近年、「ZEH住宅」や「長期優良住宅」といった高性能住宅が注目されています。
どちらも国の認定制度に基づいた家ですが、「違いがわかりにくい」「何が得なのか知りたい」と感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、これから家づくりを考える方向けに、ZEH住宅と長期優良住宅の違いやメリット、補助金制度、認定条件までをわかりやすく解説します。
また、対応できる住宅会社を見極めるポイントもご紹介していますので、資料請求や比較検討の参考にしてください。
ZEH住宅・長期優良住宅とは？わかりやすく解説
ZEH住宅とは？（ゼッチ＝ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス）
ZEH（ゼッチ）とは、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称です。
高断熱・高効率の住宅設備と太陽光発電などを組み合わせ、家庭で使うエネルギー量の収支を実質ゼロにする住宅を指します。
国の定める条件を満たすことで、補助金の対象になるなど、エコでお得な家づくりが可能になります。
長期優良住宅とは？（認定されるとどうなる）
長期優良住宅は、「長く快適に住み続けられる性能」を持つ住宅のことです。
国の定めた耐震性・省エネ性・劣化対策・維持管理の基準を満たすことで、「長期優良住宅認定」を受けることができます。
認定を受けると、税制優遇や住宅ローン減税、登録免許税の軽減などのさまざまなメリットが得られます。
違いをわかりやすく比較
| 項目 | ZEH住宅 | 長期優良住宅 |
|---|---|---|
| 主な目的 | エネルギー収支ゼロ | 長く快適に住める構造と性能 |
| 必須要件 | 断熱性能・創エネ（太陽光） | 耐震性・省エネ・維持管理など |
| 補助金 | あり（年度ごとに変動） | 補助金なし（税制優遇あり） |
| 税金優遇 | 住宅ローン控除など | 固定資産税・登録免許税など |
ZEH＝光熱費ゼロを目指す家
長期優良住宅＝長く快適に住める構造の家
それぞれ方向性は違いますが、併用（W認定）できる住宅会社も増えています。
ZEH・長期優良住宅の主なメリット
光熱費が安く、快適でエコな暮らし
ZEH住宅では、太陽光発電＋高断熱性能により電気代を大幅に削減できます。
また、長期優良住宅では断熱・換気・劣化対策が優れているため、室内の快適性が高く、メンテナンスも少なく済みます。
将来的な資産価値が高まりやすい
高性能住宅は中古住宅市場でも評価が高く、将来売却する際の価値が下がりにくい傾向にあります。
特に長期優良住宅の認定を受けていると、建物の耐久性が証明されるため、資産性も評価されやすくなります。
税制優遇・ローン控除などの優遇制度がある
ZEH・長期優良住宅ともに、住宅ローン控除・固定資産税の減額・登録免許税の軽減など、国の優遇制度が用意されています。
特に長期優良住宅は長期間の減税メリットが大きいため、トータルコストに差が出ることも。
補助金制度・税制優遇まとめ（2025年版）
ZEH住宅の補助金制度と申請方法
2025年現在、ZEH住宅には国の「ZEH補助金」制度が継続されています。
補助額は住宅タイプや仕様により異なりますが、55～90万円程度が一般的な目安です。
補助金を受け取るためには、以下の条件を満たす必要があります。
- ZEHビルダー登録済の住宅会社で建築する
- 一次エネルギー消費量を25％以上削減する
- 太陽光発電などの創エネ設備を設置
申請は住宅会社が代理で行うのが一般的です。
ただし予算枠があるため、早めに申し込むことが重要です。
長期優良住宅の税制メリット（登録免許税・固定資産税）
長期優良住宅の認定を受けると、以下の税制優遇が受けられます。
- 登録免許税：通常の0.15％ → 0.1％に軽減
- 不動産取得税：課税標準額の控除額が大きくなる
- 固定資産税：新築後5年間、1/2に軽減（一般住宅は3年）
これらの優遇を受けることで、初期費用を10万円以上軽減できるケースもあります。
住宅ローン控除の条件と違い
ZEH住宅・長期優良住宅のいずれも住宅ローン控除（住宅ローン減税）の対象となりますが、認定住宅は控除の上限額が高くなり、控除期間も長くなります。
| 住宅の種類 | 控除期間 | 控除対象上限額 |
|---|---|---|
| 認定住宅（ZEH・長期優良など） | 13年 | 3,500～4,500万円 |
| 一般の新築住宅 | 10年 | 3,000万円 |
高性能住宅を選ぶことで、ローン控除でも数十万円以上の差が出る可能性があります。
ZEHや長期優良住宅を建てるには？申請の流れと注意点
認定を受けるための要件
それぞれの認定を受けるためには、以下のような基準を満たす必要があります。
- ZEH：断熱等性能等級5以上／一次エネルギー消費量20％削減／創エネ設備導入
- 長期優良住宅：劣化対策・耐震性・省エネ性・維持管理性能・可変性など国の基準をクリア
どちらも建築前に申請が必要で、間取りや構造が確定してから認定申請に入る流れです。
住宅会社がZEHビルダー・認定業者か確認しよう
ZEH補助金を受けるには、ZEHビルダーとして登録された住宅会社で建てることが必須条件です。
また長期優良住宅の申請も、認定取得に慣れている住宅会社であればスムーズに対応できます。
ZEHビルダーや長期優良住宅の認定取得に慣れている住宅会社は、ポータルサイトのLIFULL HOME'Sの特集ページを使えば簡単に見つかります。
申請は誰がする？自分でやるの？
ZEH・長期優良住宅ともに、住宅会社や設計事務所が代理申請するのが一般的です。
設計図・仕様書・申請書類の準備が必要なため、自力での申請は非現実的です。
だからこそ、対応実績が豊富な会社選びが重要になります。
ZEH・長期優良住宅は高い？コストと回収の目安
建築コストはどれくらい上がる？
ZEH住宅・長期優良住宅は、通常の住宅と比べて初期費用がやや高くなる傾向にあります。
目安としては、＋100～300万円程度の追加費用がかかるケースが多いです。
理由は、断熱性能・設備グレード・施工基準の向上などに加え、申請費用や検査費用も関係しています。
補助金と光熱費削減で何年で元が取れる？
ZEH住宅では、補助金＋光熱費削減効果により、10年程度で初期コストを回収できる場合が多くあります。
また、長期優良住宅は税制優遇による初期費用の軽減や、将来のメンテナンス費用削減にもつながります。
トータルで見ると、性能住宅は「長く住むほどお得」になるのが特徴です。
対応できる住宅会社・できない会社の違い
ZEH・長期優良住宅の認定取得には、設計・性能・申請手続きの知識と実績が求められます。
すべての住宅会社が対応しているわけではなく、特にローコスト住宅では対応不可なケースも。
対応可能かどうかは、事前に必ず確認するようにしましょう。
繰り越しになりますが、LIFULL HOME'Sの特集ページを対応可能な住宅会社が簡単に見つかります。
まとめ｜ZEH・長期優良住宅は「知って選べば得をする家」
安心・快適・経済的な暮らしのために
ZEH住宅や長期優良住宅は、「高性能な家＝高い家」と思われがちですが、補助金・減税・光熱費の削減など、長い目で見れば確かなメリットが得られる住宅です。
また、断熱・耐震・省エネ性能が高いため、快適さや安心感も段違い。
「どうせ建てるなら、長く満足できる家にしたい」という方には最適です。
まずは対応住宅会社の資料をチェックしてみよう
ZEHや長期優良住宅に対応できるかどうかは、住宅会社によって大きく異なります。
まずはカタログや施工事例、対応実績などをチェックし、複数社を比較することが大切です。
