太陽光発電システムの設置を検討し始めたとき、まず調べるのは太陽光発電システムの仕組みだと思います。本当に得をするのだろうか? どんなメリットやデメリットがあるのだろうか?などです。
そして太陽光発電システムを設置することに決めたとき、つぎに知りたくなるのがどのメーカーの太陽光システムが一番得をするのだろうか?ってことではないでしょうか。
発電に優れた太陽光パネルはどのメーカーなのか?
コストパフォーマンスが一番高いのはどのメーカーなのか?
どれくらいの費用が必要なのか?
これは注文住宅を建てるときのハウスメーカー選びと似ています。やっと建築をお願いするハウスメーカー選びが終わったのに、また太陽光システムでも同じようにメーカー選びから始めなければならないのか?と頭を悩ませることだと思います。
しかしここで手を抜いてしまうと、手抜き住宅や欠陥住宅を掴まされるのと同じで、とても大きな損害を負ってしまう可能性があります。
最後にもうひと踏ん張りして、ベストな太陽光システムを選んでいきましょう。そのお手伝いをさせて頂けるように、お役に立てるような内容をお伝えしていければと思います。
- 【目次】太陽光パネルの発電量と各メーカーの特徴
太陽光システムって何を比較検討すればいいの?
太陽光システムを比較して選んでいくといっても、実際なにをどう比較すればいいのだろう?と悩む人も多いでしょう。
太陽光システムを選ぶ際の比較内容としては、一般的に以下のような項目があります。
- メーカー
- 発電能力
- 変換効率
- 価格コスト
- 保証内容
以上の5項目を基準に、どのメーカーの太陽光システムを設置するか決めていきます。
これは後ほど詳しく解説しますが、わたしたちが選ぶことができる太陽光システムのメーカーは、国内メーカー、海外メーカー含めると、管理人が知るだけでも25社以上もります。
さすがに25社すべての太陽光システムを比較検討するのは、ちょっと難しいというのであれば、逆に信頼できる施行業者を最初にきめ、その業者におすすめのメーカーを3社から5社ほど提案してもらう、という方法もあります。
メーカーで比較
まずは太陽光発電システムを扱うメーカーを知ることから始めましょう。大きく分類すると、国内メーカーと海外メーカーに分けることができます。
【国内メーカー】
- パナソニック
- 東芝
- 京セラ
- シャープ
- 三菱電機
- ソーラーフロンティア
- 長州産業
- ノーリツ
- リクシル
- ソラキューブ
- カネカ
【海外メーカー】
- カナディアンソーラー
- サンパワー
- サンテックパワー
- キングダムソーラー
- トリナソーラー
- ファーストソーラー
- インリーソーラー
- ハンファQセルズ
- アップソーラー
- ソーラーワールド
- JAソーラー
- RECソーラー
- ジンコソーラー
- レネソーラー
さすがにこの26社すべての特徴を紹介するのは無理なので、管理人の独断で選抜した数社だけ、簡単に特徴を紹介していこうと思います。
パナソニック
パナソニックといえば、日本国内では大手家電メーカーです。知名度、ブランド力ともに申し分ないと思います。
また太陽光システムへの歴史は以外に浅く、もともと太陽光システムにチカラを入れていた三洋電機を吸収し、子会社化したことを機に2010年に太陽光事業へと参入してきました。
最大の特徴は、無償保証期間が他のメーカーと比べて長期だという点です。信頼できる大社なので、しっかりと保証してくれるイメージがあり、その期間が他社よりも長いというだけでも、かなりのメリットだと思います。
管理人の見解としては、パネル単価は平均、変換効率はやや高めという印象です。
東芝
こちらも言わずと知れた大手家電メーカーです。そしてパナソニックと同じように、東芝が太陽光事業に参戦したのも2010年からとなります。
まだまだ太陽光事業としては歴史が浅い会社ですが、それでもやはり世界でも知名度がある家電ブランドだけあり、すでに太陽光事業でも世界トップレベルの性能をもつ商品を数多く展開しています。
その代表となるのが、世界一とも言われる変換効率が高い太陽光システムです。
わずか7年で、世界の太陽光事業をリードするまでになるとは、さすが東芝です。と言いたいところなのですが、実は東芝は自社で太陽光パネルの開発はおこなっておらず、アメリカの大手サンパワー社と業務提携してるというのが実態です。
一時期は同じサンパワー社のパネルをシャープも提携し、東芝の躍進のきっかけともなった長期保証もパナソニックの長期保証に押される形でしたが、シャープが海外企業に買収されたことで、サンパワー社との提携中止となり、2017年現在は東芝が再度攻勢をかけている状態です。
管理人の見解としては、パネル単価は高め、変換効率は相当高いという印象です。
京セラ
日本国内において太陽光発電システムを一番最初に販売したのが京セラです。そして今でも国内の太陽光事業を牽引している、優良メーカーです。
とくに京セラが優れていると注目されているのが、長期間継続して高い発電力を維持できる太陽光パネルの性能です。
また島国でもある日本に欠かせない「塩害」に対する問題にも早くから取り組み、塩水噴霧試験にも合格しているので、そういった実績などを加味しても、信頼度が高いメーカーであると思います。
最近の新築住宅は、太陽光パネルを載せるため、広い設置面積が確保できる片流れ屋根が目立ちますが、昔の木造住宅は複雑な屋根形状の家も多く、太陽光パネルを設置したくても、そのスペースがない家は少なくありません。
しかし京セラの太陽光パネルは、あらゆる種類のものを販売しているため、わずかな設置スペースにも効率よく太陽光パネルを載せることができます。
そして京セラといえば、やはり自然災害保証が注目を集めています。どの販売店から購入しても、しっかりと保証してくれるので、安心という面では抜けた存在であることは間違いありません。
管理人の見解としては、パネル単価はやや高め、変換効率はやや低いという印象です。
シャープ
日本国内では圧倒的なシェアを誇り、他の追随を許しません。それどころか全世界に目をむけても、世界で設置されている太陽光システムの2割がシャープ製だと言われるほどです。
京セラ同様、国内の太陽光事業をリードしてきたパイオニアだといえます。ちなみに国内の太陽光システムの約3割のシェアを誇ります。
シャープの強みは、多種多様な太陽光パネルを取り扱っていることです。世界でもトップクラスの変換効率をもつパネルから、低価格にも対応できるクラスのものまで、シャープ1社であらゆる太陽光パネルに対応することができてしまいます。
そして管理人が一番注目しているのが、アフターフォローの面です。シャープは唯一本気でアフターフォローに取り組んでいる企業だと言われるほど、万全のアフターフォローシステムを確立しています。
ここではあまり詳しくは触れませんが、簡単にいうと専門の機関がWEBで毎日発電量を監視してくれています。そして近隣と比較して、発電量が落ちている場合はすぐに連絡があり、その原因の究明をやってくれるのです。
この1つだけみても、シャープが国内で3割のシェアを誇っている理由がわかります。ただ1つ問題なのが、太陽光パネルの種類が多すぎるため、悪い業者に騙されやすいという点です。
「国内でトップクラスの東芝と同等の商品です!」と言われながら、実際に設置されたのは、性能が低い安価な太陽光パネルだったなんてことも、よく耳にすることがあります。
管理人の見解としては、シャープのブラックソーラーに関してだと、パネル単価はやや高め、変換効率は相当高いという印象です。
三菱電機
数少ない国内のみで太陽光パネルの生産を続けているメーカーだけあり、やっぱり日本の国内生産された製品が良いという方には、まさにぴったりのメーカーだと思います。
極めて厳しい環境下にある人工衛星などにも太陽光システムを提供しており、その信頼性は疑う余地がありません。
他の各社が高い発電能力のパネル開発に目を向けている間も、三菱電機はトータルバランスの良い製品開発に目を向け続けてきました。
どんなに高い発電能力を持つパネルを開発できても、それを家庭用電気に変換する能力が劣っていれば意味がありません。
ですので三菱電機が目指すところは、高い発電量と、それをうまく活用するための高い変換効率を持つパワーコンディショナーの開発です。
その堅実性が認められ、学校や病院など、多くの施設に三菱電気の太陽光システムが採用されています。
管理人の見解としては、パネル単価は平均、変換効率は高いという印象です。
ソーラーフロンティア
一時期はテレビCMで見ない日はないというほど、大々的な宣伝活動をやってましたので、知ってる人も多いのではないでしょうか。
そのときと比べれば、あまりテレビCMなどで見かけることは少なくなりましたが、今ではしっかりと太陽光システムの主要メーカーとして定着しています。
今でこそ黒を基調とした太陽光パネルを見ることも増えましたが、当時は本当に斬新でした。
ソーラーフロンティは、他のシリコン系太陽光パネルと違い、化合物系と言われるCIS太陽光パネルを採用しています。
そのため業界屈指ともいえる発電量が期待できます。ただ高い発電量に比べ、あまり変換効率が高くないのが致命的です。
そのためやや広めの設置スペースが必要と言われており、変換効率ナンバー1と言われる東芝と比較するなら、なんと1.5倍ほどの設置面積が必要なのです。
この部分が改善できれば、今後爆発的に延びる可能性は十分にあると思います。
管理人の見解としては、パネル単価は安く、変換効率は低いという印象です。
長州産業
全国的にみると知名度こそ劣りますが、西日本ではかなりの設置実績がある企業です。
以前は三洋電機からOMCを受けていましたが、現在は自社で開発から製造までを手がけるまでに成長しています。
どうしても東芝のブランド力と宣伝力に負けてしまうので、あまり注目されていませんが、国内においては東芝と同等の発電量を誇る太陽光パネルも開発しており、隠れた実力社だとも言われています。
ただどうしても高い発電力を確保するため、太陽光パネルも大きくなりがちで、限られて設置スペースしかない家には不向きだと言われています。
他にもパナソニックからOMCを受けている製品などもあるのですが、それだったらわざわざ長州産業のやつを買わなくても、パナソニック製品を買えば良いだけの話しです。
管理人の見解としては、パネル単価は平均、変換効率は低いという印象です。
カナディアンパワー
世界トップ3のシェアを誇るメーカーです。いち早く日本の太陽光市場にも参入しており、海外企業のパイオニア的存在です。
本社はその名のとおりカナダにあります。カナダといえば言わずと知れた豪雪地域です。
そのなかにおいて高い発電力が確保できる太陽光パネルの開発に目を向けており、積雪に対して高い発電量と設置時の強度には自信を持ってます。
また設置コストでも、業界一と言われるほど低コストを実現しており、もっと注目されても良さそうなのですが、じつは生産拠点の多くは中国国内にあり、ほぼ中国メーカーといっても過言ではありません。
日本には中国産の商品を嫌う人も多いので、そこが妥協できるかがカギとなりそうです。
管理人の見解としては、パネル単価は安く、変換効率は平均という印象です。
管理人の独断で、国内、海外の8つのメーカーを簡単に紹介してきました。ただここで紹介した内容は、ほんの一部です。
紹介しきれなかった部分も多いので、気になるメーカーがあれば直接各社のHPにて確認して頂ければと思います。
発電量で比較
太陽光システムを比較するときの1つに、発電量があります。発電量は、実際にどれくらいの電力を生み出すことができるかという能力のことです。いわば太陽光システム選びにおいて、もっとも重要となる項目だともいえます。
1位:ソーラーフロンティア
推定年間発電量=1283.2kw 最大出力w=175w
発電能力が高い太陽電池CISを採用しているだけあり、さすがの発電量です。これで変換効率が高ければ何も言うことはないのですが、これだけ発電能力高いと逆に変換効率の問題が気になってしまいます。
2位:東芝
推定年間発電量=1253.8kw 最大出力w=253w
世界的メーカーのサンパワー社のパネルを採用してるだけあり、さすがの発電量です。パネルの種類も豊富なので、設置スペースが少ない屋根だと、さらに高い発電能力の恩恵を実感できると思います。
3位:パナソニック
推定年間発電量=1204.4kw 最大出力w=247w
最大のライバルである東芝には及びませんが、それでも三洋電機から脈々と受け継がれてきた、高性能ハイブリッドパネルHITの存在感は十分に示すことが出来ていると思います。
変換効率で比較
発電量と同じくらい重要視されるのが、この変換効率です。メーカーなどによっては発電効率とも言います。
この変換効率とは、太陽光パネルに照射した光エネルギーを、家庭用の電力に変換するための能力値だと思ってください。
単純に発電量が多いパネルで、変換効率の高いものを選ぶというのがベストの選択肢になります。
1位:東芝
変換効率=20.1%
今回はあくまでも一般的なサイズでの比較なので、20.1%としてるが標準よりもひとまわり大きい太陽光パネルであれば、最大出力345w、変換効率21.2%という脅威の数字を叩きだしている。
2位:パナソニック
変換効率=19.5%
東芝の変換効率があまりにも良すぎるので、どうしてもそっちに注目がいってしまいがちですが、パナソニックの19.5%という数字も他のメーカーと比較すれば、かなり優秀な数字なのは間違いありません。
3:シャープ
変換効率=19.1%
太陽光事業にはあとから参入してきた東芝とパナソニックには上位を独占されてしまいましたが、なんとか老舗のシャープが意地をみせての3位です。
価格で比較
太陽光発電システムの価格は、kw単位で比較されることが多いので、今回も1kwあたりの単価ということで、各社比較しています。
どうしても新築時は、土地購入や建築費と大金を使ってますので、やはりどうしても価格に重点を置いて太陽光システムを選ばれる人も珍しくありません。
1位:カナディアンソーラー
Kw単価=27.8万円
某掲示板の口コミなどをみてると、1つ型遅れかもしれませんがkwあたり20.0万円を切ってる見積書を見掛けることもあるので、時期や交渉次第では相当安く設置できる可能性があります。
2位:ソーラーフロンティア
Kw単価=29.0万円
1位のカナディアンソーラーは、どういっても海外メーカーです。どうしても国内メーカーにこだわりたいという人も多いので、そういう人にとっては、こちらのソーラーフロンティアがおすすめです。
3位:パナソニック
Kw単価=29.8万円
ブランド力を考えれば、すごく健闘してる部類だと思います。東芝やシャープをおさえて、この価格で設置できるのであれば、やはり知名度が高いパナソニックを選ぶ人も多いでしょう。
コストパフォーマンスで比較
発電量や変換効率がいかに高くても、設置コストが高ければ意味がありません。
やはり最終的な判断となるのは、より性能が高い太陽光システムを、いかに低コストで設置できるかという点です。
1位:パナソニック
本当に僅差ですが、能力と価格を総合的に判断するなら、管理人はパナソニックの方が上かなと思いました。
パナソニックというブランド力、そして三洋電機時代からの太陽光発電のノウハウをしっかりと継承しているあたりが好感が持てます。
2位:東芝
本当に僅差ですが、価格面で少しだけパナソニックに劣ってしまったという感じです。
もし交渉次第で、パナソニックと同額程度までコストを落とすことができれば、当然東芝の方が上にきます。
3位:ソーラーフロンティア
どうしても変換効率の悪さが気になってしまい、この順位にしましたが、総合的な面では上位2社にも十分太刀打ちできると思ってます。
上位2社に比べたら知名度は低いですが、太陽光発電事業ではこちらのほうが経験も実績も間違いなく上です。
保証内容で比較
やはり最後は保証内容で比較しなければなりません。どんなに優れた製品だろうが必ず故障はします。
そしてどんなに低コストで設置できても、アフターメンテや保証に満足できなければ、絶対に満足のいく買い物だと思うことはできません。
設置内容によっては20年という長期売電契約を結ぶのですから、やはり最低でもその期間はしっかり保証してくれる会社を選びたいものです。
1位:京セラ
出力保証=20年 機器・自然災害保証=15年
出力保証は20年ですが、やはり他社にはない自然災害保証を15年つけているところを、大きく評価しての1位にしました。
2位:長州産業
出力保証=25年 機器保証=15年 施行保証=10年
こちらも同じく他社では見られない施行保証を10年つけているところで2位としました。自然災害よりも施行トラブルが怖いという方には、ぜひおすすめの保証内容だと思います。
3位:東芝、パナソニック
出力保証=25年 機器保証15年
3位はライバルの東芝とパナソニックが同一保証だったので、2社を同じ3位にしました。2社ともに高い発電量を確保してるだけでなく、それをしっかりと出力保証しているところが評価できます。
信頼できる施行業者を最初に決める
ここまであらゆる項目で各社を比較してきましたが、どうしても1社に絞ることができないといのであれば、逆に最初に施行業者を決めてしまうという手もあります。
一括見積りサイトなどを利用し、なるべく多くの業者から見積りを取り寄せ、その中から信頼できると思う業者を最初に決めます。
信頼できる業者がみつかれば、あとはその業者におすすめの太陽光発電メーカーを3社ほど提案してもらえばいいのです。
こちらが何を重視したいのか伝えておけば、きっとベストな太陽光メーカーを提案してくれるはずです。
それに太陽光発電システムというのは、かなり価格競争が激しい分野でもあり、交渉次第では大幅な値引きが実現することも珍しくありません。
そういった点を踏まえると、インターネットの一括見積りサイトはまさに理想の形だと思います。
各業者ともに、他の業者からも見積りが出てくることはわかっているので、最初から頑張った価格を提示してくれますし、なにより値引き交渉するのに理由をつけやすいです。
1kwあたり10万円ほどの値引きに成功することもあるようなので、太陽光発電システムを設置するときはダメもとで値引き交渉することを、強くおすすめしておきます。