リフォーム(建て替え)だと住宅ローンはどうなるの?

リフォーム(建て替え)だと住宅ローンはどうなるの?

建て替えやリフォームのローンについて、こんなことを思った事はないでしょうか。

「建て替えなら住宅ローンが使えるが、一棟まるごとリフォームだと住宅ローンになるのか?それともリフォームローンになるのだろうか?」

管理人も不動産関係の仕事を長年やっていますが、一棟まるごとリフォームを請け負った経験はないので、そこは未知の部分でした。

まずはネットで調べてみることにしたのですが、なかなかピンポイントで知りたい情報にヒットしませんでした。ということで、直接リフォーム会社に電話をして聞いてみました。

まず、最初に電話したのが住友不動産の「新築そっくりさん」です。そのときの会話は以下の通りです。


「一棟まるごとリフォームをお願いする場合、住宅ローンが使えますか?それともリフォームローンになってしまうのでしょうか?」

オペレーター
「えっと、申し訳ございません。営業の者に折り返し電話をさせますので、連絡先を教えて頂けますでしょうか」


「いえそれは結構です。ありがとうございました」

これにはびっくりしました。こんな簡単な質問にも回答できないようでは、相談コールセンターの意味がありません。住友不動産の「新築そっくりさん」は、かなり評判も良く、管理人も推薦したいと思っていたのですが、正直がっかりしました。

続いて電話をしたのが、ヤマダ電機グループのSXLリフォームでした。


「一棟まるごとリフォームをお願いする場合、住宅ローンが使えますか?それともリフォームローンになってしまうのでしょうか?」

オペレーター
「すいませんちょっとお待ち頂けますか」

男性営業マン
「基本的に一棟まるごとのような大規模リフォームであっても、やはりリフォームローンをご利用頂くことになります」

やはりこちらもオペレーターでは即答できないみたいで、男性営業マンらしき人が電話に出られました。

結局、たったこれだけのことを聞くのに、20分ほど要してしまいました。そんなに珍しい質問でしょうか。

一棟まるごとリフォームを売りにしている「新築そっくりさん」や「ヤマダのSXL」であれば、お客さんからも当然のように質問される事案だと思うのですが。

とりあえず自分の疑問がすっきり解決したところで、さらに詳しく話をしていきます。

【目次】リフォームだと住宅ローンはどうなるの?
  1. 住宅ローンとリフォームローンの違い
    1. リフォームローンは商品によって全然違う
  2. リフォームでも住宅ローン控除は使えるのか?
  3. リフォームローンのまとめ

住宅ローンとリフォームローンの違い

ここで住宅ローンにこだわったのは、住宅ローンとリフォームローンでは雲泥の差があるからです。今の低金利時代だと、住宅ローンは変動金利で1.0%を下回り、金融機関によっては0.5%を切る商品まであります。

しかしリフォームローンであれば、変動金利にしても住宅ローンより1.0%~2.0%ほど高めに金利設定されている商品がほとんどです。

実際管理人がいつも利用している銀行だと、2017年2月現在の住宅ローン最低金利は0.975%(変動型)ですが、リフォームローンだと2.50%となっています。

この約1.5%の金利差だと、どれくらい月々の返済額や返済総額に違いが出ると思いますか。

きっと予想しているよりもはるかに大きな金額差になることは、計算をしなくてもわかります。あくまでもリフォームなので、借入融資額は1,500万円くらいで考えてみても、相当な金額差になるはずです。

それでは実際に計算していきます。

金利 借入額 返済期間 月々返済額 返済総額
2.50% 1,500万円 15年 10万円 1,800万円
0.98% 1,500万円 15年 8万9,000円 1,613万円
差額 187万円

この試算であれば月々の返済額で約10,000円、返済総額で比較すると約187万円もの差額が発生することがわかります。

187万円あれば、新車が一台買えてしまうほどの額です。

そう考えると、やはり住宅ローンが利用できないのはもったいないです。

でも諦める必要はありません。実は今リフォームブームなので、住宅ローン並みの低金利でリフォームローンを融資してくれる金融機関が増えています。とくにネット系の銀行などは、住宅ローン利用者が急増しており、リフォームローンにもテコ入れしている銀行が増えています。

例えばSBIネット銀行やイオン銀行は、リフォームローンも住宅ローンと同金利での融資を開始しています。

金利の比較をしっかりやって、少しでも低金利のリフォームローンを利用するようにしましょう。ほとんどのリフォーム会社は銀行などと提携しているので、「当社のリフォームローンを使って頂ければ審査に通りやすいです」などと勧めてきます。

ここで金利を聞いて、SBIやイオンと比較しても遜色がないほどなら利用する手段もあります。しかし、あまりにも金利差が大きいようなら、まずは自分で探したところに申し込みをしてみて、それで審査で不可となったら提携ローンでお願いするようにしましょう。

リフォームローンは商品によって全然違う

リフォームローンは、昔からあったローン商品なのですが、ここ5年ほどで一気に利用者が増加している分野でもあります。そのため、ここ最近になってリフォームローンに力を入れる金融機関が増えだしたのも事実です。

嬉しいことなのですが、まだまだ金融機関によって商品内容の差が大きいようなので、住宅ローン以上に慎重に検討しなければなりません。

今後5年もすれば、今の住宅ローンのように各金融機関のリフォームローンが遜色ないようになるのでしょうが、それまでは金融機関によってかなりの差が目立つ商品です。

金利はもちろんですが、他にも現段階でかなり差が出ている部分があります。例えばこれまでのリフォームローンというのは、「限度額500万円以内」「返済期間最長15年」「団信不要」「担保不要」というのが一般的でした。

しかし今のリフォームローンは、「最大5,000万円、返済期間最長35年」というように住宅ローンと同等の貸付条件です。そうなれば当然返済滞納のリスクも増えるので、団信加入や担保を取る商品が増えているのです。

安い金利で住宅ローンなみの条件で借りるか、それとも金利は多少高くてもいいから手続きや準備書類が少ない金融機関で借りるか、という選択をしばらくは利用者が迫られることになりそうです。

リフォームでも住宅ローン控除は使えるのか?

リフォームローンを利用しても「住宅ローン減税」は適用になるのでしょうか。みなさんはどう思いますか。

答えは「Yes」です。リフォームローンであっても、一定の条件を満たしていれば住宅ローン減税の適用となります。

一定の条件には色々とありますが、要点だけまとめると以下のような部分に注意しておきましょう。

  • 借入期間が10年以上
  • 工事費用が100万円以上
  • 耐震リフォーム、バリアフリーリフォーム、省エネリフォームのいずれかが入っている

この3つをクリアしていれば、ほとんど住宅ローン控除の対象となるはずなので大きな問題はありません。まれに金利1.0%以下だと、住宅ローン控除の対象外だと書いているサイトなどをみかけますが、それは勤務先などからの融資に限ってのことです。

普通に銀行で借り入れしていれば、金利が1.0%以下でも住宅ローン控除は適用されるので安心してください。

リフォームローンのまとめ

リフォームローンを利用する場合、安易にリフォーム会社の提携ローンに飛びつかないようにしてください。今のリフォームローンは金融機関によって、サービスや条件に大きな差があります。

高い金利で借りることになるだけではなく、返済期間や借入限度額を制限されてしまう恐れもありますし、土地を担保に取られてしまうこともあります。

各金融機関のリフォームローンをよく比較検討して、まずは自分で直接金融機関に相談してみましょう。どうしても借入先がみつからない場合は、最終的にリフォーム会社の提携しているリフォームローンに頼るのもひとつの手段です。