注文住宅を建てるとき、土地から探す人も多いです。なかには車を運転しているときに偶然「売地」という看板をみかけたことで、マイホームの購入を決断したという人もいます。
ですが、土地の価格ってどのようにして決められているのかご存知でしょうか?50坪1,500万円であれば、1坪あたりの価格は30万円です。しかし、すぐ近くに同じ50坪の土地でも1,200万円という土地もあったりします。
そこで今回は、土地の価格がどうやって決められているのかについて、解説していきます。
- 【目次】土地の料金相場はどのように決められているのか
土地価格を決める方法とは
土地価格の決め方は、中古住宅や中古マンションの査定をするより難しく、簡単にいくらとは算出できませんし、業者によって算出方法が違う場合もあります。
土地の査定をするとき、以下のような方法があります。
- 実勢価格/過去の取引事例
- 路線価
- 公示地価/基準地価
- 相続税、固定資産税の評価額
- 不動産鑑定士
単純に、過去の取引事例を参考に土地価格の査定をする業者もあれば、これらの査定方法を組み合わせながら金額を算出する業者もいます。
実勢価格/過去の取引事例
すぐ近くで売りに出されている土地や、分譲開発された団地があれば、おおよその土地価格を調べることができます。
すぐ近くに50坪1,500万円で売りに出されている空き地があれば、1坪あたりの価格相場は30万円くらいであることがわかります。
それと平行して、過去1年~2年くらいの売買取引事例を参考にします。自社の取引データや土地総合情報システムなどを利用すれば、過去の土地取引価格を調べることができるので、おおよその土地価格を算出することができます。
簡易査定であれば、すぐ近く50m範囲内で、同じ道路沿いの売買取引事例があれば、その価格から大きく違ってくることはありませんが、取引事例が少ない地域などは、参考になるようなデータが乏しいため、査定価格の信憑性が危ぶまれます。
インターネット環境があれば、一般の人でも簡単に調べることはできますが、信憑性という点ではかなり信頼度は低いと思ってください。
路線価
路線価というのは、道路につけられている価格だと思ってください。すべての道に路線価が決められているわけではありませんが、大きな道路にはほとんど路線価がついてます。
このように赤線の土地であれば、接している道路の中で一番高額なのは「56F」という数値です。この「56F」というのが、この道路につけられている価格のことで、『1㎡=56,000円』、という意味になります。
この赤線の土地の広さが200㎡だった場合、『200㎡×56,000円=11,200,000円』となるのですが、この1,120万円というのはあくまでも相続税の計算に持ちられる評価額なので、それがそのまま土地の査定価格とはなりません。
この1,120万円に1.25倍をかけた額、『1,120万円×1.25=1,400万円』というのが、この土地の売却査定額という考え方をするのが一般的です。
公示地価/基準地価
基本的な検索方法や算出方法は路線価とほぼ同じです。ただ、路線価が道路についている価格だったのに対し、こちらは土地(場所)につけられている価格になります。
出典:http://www.chikamap.jp/chikamap/Portal
このように住所を入れると周辺地域の調査ポイントが黒四角で表示されますので、そこにカーソルを合わせると図の右側にその土地の情報が表示されます。
こちらで表示される㎡あたりの価格は、路線価よりも実際の土地売買価格に近いものとなっています。
ただし、全ての土地がピンポインで表示されるわけで無く、あくまでも基準地のみなので、いくら一番近くのポイントだといっても、それをそのまま調べたい土地の価格に反映させるのは無理があります。
そう考えると、実際の土地に接している路線価から割り出すほうが、より実勢価格に近い額を算出できるともいえます。
相続税、固定資産税の評価額
不動産会社に、「どうやって土地の査定額を算出したんですか?」と尋ねると、「相続税や固定資産税の評価額をもとに算出しました」と解答することがあります。
ここでいう相続税や固定資産税の評価額というのは、上記で説明した路線価のことを意味していますので、基本的な算出方法は路線価のときに話した内容と大差ありません。
ただ、路線価のときには触れていませんでしたが、同じ路線価でも「固定資産税路線価」と、「相続税路線価」という2種類があり、それぞれ算出方法は少し違ってきます。
不動産鑑定士
不動産会社が不動産鑑定士に依頼をして、土地価格の査定をすることはほとんどありませんが、一番信憑性が高いのはこの方法だと思います。もちろん不動産鑑定士に査定を依頼すれば、鑑定料がかかります。
どうしても不動産会社が提出してくれた土地査定額に納得がいかなかったり、売りに出されている土地の価格に納得できないときに利用するのも、1つの方法かと思います。
土地の価格を決めているのは売主
土地価格の査定方法について話をしてきましたが、今回紹介した路線価や基準地価格だけで、土地の価値を決めることはできません。最終的に土地の販売価格を決めているのは土地の持ち主です。
よって、上で解説した土地の査定方法は、あくまでも参考価格に過ぎないということです。
山を宅地造成するのに多額の造成費用が掛かっている土地もあれば、路線価では知ることができないその地域特有のプレミア地域などもあります。
実際に管理人の実家を路線価を元に査定しても、1坪あたり130,000円くらいにしかなりませんが、つい数ヶ月前に目の前の土地が売りに出ていたのをチェックしたら、坪単価は200,000円でした。
きっと市内で一番人気がある地域というプレミア査定がプラスαされている価格だと思います。
結局は、その土地の持ち主が納得できる価格で売りに出されることになります。そして買い手が見つからなければ、徐々に金額を下げていくというのが土地販売ではセオリーになっています。
たいていの土地は値引き交渉されることを想定した価格設定になっていますので、目ぼしい土地をみつけたときは、値引き交渉することを忘れないでください。