注文住宅を建てる際の自転車、バイク置き場について、必要な広さの目安やおすすめの設置場所についてまとめます。
ポイントは将来的に何台保有する可能性があるのか想定し、予め計画を立てておくことです。
今回は注文住宅づくりのなかで、自転車置き場の考え方について解説していきます。
駐輪スペースに必要な最低限の広さ目安
自転車のサイズは幅60cm、全長190cmくらいになり、1台の駐輪スペースは1畳分くらい必要です。
一般的な住宅の玄関部分が2畳分くらいなので、かなりのスペースが必要だということがわかります。
家庭によっては、自転車を2台、3台と所有しているケースも珍しくありません。
保有している台数、将来増える可能性がある台数を良く考え、駐輪スペースの計画を立てましょう。台数別に必要となる広さの目安は以下になります。
台数 | 奥行き | 幅 |
---|---|---|
2台 | 190㎝ | 150㎝ |
3台 | 190㎝ | 210㎝ |
4台 | 190㎝ | 270㎝ |
下の画像のサイズは幅216.7㎝、奥行き212.9㎝なので、広さ的には3台分のスペース目安と同じくらいです。
これくらいのサイズ感があれば、自転車を3台置く分には問題ありませんが、ただ少し出し入れするには少し窮屈に感じるかもしれません。
自転車3台分となれば、必要な駐輪スペースはちょっとした物置くらいあります。
これほどのスペースを家が完成したあとに作るのはかなり厳しいので、マイホームの計画段階からしっかりとスペースを確保しておくようにしましょう。
置き場は家の外と中どちらがいいの?
自転車置き場の場所は、大きく分けると「家の外」と「家の中」の2つがあります。
それぞれにメリットやデメリットがあるので、いちがいにどちらが良いとは断言できません。
これから家の外と中についてポイントをまとめていきますので、自分たち家族にとって家の外と中のどちらが合っているのかを考えるうえで、参考にして頂ければと思います。
家の外の自転車置き場例
家の外に自転車置き場をつくることで、いつでも手軽に自転車を利用することができますし、自転車についた泥などで汚す心配も少なくて済みます。
ただし、自転車にとって大きなリスクである「盗難被害」と「雨対策」の問題が残ることは覚悟しておかなければなりません。
外周に駐輪スペースをつくる
一番使い勝手の良い場所は、外周部分に自転車置き場を設置するパターンです。
駐車場に隣接する感じでつくることもできるので、比較的多くの家で採用されている駐輪スペースの場所でもあります。
これだと道路との段差もほぼありませんし、頻繁に自転車を使う家族がいても苦になりません。
また将来的に自転車の保有台数が増えても、比較的かんたんにスペースを増設することができます。
ただし、盗難被害という面では一番狙われやすい場所であることも忘れないようにしましょう。
軒下にスペースをつくる
一番てっとり早くてコストを抑えることができるのが、建物の軒下や庇下に自転車置き場を設置するパターンです。
これだと敷地の奥まった場所になるので盗難の心配も減りますし、建物の軒や庇を屋根代わりにすることができます。
何よりコストがほぼ掛からないという大きなメリットがあります。デメリットとしては、雨や風に対する対策が万全とは言えない点です。
玄関脇にスペースをつくる
玄関のすぐ脇に自転車置き場をつくることで、盗難リスクは確実にさがります。
玄関ポーチを少し広めにし、屋根となる庇(ひさし)を大きめにつくってあげれば雨風もうまく凌ぐことができるでしょう。
ただし、ほとんどの家には玄関ポーチまでの階段があるので、その段差だけは自転車を抱えなければなりません。
普段ならあまり気にならないくらいの段差だと思いますが、赤ちゃんを連れていたり、大きな買い物袋を抱えた状態だと、そのちょっとした段差が気になってしまう恐れはあります。
勝手口などの裏手にスペースをつくる
勝手口などへ通じる、建物の脇の通路を自転車置き場として使うこともできます。
既存のスペースに屋根となる庇をつけてあげれば、ちょっとした雨風は凌ぐことができますし、敷地の奥まった場所なので盗難リスクも抑えることができます。
ただ多くの家だと通路部分が狭く作られているはずなので、そこに自転車を置くことで通行の妨げになることは容易に想像できます。
LPガスを設置していれば、ガスの交換のたびに自転車を移動しなければならないなんてこともあります。
サイクルポートを設置する
サイクルポートとは、屋根がある自転車専用置き場のことで、賃貸アパートなどに良く設置されているものを見ることがあります。
サイクルポートは一般住宅用にも多数販売されています。
独立したタイプのサイクルポートもありますし、家庭用の物置と組み合わせた商品もあります。
物置と一体型のタイプであれば、庭に設置することができるので盗難対策にも向いています。
ただデメリットとなるのは設置スペースの問題で、上の画像をみてもわかるように、かなり広めの敷地が必要です。
家の中の自転車置き場例
自転車の盗難や雨対策を考えると、家の中に自転車置き場をつくるのがベストです。
しかし、家の中に自転車置き場をつくることで、建物自体が大きくなってしまったり、自転車の使用頻度が高いと面倒、使い勝手が悪いというデメリットがあります。
玄関内
最近は玄関部分にシューズクローゼットをつくる家が流行っているので、同じように自転車を置くスペースも容易につくることができます。
また、土間部分を広くつくることで、自転車のスペースを確保するのも良いでしょう。
盗難リスク、雨風対策、使い勝手の良さなど、総合的にみても玄関内に自転車置き場をつくるのが最も理想的であることは説明するまでもありません。
ガレージハウス内
自動車用のガレージがあるのであれば、そこに自転車置き場を併設するという方法もあります。
玄関内と同じように盗難リスクや雨風対策は万全ですし、何より玄関に比べ階段などの段差がないので出し入れがしやすいというメリットがあります。
ただし、面倒なのはシャッター付きのガレージだと、自転車を出し入れするたびにシャッターを開閉しなければいけない点です。
マイホームの自転車置き場に関する疑問
マイホームの自転車置き場に関して、今回紹介しきれなかった部分や、ネットなどで良く質問されている内容などをまとめてみました。
盗難対策おすすめグッズは?
自転車盗難は、あらゆる犯罪の中でもダントツの1位です。
警察庁の2018年データによると、全国の軽犯罪数は82万件であり、そのうち18万件が自転車盗難となっています。2位の万引きが約10万件なので、自転車盗難がどれだけ多いかが良くわかります。
自転車盗難の対策をいくつか紹介しておきます。
照明ライト、防犯カメラの設置
かなり効果が高いとされているのが、人感センサー付きの照明ライトを自転車置き場付近に設置しておく方法です。
人を感知すると自動でライトがつくので、自転車泥棒も驚いて逃げ出してしまいます。
ホームセンターなどにて販売されており、DIYで手軽に設置できることから人気の盗難対策グッズとなっています。
予算に余裕があるのでしたら、一緒に防犯カメラを購入して設置しておくと更に高い効果があります。
チェーンロックで自転車を固定する
自転車本体とタイヤをチェーンロックするタイプもありますが、これだと自転車ごと抱えて盗まれてしまう可能性があります。
チェーンでロックする場合は、なるべく固定物と自転車本体をチェーンロックするようにしましょう。
あと最近は盗難防止アラームつきのカギも販売されており、無理にチェーンを切断しようとしたり、激しい振動を感知したりすると防犯アラームが鳴ることで盗難対策をすることができます。
自転車盗難アプリ
自転車の盗難対策ができるアプリも数多くあります。自転車とスマホの距離が一定以上離れるとアプリで知らせてくれたり、盗難保険がついているアプリもあります。
いろんな機能の自転車盗難アプリがあるので、目的にあったアプリを探してみると良いでしょう。
リフォームやDIYする際の費用相場は?
近くのホームセンターへ行けば、完成品やDIY用のサイクルポートが販売されています。
価格やサイズも豊富に揃っているので、日曜大工に自信がある方でしたら自転車置き場をDIYで作ることも難しくありません。
ただし、台風などで飛ばされてしまい近隣の家に被害を出すことは避けたいので、あまり自信がないという人は素直に専門の業者に依頼することをおすすめします。
上画像の商品はYKKの「レイナポートREグラン ミニ」です。
ネット通販で約70,000円~、ホームセンターでも85,000円~くらいで販売されています。
上画像のように木製のサイクルポートを1からDIYで作るのであれば、さらに費用を抑えることができます。
管理人の知り合いもホームセンターで部材を買い揃えて、自作の木製サイクルポートを作っていましたが、かかった費用は25,000円~30,000円ほどだと言っていました。
しかし画像からもわかるように、土台部分はしっかりと基礎が打ってあります。
ここまでしっかりと強風対策できるのであればDIYでも可能ですが、そこまでの腕や知識がないのであれば、先ほども言ったように専門の業者に依頼するようにしましょう。
まとめ
自転車置き場をつくるとき、屋外と屋内の2択があります。
利便性を重視したいのであれば屋外、盗難リスクや雨風による自転車の傷みが心配な人は屋内をおすすめします。
屋外だと盗難対策や雨風対策のサイクルポートの設置に費用がかかりますし、屋内だと自転車を置くスペース分だけ建物が大きくなってしまうので、どちらにしても自転車置き場の費用を最初から計算しておくことが大事です。