神棚をどこに設置したらいいのか悩んでいる人向けに、正しい方角や向きなどのポイントを解説します。
設置したら失礼にあたる場所もあるので、作り方や注意点をしっかり理解しておきましょう。
賃貸に住んでいる場合の設置方法についてもまとめているので、アパートやマンションを借りて住んでいる人にも参考となる内容になっています。
神棚の設置場所
神棚には適した場所や方角や向きがあり、作ってはいけない場所もあるため、こうした点を把握しながら神棚を設置するのが大切です。
正しい場所
神棚を設置する正しい位置は、神棚が東から南を向くようにするため、西か北向きの壁に設置します。
その際は、高さは頭よりも高くしましょう。
家の中に設置する場合は、家族の目につきやすいため、家族が揃いやすい居間に設置するのが良いとされています。
家族の目に触れやすい居間に神棚があることで、家族揃って挨拶ができるだけでなく、毎日の手入れや掃除などを子どもが目にするので神棚を大事に扱うようになるでしょう。
作ってはいけない場所
神棚は神様を祀るための場所であるため、トイレや台所、風呂場などの清浄でない場所には設置するのは控えた方がいいです。
また、こうした場所では、神棚や飾っているお札が汚れやすいため避けましょう。
また、神棚の下を頻繁に通る場所への設置も避けた方がいいです。たとえば、出入り口付近や階段の下などがこうした場所に該当します。
さらに2階建ての住宅で、1階に設置する場合、真上の部分が人が通る廊下やトイレになっている場所への設置も適していません。
神棚の設置位置の考え方
神棚を設置するのに適した位置、適さない位置がはっきりしています。そのため、先に設置してはいけない場所を把握し設置する場所を選びます。
その後、設置位置を検討すれば、効率的に神棚の設置場所を決められるでしょう。
神棚の作り方
神棚を作る場合の方法としては、神具セットなどを購入して設置する、自分でDIYにより作成する方法があります。これらの方法を解説していきます
神具セットを購入する
神棚に飾る神具には、以下の画像のものがあります。
神具としては上記の画像にあるように、
- 榊を入れる器
- 米や塩を盛る皿
- 水やお酒を入れる器
- 器などを入れる三宝
- 鏡
- 灯籠
があり、器に関しては安いものは1個数百円で購入できるため、価格の安い神具セットを購入すれば5,000円以下でも全て揃えられるでしょう。
また、鏡や三宝に関しては1,000円台でも購入できる品物があり、灯籠に関しても安ければ2,000円台から購入できるため、1万円程度で全て揃えることもできます。
しかし、高級な神具になると数万円以上の価格になるため、素材などによって価格は大幅に変化します。
また以下のようなモダン的な神棚も、最近では人気となっています。
こちらはインテリアを邪魔しないデザインであるため、お札と部屋を馴染ませることができます。
また、余分な隙間がなくホコリ払いをするだけで手入れが完了するなどデザイン面や機能性が評価されています。
こうした神棚と先に紹介した神具セットを購入すれば、神棚の準備が整います。
自分でDIYする
自分でDIYで神棚を作成する場合の簡単な方法は、自作した棚をビスなどを使用して固定し、そこへお札や神具を祀ることです。
神棚をDIYで作成できるものの棚の強度が低い場合は、神棚が落ちてくる場合があります。また、本格的な社を手作りするのは技術が必要であり、時間もお金もかかります。
神棚を設置する際の注意点
神棚を設置したとしても、必要な道具がなかったり、お札やお供え物の並べ方が間違っているとご利益は得られません。そのため、必要なものや作法などを解説します。
必要なもの
神棚には以下のような部分があります。
- お札をいれるお宮
- お宮を置くための棚板
- 神具(神様を祀るために使用する道具など)
- しめ縄
家庭で神棚を設置する際には、最低限の神具やお札は用意しなければいけません。必要となるお札や神具は以下の通りです。
お札
神棚には3枚のお札を祀ります。お札は、伊勢神宮のお札、氏神様のお札、信仰する神社のお札をそれぞれ1枚ずつ用意します。
榊立(さかきたて)
榊を入れておくための器であり、白陶器、素焼きの土器が一般的に使用されています。榊立ては一対必要です。
瓶子(へいじ)
お酒を供える器で一対で使用し、お供えする場合は蓋を外します。
水玉・水器(すいき)
水を供えるのに必要な器です。一対で使用し、お供えする時は瓶子と同様に蓋を外します。
皿
こめや塩を盛る器で、米用と塩用として2枚必要です。お供えの中心となるのが米の皿です。
最低限これだけは準備しましょう。
お札やお供え物の並べ方
お札や神具が用意できたら、神棚にお札を置き、お供え物を並べます。
お札の置き方には決まりがあり、横に3枚お札をおける神棚の場合、以下のように配置します。
- 真ん中に伊勢神宮のお札
- 向かって左側が信仰する神社のお札
- 向かって右側が氏神様のお札
しかし、神棚の横幅が一枚分しかない場合はお札を以下の順番で重ねます。
- 手前に伊勢神宮のお札
- 2番目に氏神様のお札
- 最後に信仰する神社のお札
間違えないように覚えておきましょう。神具に関しては、以下のようにおきます。
この置き方が基本的な置き方であるため、覚えておきましょう。
処分方法
お札とお供え物の処分する方法について解説します。
神棚に祀って1年間経過したお札は処分するため、ただ捨てるのではなく感謝の気持ちを込めてお焚き上げで処分しましょう。
朝にお供えした瓶子に入ったお酒、水玉に入った水、皿に入った米や塩はその日の夕方に下げます。
御神酒や榊は、毎月1日と15日に交換するのが一般的です。
ただし、毎日米・塩・水などを交換できない場合は、御神酒と榊を交換する時に一緒に交換しましょう。
「雲」の意味と向き
雲は「上に人がいる場合」場合に神棚に設置するものです。
たとえば、自分がマンションやアパートでは自分が1階に住んでいた場合、上の部屋には他の住人が住んでいる場合には雲を設置します。
神棚は神様がいる場所であるため、考え方によっては上に人がいる状態は、人が神よりも上に立つ状態となります。
こうした状況は、神様に対して失礼にあたると考えられました。
そのため、雲も文字が書かれた木の板や紙を神棚の上には貼ることで、「神棚の上に存在しているのは雲だけ、つまり天しかない」という環境を便宜的に作成します。
そうすることで、神様に敬意を表しています。
雲を神棚に貼る際には、神様側(神棚側)から見て、雲の字が正しく読める向きに貼りましょう。
よくある疑問
神棚に関して、よくある質問についてまとめました。
賃貸アパートの場合どうやって設置すればいい?
賃貸アパートの場合には、壁を傷つけてしまう方法では、神棚を設置できません。
壁を傷つけずに神棚を設置するための方法としては、壁美人を使用するやり方とディアウォールを使用するやり方があります。
壁美人はくぎやネジを使用せずに、ホッチキスだけで壁掛けが行えるアイテムです。
ホッチキスだけを使用するため、壁が傷つかず取り外しも簡単に行えるなど、賃貸アパートの神棚設置にはオススメです。
ただし金属製のプレートを使用するため、見えないように工夫しましょう。
また、木材があれば室内に柱を簡単に作れる「ディアウォール」は、壁や天井に穴をあけないため、賃貸アパートの壁に神棚を設置する際に活用できるアイテムです。
脚立が必要ないため、誰でも簡単に施工できるのが特徴です。賃貸アパートに神棚を設置する際には、こうしたアイテムを活用しましょう。
神棚のお参り作法は?
神棚にお参りする際の作法は、以下の順番で行います。
- 身なりや服装を整える
- 手を清めて、口をすすぐ
- 2回お辞儀をする
- 2回拍手(かしわで)を打つ
- 1回お辞儀する
神棚にお参りする場合、このような正しい作法で行うようにしましょう。
神棚の手入れの方法は?
神棚の手入れの方法は、それほど難しくはありません。普段の手入れで使用するのは、ハタキやふきんなどです。
以下のような手順で行います。
- 二礼二拍手一礼:掃除を行うことを神様に伝える
- 神具を机や台の上におろす。(床に直接置くのは失礼にあたるため)
- 掃き掃除:はたきを使って神棚と神具を払う。
- 拭き掃除:ふきんなどで神棚と神具を乾拭きする。
- お札をふく:ふきんなどで乾拭き
- お札や神具を元に位置に戻す
- 二礼二拍手一礼:掃除が終わったことを神様に伝える
まとめ
神様を祀っている神棚は日本人には馴染みの深いものです。神棚のない家でも神具セットなどを購入することで神棚を作ることができます。
神棚を作る際には、方角や向き、場所を考慮する必要があります。神棚を作った後は、必要なものを用意して、お札やお供え物をおき、正しい手順でお参りしましょう。