別】借り入れ可能額と予算の目安

年収別にいくらローンが組めるのか表にしてまとめます。

一般的に、家を建てるのに必要な予算は「年収の6倍」と言われているので、その点もふまえて予算の目安を解説します。

毎月の返済額ベースで考えたい人は、「注文住宅のシミュレーター」を使うと便利なので、そちらを参考にしてください。

※以下の表の単位は「万円」で、返済負担率25%で試算しています。

年収300万の人

金利 10年 15年 20年 25年 30年 35年
0.50% 731 1,083 1,427 1,762 2,088 2,407
1.00% 713 1,044 1,359 1,658 1,943 2,214
1.50% 696 1,006 1,295 1,562 1,810 2,041
2.00% 697 971 1,235 1,474 1,690 1,886
2.50% 662 937 1,179 1,393 1,581 1,748
3.00% 647 905 1,126 1,317 1,482 1,624

年収300万の人の予算目安

マイホームを建てる際の目安となる年収6倍で計算すると1,800万円。表の真ん中の金利1.5%で35年の借りた場合の可能額は2,041万円。

よって、注文住宅を建てる予算の目安は1,800~2,040万円が理想で、これに自己資金をプラスした額を目安としてください。

年収300万円の予算目安=1,800~2,040万円+自己資金

年収400万の人

金利 10年 15年 20年 25年 30年 35年
0.50% 974 1,444 1,902 2,348 2,784 3,208
1.00% 950 1,391 1,811 2,210 2,589 2,950
1.50% 927 1,341 1,726 2,082 2,413 2,720
2.00% 905 1,294 1,646 1,965 2,253 2,514
2.50% 883 1,249 1,571 1,856 2,108 2,330
3.00% 862 1,206 1,501 1,756 1,975 2,164

年収400万の人の予算目安

年収6倍で計算すると2,400万円。表の真ん中の金利1.5%で35年の借りた場合の可能額は2,720万円。

よって、注文住宅を建てる予算の目安は2,400~2,720万円が理想で、これに自己資金をプラスした額を目安としてください。

年収400万円の予算目安=2,400~2,720万円+自己資金

年収500万の人

金利 10年 15年 20年 25年 30年 35年
0.50% 1,217 1,803 2,374 2,932 3,476 4,006
1.00% 1,187 1,737 2,261 2,759 3,233 3,684
1.50% 1,158 1,675 2,155 2,600 3,013 3,396
2.00% 1,130 1,616 2,055 2,453 2,813 3,139
2.50% 1,103 1,559 1,962 2,318 2,632 2,909
3.00% 1,077 1,505 1,875 2,193 2,466 2,702

年収500万の人の予算目安

年収6倍で計算すると3,000万円。表の真ん中の金利1.5%で35年の借りた場合の可能額は3,396万円。

よって、注文住宅を建てる予算の目安は3,000~3,400万円が理想で、これに自己資金をプラスした額を目安としてください。

年収500万円の予算目安=3,000~3,400万円+自己資金

※予算別のカタログ特集ページ一覧

年収600万の人

金利 10年 15年 20年 25年 30年 35年
0.50% 1,462 2,164 2,854 3,524 4,177 4,815
1.00% 1,426 2,088 2,718 3,316 3,886 4,428
1.50% 1,392 2,013 2,590 3,125 3,621 4,082
2.00% 1,358 1,942 2,470 2,949 3,381 3,773
2.50% 1,325 1,874 2,358 2,786 3,162 3,496
3.00% 1,294 1,810 2,253 2,635 2,964 3,248

年収600万の人の予算目安

年収6倍で計算すると3,600万円。表の真ん中の金利1.5%で35年の借りた場合の可能額は4,082万円。

よって、注文住宅を建てる予算の目安は3,600~4,080万円が理想で、これに自己資金をプラスした額を目安としてください。

年収600万円の予算目安=3,600~4,080万円+自己資金

※予算別のカタログ特集ページ一覧

年収700万の人

金利 10年 15年 20年 25年 30年 35年
0.50% 1,708 2,531 3,333 4,116 4,879 5,624
1.00% 1,666 2,439 3,174 3,873 4,539 5,172
1.50% 1,625 2,352 3,025 3,650 4,230 4,768
2.00% 1,586 2,268 2,886 3,444 3,950 4,407
2.50% 1,548 2,189 2,755 3,254 3,695 4,083
3.00% 1,512 2,114 2,632 3,078 3,462 3,793

年収700万の人の予算目安

年収6倍で計算すると4,200万円。表の真ん中の金利1.5%で35年の借りた場合の可能額は4,768万円。

よって、注文住宅を建てる予算の目安は4,200~4,770万円が理想で、これに自己資金をプラスした額を目安としてください。

年収700万円の予算目安=4,200~4,770万円+自己資金

※予算別のカタログ特集ページ一覧

【最新版】都道府県別の平均建築費

住宅金融支援機構の資料を参考に、2019年度都道府県別の注文住宅でかかった平均費用を表にしてまとめます。

自分たちがマイホームを建てようとしている地域の建築費をチェックしてみてください。もし土地探しから始める場合は、土地取得費も追加で必要となります。

分かりやすいように建築費+土地取得費の合計金額も記載してあるので、ぜひ参考にしてみてください。

※以下の表の単位は「万円」になります

北海道、東北地方

建築費 土地取得費 合計
北海道 3,005.60 829.9 3,835.50
青森県 2,902.40 561.3 3,463.70
岩手県 2,821.50 736.8 3,558.30
宮城県 2,995.60 1,124.10 4,119.70
秋田県 2,614.10 519.5 3,133.60
山形県 2,900.90 884.7 3,785.60
福島県 3,060.10 886.5 3,946.60

関東、甲信越地方

建築費 土地取得費 合計
茨城県 2,919.7 778.8 3,698.5
栃木県 2,921.1 803.8 3,724.9
群馬県 2,864.5 802.7 3,667.2
埼玉県 2,898.1 1,700.6 4,598.7
千葉県 2,932.1 1,367.8 4,299.9
東京都 2,506.1 3,401.3 5,907.4
神奈川県 2,687.5 2,410.3 5,097.8
新潟県 2,871.5 841.1 3,712.6
山梨県 2,835.0 819.3 3,654.3
長野県 2,947.2 868.4 3,815.6

東海、北陸地方

建築費 土地取得費 合計
富山県 2,930.8 748.7 3,679.5
石川県 2,732.4 1,032.6 3,765.0
福井県 3,024.3 849.3 3,873.6
岐阜県 2,942.9 867.7 3,810.6
静岡県 3,013.6 1,177.4 4,191.0
愛知県 3,083.7 1,651.4 4,735.1
三重県 2,956.8 860.6 3,817.4

関西地方

建築費 土地取得費 合計
滋賀県 2,888.0 1,139.8 4,027.8
京都府 2,845.5 1,592.4 4,437.9
大阪府 2,584.0 1,902.0 4,486.0
兵庫県 2,833.1 1,487.5 4,320.6
奈良県 2,885.1 1,343.6 4,228.7
和歌山県 2,982.1 857.3 3,839.4

中国、四国地方

建築費 土地取得費 合計
鳥取県 2,747.0 579.6 3,326.6
島根県 3,107.2 692.6 3,799.8
岡山県 3,132.1 1,063.2 4,195.3
広島県 2,949.6 1,268.6 4,218.2
山口県 2,987.3 803.0 3,790.3
徳島県 2,813.8 800.2 3,614.0
香川県 2,947.0 794.8 3,741.8
愛媛県 2,851.4 921.5 3,772.9
高知県 2,865.2 940.2 3,805.4

九州、沖縄地方

建築費 土地取得費 合計
福岡県 3,059.0 1,186.6 4,245.6
佐賀県 2,929.7 773.1 3,702.8
長崎県 3,010.9 970.4 3,981.3
熊本県 3,025.1 921.7 3,946.8
大分県 3,025.8 956.6 3,982.4
宮崎県 2,670.8 799.5 3,470.3
鹿児島県 2,746.4 804.6 3,551.0
沖縄県 2,865.0 1,836.0 4,701.0

予算オーバーした時の対処法

建売住宅や分譲マンションと違い間取りや仕様を自由に選べる注文住宅では、当初の予算をオーバーしてしまうことが多いです。

予算オーバーをしたとき多くの人は間取りや仕様の変更を検討しますが、まずは以下のような後から対応できるものから優先して削ることをおすすめします。

  • 太陽光発電システム
  • 庭の境界ブロックなど
  • 階段、玄関、バスルームなどの手摺り
  • エアコン
  • カーテン、照明

これらは、家の引渡し後であっても、自分たちで安価なものを買い揃えて、取りつけることが簡単にできます。

しかし、間取りや仕様は後から変更できません。

つまり予算を削る際は、後から対応できる部分から計画を見直していくことがポイントです。もし対応しきれない場合は、以下の順番で見直ししてみてください。

面積の広い資材を変更する

大手ハウスメーカーなどでは、構造に使われている木材などを変更することは基本的に受け付けてくれません。

ですので、ここでいう資材とは構造などに使用されている木材という意味ではなく、フローリングの床材、壁紙、外壁や屋根に使用されている資材という意味です。

フローリングの床材を変更する

フローリング材は言うまでもなく室内の木材としては一番使用面積が多い部分です。そのためグレードを落とせば、かなり予算を削減することができます。

壁のクロスを変更する

壁紙のグレードを落としたり、和室を塗り壁からクロスに変更するだけでもコストカットが期待できます。

和室の塗り壁は職人さんを入れる必要があるので、他の部屋と同じようにクロスに変更するだけでもコストを抑えることができます。

外壁はなるべくシンプルに

一部のハウスメーカーでは、標準仕様で外壁やベランダ部分をレンガ調にすることができます。

このようなレンガ部分をキャンセルするだけでも、コストを浮かせることができます。

設備のグレードを見直す

キッチンやトイレ、バスルールなどの設備のグレードを再検討することも、予算オーバーした時に必要です。

システムキッチン1つでも、こだわりをなくせば20万~50万円くらいの削減できます。

ユニットバスも、1.5坪タイプを1.25坪や1.0坪タイプに変更することで、坪数を削減することもできます。

キッチンを削る際の注意点

奥様からするとキッチンは聖域です。

ご主人の判断で削ってしまうのはどうかと思いますし、たとえ奥様が納得されていても、使い続けるうちに後悔することが多い部分です。

キッチンの見直しに関しては最終手段として考えておくようにしましょう。

以前、担当させてもらったお客さんで、迷った結果予算を減らすためにキッチンの勝手口をつけない選択をしました。

しかし、引渡し後もずっと奥様から「勝手口がないから本当に不便!」と旦那さんが愚痴られていたので、キッチンを削る際は注意が必要です。

窓サッシを妥協してはダメ

システムキッチンのグレードを落とすのと同じく、営業マンから提案されやすい箇所が窓サッシです。

窓サッシのグレードを下げると、予想以上のコスト削減に繋がるのは事実ですが、ここは決して削ってはいけない場所です。

窓サッシは、高気密・高断熱住宅ではかなり重要ポイントなので、グレードを落とすということは、気密性能や断熱性能を諦めるのと同じことです。

最近の主流でもある「複層Low-eガラス」。これをペアガラスやアルミサッシに変更するだけで、予算を削ることもできますが家の気密性や断熱性は落ちてしまいます。

廊下の不要な部分を削る

実は、家の中でもっとも不要な箇所といえば廊下です。ただし、廊下の幅を狭くするということではなく不要な箇所を効率的に削ろうということです。

下の図では、2階の廊下に無駄にスペースがあります。

1階を以下のようなリビング階段にして、階段の向きを逆にしてしまえば、2階部分の廊下スペースを大幅に削減できる可能性があります。

リビング階段

出典:https://suumo.jp/chumon/housemaker/rn_inosie/501172_0000_13/jitsurei/jc_0014/


このように間取りを削るというのは、目にみえる部分だけでなく、素人考えでは及ばない部分も多数あります。

そこでポイントなのが、複数のハウスメーカーに相談できるようにしておくことです。

1社だけのハウスメーカーだと、その業者の言うことが絶対になってしまいます。

A社は「出来ない」ということでも、B社やC社は「出来る」という可能性があるので、必ず複数の業者を比較するようにしてください。

間取りを再検討する

大幅なコスト削減が必要であるなら、間取りの変更を検討してください。

坪単価60万円のハウスメーカーであれば、8畳の和室を6畳に変更するだけで単純に60万円のコスト削減できます。(1坪=約2畳)

間取りを変更する際のポイントは子供部屋です。

理由は、子供たちはいずれその家を巣立っていくからです。もし中学生くらいの子供がいる家庭であれば、高校を卒業してすぐに実家を離れる可能性があります。

つまり、早ければ5年以内に子供部屋が不要になるかも知れないので、そこまで大きな部屋は必要ないと思います。

間取りを見直す時は、まず子供部屋を今後どうするのか家族で相談しておくとよいと思います。

金利の低い住宅ローンを探す

実は、金利の低い住宅ローンを選ぶことで予算を削ることができます。

例えば3,000万円の借り入れを検討している場合、わかりやすく全期間35年固定金利で比較してみましょう。

実際の金利1.8%と1.5%で比べます。今回は、住宅ローンにかかる事務手数料などの諸費用は省きます。

  • 金利1.8%の総返済額:約4,046万円
  • 金利1.5%の総返済額:約3,858万円

0.3%金利が違うだけで約188万円の差がでます。この188万円を坪単価60万で換算すると、約3坪も家の大きさを削ったのと同じ効果があります。

住宅ローンの選び方や注意点については、姉妹サイトの「住宅ローンの達人」で詳しく解説しているので、あわせてチェックしてみてください。

マイホームの予算に関するよくある質問

ここからは、マイホームの予算に関係することでよくある質問について分かりやすく解説するので、ぜひ参考にしてください。

消費税増税前と増税後、どっちがお得?

2019年10月より、消費税が10%へアップすることが決まっています。これに伴い「住宅ローン減税」や「すまい給付金」など、増税対策が多く打ち出されています。

例えば増税前だと年収440万円の世帯であれば、すまい給付金の支給額は20万円なのに対し、増税後の支給額は50万円となります。

こうしたこともあり、増税後にマイホームを購入するのが得だと感じる人も多いかと思いますが、増税前と増税後、どちらがお得という断言はできません。

これはその世帯の収入や利用する住宅ローンの金利や額によっても違ってくるからです。

ですので、信頼できる業者からアドバイスをもらい、どちらがいいのか判断するのがポイントになります。

自己資金ゼロでも家は買えるのか?

建売住宅や分譲マンションのチラシ広告などで、「自己資金0円」、「頭金0円」という文字をみかけることが増えました。

広告をみて「貯金がない自分たちでも家が買えるかも」と思う人もいることでしょう。

しかし、はっきり言って「自己資金0円」でマイホームを購入するのは厳しいでしょう。

理由は住宅ローン融資では対応できない、支払いが多数あるからです。

例えば土地を購入するときの費用(手付け金)、住宅ローンの諸費用、新居への引っ越し費用などは住宅ローンでは対応できないので、自己資金から支払う必要があります。

つまり、マイホーム取得に掛かる総費用の10%程度は、自己資金として準備しておくのが理想です。

頭金(自己資金)はいくら必要なのか?

上記の項目でも説明していますが、最低でも総取得費の10%程度の自己資金が必要になります。

ただし、国土交通省のデータによると自己資金の全国平均はさらに高く全体費用の32.8%(2017年調べ)です。

そう考えると、マイホームの総取得費が3,500万円の場合、最低でも350万円の自己資金、全国平均でみると約1,000万円程度は、自己資金を準備されている方が多いことになります。

ボーナス支払いはありか?なしか?

住宅ローンの返済で、「ボーナス払い」の有無で迷う人も少なくありません。

「出来ることなら少しでも早く返済してしまいたい」という気持ちはわかりますが、この先どうなるかは予測できません。

公務員や大手企業にお勤めでない限り、なるべくならボーナス払いなしの返済方法をおすすめします。

ボーナスが残っているのであれば年末などにまとめて繰上げ返済する方法がよいので、迷われている人は繰上げ返済がいつでも可能で返済時の手数料がかからない商品を選ぶことをおすすめします。

希望融資額に少し足りない時の対策は?

希望する借入額に少し融資可能額が足りないという話は珍しくありません。

例えば3,500万円の住宅ローン融資を希望しているのに、金融機関からの回答では3,300万円までしか融資できないといわれたりするケースです。

この場合、建築費を融資額まで削るのがよいのですが、どうしても削れない場合は、太陽光発電システムの売電収益をプラス査定してくれないかと打診するのはどうでしょう。

必ずしも認めてもらえるわけではありませんが、営業マンをだった頃には、これで何度か融資額をアップしてもらったことがあります。

売電した収益も立派な収入源ですので、それを収入にプラスすることで、融資額を引き上げられる可能性があります。

実際にフラット35では「売電収入を年収に加算することができます」と書かれています。

まとめ

マイホームを建てる際の予算について解説してきました。

家を建てるのは一生で一度あるかないかなので、予算以外にも分からないことが多いと思います。

そこでポイントになるのが、信頼できる家づくりのパートナーを見つけることです。

ハウスメーカーや工務店の中には、自分達の利益を重視してお客さんのことをあまり考えていない業者もいるので注意してください。

そのような業者に引っかからないために必要なことは、自分の予算にあう業者をできるだけたくさん比較することです。

もし業者選びで困っている人は、LIFULL HOME'Sのような予算別に注文住宅のカタログを取り寄せできる便利なサイトを活用してみてください。

建設予定地で自分の予算にあった業者のカタログを無料で請求することができます。

各社の家づくりプランを比較することで、自分達の信頼できるパートナーが見つかると思います。