外観や内装がおしゃれで人気の輸入住宅を検討している人向けに、人気ハウスメーカーの間取りと価格相場について解説します。
輸入住宅の坪単価は30~100万円とかなり幅が広く、こだわればこだわるほど価格が上がります。
価格を抑えるためにはなるべく多くの業者のプランや見積もりを比較して、契約するハウスメーカーを決めるのがポイントなので、特徴を比べながらチェックしてもらえばと思います。
輸入住宅を扱うハウスメーカー
同じ輸入住宅でも、レンガ造りのヨーロッパ様式、大きな屋根が特徴の北米アメリカン様式など、家の性能や外観もまったく違ってきます。
ですので、まずは自分たちが希望している輸入住宅のスタイルを明確に決めて、依頼する業者を選ぶのがポイントになります。
ここからは輸入住宅を販売・建築している人気のハウスメーカーについて、特徴などをまとめていきますので、業者選びの参考にしてください。
もし業者選びで悩むようであれば、輸入住宅が得意な業者のカタログを取り寄せて、どんな家がいいのか家族で相談してみてください。
スウェーデンハウス
スウェーデンハウスは輸入住宅を扱う大手ハウスメーカーで、2015年から5年連続でオリコンのお客様満足度1位に選ばれています。
会社名のとおり、北欧スウェーデンの住宅がコンセプトになっています。
寒冷国でもあるので、高気密・高断熱住宅の技術は日本よりも進んでおり、3世代に渡り住み継いでいく家づくりが特徴です。
日本のように1世代だけで消費させる住宅とは家づくりの考え方が違います。
スウェーデン住宅
出典:https://www.swedenhouse.co.jp/voice/type/model_house/hills_01.html
大手ハウスメーカーの通常の住宅と比較しても建築費の高いですが、木製のトリプルサッシを標準採用するなど価格に見合う高性能輸入住宅になっています。
他の輸入住宅メーカーのように、欧州スタイルや北米スタイルなどの住宅商品を多数販売するわけでなく、スウェーデンの住宅にこだわっています。
外観がログハウスっぽくなるので好みに合わない人は、日本の住宅に似せた外観でお願いすることもできます。
セルコホーム
セルコホームはカナダの輸入住宅を専門的に販売している住宅メーカーで、主な工法は木造の2×4や2×6となります。
カナダは基本的に温暖な気候なのですが広い国土のため寒冷地も多く、寒暖差の激しい国になります。
そのため昔から寒さに強い住宅の開発には積極的で、高気密・高断熱住宅の技術は日本より進んでいると言えます。
寒さに強いカナダ住宅の家づくりを行っているのが、フランチャイズ制を導入しているセルコホームです。
各地域にあるセルコホームの住宅会社は直営ではなく、フランチャイズ契約している地元工務店であることを理解しておきましょう。
ザ・ホーム
出典:https://selcohome.jp/offices/kyushu/kagoshima/362/
セルコホームの住宅商品は、ワングレード制「ザ・ホーム」がメイン商品となっています。
ワングレードとは基本的な住宅の性能は同じで、躯体や外観デザイン内装インテリアなどを自分好みのタイプでセレクトしていくシステムです。
より地震に強い住宅を希望するのであれば構造躯体を強化し、より高気密・高断熱住宅にしたいのであれば窓サッシにこだわるという感じになります。
間取りも自由に決めることができますが、木質枠組の2×4や2×6工法なので、同じ木造である日本古来の木造軸組工法と比較すると、間取りの自由度という面ではやや劣ります。
フロンヴィルホーム千葉
千葉県に本社を置くフロンヴィルホーム。スウェーデンハウスやセルコホームに比べ知名度は低いのですが、輸入住宅で高い評価を受けている住宅メーカーです。
外観と内装のどちらも「これぞ輸入住宅」というように大変こだわりが強く、まるで外国の迎賓館のような豪華なつくりの輸入住宅を得意としています。
モンパラディス
出典:https://www.fronville.co.jp/mhmonpara.html
画像を見てわかるようにかなり高級志向が強い外観や内装に、こだわりを持っていることが見てとれます。
そのため建築費も割高で、平均坪単価は80万円~となっており100万円を超えることも珍しくないようです。
フロンヴィルホーム千葉のモデルハウスを見学し、その外観や内装に一目惚れする人も多いようですが、建築費の問題で諦めたという書き込みを良く目にします。
本格的な輸入住宅を希望しており、資金的にも余裕があるのであれば、ぜひ候補に入れて欲しい輸入住宅のハウスメーカーの1つです。
三井ホーム
三井ホームといえば国内でもトップクラスのハウスメーカーで、かなり高級志向が高い住宅会社というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
顧客はお医者さんや芸能人などの富裕層が多いのは事実ですが、近年は価格を抑えた規格型住宅の販売にも力を入れています。
三井ホームの住宅商品は「注文住宅」「規格型住宅」「輸入住宅」の3つに分けることができ、国内の一般住宅と輸入住宅を比較検討している人におすすめのハウスメーカーです。
スパニッシュ
出典:https://www.mitsuihome.co.jp/home/product/spanish/plan/
輸入住宅として三井ホームを取り上げる書籍やサイトが多いため今回当サイトでも紹介しましたが、厳密にいえば三井ホームはスウェーデンハウスやセルコホームのように海外から住宅資材を輸入しているわけではありません。
あくまでも輸入住宅テイストにこだわった家づくりをしている住宅会社と考えるのが良いと思います。
実際に三井ホームの公式サイトを拝見しても、どこにも輸入住宅という文字は掲載されていません。
その他の輸入住宅会社
今回は輸入住宅の中でも知名度が高い4社をピックアップして紹介しましたが、輸入住宅を扱う業者は多くないので、その他の会社もピックアップしておきます。
中にはエリアを限定して営業活動をしている住宅会社もあるので、各社の公式サイトなどで確認して頂ければと思います。
ローコスト系の輸入住宅メーカー
メーカー名 | 特徴 |
---|---|
アーデンホーム | 輸入住宅では中堅の住宅メーカーで小屋裏のある間取りが得意 |
インディアホーム | 世界各国の輸入住宅を扱うローコスト系の住宅メーカー |
ブルースホーム | デザイン性と耐火性にこだわった輸入住宅 |
ロビンスジャパン | 関東エリア限定だがローコストの輸入住宅として知名度が高い |
輸入住宅メーカー
メーカー名 | 特徴 |
---|---|
一条工務店 | 高気密高断熱の大手ハウスメーカーが手がける輸入住宅 |
メープルホームズ | 自然素材にこだわった輸入住宅 |
アップルヤードデザイン | デザイン、自社施工、監理までの一貫体制が売り |
スキャンDホーム | 北欧の家にこだわった輸入住宅会社 |
ユーロJスペース | 年間30棟限定でわかるように1邸ごと丁寧な家づくりが好評 |
ここまで輸入住宅を扱うハウスメーカーなどを紹介してきましたが、中にはどこが自分たちにあっているのか分からない人もいるかと思います。
建設予定地が決まっていたり、このあたりに建てたいという希望があるなら、その地域で輸入住宅に対応している業者を探すところから始めてみてください。
探す際は、都道府県別に輸入住宅が得意な業者のカタログが取り寄せできる便利な請求サイトを活用すると、効率的に見つかると思います。
輸入住宅の特徴
ここからは輸入住宅に関する疑問や、建てる前に知っておきたい基礎知識について簡単に説明していきたいと思います。
輸入住宅の価格相場
一般的な日本式の住宅に比べると輸入住宅の価格は高くなります。理由は建材などを諸外国から輸入することになるので、運搬費用などが建築費に付加されてしまうからです。
ただし、すべての輸入住宅が高額という訳ではありません。
国内のローコスト住宅と同様に大量一括仕入れなどによって、建築コストを抑えている輸入住宅会社もあります。
国内の住宅会社でも同じですが、建築資材や内装をどこまでこだわるのか?によって建築費は大きく異なるので、坪単価30万円台~100万円とかなり幅が出てきます。
輸入住宅と洋風住宅の違い
三井ホームを紹介した時に少し触れましたが、輸入住宅という明確な定義が決まっていません。
そのためすべての輸入住宅が海外から建築資材などを取り寄せて家を建てている訳ではありませんので、誤解しないよう注意してください。
スウェーデンハウスやセルコホームは、実際にスウェーデンやカナダで伐採・加工された木材で家を建てているのですが、国産の木材を使用して外観や内装だけを輸入住宅っぽく作っている業者もあります。
よく見かけるのが「スパニッシュ風」や「プロバレンス風」のように、輸入住宅っぽく見せた「○○風」というスタイルの家です。
輸入住宅のメリットデメリット
輸入住宅は特徴的なデザインの家が多く、その外観や内装に一目惚れして購入を決めてしまう人も少なくありません。
しかし、デザイン面にばかり気を取られず、輸入住宅のメリットやデメリットもしっかりと把握したうえで検討するようにしましょう。
メリット
- 個性的なデザイン
- 長持ちする家
- 高気密・高断熱
- 地震に強い
個性的なデザイン
輸入住宅で最初に目をひくのが、カッコよくもあり、可愛くもある特徴的なデザインです。
一概に輸入住宅といってもスタイルはさまざまですが、大きく分類すると「アメリカスタイル」と「ヨーロピアンスタイル」の2つです。
この2つだけでもデザインはまったく異なりますが、さらに北米スタイルや西海岸スタイルなど細かくわけることができ、さまざまなデザインの住宅を選んで建てることができます。
日本の住宅は同じようなデザインの家が一箇所に集中しがちなので、他とはちょっと違う感じのマイホームを建てたい方にはおすすめです。
長持ちする家
日本の住宅は寿命が短く、一世代ごとに建て替える習慣があります。
築30年が経過している木造住宅と聞くだけで、なんか古い感じの家を想像するのではないでしょうか。
ですが、海外の住宅は一世代で建て替えるなんてことは珍しく、多くの場合は二世代から三世代と受け継いでいくのが一般的です。そのため築50年を超える家も普通にたくさんあります。
最初から築30年ほどで建て替えをすることを考えて建てた家と、最初から50年や100年住み続けることを考えて建てた家では、当然ですが家の寿命は大きく異なります。
また、家のデザインでも同じことがいえます。
日本の木造住宅は築30年にもなるとかなり古く時代遅れの外観になりがちですが、海外の住宅は築30年や50年経っている家でも、あまり古く感じることはありません。
高気密・高断熱
日本の輸入住宅の多くは寒冷国のカナダ、スウェーデン、フィンランドの住宅様式を採用しています。北米や北欧の国では、マイナス20℃になる地域も珍しくありません。
日本よりも厳しい気候の国だからこそ、高気密・高断熱の家づくりには昔からチカラを入れてきました。
近年は日本でも高気密・高断熱住宅という言葉をよく耳にするようになりましたが、日本の技術は北米や北欧の国と比べると劣ります。
スウェーデンハウスは北海道の厳しい寒さに耐えることができる住宅を作りたいという思いから、高気密・高断熱に優れたスウェーデンの家づくりを採用しています。
地震に強い
輸入住宅の多くは2×4や2×6工法で建てられます。同じ木造でも2×4や2×6は家を柱ではなく面で支える構造になっているので、より頑丈な建物になります。
柱を使用する日本古来の軸組工法に比べ、耐震性の高さは1.5倍~2.0倍とも言われています。
デメリット
- 建築費が高い
- 木造住宅に限定される
- 木材や工法についての知識が必要
- リフォームの自由度が低い
- インテリアを探すのが大変
建築費が高い
建材や設備類を輸入するので国内の住宅メーカーに比べ家の建築費が割高になってしまいますが、その他にも円高や円安の影響を受けやすいという特徴もあります。
これがメリットになることもあれば、デメリットになってしまうこともあります。
当然、円安になればそれだけ健在のコストもあがります。単純計算ですが同じ家でも1ドル90円のときだと900万の材料費が、1ドル130円だと1,300万円になってしまうということです。
木造住宅に限定される
当然ですが、輸入住宅は木造が基本です。国内のハウスメーカーのように軽量鉄骨で建てたいと思ってもそれは叶いません。
どうしても軽量鉄骨の輸入住宅を希望するのであれば、輸入住宅風の建築業者を探すしかありません。そうすれば輸入住宅っぽい軽量鉄骨の家を建てることはできます。
木材や工法についての知識が必要
寒冷に強い外国の資材を使用することで、寒さに強い家をつくることができます。しかし外国の木材が日本の気候に適しているのかと言えば、そうとも限りません。
日本の気候は独特で一年を通して雨も多く、湿度も高いです。日本の気候にも合うように、輸入住宅会社は通気工法や独自の湿気対策を取り入れた家づくりをしています。
ですので、家を建てる側としては、そうした特殊な工法や対策に関しての知識をある程度理解しておかないと、輸入住宅メーカーを検討する際に比較材料がデザインや価格だけになってしまう恐れがあります。
リフォームの自由度が低い
輸入住宅は将来的なリフォームやメンテナンスにデメリットがあります。
いくら丈夫で長持ちする家だと言っても、築20年、30年と時が経てば建物にも傷みが現れます。
将来的にリフォームやメンテナンスをするときには、輸入住宅に詳しい会社に依頼しなければならず、そうした業者を探すだけでも大変です。
また木造軸組みに比べ、間取りの可変性が低いのも2×4や2×6工法のデメリットの1つです。
柱のように簡単に外してしまうことができないので、将来使わなくなった2つの部屋をつなげて、1つの大きな部屋にすることができないケースもあります。
もし将来的リフォーム計画があるのでしたら、最初の家づくりの段階で将来を見据えた間取りにしておくことをおすすめします。
インテリアを探すのが大変
ちょっと意外かもしれませんが、輸入住宅で建てた人の多くが「インテリア選びで困った」と話す人が多いです。
輸入住宅の醍醐味の1つに「内装のインテリアにこだわりたい」と回答する人が多くいます。
ヨーロッパ系の輸入住宅だと内装をアンティーク調にしたいと希望する人が多く、自分が思い描いているようなデザインの壁紙やドア、システムキッチンなどを見つけることができず、1つ1つを決めるのに膨大な時間を費やす人も少なくありません。
運よく見つかったとしても、アンティーク製品になると金額面での不安もあります。
まとめ
今回は輸入住宅を検討する際におすすめのハウスメーカー、輸入住宅のメリットやデメリットについて話をしてきました。
輸入住宅の最大の特徴は、やはり個性的でおしゃれな外観デザインにあります。
しかし、デザイン性にばかり固執すると、肝心な構造やアフターメンテナンスにまで目が向かなくなる可能性があります。
各建築業者によって特徴が大きく異なる輸入住宅だからこそ、なるべく複数社の話を聞き、自分たちが求めるデザイン性や住宅性能をクリアできる業者なのかをしっかりと見極めるようにしましょう。