近年、自然災害が多発しておりこれから家を建てる人の中には、災害に強い家を建てたいと考えている人も多いかと思います。
この記事では、
- 火災に強い家
- 停電に強い家
- 台風(水害)に強い家
- 猛暑に強い家
と建てる際のポイントについて解説します。
なお、地震に強い家に関しては別の記事でまとめているので、耐震・免震住宅について知りたい人は、こちらをチェックしてみてください。
火災に強いハウスメーカーと建てる際のポイント
ここでは火災に強い住宅を建てるポイント、耐火性が高い家を建ててくれるハウスメーカーを紹介していきます。
まずは、各社の違いと理解するために、構造別の特徴を理解しておきましょう。
まずは火災に強い構造について説明していきます。
一般的な戸建て住宅の構造は、「木造」「鉄骨」「鉄筋コンクリート(RC)」の3種類です。それぞれの特徴をまとめてみます。
木造住宅
住宅産業新聞調べだと、平成30年度に新築で建てられた家の82%が木造住宅となっています。
木造といえば「燃えやすい」「火に弱い」というイメージを持つ人も多いはずです。しかし、実際のところ木は火に弱くありません。逆に火に強いのです。
木が燃えると下図のようになります。
木が燃えると一時的に炭となり、その後は灰となります。しかし、それは長時間燃やした場合の話です。
住宅火災だと多くは炭や灰になるまで木材が燃え尽きることはなく、多くの場合は上図のように表面が黒く焦げ、内部はほとんど燃えた形跡がありません。
これを炭化層といいます。
この炭化層は断熱材のような効果があるといわれており、火の延焼を食い止める働きをしてくれます。
そのため木が燃える範囲は、1分あたり0.6mm~0.7mm程度、20分間でもわずか1.2cm~1.4cmしか燃えません。
これを住宅に使用される4寸角の柱に例えると、以下のようになります。
4寸角の木材は1辺が12cmの正方形なので、20分で1.2cmが燃えたとしても、火の影響を受けてない部分はこんなに残ることになります。
これだけ燃えてない部分があれば、十分に柱としての役割を果たすことができます。
鉄骨住宅
「鉄は火に強い」と思っている人は多いのではないでしょうか。
たしかに鉄であれば、木のように炎が燃えあがることはありません。ただし、鉄には大きな弱点があります。
「鉄は熱いうちに打て」という言葉があるように、高温になると鉄は溶けてしましまいます。
一般的な住宅に使用されるのは軽量鉄骨で、摂氏500℃が5分続くと倒壊する恐れがあります。
ちなみに住宅火災では、出火から7~8分ほどが最盛期で1,100~1,200℃に達する場合もあります。
つまり出火からわずか数分で、鉄骨住宅は倒壊する恐れがあることがわかります。
ただし、鉄骨住宅が火災に対して、何も対策を施してない訳ではありません。
基本的に鉄骨材には「耐火被覆」という特殊な処理が施されており、これにより通常よりも熱に強くなっています。
それでも限界があり、耐火被覆処理が施されていても、1000℃を超えると倒壊の恐れがあります。
鉄筋コンクリート(RC)住宅
RC住宅は、俗にいうコンクリート住宅のことです。
特に隣家などからの「もらい火」に強く、わずか1mほど隣の住宅が燃えても、大きな被害を受けるケースは少ないです。
これはコンクリートが1,000℃の高熱にも耐えるだけの性質を持っているからです。
ユニバーサルホーム
木造系のハウスメーカーで火災に強いと評判なのは、ローコスト住宅として人気のユニバーサルホームです。
ユニバーサルホームが火災に強い一番の理由は、外壁材に「高性能外壁材ALC」を使用している点です。
ALCはコンクリート系の外壁材で、高温にさらされても発火することはありませんし、煙や有毒なガスを発することもありません。
また壁内に気泡があるため、以下の画像のように熱が伝わりづらい性質をもっています。
外壁材のなかでもALC外壁材は高額なため、設置を見送る人も多いのですが、ユニバーサルホームでは標準仕様でALC外壁材を採用しています。
積水ハウス
鉄骨系のなかで火災に強い家といえば、外壁に自社オリジナルのダインコンクリートを採用している積水ハウスです。
その名のとおりコンクリート系の外壁材になります。鉄筋コンクリートのRC住宅が火災に強いということは、先ほど説明したとおりです。
やはりコンクリート系の外壁材を採用しているハウスメーカーが、どうしても火災に強いという点においては、1歩も2歩もリードしているように思います。
よくネットなどでも「ALC外壁材vsダインコンクリート」で議論されているが、耐火性という点では甲乙つけがたい点があり、一概に比較することはできません。
注目すべきポイントを挙げるとするなら、採用されている外壁の厚みを比べてみると良いでしょう。当然厚みがあるほうが耐火性も高くなる傾向があります。
パルコン(大成建設ハウジング)
紹介したユニバーサルホームと積水ハウス、どちらも火災に強い家であることに間違いないのですが、どちらかというと外部からのもらい火に対して、コンクリート系の外壁材で延焼を食い止める強さでしかありません。
しかし、大成ハウジングのパルコンは、構造そのものがコンクリート造なので、外部だけでなく内部の火災に対しても高い耐火性があります。
ALCやダインコンクリートも同じ、コンクリート素材の外壁材なのに何がそんなに違うのだろうと思われるかもしれませんが、ひと言でいってしまうならコンクリートの厚みです。
ダインコンクリートやALCは、一般的に50mm~100mmの厚さしかありませんが、パルコンの外壁は140mmあります。
ちなみに一般的なサイディング系の外壁材であれば、厚みはわずか15mm程度です。
この140mmという厚さがあるからこそ、1,000℃以上の高温にも2時間以上耐え続けることができるのです。
ちなみに他のハウスメーカーでも、同じように耐火試験をしていますが、多くの場合は800℃~900℃くらいで実施されています。
へーベルハウス(旭化成)
へーベルハウスも先に紹介したクレバリーホーム同様、外壁材にALCを標準採用しているハウスメーカーです。
しかも、建物の多くは重量鉄骨(一部商品は軽量鉄骨)なので、軽量鉄骨を採用しているメーカーより耐火性は高いです。
ユニバーサルホームと同じALC外壁材なのですが、この両者は厚みで大きな違いがあります。
木造のユニバーサルホームのALC板の厚さは37mmで、重量鉄骨のへーベルハウスでは75mmのものを採用しているのです。
この両社の画像をみただけでも、その違いは一目瞭然です。
だったら木造住宅でも、へーベルハウスと同じ75mmのALC板を設置すれば良いのでは?と思われるかもしれません。
たしかに予算を気にしなければ、現実的にそれも難しい問題ではありません。
ただ、ALC板はコンクリート素材なので、相当な重量があります。
そうなると、木造住宅ではALC外壁材の重さに木材が耐えられない可能性があるので、厚すぎるものは不向きです。
火災に強い家を建てるためのポイント
最近は巨大地震が多く発生しており耐震性をアピールするハウスメーカーが増えていますが、地震によって起きる火災に対しても備えておきたいところです。
ここでは、火災に強い家を建てるときの注意点やポイントについて具体的に解説していきたいと思います。
上の画像は、2016年に新潟県糸魚川市で発生した大規模火災です。
まわりの家の多くは焼失したのに、この1軒だけが燃えずに残ったことで「奇跡の木造住宅」として、大々的に取り上げられました。
この住宅を建てるとき、建築業者に「火災に強い家を建ててください」とお願いしたそうで、通常と比べ1.5倍ほどの建築費が掛かったそうです。
このように木造住宅でも、以下のポイントを抑えれば、火災に強い家を建てることはできます。
- 外壁材選び
- 断熱材選び
- ファイヤーストップ構造
- 耐火構造と防火構造の違い
外壁材選び
火災に強い住宅を建てたいのであれば、真っ先に注目すべきポイントは外壁材です。
火に強い外壁材を使うことで、隣家からのもらい火を食い止めることができるからです。
一般的な戸建て住宅に使用されている外壁材は、大きく分類すると以下の4種類があります。
耐火性 | コスト | |
---|---|---|
コンクリート系 | ◎ | やや高い |
タイル | ○ | 高い |
モルタル | ▲ | 平均 |
サイディング | ▲ | 安価 |
火災に強い外壁材は、やはりコンクリート系がおすすめです。
鉄筋コンクリート(RC)住宅だと、建築費がかなり高額になってしまうので、ALC板やダインコンクリートなど、コンクリート系の外壁材を採用しているハウスメーカーでもOKです。
外壁材について詳しく知りたい人は、「外壁材の種類と価格を徹底比較」の記事もあわせてチェックしてみてください。
火に強い断熱材はどれ?
外壁材は外からの火に対して高い効果を発揮してくれますが、断熱材は内側からの火に対して高い防火作用を期待することができます。
断熱材の種類は数多くありますが、今回は一般的に使用されることが多い4つを比較してみたいと思います。
耐火性 | コスト | 有毒性 | |
---|---|---|---|
セルロースファイバー | ◎ | 高い | ◎ |
ロックウール | ○ | 安価 | ▲ |
グラスウール | ▲ | 安価 | × |
発砲ウレタン | × | やや高い | × |
古新聞を原料にしているセルロースファイバーなので、可燃性が高いと思っている人も多いようですが、実際には耐火性があることが実証されています。
最近は比較的かんたんに施工でき、価格もそれほど高額でないことで、発砲ウレタン系の断熱材を使用しているハウスメーカーが増えていますが、耐火性という面においてはほぼ期待できません。
断熱材について詳しく知りたい人は、「断熱材の種類を徹底比較」の記事もあわせてチェックしてみてください。
ファイヤーストップ構造
ここ最近よく耳にするようになったのが「ファイヤーストップ構造」です。
このファイヤーストップ構造にすることで、火災が他の部屋に延焼するのを防止する働きをしてくれます。
ファイヤーストップ構造とは、壁内部から炎が他の部屋に燃え広がらないよう、火を遮断するストップ材をいれることで、火災の延焼を防止する作りになっています。
耐火構造と防火構造の違い
「耐火」と「防火」似たような言葉ですが、マイホーム作りにおいてはまったく異なる要素があるので、それをしっかりと理解しておくようにしましょう。
耐火構造とは構造部分には耐火性能が高いコンクリートなどが使われてあり、建物の倒壊や周囲への延焼を防ぐことができる建物のことをいい、3つのポイントがあります。
- 外部からのもらい火に対して対策がしてある
- 火災が起きても最低30分は建物が倒壊しない工夫がされている
- 他の部屋に燃え広がりにくくする工夫がされている
外部からの延焼を防止するために、耐火性の高い外壁材を使用したり、屋根や軒裏にも燃えにくくする工夫がされています。
火災が起きても倒壊しないためには、不燃性の断熱材を使用したり、石膏ボードなどを使用することが求められます。
住宅火災では、全体の9割くらいは出火から30分以内には消化活動が始まると言われていますので、最低でもその時間は倒壊などせず持ちこたえるだけの耐火性が必要となります。
そして3つ目が先に紹介した、ファイヤーストップ構造などのことを指しています。
一方の防火構造とは、外部からのもらい火に対して、防火対策がしてある住宅のことをいいます。
具体的な例をあげると、外壁や軒裏に防火性の高い材料を用いた住宅を指しています。
そのため隣家との距離が近い都心部などでは、防火構造にすることが義務となっている地域も多くあります。
停電に強いハウスメーカーと建てる際のポイント
地震に強い家、火災に強い家などが、災害に強い家として取り上げられることが多いのですが、災害時に忘れてはいけないのが停電です。
大規模な地震の場合だと、停電が1週間ほど続くこともあるのです。
災害に強い家を希望するのであれば、停電にも目を向けた家づくりをしておくことをおすすめしておきます。
ここでは停電に強い住宅を建てるポイント、おすすめのハウスメーカーを紹介していきます。
大和ハウス
大和ハウスでは戸建て住宅シリーズに、「電気を自給自足する家」というのがあります。
この家のポイントは、業界初となる「全天候型3電池連携システム」を備えていること。
3電池連携システムとは、「太陽光パネル」「エネファーム」で創った電力を、「蓄電池」に貯めることで、停電時でも電力を使うことができます。
万が一、天候が悪くても約10日分の電力と暖房、給湯を確保できるシステムなので安心です。
しかも停電時の一時的な電力が確保できるだけでなく、全天候型3電池連携システムで毎日の光熱費を大幅に削減することができ、1年間だと約84.2%の光熱費をカットできます。
セキスイハイム
セキスイハイムは太陽光発電システムの実績が豊富です。
2018年9月の調査データですが、太陽光システムを約19万9000棟、蓄電池を約1万7000台、HEMSを約5万2000台以上出荷しており、この数字は業界1位です。
とくにおすすめなのが、蓄電池を備えた「スマートパワーステーション」と、電気自動車をエネルギー源にできる「ブィ トゥ ハイム」の2商品です。
電気自動車連携型であれば、電気自動車を所有していることが大前提になるので、そうでないのであればスマートパワーステーション1択になります。
スマートパワーステーションでは、3つのゼロを掲げています。「光熱費ゼロ」「エネルギー収支ゼロ」「電力不安ゼロ」です。
こちらの商品では、太陽光発電システムのパイオニアであるにふさわしい技術がしっかり採用されています。
その1つが大容量の太陽光パネルを設置できるように工夫された屋根です。
一般的な住宅だと、30坪の家では6kW~8kW程度の太陽光パネルしか搭載できないのですが、セキスイハイムの住宅では30坪で10kWを搭載することができます。
発電する量が多ければ、それだけ停電時の備えも大きなものになります。
停電に強い家を建てるためのポイント
停電に強い家を建てるために大事なことは、電気を創る能力はもちろん、消費する電力を最小限に抑える家であることが欠かせません。
そのためには、電力を供給するだけでなく、省エネ対策もしっかり考えた家づくりが必要です。
ここでは、停電に強い家を建てるためのポイントについて、いくつか紹介していきたいと思います。
- 蓄電池や電気自動車を活用
- ITを活用した災害対策
- 気密断熱性を高める
蓄電池や電気自動車を活用
太陽光パネルが搭載されていれば、停電しても電気を使用することはできますが、それだけでは万全の停電対策とは言えません。
太陽光パネルのみだと、日光がでている昼間の時間帯しか電気を使えないからです。
そこでおすすめしたいのが、電力を貯めておくことができる蓄電池や電気自動車を活用する方法です。
この蓄電池があることで、昼間に創った電力を貯めておくことができるので、停電時でも夜間に電力を使用することができるようになります。
この蓄電池と同じ働きをしてくれるのが、電気自動車やハイブリッド自動車です。
自動車に電気を貯めておき、いざという時には貯めておいた電気を家庭用電力として使用することができます。
ITを活用した災害対策
IT技術の進歩により、今の住宅は気象情報と連携することで災害リスクをITが独自の判断で予測することができます。
例えばセキスイハイムではレジリエンス住宅では、住んでいる地域で気象警報が発令した際、ITが自動で蓄電池を満タンの状態にしてくれます。
もし太陽光発電だけでは蓄電池が満タンにならないと判断した場合は、ITが自動で電力会社から電力を買いうけ、それで蓄電池を満タンにしてくれます。
これまでの蓄電池システムでも、電力会社から一時的に電力を買いうけ、蓄電池を満タンの状態にすることはできました。
しかし人間がスイッチの切り替えをしなければならず、いざというときに操作がわからない、外出中で操作ができないという問題がありました。
気密断熱性を高める
停電時に必要とされるのは、貯めている電力を使いすぎないことです。
このブロックの最初でふれたように、大地震などの大きな災害時には、停電期間が1週間に及ぶことも考えられます。
使用する電力を少なくするにはどうすればいいのか?
その1つが家の省エネ化です。断熱性能を高め、なるべくエアコンなどの高電力機器に頼らない生活を送れる家が理想ではないでしょうか。
この時代、省エネ性能が高い家といえば、真っ先に思い浮かぶのが「ZEH=ゼロエネルギー住宅」です。
このZEH住宅というのは、国が定めた高い省エネ基準を満たす住宅のことで、高い断熱性があることでも広く知られています。
しかし、このZEH住宅よりも高い断熱性能を持つ家こそが、「HEAT20 G1」です。
この「HEAT20 G1」の家をわかりやすく解説するなら、寒さが厳しい真冬でも、無暖房で家のなかの温度が10℃を下回らないくらいの高断熱高気密住宅だと思ってください。
台風(水害)に強いハウスメーカーと建てる際のポイント
ここ数年、毎年のように大きなニュースになるのが、大型台風や大規模な洪水です。
とくに九州から関東にかけては、強い勢力の台風が上陸することも多く、大きな被害をもたらしています。
台風に強い家づくりの前に、台風と建物の想定被害について、気象庁のデータをもとに分かりやすく表にまとめます。
平均風速(m/s) | 建物の被害想定 |
---|---|
10以上15未満 | 樋(とい)が揺れ始める |
15以上20未満 | 屋根瓦・屋根葺材がはがれるものがある。雨戸やシャッターが揺れる |
20以上30未満 | 屋根瓦・屋根葺材が飛散するものがある。固定されていないプレハブ小屋が移動、転倒する |
30以上35未満 | 固定の不十分な金属屋根の葺材がめくれる。養生の不十分な仮設足場が崩落する |
35以上40未満 | 外装材が広範囲にわたって飛散し、下地材が露出するものがある |
40以上 | 住家で倒壊するものがある。鉄骨構造物で変形するものがある |
上記の表をみてもわかるように、台風による建物被害の多くは屋根からはじまります。
それを踏まえて、ここでは台風に強い家を建てるポイント、おすすめのハウスメーカーについて解説していくので、参考にしてもらえばと思います。
クレバリーホーム
最初に紹介したい台風に強いハウスメーカーは、木造住宅のクレバリーホームです。
木造、鉄骨、RC住宅の3つで、強風に一番弱いのは木造住宅です。
それでもクレバリーホームをおすすめする理由は、台風に対して強い家を建てるというコンセプトが他のハウスメーカーよりも明確に見てとれるからです。
代表的な3つのポイントを紹介しておきます。
- 強風で屋根が飛ばされない工夫
- 強風に強い構造で建てられている
- 外部からの飛来物に強い外壁を使用している
強風で屋根が飛ばされない工夫
台風で屋根が飛ばされてしまっている家をニュースで見かけることがありますが、あれは「風の巻きあげる力」によるものです。
例えば屋根の軒や庇(ひさし)など、飛び出している部分で、ここは台風の下から巻き上げる力が一番集中する箇所で、建物の弱点でもあります。
強風で屋根を飛ばされてしまった住宅の多くは、この弱点部分が台風の強烈な風に耐え切れず、屋根ごと剥がされてしまったと考えられます。
つまりこのウィークポイントをしっかり対策することで、台風に強い家づくりができます。
クレバリーホームでは、こうした突風に屋根が耐えられるよう、ハリケーンタイという特殊な金物を使用しており、巻き上げる力に負けない家づくりをしているのです。
強風に強い構造で建てられている
2つ目のポイントは「引き抜く力」に対する構造の強度です。引き抜く力というのは、強風よって基礎から柱が引き抜かれてしまうことをいいます。
どんなに強い構造をしていても、基礎から柱が抜けてしまってはどうしようもありません。
クレバリーホームでは、基礎と柱を一体化するため、「柱脚金物」という特殊な部品を使用しています。
この柱脚金物を使うことで、あらゆる方向に対しての引っぱる力に強くなり、台風はもちろん、地震に対しても強い家づくりができます。
外部からの飛来物に強い外壁を使用している
そして3つ目は、強風によって飛来してくる障害物です。隣の家の瓦が強風に飛ばされ、自分の家に直撃することも十分想定できます。
そうした外部からの障害物に対して、家を守る対策も忘れてはいけません。
クレバリーホームでは、外壁材にタイルを使用しているので、多少のものが飛んできても壁に穴が空いたりすることはありません。
クレバリーホームでは、外壁タイルを標準仕様にすることで、台風被害だけでなく、隣家が火事になったときの延焼被害にも強い住宅になっています。
一条工務店
一条工務店は防災科学技術研究所が共同で、ゲリラ豪雨や洪水に対応できる「耐水害住宅」の公開実験を実施しています。
一条工務店といえば、いまや国内トップクラスの地震に強い家として有名ですし、太陽光発電においても業界1位の搭載実績があります。
この実験では、最大雨量300ミリの豪雨を人工的に降らせ、一般住宅と耐水害住宅の比較実験をしています。
腰の高さまでの洪水状態で、一般住宅ではリビング内まで浸水しテーブルなどが水に浮いている状態となりました。
一方の一条工務店の耐水害住宅の被害は確認できず、さらには床暖房やエアコンも通常どおり使用できました。
この耐水害住宅ですが、すでに実用化の段階まで開発が進んでおり、数ヵ月後には販売が始まるそうで、新築住宅であればプラス50万円ほどのオプション費で対応できるとあります。
まだ公式サイトには、耐水害住宅の記事はアップされていませんが、こちらのページから耐水害住宅の詳細がわかりますので、気になる方は参照頂ければと思います。
百年住宅
これまで無かった「台風保証」を、業界ではじめて導入したのが百年住宅で、具体的には「風害」「雨漏り」「土砂災害」の3つの保証が盛り込まれています。
しかも風害と土砂災害に関しては、構造躯体に対して35年もの長期保証がついています。
この台風保証だけでも、おすすめする価値は十分にあると思うのですが、百年住宅は鉄筋コンクリート(RC)住宅なので、地震や火災にも強い住宅だといえます。
耐風性能、耐水性能のどちらをとっても、木造住宅や鉄骨住宅より、ワンランク上の台風に強い家づくりができます。
公式サイトによると、超大型の台風がきても、百年住宅の家はほとんど揺れを感じることが無く、建物が揺れるのはわずか0.2cmと記載されています。
また、台風や竜巻、洪水や津波、土砂崩れなどの災害に対しても、百年住宅の家は家族を最大限守る働きをしてくれます。
台風(水害)に強い家をたてるためのポイント
台風に強い家を建てるために大事なことは、台風の暴風や豪雨に負けない建物にすることはもちろんですが、建物を強化するだけではどうにもならないこともあります。
ここでは、台風被害を最小限にするために抑えておきたいポイントを解説します。
- 重要なのは立地
- 2階リビングを検討する
- 建築中の台風被害
重要なのは立地
台風による被害は、強風で家が壊れるだけでは済まないことが多々あります。
例えば豪雨による洪水被害もそうですし、土砂災害を誘発することも想定しておく必要があります。
地震に強い家づくりをすれば、自然と台風時の強風にも負けない家を建てることができます。
しかし、それで洪水や土砂災害まで対策できるわけではありません。むしろ水害や土砂災害でもビクともしない家なんてそうそうありません。
そうなると建物を強化するだけでは限界があります。水害や土砂災害から家族を守るためには、家を建てる場所(地域)から見つめなおす必要があります。
過去に洪水が起こったことのある地域、ハザードマップで土砂災害の危険区域などを調べ、そうしたリスクが高い場所を避けることも災害に強い家を建てる対策の1つだと思います。
2階リビングも検討する
台風被害で一番怖いのは、大雨による洪水被害ではないでしょうか。
とくに大きな河川がある地域は要注意です。
洪水は必ず昼間に起きるなんて保証はどこにもありません。寝ている間に突然ちかくの河川が決壊することだってあるでしょう。
もし万が一、家が水に浸かってしまった時のことを考え、生活拠点であるリビングを2階にしておくことも台風対策の1つだと思います。
2階リビングにすることで、家族が生活する拠点は確保できますし、万が一再建することになっても、補修費用を大幅に抑えることができます。
2階リビングのメリットデメリットについては、別の記事で詳しく解説しているので、気になる人はあわせてチェックしてみてください。
建築中の台風被害
建築中に台風がきて、家が壊れてしまった場合は誰が責任を負うのでしょうか。
建築中の台風被害であれば、責任の所在はハウスメーカーや建築会社にありますので、施主本人が損害を受けることはありません。
一般的な考え方としては、以下のように分けられています。
- 引渡し前の物件=ハウスメーカー、建築会社の責任
- 引渡し後の物件=施主の責任
これは台風だけでなく、地震や火災(放火)などでも同じことが言えます。ですので、引渡しと同時に家の火災保険に入っておく必要があります。
ここまで台風(水害)に強いハウスメーカーと家をたてるためのポイントについて解説してきました。
ハウスメーカーごとに特徴や坪単価が異なるため、どこがいいのか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
もしハウスメーカー選びで悩んでいる人は、「予算別のカタログ特集ページ」を活用してみてください。
事前に予算がある程度決まっている人や、提示されたプランが予算オーバーだった場合に役立つサイトで、自分たちの予算にあうハウスメーカーや工務店を、効率的に見つけることができます。
猛暑に強いハウスメーカーと建てる際のポイント
35℃を超える日のことを猛暑日といいますが、年間でどれくらいの猛暑日があると思いますか?
気象庁の発表データによると、日本一暑い街として有名な埼玉県熊谷市では、2019年が21日、2018年が37日となっています。
熱中症による死亡者数は、厚生省の発表だと毎年1000人ほど。近年で最も多かったのが2010年の1731人となっています。
熱中症は屋外だけでなく、室内でも発症する恐れがあり、発症場所の半数は住居です。
このブロックでは、暑さに強い家づくりのポイント、おすすめのハウスメーカーを紹介していきたいと思います。
トヨタホーム
トヨタホームの「災害に強い家」は、地震や火災、台風だけでなく、猛暑にも強い家としての性能もしっかりと備えています。
猛暑対策のポイントとして、トヨタホームオリジナルの全館空調システム「スマート・エアーズ」を搭載しており、24時間いつでも安定した温度で管理することができます。
しかも、このスマート・エアーズは1階と2階を独立させることもできるので、日中に人がいない2階の空調を弱めたりできるので、光熱費の節約にもなります。
さらに、3mを超える深い軒(ロジア)をつくることができるので、日差しが強い日でも日陰があるので、室内の温度上昇を防ぐ効果があります。
ロジアとは、壁に囲まれたアウトドア空間のことで、テラスやウッドデッキのようなものです。
一条工務店
猛暑対策として一番良いのは、冷暖房費を考えずに好きなだけエアコンを使うことができる家ではないでしょうか。
高齢の方は「エアコン=電気代が高い」という風に考えることが多く、光熱費を節約するためにエアコンを使わず、結果としてそれが室内での熱中症の原因にもなってしまいます。
猛暑日は、エアコンが効いた家の中でゆっくり過ごすのが一番で、そのためには光熱費を抑えることができる家づくりをするのが理想だと考えます。
一条工務店の家は、国が定める省エネ基準の5倍の性能があります。つまり、光熱費を1/5に抑える効果がある住宅といえます。
一般の住宅に比べて光熱費が1/5ではありません。一般的な省エネ住宅と比べて1/5という意味なので、これは相当性能が高い高気密高断熱住宅でなければ実現できない数値です。
これだけ高気密高断熱な住宅なのですから、家の中はどこも一定の温度を保つことができ、屋内どこにいても2~3℃以内の温度差しかありません。
トイレやバスルームはもちろん、ウォークインクローゼットまでも一定の温度に保つだけの性能を持ち合わせた超高気密高断熱住宅です。
ですので、猛暑日の熱中症はもちろん、温度差から発症するヒートショックのリスクも大幅に軽減することができます。
桧家住宅
桧家住宅が標準仕様として採用しているのが、高い断熱効果がある現場発泡断熱材「アクアフォーム」と、太陽熱や赤外線をカットする「アルミ遮熱材」を組み合わせた『Wバリア工法』です。
建物全体を泡とアルミですっぽりと包み込むことで、猛暑日でも家の中はいつでも快適な温度を保つことができる工夫がされています。
実際に桧家住宅のWバリア工法で建てた家と、一般的な断熱住宅では猛暑日の室内温度が平均5℃も違ってくるという実験結果が出ています。
猛暑に強い家を建てるためのポイント
マイホームの猛暑対策は、大事な家族を守ることはもちろん、光熱費を大幅に削減する効果も期待できます。
猛暑に負けない家づくりをするには、2つの大事なポイントがあります。
- 外気を室内に入れない
- 屋内の湿度をさげる
この2点を踏まえたうえで、猛暑に強い家づくりのポイントを解説してきたいと思います。注目すべきポイントは以下の3つです。
- 断熱材選び
- 窓選び
- 湿度にも注意する
断熱材選び
せっかく新築で建てた家なのに、室内にいても暑い・寒いというのは断熱材に問題がある可能性が高いです。
今の時代、断熱材が入ってない新築住宅なんてありませんので、考えられることは断熱性が低い素材が使われている、もしくは施工が雑で断熱材がしっかりと機能していないかのどちらかです。
ただし、断熱材がしっかり施工されていればそれで室内が涼しくなるか?と言われれば、決してそうとは言い切れません。断熱材は保温性があるので、熱が入らない工夫も必要になります。
そこで登場するのが遮熱シートです。
遮熱シートは太陽熱をはじき返す働きをしてくれるので、しっかりと施工されていれば猛暑日だって快適な室内に保つことができます。
断熱材はどのハウスメーカーや工務店でも、必ず標準仕様で設置できるのですが、遮熱シートはオプション対応という業者も少なくありません。
先に紹介した桧家住宅は、標準仕様でWバリア工法を採用しているので、泡断熱(アクアフォーム)とアルミ(アクエアーシルバー)でしっかりと家全体を包み込んでくれるつくりになっています。
出典:https://www.hinokiya-woods.com/eco/
断熱材について詳しく知りたい人は、「断熱材の種類を徹底比較」の記事もあわせてチェックしてみてください。
窓選び
断熱材と遮熱シートで猛暑対策は完璧だと思うのはまだ早いです。断熱材と遮熱シートで外気の進入を防げたとしても、まだ侵入できる場所が残っているからです。
それが窓です。夏場だと、家の中に入ってくる熱の70%~74%が窓からだと言われています。
ちなみに断熱材と遮熱シートで防げるのは屋根と外壁部分なので、ことらは全体の20%~25%程度でしかありません。
窓からの熱を室内に入れない対策としては、遮熱性が高い窓ガラスを採用することです。
今の時代、単板ガラスを採用している住宅メーカーはないと思いますが、ペアガラスを標準仕様にしている工務店などは、今でもときどき見かけることがあります。
大手ハウスメーカーなどの多くは、標準仕様で3枚ガラスのトリプルガラスを採用しているケースも珍しくありません。
ただし、窓ガラスは枚数が増えれば良いという単純なものではありません。よく耳にする言葉で「Low-Eペア(複層)ガラス」というのもがあります。
これはペアガラスの1枚を特殊加工コーティングすることで、2枚ガラスでも3枚分の断熱性を持たせることができるものです。
また最近では、ガラス層に特殊なガスを充填するタイプや真空状態にすることで、より断熱性を高めたものもあります。
そしてもう1つ、Low-E複層ガラスにも「遮熱型」と「断熱型」の2種類があります。
遮熱型は外からの熱の侵入に強く、断熱型は室内の熱が外に逃げるのを防ぐタイプです。
今回のテーマである、猛暑に強い家を考えているのであれば、価格は高くなりますが、断熱型よりも遮熱型をおすすめします。
湿度にも注意する
熱中症になるケースの多くが、湿度が高い場所に長時間いることです。気温が高いのも危ないのですが、それ以上に身体に異変を起こすのが湿度です。
機密性の高い家で、エアコンをフル稼働させておけば湿度を下げることはできますが、それでは省エネ住宅にした意味がありません。
なるべくエアコンなどに頼らず、快適な湿度を保てる家を建てるにはどうしたら良いのか?
全館空調などの換気システムに注目することと、風の通り道をしっかりと考えた間取りにしてあげることです。
簡単に言ってしまえば、家の中の空気を循環させることが大事です。
最近の住宅は高気密高断熱になり、24時間換気システムがあることで、窓をあけ屋内の空気の入れ替えをすることが減りました。
それでも空気が上手に循環する間取りを考えることで、湿度をさげるだけでなく家全体の温度差を一定に保つことにもなり、光熱費を削減することにもなるのです。
換気に関しては24時間換気システムより、全館空調システムを採用しているハウスメーカーを選ぶこと。
通気に関しては間取りを考える際にはっきりと、その旨を担当者に伝えておくことが大事です。
まとめ
今回は災害に強い家として、
- 火災に強い家
- 停電に強い家
- 台風(水害)に強い家
- 猛暑に強い家
について、それぞれの家づくりのポイントや、おすすめのハウスメーカーを紹介してきました。
「木造住宅」「鉄骨住宅」「鉄筋コンクリート(RC)住宅」であれば、あらゆる災害に対して強いのは鉄筋コンクリート(RC)の住宅です。
しかし、最近では木造住宅や鉄骨住宅でも、災害に強い外壁材や断熱材を積極的に採用することで、昔と比べてずいぶんと災害に強い家づくりができるようになっています。
また、建物ばかりに目を向けるのではなく、災害から家族を守るためには、マイホームを建てる立地も大事になります。
土地から購入する際には、営業マンに頼りっぱなしにするのではなく、自分の目と足で情報収集することも大事だと思います。
市役所の建築課や、市の土木事務所を訪ねれば、その街の災害予想マップを見せてもらうことができますし、ネットなど調べることができます。
予算 | 坪数 | こだわり |
---|---|---|
1,000~2,000万 | 30坪 | ローコスト |
3,000~4,000万 | 35坪 | 3階建て |
5,000~6,000万 | 40坪 | 地下室がある |