家の照明器具選びで悩んでいる人向けに、種類別の特徴と価格相場など選び方のポイントを解説します。
特にリビングをおしゃれにしたい場合は照明が重要になってきます。自分達の予算と相談しながらどれが良さそうなのかチェックしてみてください。
「これから新築を建てる人」「今住んでいる家の照明を変えたい人」は選ぶ際に参考にしていただければと思います。
照明の種類
新築を建てることになると壁紙の種類や設置する設備類をインテリアコーディネーターさんと一緒に決めて行くことになります。
今回紹介する照明もインテリアコーディネーターさんと決めることになります。
打ち合わせをする中でポイントを理解しておくと話がスムーズに進むので、照明の種類や役割について分かりやすくまとめていきます。
出典:http://sumai.panasonic.jp/sumai_create/setsubi/201105/
シーリングライト
- 設置箇所:リビング、寝室、子供部屋など
- 参考本体価格:6,000~40,000円
出典:http://panasonic.jp/light/p-db/HH-XCB1240A.html
もっとも一般的なタイプの照明はシーリングライトです。天井に直接取り付けることができる薄型照明なので、広い空間を演出したい場合などに効果的です。
ホームセンターなどでも比較的安価で手に入れることができ、素人でも手軽に取り付けや取替えできます。デザインなどに飽きても、気軽に取替えできる点も人気の理由です。
以前はプラスチックカバーの中に蛍光管が入っているものでしたが、最近のシーリングライトはLEDが基本なので、照明本体ごと交換する形になります。
また機能性も高く、お部屋の雰囲気やシーンに合わせて、照明の明るさや色合いを変化できる商品も発売されています。
出典:http://www2.panasonic.biz/es/lighting/home/led/buibetsu/living/living01.html
6~20畳用など部屋の広さに合わせて、幅ラインナップが揃っているのもシーリングライトの特徴です。
ペンダントライト
- 設置箇所:ダイニング、和室、階段、トイレなど
- 参考本体価格:6,000~15,000円
出典:https://sumai.panasonic.jp/lighting/search/plan/?plan_no=AAA3824
ペンダントライトとは、天井からコードやチェーンなどで吊るされている照明器具のことをいいます。
シーリングライトのようにリビング全体を照らす照明というよりは、ダイニングテーブルやカウンターキッチンなど一部分を照らす照明として使用されるケースが多いです。
最近の家ではダイニング部分にペンダントライトを設置する家庭が増えています。
理由は雰囲気のあるライトで食事をしたいというのもありますが、子供がダイニングテーブルで勉強やお絵描きをする際に、その部分だけしっかり明るくする意図もあります。
意外と気づいてない人も多いのですが、昔からある和室の照明も、構造的にはペンダントライトになります。
他には階段や玄関に設置することも多いのですが、最近は洗面所やトイレにペンダントライトを設置する家も増えています。
トイレなどの狭い空間にはペンダントライトが合いますし、お客さんの目に触れる場所なのでオシャレに魅せることができます。
出典:https://www.pinterest.jp/pin/15340454961543538/
有名ブランドや名のあるデザイナーの商品だと80,000円や100,000円という商品も多数あります。
シャンデリア
- 設置箇所:リビング、玄関
- 参考本体価格:40,000~120,000円
出典:https://sumai.panasonic.jp/lighting/search/products/bui/?page=livingdining
1つの照明具に複数のライトが付いているタイプです。
天井直付け型と吊り下げ型の2タイプがありますが、一般的な家のリビングの天井高は2m40cmが標準仕様になっていることが多く、基本的には天井直付け型がおすすめです。
装飾品が多くついているタイプの照明になので、吊り下げ型の場合は天井高がないと圧迫感を感じてしまいます。
吊り下げ型のシャンデリアを希望であれば、なるべく天井高を取っておくようにしましょう。一般住宅で使用する照明としては、一番高額な部類となります。
基本的にはリビングに取り付けるケースが多いのですが、吹き抜けタイプの玄関を採用している場合は、吊り下げ型のシャンデリアを設置することも多いです。
出典:http://t-tech.jp.net/takasakia.html
吹き抜けだと大きめのシャンデリアをつけてもあまり違和感はありませんが、普通の玄関だと小さくてもかなり圧迫感があるのであまりおすすめできません。
出典:https://ameblo.jp/chardonnay-matsumoto/entry-11464023288.html
一般的には直付け型がリーズナブルな価格で、吊り下げ型の方が高額に設定されていることが多いです。
ダウンライト
- 設置箇所:リビング、寝室、玄関、トイレ
- 参考本体価格:2,000~10,000円(1個)
出典:https://sumai.panasonic.jp/lighting/search/plan/?plan_no=AAA4105
ここ最近人気を集めているのがダウンライトです。
1つひとつのライトとしては光が弱いためトイレなどで使われることが多かったのですが、最近は複数個設置することでリビングや寝室などに設置するケースが増えています。
リビングなどの広い部屋に設置するには複数個、もしくは他の照明と合わせることで十分な明るさを確保することができます。
人気の理由は天井に埋め込むタイプのなので凹凸ができずスッキリしたイメージになり、掃除が手軽である点も人気の理由となっています。
ダウンライトといっても2つのタイプがあり、1つは光を1点に集中させる集光タイプ、もう1つが光を広範囲に届ける拡散タイプです。
出典:http://www.syoumei.com/mame/23.html
ダウンライトを和室に設置するという発想をする人は少ないかもしれませんが、意外と和室にもマッチするのでちょっとしたアクセントに良いかもしれません。
出典:http://jlma.or.jp/akari/led/seko.html
1個の価格は安いですが数を多く設置しなければならないので、シーリングライトやペンダントライトなどと比較しながら慎重に選ぶようにしてください。
配線が必要になるので建築工事が始まってから「やっぱりダウンライトにします」と言っても遅いです。できるだけ早い段階で決めるようにしましょう。
ブラケットライト
- 設置箇所:リビング、寝室、玄関、階段など
- 参考本体価格:7,000~20,000円(1個)
出典:https://sumai.panasonic.jp/lighting/search/plan/?plan_no=AAA4105
ブラケットとは、壁面や柱に取り付けるタイプのライトのことをいいます。
シーリングライトやペンダントライトのように、主照明にはなりませんが、アクセントをつけたい場所などに設置されることが多いタイプです。
よくテレビの後ろの壁にブラケットライトを設置することがありますが、これは長時間テレビをみていても目が疲れないようにするためです。
人間の目は疲れないように明るさの調整を自動で行う機能がありますが、テレビの背後が暗いとその役割を難しくさせるため眼精疲労になりやすくなります。
ブラケットライトをテレビ後ろの壁に設置することで、テレビ画面の明るさと後ろの壁の光加減を調整することができ目を守る効果があります。
またあまり明るさが必要ない寝室などにも、間接照明的な役割でブラケットライトは利用されます。
出典:http://jlma.or.jp/akari/led/seko.html
パナソニックなど、大手家電メーカーのものになれば、小さなブラケットライトでも数万円単位になります。
スポットライト
- 設置箇所:リビング、キッチン、玄関など
- 参考本体価格:6,000~10,000円(1個)
出典:https://sumai.panasonic.jp/lighting/search/plan/?plan_no=AAA3391
壁や天井に取り付けるタイプの照明なのでブラケットライトと同じに考える人がいますが、役割が違う点を理解しておきましょう。
ブラケットライトは間接的に周辺を明るくする効果がありますが、スポットライトはその名の通り一点を集中型です。
ですので、玄関に飾っている絵を照らしたり、デスク机の手元を照らしたりするときに使われます。
最近では玄関先に防犯目的として、人感センサー付きのスポットライトを設置している家も増えています。
照明が少し足りなかったという場合などラインレールを天井に設置することで、簡単にスポットライトを増やしたり位置を変えたりすることができます。
そのため補助的な役割で設置される人も増えています。
出典:https://www.garageland.jp/shop/shop.cgi?id=27&kid=6
足元灯(フットライト)
- 設置箇所:廊下、階段、玄関アプローチなど
- 参考本体価格:5,000~15,000円(1個)
出典:http://www2.panasonic.biz/es/lighting/home/homearchi/products/footlight/index.html
廊下や階段などの壁に埋め込むタイプのライトです。足元灯という名の通り足元を照らすライトなので設置場所は床近くの壁となります。
埋め込みタイプとコンセント差込タイプがありますが、新築の場合は邪魔にならない壁埋め込みタイプにした方がいいと思います。
そのため設置場所や設置数はしっかり考えておくのがポイントです。
後になって「あ!やっぱりもう1つあった方が良かった」と思っても、配線などから必要になるためかなりのリフォーム費用が掛かります。
最近は玄関までのアプローチ部分にこの足元灯を設置する家も増えています。アプローチから玄関まで段差がなくフラットならポーチライト、階段などの段差があるなら足元灯がおすすめです。
出典:http://kamiyama-factory.jp/maker/i-shoumei/futoraito.html
ポーチライト
- 設置箇所:アプローチ、庭、駐車場など
- 参考本体価格:5,000~15,000円(1個)
出典:https://sumai.panasonic.jp/lighting/search/plan/?plan_no=AAJ718
庭や玄関アプローチ部分を照らすライトのことで、ポーチライト、ポールライト、ガーデンライト、エクステリアライトなど、色々な名称で呼ばれます。
ポーチライトは屋外に設置することもあり、室内照明と比べるとあまり関心のない人が多いです。
しかし道を歩いている人や隣近所の人にも見られる部分なので、できればこだわった方がいいと思います。
ただしアプローチ部分に設置するライトは、暗闇を照らす役割なので実用的なものを設置するようにしてください。お客さんが足をつまずいて転倒したり、怪我をしては元も子もありません。
それと防犯的な役割もしてくれるライトということを踏まえながら設置する場所もしっかりと検討しましょう。
相性が良い組み合わせ
それぞれの照明が特徴を持っていますので、それらを組み合わせて設置することで、他とはひと味違った家づくりができます。
ダイニングキッチン
キッチンとダイニングにおすすめしたいのが、ペンダントライトとダウンライトの組み合わせです。
キッチン全体の照明としてダウンライトを使い、ダイニング上部にペンダントライトを設置しておきます。
調理をするときはダウンライトを使い食事のときは消灯しペンダントライトだけを点灯させておけば、照らされた料理がよりいっそう美味しそうに見えると思います。
出典:https://roomclip.jp/photo/gxUL
料理を美味しそうにみせるコツは、演色性の高い電球色を選ぶことです。
出典:http://www.tlt.co.jp/tlt/products/home_lighting/home_led/led_ceiling/kireiro/kireiro.htm
このように選ぶ電球によって同じものでも見え方が全然違ってきます。Raという数値が高いほど、その物本来の色身を表すことができます。
料理を美味しく見せるには、Ra70よりもRa80、Ra80よりもRa90の電球を選ぶようにしてください。
ですので、お化粧するときに使用する照明もより自然色が強いRa数値の高いものを使うと良いです。
リビング
リビングは好みによって別れます。明るいリビングが好みであればシーリングライトとスポットライト。
柔らかみのある明るさが良いというのであれば、ダウンライトとブラケット。シックな空間にしたいというのであればシャンデリアとブラケットなどがおすすめです。
もちろんシーリングとダウンライトの両方を設置しておき、用途に合わせて照明を変える家も珍しくありません。
来客時は明るいシーリングライトを使い、映画などを鑑賞するときはダウンライトとブラケットで雰囲気を出すことができます。
寝室
今の寝室はダウンライトとブラケットの組み合わせにするというのが定番のようになっています。
起きている間はダウンライトをつけておき、ベッドに入るときにはブラケットのみすると良い感じだと思います。
ただし、ベッドの真上にダウンライトがあると明るすぎるので、ダウンライトは基本ベッドの足元側に設置するようにしてください。
出典:https://www.pinterest.jp/pin/266275396701483957/
照明の記号を覚えておこう
注文住宅づくりにおいて絶対にやって欲しいことがあります。それは間取図(設計図)などに記載されている、照明の記号をチェックすることです。
ハウスメーカーが作成してくれる設計図には、「シーリングライト」や「フットライト」などの文字は記載されておらず、記号が落とし込んであるだけです。
ですので以下の表を参考にどの照明が設置されるのか確認すしておいてください。
照明類は間違いやミスが多いのでトラブルを防止するためにも、チェックしておくことをおすすめします。
トイレ照明の選び方の注意点
最後に照明選びで一番失敗が多いトイレについて少し話をしておきます。
トイレの照明に人感センサー付きのライトを設置する家がありますが、これだけは絶対に止めておきましょう。
たしかに今のトイレは人を感知すると、自動でトイレの蓋が開閉したり消毒機能がついているタイプがあります。
便利なのですがだからといって照明もセンサータイプにしてしまうのは間違いです。
センサー付きの照明は、一定時間人の気配を感知しなければ自動で消灯してしまいます。
トイレの場合、便器に座って考えごとをする人もいるでしょうし、一定時間動かないことは良くあります。
そのたびに照明が消灯するようでは困ります。
仮に消灯しても少し身体を動かせばセンサーが反応して照明はつきますが、いちいち身体は動かすのは面倒ですよね。
ですのでトイレの照明はセンサー付にせず、ノーマルに手動でスイッチをオン・オフするタイプを選ぶようにしましょう。