注文住宅を依頼する際には、ハウスメーカーなどと契約をして家を建てていきますが、実際に家を建ててくれる人は、下請け業者である「職人さん」、「大工さん」です。
そんな時、「腕の良い大工がいるハウスメーカーや工務店にマイホーム作りをお願いしたい」と、ほぼ全ての方が思うことでしょう。
そこで今回は、注文住宅を建ててくれる大工さんや、職人さんを見極める方法などについて解説します。
- 【目次】大工(職人)の見極めチェックポイント
家作りに関わっている大工さんや職人さん
ひとつの戸建て住宅を建てるのに、どれくらいの数の大工さんや職人さんが関わっているか知ってますか?
- 足場を組む業者
- 基礎を打つ業者
- 躯体を組あげる大工さん
- 屋根や外壁の板金職人
- 屋根工事をする瓦職人
- 外壁や内装を手がける左官職人
- 外壁の塗装業者
- 給排水などの水道業者
- 電気工事業者
- クロス貼りなどの内装業者
- 建具職人
- 畳職人
- シロアリ処理業者
ざっと考えただけでも、これだけの大工や職人さんが関わって、ひとつの家を作っています。
これだけの大工や職人さんを、自社で抱えているハウスメーカーや工務店はほとんどありませんので、大半が外注業者に依頼することになります。
大工の腕はどこまで家作りに関係があるのか?
最近では、ほとんどの部材を現場ではなく工場などで大量生産しています。そのため、大工や職人の腕の良し悪しは、昔ほど家づくりに関係しなくなっています。
ハウスメーカーと大工(職人さん)の関係性
セキスイハイムでは、自社のホームページに、「家作りの大半は工場で完成している」という趣旨のことが書かれています。
これは、パネル工法や軽量鉄骨工法などを用いてる住宅会社も、同じだと思います。
最近の、ハウスメーカーなどが建てる戸建て住宅というのは、「大工や職人の腕がなくても均一の品質を提供できる」というコンセプトを目指しています。
悪い言い方をすれば、ハウスメーカーでは、「高い報酬を払ってまで、腕の良い大工や職人を雇う必要がない」、ということになります。
しかし、これはあくまでもハウスメーカーの考え方です。実際に家を建てる人の大半は、「腕の良い大工さんや職人さんに建てて欲しい」と思っています。
大工や職人の腕の良し悪しに左右されやすい「木造軸組工法」で家を建てる人の多くが、そのように思っているでしょう。
良い大工(職人)は小規模住宅会社にいる
これは管理人個人の意見ですが、腕の良い大工や職人を求めるのであれば、
建築事務所 > 地元工務店 > ハウスメーカー > ビルダー系 > 建売住宅
という順になると思っています。
建築事務所や地元の小規模工務店というのは、口コミや評判で仕事を取っているイメージが強くあります。そうなると、大工や職人さんの腕はかなり重要で、その部分のコストをカットすることはしないはずです。
その点、建売や分譲がメインとなるビルダー系の業者は、いかに建築費を抑えて安い住宅を提供できるか、という部分をメインに考えています。そうなると、必然的に単価が安い大工や職人を雇うしかありません。
1つのミスで住宅会社が悪いという判断をしない
腕の良い大工さんを雇っている工務店だとしても、壁紙の貼り方が雑だったら、「○○工務店は仕事が雑」と思う人もいます。その情報によって、住宅会社の評判が拡散されていきます。
ですので、ひとつにのミスがあったからといって、「○○工務店は大工の質が悪い」という判断をするのは、あまりおすすめしません。ネットなどの口コミや評判に関しても同じことが言えます。
このような状況で大事なことは、質の低い仕事が判明したときに、担当者がすぐに対応してくれることが一番大事だと思います。
1つのミスもなく、仕事を完璧にこなしてくれることが理想ではありますが、あれだけの業者、大工、職人が関わっているのですから、どこかで仕事のムラが出てしまうことは仕方ありません。
現場監督と業者の関係も大事
これら全ての業者、大工、職人を取りまとめているのは、ハウスメーカーや工務店の現場監督です。
ですが、大工や職人から下に見られているような現場監督もいます。このような状況の現場は、絶対に良い家は建ちません。
特に大手のハウスメーカーでは、30代前後の若い現場監督も大勢いるので、このような状況になる可能性も高くなると思います。
対策としては、住宅会社の構造見学会などに参加して、現場監督や大工の棟梁たちを見ていれば、だいたい察することができるでしょう。
大工や職人で選びたいのであれば工務店がおすすめ
大工や職人さんの腕にこだわって家を建てたいというのであれば、ハウスメーカーよりも、建築事務所や地元の工務店をおすすめします。
大手のハウスメーカーというのは、家の建築は基本的に地元工務店や専門業者を下請けとして雇っています。
そのため、構造見学会で良い大工や職人さんたちを使っていたからといって、自分の家のときも必ずその大工や職人さんたちが入ってくれるとは限りません。むしろ、その可能性の方が低いと思います。
その点、建築事務所や地元の工務店であれば、腕の良い大工や職人を使っていることが多いので、大工や職人の当たりハズレが発生するリスクを抑えることができるでしょう。
まとめ
建築事務所や地元の工務店によっては、「この前建築した○○邸を建築していた大工さん(職人さん)に依頼してください」と、お願いすることも可能だと思います。
大手ハウスメーカーでは、3社~5社くらいの工務店や業者と契約しており、今の現場が終われば次の現場をお願いするという順番制で、大工や職人が決まっているということもあります。
たくさんの業者が関わる中で、良い業者を探すのは難しいと思うので、まずは契約する住宅会社が「どれだけ信頼(信用)できるか」がとても大事になります。
担当者しっかり見極めて、構造見学会などには積極的に参加し、良い職人や大工に巡り合うための環境を自分で作っていきましょう。