注文住宅の家づくりポイントは、大きくわけて「ハード」と、「ソフト」の2つに分けて考えることが大事です。
ハードとソフトとは、ゲーム機で例えるなら、ゲーム機本体が「ハード」、ゲームソフトが「ソフト」ということになります。ハード部分は絶対に必要不可欠で、ソフト部分は施主の好みによって選ぶことができるという点が、ゲーム機と同じだと考えることができます。
注文住宅のハードにあたる部分というのは、以下の4つです。
- 家族みんなが健康に住める家=健康住宅
- 家族みんなが安全に住める家=耐震性能や防火性能
- 家族みんなが快適に住める家=高気密・高断熱
- 長く住める家=アフター保証やメンテナンス
この4つは、注文住宅には欠かせない絶対条件となります。1つでも欠けている場合は、そのハウスメーカーで家を建てることはおすすめしません。
ここからが本題で、注文住宅の家づくりを成功させる秘訣は「ソフト面」にあります。以下から、ソフト面にあたる5つの秘訣を解説していきたいと思います。
- 【目次】注文住宅づくりを成功させる5つの法則
注文住宅づくりを成功させる5つの秘訣
ソフト面に該当するのがこれから解説する5つのポイントです。
- タイミング
- 資金計画
- 土地選び
- 間取りへのこだわり
- 業者選び
上記5つのポイントに注意して家づくりを進めることができれば、きっと満足のいく家づくりができると思います。
家づくりのタイミング
まずは家づくりを始めるタイミングです。家づくりのタイミングは、簡単なようで意外と難しいので、慎重に検討する必要があります。
注文住宅というのは、相談から完成までおおよそ10ヶ月という長い期間をかけて建てていきます。建てている期間には、台風が来てしまったり、梅雨時期にあたり工事が予定通り進まないということもあります。
当初の予定では、子供が小学校に進学する前の3月完成を目指していたはずなのに、工期が遅れて新学期に間に合わなかったという話も良く聞きます。
最悪のケースだと、引渡しが遅れてしまったことで、住宅ローン減税や住宅エコポイントの申込期限を過ぎてしまった、というケースもあります。
また、家づくりそのもののタイミングを掴めずにいる人もいます。一番理想のタイミングと言われるのが、子供が小学校に進学するタイミングに合わせてだと言われています。
このタイミングを逃してしまうと、子供の習いごとなどで出費が増えていき、ますます注文住宅を建てるタイミングを逃してしまう可能性が高くなります。
子供が中学や高校へ進学するタイミングに合わせてマイホームを購入する人もいますが、そうなると、子供がその家で生活する期間はわずか2年とか3年だけになってしまう場合もあります。
子供が高校を卒業して、進学や就職のために家を出ることになったら、わずか2年とか3年使っただけで、2階の部屋を全然使用しなくなることもあります。
ですので、将来的に戸建て住宅を購入する考えがあるのでしたら、少し無理してで、もなるべく早い時期に建てることをおすすめします。
住宅ローンのタイミングも重要
タイミングと言えばもう1つあります。それは住宅ローン金利を考えたタイミングです。
2017年4月現在、かなりの低金利で住宅ローン融資を受けることができます。信じられないかもしれませんが、管理人が住宅ローンを組んだタイミングでは、金利が6%~7%の時代でした。それに比べて今は住宅ローン金利は1%ほどです。
金利が1%違えば、3,000万円の35年借入だと、支払い総額が約600万円も違ってきます。
600万円となると、坪単価60万円の家だと、あと10坪大きな家を建てることができた計算になります。
「頭金が1割貯まるまで」、「坪単価が5万円安いハウスメーカーを探すまで」と考えているよりも、金利が低いうちに住宅ローンを組んで家を買うことが、何よりも節約効果があるということは覚えておきましょう。
資金計画
上記項目でも触れていますが、とにかく低い金利で住宅ローンを借りることが、何よりも節約効果があります。ですが、だからといって自分たちの返済能力をオーバーしてしまうような資金計画を立ててはいけません。
よく言われる言葉ですが、住宅ローンは「いくらまで借りれる」ではなく、「月々これくらいの金額だったら無理なく返済できる」で考えることが大事です。無理して限度額いっぱいを借りても、それを月々返済できなければ意味がありません。
特にマイホーム購入後は、住宅ローン控除などの恩恵を受けることができるため、まとまった現金を手にしやすく、それらの還付金でマイカーを買い替えるなど、高額な買い物をする人が目立ちます。
月々数万円の返済ですが、数千万円という借金をしていることを忘れてはなりません。住宅ローン減税などは、できる限り住宅ローンの繰上返済に充てるようにし、高額な買い物は避けることをおすすめします。
住宅ローンが払えなくなると、最終的にマイホームを手放すことにもなりかねません。最悪のパターンでは、それが原因で家族が不仲になり、離婚に至るケースもりますので、「家」と「家族」の両方を失う可能性があることは、肝に銘じておくようにしましょう。
土地探し
間取りや設備で失敗しても、リフォームすることで理想の家に近づけることはできます。しかし、土地選びを間違えてしまったら、建物のようにリフォームすることは出来ませんので、ずっと後悔しながら住み続けることになります。
不動産会社とハウスメーカーの両方に勤務していたからわかることなのですが、理想の土地に出会える人はほんのひと握りです。そして、その理想の土地に出会えたひと握りの人たちというのは、諦めずに根気強く土地を探し続けた人たちがほとんどです。
多くの人は、土地探しをどこかで妥協してしまいます。妥協して購入した土地の地盤が軟弱で、地盤改良が必要になり高額な費用がかかったとしたら、きっと「やっぱり土地探しを妥協しなければ良かった」と思うはずです。
でも、土地探しを妥協したのと、地盤が軟弱だったのは無関係です。このようにすべてのマイナスを、「土地探しを妥協してしまったせい」にしてしまうことになり、きっとその土地を好きになることはないでしょう。
管理人が担当したお客さんで、このような人もいました。
「子供が学校でイジメられているのは、あの土地を買ったことで学区が変わってしまったからだ。こんなことなら土地探しを妥協しなければ良かった」
施主には悪いですが、土地探しを諦めたことと直接的な関係はありません。このように、すべてを土地のせいにしてしまいがちです。
土地探しは、不動産会社のHPをチェックしているだけでは、理想の土地には出会えません。より多くの不動産会社やハウスメーカーに土地探しの協力をしてもらうことが大事です。土地探しの一括依頼サイトなど、あらゆる手段を使って土地探しをすることをおすすめします。
間取りへのこだわり
注文住宅で一番後悔する人が多い部分が「間取り」だと言われています。
間取りを失敗するとずっと住みづらい家で暮らすことになります。費用をかければリフォームして修正できるといっても、購入したばかりなのにリフォームでお金を使いたくないと思う人が大半でしょう。
間取りを決めるとき、管理人がお客さんに言っていたことは、「狭い場所こそ慎重になりましょう」です。収納やトイレなど、空間が狭いところこそ失敗が起こりやすい場所です。
子供がいる家庭では、ほぼ夫婦だけで間取りを決めてしまうケースが多いのですが、間取りを決めるときは、家族みんなの意見を必ず聞きましょう。
子供はまだ中学生や小学生だから参考にならないと思うかもしれませんが、家族みんなでしっかり話しあって希望を聞くことがとても大事です。
業者選び
注文住宅づくりを成功させるために大事なのは、やはり業者選びになります。
知名度、工法、アフター保証、価格、会社の規模、営業マンの人柄など、トータルで見て判断していきます。
ですが、100点満点のハウスメーカーや工務店はないと思ってください。どこか妥協しなければならない部分がほぼ確実に出てきますので、そのときに取捨選択できるよう、あらかじめ何を優先したいのか順位付けしておくことが大切です。
大手ハウスメーカーだけでも10社以上あり、地元の工務店まで含めると、候補となる業者の数はかなり膨大になります。そんな中から理想に合う業者を選ばなければならないのですから、どうしても一筋縄ではいきません。
本来なら、すべての業者から話しを聞いて決めたいところですが、それだけの時間を確保することは難しいので、まず初めは、ネットの一括資料請求サイトなどを利用して、候補となる業者を絞るのが効率的です。
一括資料請求サイトに登録されている業者は、大手ハウスメーカーや、人気が高い地元密着の工務店もあります。1度の依頼で、こちらの希望している条件にあった数社から、資料を取り寄せできるので時間の節約になります。
さらにこれらのサイトに登録してある業者というのは、サイト運営側の厳しい審査に通過した優良業者だけなので、その時点で悪徳業者は必然的に排除されますし、迷惑な訪問営業などで嫌な思いをすることもありません。
まとめ
マイホームを注文住宅で建てる人は、多くの人が人生で一番高額な買い物になるのではないでしょうか。
人生で一度限りの買い物の方も多いので、絶対に失敗したくないと思っているはずです。そのため、時間をたくさんかけてマイホーム建設をしていくと思いますが、文中でも書いているように、マイホーム購入はタイミングも大事です。
節約のカギを握っている住宅ローンのことで言えば、慎重になりすぎたばかりに、低金利の波に乗り遅れてしまうなんてこともあります。
「思い立ったが吉日」ではありませんが、ある程度の勢いも大事だと思います。
考えすぎて頭がいっぱいになるのは、失敗の原因にもあなります。ですので、あまり細かなところまで神経質になりすぎず、今回紹介した5つのポイントをしっかり押さえれば、きっと満足できる家づくりを達成することができるはずです。
最後に、おさらいになりますが、注文住宅づくりでは以下の4つのポイントは必須です。
- 家族みんなが健康に住める家=健康住宅
- 家族みんなが安全に住める家=耐震性能や防火性能
- 家族みんなが快適に住める家=高気密・高断熱
- 長く住める家=アフター保証やメンテナンス
失敗しない家づくりのポイントは以下の5つです。
- タイミング
- 資金計画
- 土地選び
- 業者選び
- 間取りへのこだわり
これらのポイントを念頭に置いて、じっくり考えて、落ち着いて判断し、理想の注文住宅づくりを進めていきましょう。